両家顔合わせをしないのは非常識?後悔しないための選択とは

「両家顔合わせをしないなんて非常識?」──そんな声に不安を感じて検索された方も多いのではないでしょうか。かつては“当たり前”だった顔合わせも、時代や価値観の変化により、その必要性や形が揺らいでいます。本記事では、顔合わせをしない選択肢が非常識とされる背景や、実際の実施率、顔合わせの本来の意味に触れながら、多様な事情や価値観に基づいた判断のあり方をご紹介します。

目次

1. 両家顔合わせをしないのは本当に「非常識」?

結婚を控えたカップルの中には、「両家の顔合わせって絶対必要なの?」と疑問を抱く人が増えています。特に、核家族化やライフスタイルの多様化が進む今、「顔合わせをしない=非常識」と単純に決めつけることは難しくなっています。けれども、一部の世代や地域では、今でも「顔合わせをしないなんて考えられない」といった声があるのも事実です。では、この「非常識」という感覚は、どこから生まれているのでしょうか。

1-1. 世代間ギャップが生む“非常識”という感覚

「顔合わせは当然の礼儀」と考えるのは、多くの場合親世代です。彼らの若い頃は、結納を含めた正式な手順で結婚に進むのが主流であり、両家の関係構築は家族全体の責任とされていました。そのため、顔合わせを省くことは、「相手の親を軽んじているのでは」と捉えられやすい傾向にあります。

一方、現代の若い世代では、結婚を二人だけの意思で決める傾向が強く、顔合わせや結納を省略するカップルも少なくありません。こうした背景の違いが、世代間での「常識」のズレを生み出しているのです。

1-2. 統計データから見る現代の結婚事情(結納・顔合わせ実施率)

2022年の結婚に関するトレンド調査では、次のようなデータが出ています。

  • 結納と顔合わせの両方を行った:10.5%
  • 結納のみを行った:3.4%
  • 顔合わせのみを行った:80.9%
  • どちらも行わなかった:4.8%

この数字からわかるのは、結納はかなり減ってきている一方で、顔合わせだけは今でも多くのカップルが重視しているということです。顔合わせをしない選択をする人は少数派であり、それが「非常識」と受け取られやすい理由の一つと言えるでしょう。

ただし、この4.8%という割合にも注目したいところです。確かに少数派ではありますが、現実に顔合わせをしていないカップルも存在しているという事実が、時代の変化を物語っています。

1-3. そもそも顔合わせの目的とは?なぜ重視されてきたのか

顔合わせの本来の目的は、両家の家族が初めて正式に会う場を設け、今後の関係をスムーズに築くためにあります。結婚は当事者二人だけの問題ではなく、親族関係のスタートでもあるため、「はじめまして」の挨拶を交わす場として、これまで大切にされてきました。

特に、親同士の信頼関係が築かれていれば、結婚後のトラブルも回避しやすくなると考えられてきました。また、形式にとらわれずとも、今後の冠婚葬祭や親戚づきあいの場面で、お互いの顔を知っておくことは大きなメリットになります。

1-4. 非常識と感じられるケース・感じられないケースの違い

顔合わせをしないことが「非常識」と感じられるかどうかは、状況や理由次第です。たとえば、両家の距離が遠く、日程調整が困難な場合や、親が高齢で外出が難しい場合など、合理的な理由があるケースでは理解が得やすいです。

また、オンラインでの顔合わせや、個別の挨拶を通じて代替手段を取っていれば、「ちゃんと誠意を示している」と判断されやすくなります。

逆に、「めんどくさいから」「忙しいから」といった理由だけで顔合わせを省いた場合は、相手の親に対して不誠実と捉えられやすくなります

つまり、顔合わせをしないという選択肢そのものが非常識なのではなく、その理由や代替手段に誠意が見えるかどうかが、印象を大きく左右するポイントなのです。

2. 顔合わせをしない選択肢を取る理由とは?

2-1. 地理的・時間的な制約(遠距離・海外在住など)

結婚前の顔合わせが難しくなる理由として、地理的な距離時間的な余裕のなさは非常に大きな要因です。

たとえば、カップルの一方が北海道、もう一方が沖縄、または一方の家族が海外に住んでいるケースでは、移動だけで数十万円かかることもあります。

さらに、それぞれの仕事の都合や休暇取得の難しさが重なると、日程調整すら困難になってしまいます。

特に最近では、コロナ禍以降にテレワークが浸透し、地方や海外に移住する人も増え、こうした遠距離状況が増えています。

そのため、「顔合わせをしたくても物理的にできない」という選択肢をとるカップルが少しずつ増えているのです。

2-2. 親の体調・高齢化・家族関係の複雑さ

次に多い理由として、親の体調や高齢化が挙げられます。

実際に80代の親が参加するとなると、長距離移動はリスクが大きく、無理をしてまで顔合わせをする必要があるのかという議論になることもあります。

また、親が入院中であったり、認知症などで外出が困難なケースもあります。

さらに現代では、両親が離婚していたり、再婚して新しい家族関係が築かれているなど、家族関係が複雑な事情を抱える人も珍しくありません。

そうした場合、無理に顔を合わせることでかえって関係がぎくしゃくすることもあり、「顔合わせをしないほうが穏やかに進められる」という判断がなされることもあるのです。

2-3. 再婚・高齢婚・事実婚・国際結婚など背景事情

結婚する人たちの状況も多様化しています。

たとえば、再婚高齢婚事実婚を選ぶカップルは、初婚の若いカップルのような形式にこだわらない傾向が強いです。

40代や50代で結婚する場合、両親がすでに他界していることも少なくありません。

また、国際結婚の場合、相手の家族が日本語を話せなかったり、宗教や文化の違いから、顔合わせの形そのものが馴染まないこともあります。

こうした背景を持つカップルは、形式よりもお互いの気持ちや将来設計を重視し、「顔合わせをしない」という選択がごく自然な判断になるのです。

2-4. 「ドライな関係でいい」と考える当事者同士の価値観

現代の若者の間では、結婚を「家同士のつながり」と考えない人も増えています。

特に都市部では、「結婚は当事者同士の問題」と捉え、両家の親同士が深く関わることを求めない風潮が強まっています。

親との距離感も「仲良し家族」であるより、「自立した大人同士の関係」が理想とされる傾向があります。

そのため、あえて顔合わせをせず、ドライでシンプルな関係性を維持しようとするケースも増加しています。

こうした価値観のもとでは、「顔合わせ=必須」ではなく、「無理に形式を踏まない自由なスタイル」が支持されているのです。

3. 両家の顔合わせをしないときに起こりうるトラブルとその回避策

3-1. 「挨拶がない」と親から不満が出るパターン

結婚は当人同士だけの問題ではなく、両家の家族が新たに関係を築くスタートでもあります。そのため、両家の顔合わせがない場合、「あちらの家から挨拶がなかった」「礼儀がなっていない」と親世代からの不満が噴出することも少なくありません。特に、昭和・平成初期世代の親にとっては「結婚=両家が一堂に会して挨拶するのが当然」との価値観が根強く残っているのです。

実際に、結婚情報サービスの調査(2022年)では、約81%のカップルが顔合わせのみを実施しているというデータもあります。つまり、「顔合わせをしない派」は少数派であるため、親としては「なぜうちはしないの?」と不満や疑問を抱きやすいのです。また、「こちらから挨拶しに行きたい」と意気込む親に対して、それを制止すると「拒否された」と感じられてしまい、心理的な摩擦が生まれるリスクもあります。

3-2. 後々の関係性悪化につながるリスク

顔合わせの機会を持たないことで、両家の間に誤解や距離感が生じることがあります。結婚後の冠婚葬祭や出産・育児、子育ての協力など、家族ぐるみで協力し合う場面は多々あります。そうしたときに、「まだ会ったこともない」「連絡先も知らない」関係性では、相談しづらく、協力体制が築きにくいのです。

例えば、子どもが生まれたときにお宮参りや七五三、入園式などで両家が初めて顔を合わせるようなケースでは、会話がぎこちなくなったり、無用な気疲れが生じることもあります。場合によっては、そうした場面で「なぜ今さら会うのか」と不満が再燃し、過去の顔合わせ未実施が再び問題視されることも。こうした感情のしこりが長期的な関係悪化につながる可能性は、十分に考慮する必要があります。

3-3. トラブルを未然に防ぐ伝え方と根回しのコツ

顔合わせをしない選択を取る場合、最も大切なのは親への説明と心配りです。「スケジュールが合わず難しい」「遠方に住んでいて移動が負担」など、現実的な理由を正直に伝えることが第一歩。そのうえで、「顔合わせの代わりに、ビデオ通話でご挨拶をさせてください」「後日、お手紙でご挨拶を送らせていただきます」など、代替手段を提示することが重要です。

特に親世代は「礼儀」を重んじるため、形式に代わる気遣いある言葉や態度に安心するものです。また、あらかじめ「事前にこちらの親には説明済みです」などと伝えておくと、両家間で温度差が出にくくなります。結婚後の良好な家族関係を築くためには、顔合わせをしない場合こそ丁寧な根回しが欠かせません。

3-4. まとめ

両家の顔合わせをしないことは、必ずしも非常識ではありません。しかし、「しない」という選択には、相応の準備と配慮が必要です。特に親世代への説明不足や対応の不備は、将来的な関係の悪化や信頼の損失に直結するリスクを孕んでいます。

トラブルを避けるためには、代替手段を活用し、丁寧な説明と気遣いを忘れないことが大切です。「形式にこだわらずとも、心を尽くす」姿勢があれば、顔合わせなしでも良好な関係を築くことは十分に可能です。

4. 顔合わせの代替となる選択肢とアイデア

両家の顔合わせが難しいと感じる理由は、距離や体調、仕事の都合、親の性格などさまざまです。それでも「非常識」と見られるのでは、と不安になる方は多いでしょう。ですが、時代とともに形も柔軟に変わってきており、実際に顔合わせをしなかったカップルは全体の4.8%存在します。ここでは、そんなご家族同士の交流をスムーズに行うための代替手段をご紹介します。それぞれの状況に合わせて選べるよう、4つの方法に分けて詳しく解説します。

4-1. オンライン顔合わせ:準備とマナー

近年増えているのが、ZoomやGoogle Meetなどを活用したオンライン顔合わせです。遠方に住んでいたり、高齢のご両親が移動できない場合に、非常に効果的な手段です。実施前には、通信環境や機材の準備が重要です。インターネット回線が安定している場所で行い、スマートフォンよりもパソコンの利用が望ましいでしょう。

服装は画面越しでも清潔感が伝わるセミフォーマルを意識します。また、会話の進行役をあらかじめ決めておくことで、スムーズに自己紹介や両家の紹介ができます。一方通行にならないように、話題リストやスケジュール表を作っておくのもおすすめです。

最後には記念写真としてスクリーンショットを撮るなど、オンラインならではの工夫を盛り込むことで、温かい時間を演出できます。

4-2. 動画メッセージ・手紙・電話での紹介法

どうしても顔を合わせるのが難しい場合、動画メッセージや手紙といった非対面での紹介方法も選択肢になります。例えば、新郎新婦がそれぞれの家に向けてご両親の紹介を行う動画を作成し、USBメモリやクラウドを通して届けます。表情や声が伝わるので、手紙よりも親しみやすく、緊張も和らぎます。

また、電話でのあいさつも意外と多く使われている方法です。特に年配の方にとっては、手紙や電話が一番気持ちが伝わりやすいと感じられることもあります。電話をかける際には、事前に時間を約束しておくことで、相手の都合を尊重する姿勢を示せます。

これらの方法は簡単で柔軟性も高いため、「会わないこと」への罪悪感を軽減しながら、心のこもった挨拶ができる手段として非常に有効です。

4-3. 両家別々に訪問する「分割挨拶」

「一堂に会するのは難しいけれど、きちんと挨拶はしたい」という方には、両家別々に挨拶に行く“分割挨拶”という選択肢があります。これは、新郎新婦がそれぞれの両親と会う形で、同じ週末などに別々に訪問するというものです。

例えば、土曜日に新郎の実家を訪問し、翌日は新婦の家族に会うというスケジュールです。こうすることで、親御さんの移動の負担も軽減されますし、家庭ごとの会話や雰囲気を大切にできます。

重要なのは、お互いのご両親が“対等に扱われている”と感じられるように配慮することです。訪問時間の長さや手土産の有無などを揃えておくと、どちらかが軽視されたように感じることを防げます。

4-4. 結婚式や食事会を「事後フォロー」として活用する方法

「とりあえず先に結婚式を挙げて、落ち着いてから両家の交流を」と考えるカップルも増えています。この場合、結婚式や披露宴、もしくはその後の会食を利用して、あらためて両家の紹介やご挨拶を行うのがポイントです。

結婚式当日は忙しくてじっくり話す時間が取れないこともあるため、二次会的な場や、数週間後に「家族のみの食事会」を設定すると良いでしょう。この方法なら、フォーマルすぎず、自然な雰囲気でお互いを知る時間が持てます。

加えて、結婚式後には写真アルバムや動画を編集して、それを通じてお互いの様子を伝えるのもおすすめです。会えなかった分、「知ってもらう」「感じてもらう」努力をすることで、心の距離を縮めることができます。

4-5. まとめ

「顔合わせをしない=非常識」という価値観は、もはや絶対ではありません。大切なのは、形式にとらわれることではなく、家族としての関係を築こうとする気持ちをどう伝えるかということです。

オンライン、手紙、分割訪問、そして式後のフォロー。それぞれにメリットがあり、工夫次第で気持ちのこもった交流は実現可能です。状況や家族の性格に合わせて柔軟に選び、「私たちらしいスタイル」で結婚の第一歩を踏み出しましょう。

5. 体験談に学ぶ:顔合わせをしなかった人たちの声

結婚に向けて両家の顔合わせをするのが「常識」と思われがちですが、実際にはさまざまな事情からそれを行わないカップルも増えてきています。

ここでは、顔合わせをしなかったことでトラブルを回避できたケースや、逆に後悔した体験など、実際の声を通じて、顔合わせの意味を考えていきましょう。

5-1. 実例①:顔合わせなしでも問題なかった夫婦の工夫

東京都在住の30代女性Aさんは、パートナーの仕事が多忙でスケジュール調整が難しく、顔合わせを行わないまま結婚しました。

両家には事前に丁寧な電話連絡を行い、お互いに「こういう事情なので」と理解を得たとのこと。さらに、結婚式当日に親族紹介の時間を設けることで、初対面ながらも自然な交流の場を作ることに成功したそうです。

「最初は親も驚いていましたが、『今はそういう時代かもね』と受け入れてくれました」とAさん。

実はこのように、結婚式での挨拶やオンラインミーティングなどを通じて顔合わせを代替するケースは、近年増加しています。

2022年の調査でも、顔合わせのみを行ったカップルが全体の80.9%であった一方、どちらも行わなかったケースも4.8%にのぼります。

この数字は「非常識」ではなく「選択肢の一つ」であることを示しているのではないでしょうか。

5-2. 実例②:結婚後に顔合わせして関係改善したケース

大阪府のBさん夫婦は、結婚時には両家が遠方に住んでいたこともあり、事前の顔合わせを見送りました。

結婚後しばらくして親戚の法事をきっかけに両家が初対面となりましたが、当初はややぎこちない空気が漂ったといいます。

しかし、会話を重ねていくうちに共通の趣味や話題が見つかり、徐々に距離が縮まっていきました。

Bさんは「顔合わせを後回しにしても、会ったタイミングで誠意を込めて紹介すれば関係は築ける」と振り返ります。

現代は、家族構成も関係性も多様化しており、タイミングや形式に縛られず、柔軟な対応が求められる時代です。

結婚という節目において大切なのは、形式ではなく、お互いの家族を尊重しようとする気持ちなのかもしれません。

5-3. 実例③:顔合わせをしなかったことを後悔した人の声

一方で、「やっぱり顔合わせしておけばよかった」と語るのは、愛知県のCさんです。

Cさんは両家ともに口数が少なく、遠慮がちな性格だったため、顔合わせを省略しました。

ところが結婚後、親同士の間で「こちらから挨拶に行くべきだったのでは」「一言ほしかった」と、ちょっとした誤解やわだかまりが生まれてしまったといいます。

「形式だけでも、会って紹介しておくことには意味があったと感じました」と話すCさん。

やはり、直接顔を合わせることで生まれる信頼感や安心感は、メールや電話では補いきれない部分があります。

特に親世代にとっては、「けじめ」の一つとして顔合わせを重視する傾向があるため、後悔しないためにも、最初に一度、顔を合わせる機会を設ける努力はしておくと良いでしょう。

6. 両家顔合わせに関するよくある質問(Q&A)

6-1. 顔合わせを断られたらどうする?

顔合わせを提案したにもかかわらず、どちらかの親から「今回は遠慮しておきたい」「特に必要とは思わない」と断られることがあります。そのようなとき、まず大切なのは無理に押し切らないことです。

背景には、体調不良・高齢・再婚家庭の事情・人付き合いの苦手意識など、さまざまな理由があるかもしれません。親の立場や性格を理解し、理由をよく聞いた上で代替案を一緒に考える姿勢が重要です。

たとえば、どうしても対面が難しいならオンライン顔合わせ(ZoomやLINEなど)で柔軟に対応するカップルも増えています。食事会という形式にこだわらず、「家族紹介」という最低限の機会だけでも設けるだけで、お互いに安心感が生まれやすくなります。

また、断られたからといって「非常識だ」「愛情がない」と決めつけないようにしましょう。顔合わせを行わないカップルも、実際には全体の約5%(2022年の調査)いることから、無理に慣習に合わせなくても良い場合もあるのです。

6-2. 顔合わせしないと結婚式や新生活に支障が出る?

結論から言えば、絶対に支障が出るとは限りません。ただし、顔合わせがないことで、今後の家族間の認識や温度差にズレが生じやすくなる可能性はあります。

たとえば、結婚式当日に初めて両家の親同士が顔を合わせると、お互いに気を遣いすぎてしまい、リラックスした雰囲気にならないことがあります。また、新居の準備や将来的な孫育てのサポートなどでも、親同士が打ち解けていないと協力体制が築きにくくなるケースもあるのです。

そのため、形式的な食事会でなくても、カジュアルな挨拶だけでも事前にしておくことが理想的です。具体的には、「お礼の電話」「結婚報告の手紙」「親を交えたビデオ通話」など、方法はいくらでも工夫できます。

「しないとダメ」という決まりはありませんが、“後々のために”少しだけ労力をかけておくことで、思わぬトラブルを防ぐことができるのです。

6-3. お互いの親の温度差がある場合の調整法は?

結婚に対する考え方、家族行事への関わり方には、どうしても親の世代・育った地域・家族構成による「温度差」があります。

例えば、新婦側の親は「きちんと挨拶をしたい、正式に食事会を開いてほしい」と望んでいても、新郎側の親は「堅苦しいことはしたくない、自由にさせてあげたい」と言うこともあります。このようなすれ違いがあるときは、「自分たちが中心になって調整役を担うこと」がとても大切です。

具体的な方法としては、まず両親それぞれに個別で話を聞き、どこまでが譲れるのか、どこがこだわりなのかを整理します。その上で、お互いの意見を尊重しつつ、中間点を見つけるようにします。

例えば、「正式な会食は難しくても、結婚式の前に10分だけでも顔を合わせられる機会を設けよう」「手土産交換だけでもしておこう」といった、“ちょうどよい距離感”を提案すると、親たちも納得しやすくなります。

ポイントは、どちらかに偏るのではなく中立な立場でバランスを取ること。そして、なるべくカジュアルに、過度な緊張や負担をかけない形に調整していくことが、双方にとって優しい選択となります。

7. 両家との関係をスムーズに築くためのポイント

7-1. 相手の親への礼儀を忘れずに:最低限のマナー集

たとえ顔合わせを正式に行わないとしても、礼儀と気遣いは絶対に欠かせないポイントです。現代では、さまざまな理由で顔合わせが難しいケースが増えています。しかし、だからといって何の挨拶もないまま結婚を進めてしまうと、「非常識だ」と感じる親世代も少なくありません

例えば、ビデオ通話を使った挨拶や、手紙を通じた丁寧な自己紹介など、対面以外の手段でもしっかりと誠意を伝える方法があります。事前に「このような事情でお会いできないのですが」と一言添えるだけで、印象は大きく変わるものです。また、相手の両親に渡すちょっとした贈り物(地域の名産品や季節の挨拶品)も心配りとして効果的です。

つまり、形式的な顔合わせができない場合でも、相手の親への敬意と配慮はしっかりと形にして伝えることが、これからの両家の関係づくりには不可欠です。

7-2. 当事者が調整役になる心構え

「両家顔合わせをしないなんて非常識?」と感じられる背景には、親世代の価値観の違いが強く影響しています。このギャップを埋めるためには、当事者である新郎新婦が積極的に動いて、両家の橋渡し役になる意識を持つことが大切です。

たとえば、片方の親が「顔合わせをしないなんて非常識だ」と思っていても、もう一方が「特に必要ない」と考えている場合、そのすれ違いを調整するのは子どもたちの役割です。そのためにも、どちらの意見も尊重しながら、双方が納得できる方法を一緒に模索する姿勢が求められます。

このとき、「なぜ顔合わせが難しいのか」を正直に伝えることも信頼を築く一歩になります。たとえば、距離的に困難だったり、仕事の都合で時間が取れなかったり、家庭の事情があったりといった説明を具体的にすると、理解を得られやすくなります。両家の理解と協力が得られたうえで進める結婚は、長期的に良好な関係を築く土台となります。

7-3. どこまでを「家族の儀式」と捉えるかを話し合おう

そもそも、「顔合わせ」とは何のために行うのかを明確にすることが大切です。それは、両家がこれから親族として長く付き合っていくための最初のきっかけとなる儀式です。

しかし、現代のように多様なライフスタイルが尊重される時代では、「顔合わせ=正解」とは限りません。実際に、2022年のある結婚調査では、「結納も顔合わせもしなかった」というカップルが約5%いたというデータもあります。一方で、約80%のカップルが何らかの形で顔合わせのみを行っていることも見逃せません。

つまり、「家族としての儀式」をどの範囲で行うかは、それぞれの価値観と状況によって異なります。ここで重要なのは、どのような形であれ、両家が納得できる形を二人で話し合って決めること。形式にこだわらず、気持ちが伝わる方法を選ぶことこそが、本当の意味での「家族になる準備」と言えるでしょう。

8. まとめ:顔合わせをしない選択を後悔しないために

「両家の顔合わせをしないなんて非常識では?」と感じてしまうのは、ごく自然な不安です。
特に親世代の考え方に触れる機会が多いと、形式や習慣にこだわる傾向があるため、より一層そのプレッシャーを感じてしまうものです。
ですが、今の時代では、必ずしも「顔合わせ=常識」ではないことも事実として広まりつつあります。

2022年のトレンド調査によると、「顔合わせを行ったカップル」は約81%にも上りますが、逆に言えば、約5%のカップルは「顔合わせも結納も行っていない」という選択をしています。
この数字は、「顔合わせなし」の選択がごく少数派ながらも、決してゼロではないことを示しています。
また、遠距離や多忙、家庭環境の複雑さなど、顔合わせが難しい事情を抱えるカップルも増えており、その背景には柔軟な価値観の広がりが見て取れます。

では、顔合わせをしなかったことに後悔しないためには、どのような準備が必要でしょうか。
まず第一に大切なのは、「しないこと」ではなく、「しない代わりに何をするか」という視点です。
たとえば、ビデオ通話での挨拶や、結婚式での家族紹介を丁寧に行う、あるいは両家に向けた手紙やメッセージカードを用意するといった工夫が考えられます。

もう一つ、後悔しないために必要なのが、家族との丁寧なコミュニケーションです。
顔合わせをしない事情をあらかじめ説明し、「お互いを大切に思っている」という姿勢を伝えることが、信頼と安心感を生む鍵になります。
形式よりも気持ちを重視した対応をすれば、多くのケースで家族の理解は得られるものです。

最後に、顔合わせをする・しないに関わらず、「これから家族になる」ことへの敬意や配慮を忘れないことが、何よりも大切です。
たとえ顔を合わせる機会がなかったとしても、思いやりと誠意を持って接すれば、良好な関係は築いていけます。
選択に正解はありませんが、「自分たちにとってベストな形」を考える姿勢こそが、最も誠実な在り方なのです。