申し込み申込みの違い、正解はどっち?

「申し込み」と「申込み」、そして「申込」——どれを使うのが正しいの?そう悩んだことはありませんか?実は、これらはすべて意味が似ているようで、使う場面や文脈によって正解が異なるんです。本記事では、これら3つの表記の違いを丁寧に解説しつつ、迷いやすい使用シーンでの正しい使い分け方を紹介します。

目次

1. はじめに:なぜ「申し込み」「申込み」で迷うのか?

1-1. 表記揺れにモヤモヤする理由

たとえば履歴書を書いていて「申し込み書?申込み書?それとも申込書?」と、どれが正解かわからなくなって手が止まったこと、ありませんか?こんなふうに「もうしこみ」という言葉は、場面によってさまざまな漢字表記があるから迷っちゃうんです。

実は、こうした迷いの原因は「送り仮名のルール」が複雑であいまいに見えるからなんですね。特に、「申し込み」「申込み」「申込」など、似たような言葉が並ぶと違いがわかりにくく、不安になってしまいます。

さらにやっかいなのは、どれを使っても「一応は正しい」場合もあるということ。使う人や文章の種類、公的か私的かによっても、ベストな表現が変わるんです。

つまり、「正しい日本語を使いたい!」と思って調べてみても、答えが一つじゃないから、むしろ混乱することが多いのです。

1-2. 結論を先に!ざっくり正解まとめ

ここでまず、「申し込み」「申込み」「申込」ってどれを使えばいいの?」という疑問に、ざっくり答えちゃいますね

●基本ルール(私文書)
・名詞として使うとき:「申し込み」または「申込み」
・動詞として使うとき:「申し込む」または「申込む」
・慣用的なセット(書類名など):「申込書」だけが正解

●基本ルール(公用文)
・名詞:「申込み」
・動詞:「申し込む」
・慣用語:「申込書」など(送り仮名を省略)

つまり、「申し込み」も「申込み」も文脈によって使えるけど、「申込」はセット(申込書など)でしか使っちゃダメ!というのがポイントなんですね。

このあと、なんでそうなるのかを詳しく説明していきますが、もし「時間がないよ〜」という方はこのまとめだけでもOK。それくらい、大事な要点をぎゅっと詰め込みました。

2. 3つの表記の意味と違いを明確にしよう

2-1. 「申し込み」「申込み」「申込」の定義

「もうしこみ」という言葉には、「申し込み」「申込み」「申込」の3つの表記があります。
でもこの3つ、いったい何がどう違うの?と戸惑ってしまうこと、ありますよね。
それぞれにちゃんと意味と使い方の違いがあるので、一緒にわかりやすく整理していきましょう。

まず基本になるのが「申し込み」です。
これは、日常の中で最もよく使われる、いわば標準的な表記。
書類への記入やイベントのエントリーなどで「申し込みをする」「申し込みました」というように使います。

次に「申込み」
「申し込み」から「申」の字だけを漢字にして、より簡潔に見えるのが特徴です。
公用文(お役所などが作る書類)ではこちらが正式な表記とされることもあります。

そして最後が「申込」です。
これは送り仮名を完全に省いたもので、「申込書」「参加申込」といった他の言葉と一緒にセットで使うときに限られて用いられます。
たとえば「申込だけ済ませた」は✕ですが、「申込書を提出した」は○というわけですね。

2-2. 語源的に分解:「申す」+「込む」の構造

「申し込み」という言葉は、実はふたつの動詞からできています。
ひとつ目は「申す」。これは「言う」の丁寧な言い方です。
「私は〜と申します」なんて自己紹介で使ったりしますよね。

ふたつ目は「込む」。これは「中に入る」とか「内部に入り込む」ことを意味します。
たとえば「電車が混み込む」なんて言い回しがありますね。

つまり、「申し込み」というのは、「自分の考えや希望などを、相手に向かって深く届ける(申し入れる)」というニュアンスが込められています。
たった4文字なのに、こんなにも意味が詰まってるなんて、ちょっと感動しませんか?

2-3. なぜ送り仮名が違うのか?その背景

送り仮名の違いには、ちゃんと国のルールが関係しています。
文化庁が定めた「送り仮名の付け方」では、「申し込み」や「申し込む」が基本形とされています。
これは、それぞれの漢字に本来ある送り仮名を正しくつけたものなんです。

でも実は、「申込み」「申込」も許容された形としてOKとされています。
つまり、「読み間違える心配がないなら、送り仮名を省略しても大丈夫ですよ〜」という柔軟なルールなんです。
特に公用文では「申込み」とすることが推奨されています。

また、「申込」は慣用的な使い方として、あるパターンだけで許されています。
たとえば、「申込書」や「参加申込」「予約申込」などのように、名詞として他の語と組み合わせる場合にだけ登場します。
それ以外で使ってしまうと、少し不自然に感じられてしまうので注意が必要ですね。

たとえば、「申込をしました」は不自然ですが、「申込書を提出しました」なら自然です。
このように、使う場面によって使い分けが大切になるんですね。

ちなみに、「申し込み」と「申込み」は、私文書ならどちらを使っても大丈夫。
ただし、公文書では「申込み」が正式ですし、組み合わせ表現では「申込」に統一されているのが現状です。
使い方に迷ったら、「これは誰が読む文書かな?」「正式な書類かな?」と考えてみると良いですよ。

3. 用途別で違う!場面別の正しい使い分け

3-1. 私文書(メール・契約書・履歴書など)での使い分け

私文書では、「申し込み」も「申込み」も、どちらも正しい使い方とされています。
これは、私文書が公的なルールに厳密に従う必要がないため、ある程度の柔軟性があるからです。
例えば、履歴書に記載する「〇〇講座の申し込み済み」や、契約書の中の「申し込み内容を確認のうえ」といった表現には、送り仮名のある「申し込み」や「申込み」を使ってOKです。

ただし、「申込」という送り仮名を省略した表記は、基本的に「申込書」などの慣用的な名詞とセットで使う場合のみに限定されます。
たとえば、「申込書を添付しました」はOKですが、「申込は完了しました」と単体で使うのはNGとされます。
これは、読み間違いのリスクを避けるためでもあります。

まとめると、私文書では次のように使い分けましょう。

  • 名詞の場合:「申し込み」または「申込み」
  • 動詞の場合:「申し込む」または「申込む」
  • 慣用名詞(書類など):「申込書」

3-2. 公文書(行政・法務・公的機関)での使い分け

公文書では厳密なルールが存在します。
内閣訓令や文化庁のガイドラインに従って、以下のような使い分けが必要です。

まず、名詞として使うときには「申込み」が正解。
これは、「し」を入れて意味が通じやすくなるためで、例えば「申込み内容」「申込み期限」などが該当します。

一方で、「申込書」などの書類名の場合は、慣用表現として送り仮名をすべて省いた「申込」とします。
これは「申込書」「申込用紙」といった表現が一般的に定着しているためです。

また、動詞として使う場合は「申し込む」が正解です。
たとえば「申込みを行う」ではなく「申し込むことができる」と表記するのが適切です。

つまり、公文書では次のように使い分ける必要があります:

  • 名詞の場合:「申込み」
  • 動詞の場合:「申し込む」
  • 慣用名詞(書類など):「申込書」

3-3. ビジネス文書で迷わないための判断基準

ビジネスの現場では、公文書ほど厳格ではないものの、読みやすさと形式の統一が求められます。
そのため、基本的には「申し込み」か「申込み」を使うと良いでしょう。

例えば、社内の報告書で「今月のキャンペーン申し込み数は…」と書く場合、「申し込み」でも「申込み」でも意味が通じます。
しかし、社外に提出する文書やメールでは、「申し込み」のほうが丁寧かつ読みやすく、無難です。

また、「申込書」や「申込期間」といった表現については、業界や企業文化に従う形で、慣用の「申込」表記を使うのが自然です。

迷ったときの判断基準は以下のとおりです。

  • 読み手が外部の人:なるべく「申し込み」で統一
  • 社内資料やメモ:文体のトーンに応じて柔軟に
  • 書類名・テンプレート名:「申込書」「申込用紙」など定型表現を使用

3-4. SNS・日常会話で「どれを使う?」問題

SNSや日常会話では、堅苦しいルールは少なく、感覚的な使い分けが多くなります。
そのため、どれを使っても間違いではありませんが、ややこしいと感じる人もいるかもしれませんね。

例えば、TwitterやLINEで「イベントの申し込み完了♪」と書くとき、「申し込み」と書けばOKですし、「申込み」でも通じます。
でも、「申込完了」となると、ちょっと堅い印象や業務的な雰囲気が出ますよね。

このような場面では、ひらがなが多めの「申し込み」が一番自然で、親しみやすく感じられることが多いです。
逆に、「申込書の提出が必要」などフォーマルな内容を伝える場合には「申込」のほうがスッキリ伝わります。

つまり、SNSでは文の雰囲気や相手に合わせて:

  • カジュアルで柔らかくしたい → 「申し込み」
  • ちょっとフォーマルにしたい → 「申込み」
  • 情報を簡潔にまとめたい → 「申込」

4. 国のルールで決まっている?公的基準から見る正解

「申し込み」と「申込み」って、どちらが正しいの?と疑問に思ったこと、ありませんか?どちらもよく見かけますが、実は国が決めたルールがちゃんとあるんですよ。ここでは、内閣告示や文化庁の資料をもとに、公的に認められている使い方をわかりやすく説明しますね。

4-1. 内閣告示「送り仮名の付け方」通則6・通則7とは

「送り仮名の付け方」は、昭和48年(1973年)に国が出した内閣告示第二号に記載されています。これは新聞や雑誌、公的文書など、社会全体で使う文字のルールを定めたもので、とても信頼性の高い資料なんです。

この中にある「通則6」では、
申し込み(活用しない名詞)」と
申し込む(活用する動詞)」という送り仮名の付け方が明記されています。つまり、「申し込み」や「申し込む」は基本の正解なんです。

でも実は、「申込み」「申込」も使ってはいけないわけではありません。通則6の「許容」により、「申し込み(申込み・申込)」というふうに、送り仮名を省略することも認められているんですよ。

ただし、注意点があります。「申込」だけは限定された使い方でしか認められていません。この理由は、次の通則7に出てきます。

4-2. 「常用漢字表」・「内閣訓令」の具体的な記述

公的な文章を書くときに使うのが、「内閣訓令第一号」(平成22年:2010年)で示された常用漢字表(別紙)です。ここには、送り仮名をどう付けるべきか、公文書でのルールが書かれています。

この中で「申込み」や「申入れ」などは、省略形として表記するよう明記されています。つまり、公文書では「申し込み」ではなく「申込み」が正しいとされているんです。

一方、動詞の場合は「申し込む」となり、途中の「し」は省かず、きちんと送り仮名を付けます。だから、「もうしこむ」のように動作を表すときは「申し込む」、「名詞」として使うときは「申込み」になるのが公的なルールなんですよ。

4-3. 文化庁・文部科学省が出す用例集から学ぶ実例

文化庁が発行している『文部省 公用文送り仮名用例集』には、具体的な言葉の使い方がたくさん紹介されています。この中でも「申し込む」「申込書」など、私たちがよく使う表現が例として登場します。

たとえば、「申込書」という形は慣用表現「申込書」が正解

また、『わかりやすい公文書を目指して』という自治体が出した手引き書でも、
「動詞のときは送り仮名を付ける」「名詞のときは省く」というルールが示されています。つまり、「申し込む」は動詞なので「し」を付けて、「申込み」は名詞なので省略してもいいというわけです。

4-4. 「名詞と動詞で送り仮名が違う」の本当の意味

ここまで読んできて、「えっ、じゃあ“申し込み”って名詞?動詞?」と混乱しちゃいそうですよね。安心してください。名詞と動詞では、送り仮名の付け方がしっかり分かれているので、それぞれ理解すればスッキリしますよ。

たとえば、「申し込む」は「動詞」なので「し」を必ず付ける必要があります。「申込み」は「名詞」なので、送り仮名を省略することが可能

さらに、「申込」は慣用表現として名詞のときだけ限定的に使える特別なパターン。「申込書」や「申込用紙」のように、他の語とセットで使われる場合のみ許されている表現なんですね。

つまり、こういうことです。

  • 申し込む(動詞)→ ◎
  • 申し込み(名詞)→ ◎
  • 申込み(名詞)→ ◎
  • 申込(名詞・慣用表現のみ)→ ◎ ※単体では不可

動詞と名詞で「送り仮名」に違いが出るのは、意味をわかりやすく伝えるためなんです。公的文書も日常生活の文書も、こうしたルールに沿って使い分けることで、誤解のない文章が書けるようになりますよ。

4-5. まとめ

「申し込み」と「申込み」、そして「申込」は、それぞれ使う場面と使い方のルールがあることがわかりましたね。

公的な基準では、次のように覚えておくと安心です。

  • 公用文での名詞は「申込み」、動詞は「申し込む」
  • 慣用表現では「申込書」のように「申込」が使われる
  • 日常文書(私文書)では「申し込み」も「申込み」もOK

どれも間違いではないけれど、正しく使い分けるとぐんと信頼感がアップします。お子さんにも教えてあげたくなるような、ちょっと役立つ豆知識でした♪

5. 実例で理解する:「申し込み」と「申込み」の使い分け

「もうしこみ」の表記って、意外と悩むことが多いですよね。でも、大丈夫!
ここでは、具体的な場面別に「申し込み」「申込み」「申込」の正しい使い分け方を、わかりやすくお伝えします。

5-1. メール:採用応募の例文で比較

たとえば、就職活動のときに企業に送る応募メールの中で「応募の申し込みをさせていただきます」と書くことがありますよね。このときの「申し込み」は名詞として使われているので、基本的には「申し込み」が正解です。

実際の例文を見てみましょう。

正しい表記:
このたび、貴社の求人に申し込みをさせていただきたく、メールをお送りいたしました。

OKな表記:
このたび、貴社の求人に申込みをさせていただきたく、メールをお送りいたしました。

NGな表記:
このたび、貴社の求人に申込をさせていただきたく、メールをお送りいたしました。

このように、「申込」は名詞の中でも慣用化した場合(申込書など)に限定されて使われるので、この場面では避けた方がいいですね。

5-2. 履歴書:文面での正しい記載例

履歴書に書く志望動機の中でも、「申し込み」の使い方がよく出てきます。ここも迷いやすいポイント。

たとえば、こんな一文。

志望動機例:
貴社の企業理念に共感し、申し込みを決意いたしました。

このときも、使われているのは名詞ですから、「申し込み」または「申込み」のどちらでも問題ありません。ただし、履歴書は私文書なので、「申し込み」と書くのが無難で丁寧です。

一方、履歴書そのものに記載されている「申込日」や「申込書」という表現になると、これは慣用化された表記のため「申込」が使われます。

例: 入社申込書 / 試験申込書

5-3. 申込書類:「申込書」だけはなぜ“申込”なのか

「申込書」だけが「申込み書」や「申し込み書」ではなく、送り仮名をすべて省略した「申込」になる理由、気になりますよね。

これは、文化庁の「送り仮名の付け方 通則7」で定められている慣用表現が関係しています。

つまり、世間一般に広く使われて定着している表記は、送り仮名を省いてもいいというルールなんです。

たとえば、次のような書類名はどこでも見かけますよね。

  • 講座申込書
  • 保険申込書
  • イベント申込書

これらはいずれも慣用化された名詞の一部であるため、「申込書」と送り仮名を付けない形が正式とされます。

「申し込み書」や「申込み書」といった表記は誤りになるので、注意しましょう。

5-4. ECサイトやフォーム入力での表記傾向

ネットショッピングや申し込みフォームでの表記にも、一定の傾向があります。

たとえば、楽天やAmazon、各種予約サイトなどでよく見かける表記は「申込内容」「申込完了」といったように、短くて視認性の高い「申込」がよく使われています。

これは、UI/UX(ユーザーインターフェースとユーザー体験)を意識した表現であり、より簡潔に、瞬時に内容が理解できることを優先しているからです。

しかし、フォームの冒頭にある「お申し込みはこちら」や「サービスの申し込みをご希望の方へ」といった文言では、「申し込み」や「申込み」と表記されることが多いです。

これは、文脈が丁寧さや信頼感を必要とする場合、「申し込み」や「申込み」がふさわしいと考えられているためです。

このように、ECサイトでは「申込」はボタンや項目名、
「申し込み」は説明文や案内文などに使い分けられている
のです。

5-5. まとめ

いかがでしたか?「申し込み」「申込み」「申込」の使い方には明確なルールがありますが、一番大事なのは「どんな場面で、どんな文体で使うか」を意識することです。

覚えておきたいポイントをおさらいしましょう。

  • メールや履歴書では「申し込み」「申込み」のどちらでもOK(おすすめは「申し込み」)
  • 「申込書」など、名詞とセットになった慣用表現では「申込」だけが正解
  • ECサイトでは「申込」は短い操作項目、「申し込み」は丁寧な案内文に使われる

これであなたも、もう「もうしこみ」の表記で迷うことはありませんね!

6. 書き間違いが多いパターンとその理由

「申し込み」と「申込み」、そして「申込」──この3つの言葉、どれが正しいのか迷ったことありませんか?
実はどれも場面によって正解になるのですが、よく見ると「これはNG」というケースもあります。
ここでは、特に間違いが起こりやすい3つのケースについて、やさしくわかりやすく解説していきますね。

6-1. 「申し込み書」「申込み書」はNG?【よくある誤記】

「申込書」ってよく見かける言葉ですよね?
実はこの表現が唯一の正解なんです。
でも、多くの人が「申し込み書」や「申込み書」と書いてしまいがち。
その理由は、「申し込み」も「申込み」も一見正しく見えるからなんですね。

でもここでポイント!
「申込」は慣用句的に使われている名詞のときだけOKというルールがあるんです。
たとえば、「申込書」「申込用紙」といった複合語の中では、「申込」と送り仮名をすべて外すのが正解。
一方で、「申し込み書」「申込み書」と書いてしまうと、正式な送り仮名ルールから外れてしまうため、避けた方がよい表現になります。

実際にGoogleで「申込み書」「申し込み書」「申込書」と画像検索してみてください。
圧倒的にヒットするのは「申込書」なんですよ。
これが社会全体で慣れ親しまれている形、つまり「慣用表現」として定着している証拠なんです。

6-2. Wordの校正機能でも指摘されない危険性

「じゃあ、Wordで赤い波線が出なければOKでしょ?」と思っていませんか?
でもこれが落とし穴なんです……!

Microsoft Wordの校正機能では、「申込み書」「申し込み書」といった表記を誤りとして検出できないことが多いんです。
なぜなら、どちらも一応「意味が通る日本語」として成立してしまうから。
でも、実際には送り仮名のルールに反しているため、正式な文書やビジネス文書では不適切となる可能性があるんですね。

Wordを使っているからといって安心せず、自分自身で「これは慣用表現かな?」と確認するクセをつけるのが大事。
「申込書」が正解なのは、文化庁の「送り仮名の付け方 通則7」でもしっかりとルール化されています。

6-3. 検索エンジンで多い表記ミスから学ぶ落とし穴

検索エンジンでも、「申し込み書」「申込み書」といったキーワードは実はよく検索されています。
これってどういうことかというと、多くの人がその使い方で迷っているってことなんですよ。

たとえば、「申し込み書」と検索すると、候補には「ダウンロード」「テンプレート」「書き方」などが出てきます。
でも、そこから表示されるファイルや画像の多くは、正しく「申込書」と表記されているんです。

つまり、検索しても間違った言葉でたどり着いているケースが多いということ。
そしてそのまま使ってしまうと、書類提出先で「おっと、これは修正が必要ですね」なんて言われてしまう可能性も……。

検索回数が多い=正しいとは限らないんです。
あくまで正確な知識を持ったうえで、「申込書」と正しく書ける人が、ひとつ上の信頼感を持たれるんですね。

6-4. まとめ

ここまでの内容をかんたんに振り返ってみましょう。
「申し込み」「申込み」「申込」には明確な使い分けのルールがあるということでしたね。

  • 「申込書」は唯一正しい慣用表現。
  • 「申し込み書」や「申込み書」はNG。Wordでもチェックされにくいから要注意!
  • 検索エンジンでよく検索される表現=正しいとは限らない

送り仮名は、ちょっとした違いでも文書全体の印象を左右する大切なポイント
しっかりと使い分けを理解して、あなたの文章力をワンランクアップさせましょう。

7. 「申込」が唯一使える場面と判断のしかた

7-1. 慣用表現として許される例(例:申込書/申込金)

「申込」という表記は、実はごく限られた特定の場面でしか使えません。
それは慣用句や定型表現として定着している言葉に限られます。
具体的には「申込書」「申込金」「申込番号」などがその代表例です。

たとえば「もうしこみしょ」と入力して画像検索してみると、圧倒的に多いのは「申込書」の表記です。
これは実務やビジネスの現場で「申込書」という書類名が長年使われており、慣用として社会に浸透しているからです。

文化庁の『送り仮名の付け方 通則7』では、このようなケースについて「慣用に従って、送り仮名を付けない」と明記されています。
つまり、「申込」という送り仮名を一切含まない形は、他の語(書、金、番号など)とセットで使う場合にだけ許容されるのです。

それゆえ、たとえば次のような例はすべて正しい使い方です。
・〇「申込書を提出してください。」
・〇「申込金は5,000円です。」
・〇「このイベントの申込番号を控えておいてください。」

反対に、「申込」の単体使用、たとえば「申込が必要です。」といった表現は不自然で誤用とされる可能性が高いので注意しましょう。

7-2. 一語として定着したケースの見極め方

では、どのようにして「申込」が一語として定着しているかを見極めればよいのでしょうか?
それには2つのシンプルなチェックポイントがあります。

1つ目は実際に世間でよく使われているかということ。
たとえば「申込書」は、行政文書や各種の申請書類、学校の入学案内など、あらゆる場所で一貫してこの表記が使われています

2つ目はGoogle検索や画像検索で確認する方法です。
「申込み書」「申し込み書」などと比較すると、「申込書」の表記が圧倒的に多いことがすぐにわかります。
このように、「頻繁に見かける=慣用として定着している」と判断できます。

また、「申込金」「申込期限」なども辞書や公文書などで繰り返し使われている実績があり、「申込」という一語が定着していると判断できます。

逆に、「申込み金」「申し込み金」などの表記がまれである場合、それらは定着していない非慣用表現と考えられるため、避けたほうが無難です。

7-3. 読み手が混乱しない書き方のコツ

「申込」「申込み」「申し込み」の違いがある中で、最も大切なのは、読み手にとってわかりやすい表記であることです。
そのためには、以下のような3つのコツを意識しましょう。

① 慣用表現には「申込」
「申込書」「申込金」など、定着した言い回しには「申込」と送り仮名をすべて省略した形を使います。
このルールに従うだけで、グッと信頼感のある文章になりますよ。

② その他の名詞には「申し込み」または「申込み」
「申込みをキャンセルする場合は…」「申し込みは先着順です」など、文中で単独の名詞として使う場合には、「申し込み」または「申込み」が適しています。
どちらでも意味は同じですが、統一感を持たせるなら、文書全体で表記を揃えることをおすすめします。

③ 読み間違いやすい表記は避ける
たとえば「申込」とだけ書いてしまうと、「しんこむ?」「さるこむ?」と誤読される可能性もあります。
特にIT関係や商品申請などでは、混乱を招くリスクがあるため注意が必要です。

文書の種類や読み手の属性に応じて、最もわかりやすく、正確に伝わる表記を選ぶことが大切ですね。

もし迷ったときは、「申込」は書類名などの定型表現にのみ使うと覚えておけば安心ですよ。

8. 視覚的に覚える!判断チャートと比較表

「申し込み」と「申込み」と「申込」、どれを使ったらいいのか迷ってしまうこと、ありますよね。
でも安心して!ここでは誰でもパッと見てすぐに判断できるチャートと、使い分けが一目でわかる比較表をご用意しました。
特に、小学生でも理解できるように、視覚的に整理していますので、ぜひ活用してくださいね。

8-1. チャートで一目瞭然!表記判断フロー

まずは、「申し込み・申込み・申込」をどう使い分けるか、判断チャートでチェックしてみましょう。
このフローに沿えば、どんな文書でも「どれを使えば正しいのか」がスッキリわかります。

▼ もうしこみ 表記判断チャート
以下のように考えてみましょう。

1. 文書は公文書ですか?
├─ はい → 2へ
└─ いいえ → 4へ

2. 使いたいのは名詞ですか?(例:申込み、申込書)
├─ はい → 「申込み
└─ いいえ(動詞) → 「申し込む

3. 複合語で慣用的な名詞(例:申込書)ですか?
└─ はい → 「申込

4. 文書は私文書ですか?(例:履歴書、契約書など)
├─ はい → 5へ
└─ いいえ → もう一度1から確認

5. 使いたいのは名詞ですか?
├─ はい → 「申し込み」または「申込み
└─ いいえ(動詞) → 「申し込む」または「申込む

6. 慣用語(例:申込書)で使うときは?
→ 「申込」だけが正解!

このように、「申込」だけは使っていい場面がかなり限定的です。
慣用句で名詞として使う場合以外は、できるだけ「申し込み」や「申込み」を使うようにしましょうね。

8-2. 【保存版】使い分け早見表(動詞/名詞/複合語)

次に、「申し込み」「申込み」「申込」を動詞・名詞・複合語使い分け早見表をご紹介します。
これを保存しておけば、もう迷うことはありません!

使用例公文書での正しい表記私文書での正しい表記備考
申込みを受け付けました申込み申し込み / 申込み名詞として使う場合
参加を申し込む申し込む申し込む / 申込む動詞として使う場合
申込書をご提出ください申込書申込書「申込」は複合語のみで使用可
申込は完了しました××単独の名詞で「申込」はNG

この表からもわかるように、「申込」は書類名などに限定される特別な表記です。
たとえば「申込書」はOKだけど、「申込みが完了しました」を「申込が完了しました」と書くと間違いになってしまうんです。

覚え方のポイントは3つです。

  • 名詞なら「申し込み」または「申込み」
  • 動詞なら「申し込む」または「申込む」
  • 「申込」は申込書などの書類名に限定!

このルールさえ覚えておけば、「もうしこみ」の表記で迷うことはありません。
学校でも、会社でも、そして大切な書類でも、自信を持って書けるようになりますよ!

9. よくあるQ&Aでスッキリ解決

9-1. Q:「申込み」と「申し込み」はどっちが堅い印象?

この2つ、ぱっと見はどちらも正しく見えますが、印象にちょっと差があるんです。
「申込み」の方が、漢字が続く分、少しかたい印象を与えます。
実はこの表記、公用文やビジネス文書でよく使われる形なんですね。
文化庁のガイドラインや公的な文書の用例でも、「申込み」は名詞としての使用が一般的とされています。
例えば、役所に提出する「参加申込み」や「登録申込み」などの書類では、きちんと感を出すためにも「申込み」と表記するのが好まれます。

一方で、「申し込み」は少し柔らかい印象を持っています。
これは特に私文書や個人向けの案内文などで多く見られます。
たとえば、お友達にイベント参加をお願いするときや、案内状に使う文では「申し込みください」と書かれていることが多いです。
やさしく親しみやすく感じられる表記ですね。

つまり、場面に応じて「申込み」と「申し込み」を使い分けるのがポイントです。
公的・ビジネス寄り→申込み/個人的・柔らかい印象→申し込みというイメージで覚えておくと、すぐに使いこなせますよ。

9-2. Q:「申込ました」は絶対NG?

はい、これは絶対にNGなんです。
「申込ました」は、日本語の文法として誤りで、正しくは「申し込みました」または「申込みました」です。
なぜかというと、「申込」は名詞であり、動詞の活用形にはなりえないからです。

ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと「申込」は単語として固まりすぎていて、動詞の「ました」に自然につながらないんですね。
実際、「申込ました」と書かれていたら、「あれっ?」と感じる方も多いと思います。
メールや書類に使うと失礼や違和感を与える表現なので、絶対に避けましょう。

正しく書くなら以下のようにします:
・イベントに申し込みました
・登録を申込みました
このように、「ました」の前にくる語は、動詞(申し込む)か、許容された名詞の活用形(申込み)である必要があります。
どちらも正しいですが、文の調子や場面に合わせて選んでくださいね。

9-3. Q:「申込みました」は公用文でもOK?

はい、「申込みました」は公用文でもOK 実は、内閣訓令や文化庁が出している文書作成ルールでは、「申込み」は名詞としての正しい使い方とされており、それをベースにした表現は認められています。

でもちょっと待ってください。
「申込みました」は「申込み+ました」という形なので、名詞に助動詞がついている 本来、「ました」を使うときは動詞 だから一番しっかりした表記は、やはり「申し込みました」または「申し込んだ」 とはいえ、現実的には、ビジネスメールや役所の案内文でも「申込みました」はよく使われているんです。
公用文に絶対のルールがあるわけではなく、ある程度の許容もされているのが実情です。

まとめると、「申込みました」は使ってもOK でも、「より確実に正しい日本語」を意識するなら、「申し込みました」や「申し込んだ」の方がより安心です。

特にかたい文書や上司・お客様への表現では、「申し込みました」が無難ですよ。

10. 書き分けで差がつく!他の送り仮名迷いやすい言葉たち

「申し込み」と「申込み」の違いで悩む人が多いように、送り仮名の付け方は、日本語の中でも特に迷いやすいポイントなんです。

ここでは、「取扱い」や「受付」、「見積もり」といった、よく目にするけれど書き方に戸惑う言葉たちを一緒に見ていきましょう。

使い分けを知っているかどうかで、文章の信頼感や読みやすさがガラッと変わりますよ。

10-1. 「取扱い」「取り扱い」「取扱」

「取扱い」と「取り扱い」、そして「取扱」。どれが正しいの?と迷いますよね。

基本は「取り扱い」です。「取り扱う」が動詞で、その名詞形が「取り扱い」なんですね。

では「取扱い」はどうかというと、これは「取り」の送り仮名を省略した形。一般社会では許容されていますが、公用文では避けるべきとされています。

さらに「取扱」はというと、これは「取扱説明書」や「取扱注意」など、慣用的な複合語の中でのみ使われるスタイルなんです。

たとえば電化製品の説明書で「取扱説明書」と書かれていたら、それは慣用表記で省略された形と考えましょう。

つまり、名詞単体で使うなら「取り扱い」が基本、省略しても意味が明確な場合は「取扱い」、慣用句的に使うときは「取扱」。

これが、書き分けのポイントです。

10-2. 「受付」「受け付け」

次は「受付」と「受け付け」。

これも送り仮名の有無で意味や使い方に違いがあるので注意です。

「受け付け」は「受け付ける」という動詞の連用形で、たとえば「申込みを受け付けます」などに使われます。

一方、「受付」は名詞化した形。「受付に名前を書いてください」などのように使われます。

つまり、動詞っぽい文脈のときは「受け付け」、場所や役割として使うときは「受付」というわけです。

ちょっとした違いだけど、読み手にはちゃんと伝わるんですよ。

10-3. 「見積」「見積もり」などの用語も合わせて覚えよう

最後はビジネスでも頻出の「見積」と「見積もり」。

これも正しく使い分けることで、文章の質がぐっと上がります

基本は「見積もり」が正しい形。動詞「見積もる」の名詞形ですね。

では「見積」はどうかというと、これは「見積書」や「概算見積」など、やっぱり慣用句として省略された形なんです。

つまり、「見積」単体で使うときはちょっと堅苦しくなりがち。普段のやり取りや社内文書では「見積もり」の方がやわらかくて自然です。

ただし、請求書や契約書などの正式文書では「見積書」などの省略形が一般的なんです。

場面によってしっかり使い分けることが、信頼感ある文書づくりの第一歩なんですね。

10-4. まとめ

送り仮名の付け方は、ただのルールに見えて、実は読み手への気配りそのものなんです。

・「取り扱い」「受け付け」「見積もり」などは基本形に送り仮名を付ける
・「取扱」「受付」「見積」などは慣用句や書類名などの中で使う略式

送り仮名を少し意識するだけで、あなたの文章がもっと読みやすく、信頼されるものに変わります。

一文字の違いが、読み手の心に届く文章になるかどうかを分ける――そう思って、今日から送り仮名にちょっぴり気を配ってみましょうね。

11. まとめ:迷わない・誤解されない表記術のために

11-1. 状況別の「最適解」まとめ

「申し込み」「申込み」「申込」――見た目は似ていても、使い方にはしっかりとしたルールがあります。
迷いやすいこの表記、じつは「使う場面」や「文書の種類」によって、正解がきちんと分かれているんです。

まず、大きな分かれ道となるのが「公文書」か「私文書」かということ。
例えば、市役所や官公庁などの公的機関が使う文書では、「申込み」や「申込」といった表記が推奨されます。
これは内閣訓令や文化庁のガイドラインによって決められているからなんです。

一方で、あなたが普段使うメールや申請フォーム、契約書などの私文書では、「申し込み」でも「申込み」でもOK
ただし注意点があります。それは「申込」という表記は、名詞として他の言葉とセットになった場合にのみ正しいということ。

たとえば、「申し込みは済ませました」と言いたいときには、「申し込み」または「申込み」が正解です。
ここで「申込」と表記してしまうと、文法的にも意味的にも誤解を招く恐れがあるんですね。

逆に、「申込書」のように名詞と組み合わせて使われる定番の表現では「申込」が正しい
これは「申込書」という言葉が日本語としてすでに慣用的に定着しているからです。
Googleで画像検索しても、「申込書」がほとんどであることからも、その一般性がうかがえますね。

まとめると、以下のようになります。
・公文書では:「申込み」「申込」など
・私文書では:「申し込み」「申込み」どちらもOK
・「申込」は「申込書」など慣用表現限定
こうして整理すると、もう迷わずに済みますね。

11-2. 読者に伝わる日本語を書くための最後のアドバイス

どの表記を選ぶにせよ、最終的に大切なのは「読み手が正確に意味を理解できるかどうか」です。
どんなに正しい表記でも、読み手が混乱してしまったら意味がありません。
だからこそ、送り仮名のルールを学ぶことは、読みやすくて親切な日本語を書く第一歩になります。

特に「申し込み」系の言葉は、事務的なやり取りや手続きに多く登場します。
履歴書、Webフォーム、講座申請、プレゼント応募など、私たちの日常に欠かせない場面ばかりです。
こうした文脈では、表記ミスひとつで「本当にこの人、ちゃんと読んでる?」と不信感を持たれることも。

そんなことにならないように、使い方をしっかり理解して、状況に応じた適切な日本語を使い分けていきましょう。

そして、最後のアドバイスはひとつだけ。
迷ったときは、「申し込み」なら間違いがない、これを覚えておけば大丈夫。
私文書なら「申し込み」、公文書なら「申込み」または「申込」。
この3つのパターンを理解しておくだけで、あなたの文章はぐっと信頼感のあるものに変わります

「もうしこみ」ひとつでこんなに奥が深い。
でも、その奥深さを知ってこそ、本当に伝わる日本語が書けるようになりますよ。