お子さまの晴れ舞台である大学の入学式――その瞬間に立ち会う保護者として、「何を着て行けばよいのか」と悩む方は少なくありません。高校までとは異なる大学の式典には、服装マナーにも見えないルールや配慮が求められます。この記事では、保護者の立場で知っておきたい服装の基本から、母親・父親それぞれの装いのコツ、大学ごとの雰囲気に合った選び方まで、具体例を交えてわかりやすく解説します。
1. 大学入学式を控える保護者がまず知るべきこと
1-1. 大学入学式は“親にとっても最後の式典”
子どもが大学に合格したときの喜びは、これまでの入学とはまた違った感慨があります。
長かった受験生活を乗り越え、晴れて大学生になる姿を見守るその日、大学の入学式は保護者にとって「最後の入学式」とも言える大切な節目です。
小学校、中学校、高校と続いてきた入学式ですが、大学を最後に式典として保護者が同席する機会は、基本的に終わりになります。
そのため、「絶対に出席したい」と考える親御さんは非常に多く、実際に多くの母親・父親が参加しています。
子どもが主役の式典ではありますが、親としても節目をしっかり見届け、人生の一コマをともに刻むことが大切なのです。
だからこそ、当日の服装選びにも心を込めたいところです。
1-2. 高校までと大学では何が違う?服装マナーの変化
大学の入学式の服装は、高校までとは少し雰囲気が異なります。
これまでの入学式では「明るくて清楚」「セレモニーらしい華やかさ」などが重視されていましたが、大学の入学式ではより落ち着いた、きちんと感のあるスタイルが好まれる傾向にあります。
特に母親の服装は、黒やネイビー、グレーといったダークカラーのスーツが主流です。
実際の式場では9割以上のお母さんがスーツスタイルで参加しており、着物はごく少数。
着物も素敵ではありますが、「頑張り過ぎて見える」と感じられることもあるため、大学の雰囲気に合わせて選ぶのがポイントです。
一方、父親の場合はダークスーツ一択といっても過言ではありません。
黒や濃紺、ダークグレーなどが最適で、明るすぎるスーツは少数派です。
場にそぐわない印象を与えないよう、節度ある服装を心がけましょう。
ネクタイは明るい色でもOKですが、渋めの色を選ぶと落ち着いた印象になります。
1-3. 「浮かない・目立たない・清潔感」3原則とは
大学の入学式での服装を考えるとき、何よりも意識したいのが「浮かない」「目立たない」「清潔感がある」という3つの原則です。
特に大学は多様性がある場である反面、保護者同士の比較対象にもなりがちです。
そのため、派手すぎる服装や高級ブランドが前面に出るようなアイテムは控えるのが無難です。
母親の服装で言えば、ライトグレーやベージュなどの明るい色味も悪くはありませんが、実際には黒やグレーのスーツに淡色のコサージュをつけて華やかさを演出するのが一般的です。
アクセサリーはパールのネックレスがフォーマル感を出してくれます。
バッグは黒のフォーマルバッグが基本ですが、少しカジュアルでもシンプルな革のバッグならOKです。
目立つブランドロゴが入ったものは避けましょう。
靴はつま先の隠れた黒やベージュのパンプスが安心です。
父親の場合も、スーツの色は控えめに。
靴は黒の革靴を合わせ、落ち着いた印象を大切にしてください。
服装だけでなく姿勢や振る舞いも大切です。
大学入学という晴れ舞台にふさわしい、誠実で品のある態度を心がけましょう。
2. 保護者の服装に求められる“暗黙のルール”とは
2-1. 保護者の服装は「式の格式」を反映する
大学の入学式は、親にとっても子どもにとっても最後の入学式になることがほとんどです。
だからこそ、そこで着用する服装には、知らず知らずのうちに「式の格式」を映し出す役割があるのです。
実際、会場にいる保護者のほとんどが、落ち着いた色味のフォーマルスーツを選んでいます。
母親であれば、黒・濃紺・グレーなどのダーク系スーツが中心です。
そこにコサージュやパールのアクセサリーを添えて、華やかさを加えるのが一般的なスタイルです。
父親の場合も同様に、ダークスーツに控えめな明るさのネクタイを合わせるスタイルが多く見受けられます。
子どもの晴れ舞台にふさわしい姿勢として、服装を通じて「お祝いの気持ち」と「敬意」を示すことが求められているのです。
2-2. 大学の雰囲気によって服装も変えるべき?
一口に「大学」といっても、その雰囲気はさまざまです。
例えば、早稲田大学や慶應義塾大学のように歴史と伝統を重んじる大学では、フォーマル度の高い服装がより求められる傾向があります。
一方、芸術系の大学や自由な校風で知られる大学では、ややカジュアル寄りのスタイルでも浮かないことがあります。
そのため、事前に大学の公式サイトで過去の入学式の写真を確認するのがおすすめです。
また、同じ大学に子どもを通わせている知人がいれば、率直にアドバイスを求めるのもよいでしょう。
着物を選ぶ人もいますが、大学によっては“やりすぎ”感が出てしまうこともあるため、注意が必要です。
あくまで重要なのは、「その大学の空気感に合っているかどうか」です。
服装は、自分の気持ちと大学の雰囲気を結びつける“橋渡し”のようなものと考えると良いでしょう。
2-3. SNS時代の今、服装は“映えるより調和”
今はSNSで入学式の様子を簡単にシェアできる時代です。
そのため、つい「映える服装」で目立とうとしてしまいがちですが、実はこれは逆効果になることもあります。
目立つことが悪いわけではありませんが、大学の入学式では“調和”が最も大切です。
たとえば、ブランドロゴが大きく入ったバッグや派手なデザインのスーツなどは、ほかの保護者とのバランスを乱してしまい、「浮いてしまう」リスクがあります。
写真や動画に残るからこそ、後から見返したときに“あのとき、ちょうどよかったね”と思えるような、上品で控えめな装いを意識しましょう。
アクセサリーや小物も主張が強すぎないものを選ぶと安心です。
派手さではなく、しっかりとした装いと落ち着きこそが、SNS時代にふさわしい服装マナーと言えるでしょう。
3. 【母親編】大学入学式にふさわしい装いと選び方
3-1. スーツ派が8割!「無難だけど浮かない」選び方
大学の入学式では、約8割の母親がスーツを着用して参加しています。これは小中高校の入学式と大きく変わるものではありませんが、大学という場はよりフォーマルな雰囲気が強くなるため、より落ち着いた装いが求められます。
色は黒・グレー・ネイビーといった落ち着いたカラーが人気ですが、春らしさを意識してライトグレーやベージュを選ぶ方もいます。特に大学の式典会場は広く、保護者の人数も多いため、無難な色味で統一感を持たせると安心です。
着物を避けてスーツを選ぶ理由として、「頑張りすぎて見える」「周囲と浮く」といった声もあり、やはり控えめながら上品なスーツが最も安心できる選択といえるでしょう。
3-2. 色・素材・デザインで失敗しないコーディネート例
入学式のスーツ選びでは、色・素材・デザインのバランスがとても大切です。まず色に関しては、黒やネイビーなどのダークトーンで引き締めた印象を作りながら、コサージュなどで華やかさをプラスするのが定番です。
素材は、光沢感のあるツイル素材や、春らしい柔らかいウール混などが人気です。ポリエステル主体のスーツでも、シワになりにくく、きれいなシルエットが出るのでおすすめです。
デザインとしては、テーラードジャケット+膝丈スカートのセットアップが王道ですが、パンツスーツを選ぶ方も年々増えています。「きちんと感」は保ちつつ、動きやすさや体型カバーにも配慮できる点が好評です。
大切なのは、自分の年齢・体型・雰囲気に合ったスーツを選ぶことです。シンプルでも、しっかりアイロンの効いたきれいな着こなしであれば、それだけで好印象につながります。
3-3. コサージュ・パール・ストッキング:マナー小物完全ガイド
服装だけでなく、小物選びも入学式では大きなポイントです。まず、胸元にはコサージュをつけるのが一般的なマナーです。白や淡いピンク、ラベンダーなどのパステルカラーを選ぶと、顔周りが華やかになり、写真映えも良くなります。
アクセサリーは、一連のパールネックレスが最もフォーマルで上品とされています。イヤリングやピアスも、小ぶりなパール系で統一すると全体のまとまりが生まれます。
足元はナチュラルカラーのストッキングが基本です。黒のストッキングは喪の場を連想させるため避けましょう。また、パンプスは3~5cm程度のヒールがある、つま先の隠れたタイプを選ぶとバランスが良くなります。
バッグは、黒やベージュなどシンプルなデザインのものが適しています。あまりにも派手なブランドロゴ入りやカジュアルすぎるバッグは、浮いてしまう可能性があるので注意しましょう。
3-4. 着物という選択肢:成功例と失敗例から学ぶ判断軸
着物を選ぶ母親もいますが、着物は慎重に検討するべき選択肢です。実際に大学の入学式会場では、全体の1割にも満たない人数で、会場の雰囲気によっては「浮いてしまう」こともあります。
成功例としては、落ち着いた色合いの訪問着に控えめな帯・草履を合わせたケースがあります。その場合、大学の式典が格式高く、保護者も和装を好む雰囲気であったことが背景にあります。
一方で失敗例として、「せっかくの着物が目立ちすぎた」「周囲の視線が気になった」といった声も。このような事態を避けるためには、事前にその大学の雰囲気や過去の入学式写真をリサーチすることが欠かせません。
もし着物を選ぶ場合は、自己主張にならない控えめなコーディネートを心がけると安心です。
3-5. スーツを新調するべき?それとも再利用?
「新しいスーツを買うべきか、それとも手持ちのスーツで間に合うのか」と迷う方も多いかもしれません。基本的には、手持ちのスーツでも問題ありません。ただし、次のポイントに注意してください。
・体型が変わっていないか
・シルエットが古臭く見えないか
・年齢に合った雰囲気か
・着用時に気になる部分がないか
もしどれかに引っかかるようであれば、思い切って新調するのも選択肢です。入学式だけでなく、今後の卒業式・結婚式・仕事のフォーマルシーンなどにも使える1着を選べば、長く活用できます。
デパートや専門店では、年齢・シーンに応じたスタイリング提案を受けられるので、納得のいく1着を選ぶためにも一度相談してみるのも良いでしょう。
4. 【父親編】大学入学式における“地味すぎない”正装術
大学の入学式は、子どもにとってはもちろん、保護者にとっても大きな節目です。特に父親の服装は「地味にしすぎず、かといって浮かない」絶妙なバランスが求められます。ここでは、実際の入学式に出席する父親たちの傾向やマナーを踏まえたうえで、落ち着きと華やかさを兼ね備えた正装術を詳しく紹介します。
4-1. スーツ・ネクタイ・シャツの鉄板カラーと組み合わせ
父親の基本は、黒・ネイビー・チャコールグレーといったダークカラーのスーツです。このような色は、格式ある場にふさわしく、他の保護者とも調和しやすいため、最も無難かつ安心して着用できる選択肢です。
ただ、無難すぎると“地味すぎる”印象になりかねません。そのためには、ネクタイとシャツで適度なアクセントを加えるのがコツです。ネクタイは薄いブルーやシルバー、グレーのストライプなど、控えめな華やかさを意識しましょう。派手すぎない光沢感があるものは、入学式という慶事にふさわしく、スーツに明るさをプラスしてくれます。
シャツは基本的に白無地がベストですが、うっすらと織り柄の入ったシャツや淡いブルーのシャツも人気です。清潔感と格式を保ちつつ、若干の個性を出すにはぴったりです。
4-2. 革靴・腕時計・カバン:細部で印象が決まる
足元や小物こそ、大人の“品格”を左右するポイントです。まず革靴は黒の内羽根式のストレートチップが基本。磨き上げられた革靴は、全体の印象を引き締めてくれるため、スーツにぴったりと合います。
次にカバン。入学式には書類や記念品などを持ち帰る場面もあるため、ビジネス感のあるレザーブリーフケースが好印象。色は黒やダークブラウンが無難で、ブランドロゴが目立たないシンプルなデザインが望ましいです。
最後に腕時計。スマートウォッチではなく、クラシックなアナログ時計を選ぶことで、スーツとの統一感が出ます。金属ベルトか革ベルトかは好みによりますが、派手なカラーやスポーツタイプは避けたほうが安心です。
4-3. NG例から学ぶ「浮いてしまう父親の服装」
「これだけは避けたい」失敗例を知っておくことで、好印象な服装選びがしやすくなります。まずNGなのは、明るすぎるスーツやカジュアルなジャケットスタイル。ベージュやライトグレーのスーツは、式典会場では目立ちやすく、悪目立ちする可能性が高いため避けましょう。
また、ネクタイのキャラクターデザインやビビッドカラーも入学式には不向きです。大学生の父親としての品位を保つためには、シンプルで上品な柄を選ぶのがベストです。
意外と見落とされがちなのが靴とカバン。スニーカーやトートバッグなどのカジュアルアイテムは、他の保護者の目にもつきやすく、違和感を与えやすいため注意しましょう。
さらに、スーツのサイズ感も非常に重要です。肩が落ちていたり、丈が長すぎたり短すぎたりするスーツは、だらしなく見えてしまいます。特に久々にスーツを着る方は、事前に一度試着して鏡で確認することを強くおすすめします。
4-4 まとめ
大学の入学式は、子どもにとって新しい門出であると同時に、親としての姿勢も試される場面です。父親の服装は、フォーマルでありながら地味すぎず、清潔感と気品があることが求められます。
ダークスーツをベースに、ネクタイとシャツで軽やかさを出しつつ、靴や腕時計、カバンで全体のバランスを整えることがポイントです。
最後の入学式にふさわしい装いで、晴れの日を迎えてください。きちんと準備をすることで、お子さんにも誇らしい思い出として残ることでしょう。
5. 【大学別】入学式の雰囲気と服装傾向
5-1. 早慶・MARCH・関関同立など私立大学の傾向
私立大学の入学式では、保護者の服装に「程よい華やかさとフォーマルさ」が求められる傾向があります。特に早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学、同志社大学、関西学院大学などでは、厳粛な式典であると同時に、華やかさも重視されるのが特徴です。
母親の装いとしては、落ち着いた色合いのスーツ(黒・ネイビー・グレー)に、淡い色のコサージュやパールのアクセサリーを合わせるスタイルが主流です。特にMARCHや関関同立では、卒業式ほど硬くない一方で、カジュアルすぎる服装は浮いてしまうため注意が必要です。
スーツの色は、ライトグレーやベージュなどの明るめの色でも問題ありませんが、実際には暗めの色を選ぶ方が多数派です。コサージュやバッグ、靴といった小物で華やかさをプラスすることで、品位を保ちつつ季節感を演出できます。
父親の服装は、ダークスーツに控えめな明るいネクタイが基本です。早慶など伝統ある大学では、写真撮影が多いため清潔感のあるクラシックな装いが求められます。
5-2. 東大・京大など国立大学の特徴と服装感覚
東京大学や京都大学といった国立の名門校では、式典自体は比較的シンプルかつ落ち着いた雰囲気で行われる傾向があります。そのため、保護者の服装も控えめかつフォーマルを重視するのがポイントです。
母親の装いは、黒やダークグレーなどの落ち着いた色味のスーツが好まれます。コサージュやパールのアクセサリーは着けても差し支えありませんが、華美になりすぎないことが重要です。大学の方針として過度な演出を好まない場合もあるため、品良くまとめることを意識しましょう。
また、東大では学生本人がカジュアルな格好をしてくることも多いため、保護者側が極端に格式ばった服装をしていると、やや浮いてしまうこともあります。「控えめなフォーマル」を意識することで、全体のバランスが取れるでしょう。
父親は、無地のダークスーツに淡色のネクタイが一般的です。特に写真に映ることも意識して、ジャケットやシャツにシワがないように気をつけましょう。
5-3. 地方大学・専門職大学・芸術系大学の注意点
地方大学や専門職大学、芸術系大学の場合は、その大学独自の校風や文化により服装の空気感がかなり異なるため、事前の情報収集がカギとなります。
地方大学では、保護者の出席率が低めな場合もあり、式典自体がコンパクトに行われるケースもあります。したがって、あまりにも格式ばった服装よりも、控えめなセミフォーマルが馴染みやすいでしょう。特に地域密着型の大学では、落ち着いた服装が好印象です。
一方、専門職大学(看護系、情報系、観光系など)では、実務教育に力を入れている分、式典も実直で質素に行われる傾向があります。この場合、保護者の服装も「誠実さ」が伝わる清楚なスーツスタイルが適しています。
芸術系大学では独自の雰囲気があるため、多少個性がある服装でも許容されやすい反面、親としてあまりにも奇抜な格好は避けるべきです。着物で出席される方も一部いますが、スーツの方が圧倒的に多いため、周囲から浮かない装いを心がけましょう。
どの大学であっても、大学の公式サイトや過去の入学式写真を確認したり、在学生の保護者に聞くことで、服装のヒントを得られます。特に地域性や学科の特色が服装にも影響するため、十分なリサーチが重要です。
6. 保護者の年齢・体型・役割別おすすめコーデ
6-1. 50代・60代母親向け:落ち着きと品格を両立
50代・60代の母親が大学の入学式に出席する際には、落ち着きと上品さを意識したコーディネートが最も重要です。人生経験を重ねた年齢だからこそ、若々しさよりも信頼感と品格を感じさせるスタイルが好印象を与えます。
おすすめなのは、グレーやネイビーなどの落ち着いた色味のフォーマルスーツです。ジャケットとスカート、またはパンツスーツのセットアップに、淡いピンクやシャンパンカラーのブラウスを合わせると、顔まわりが明るくなり、写真写りも良くなります。さらにパールのネックレスや、コサージュで適度に華やかさを加えるのがポイントです。
スーツは体型に合ったものを選ぶことで、きちんと感が増します。体のラインが出にくいボックスシルエットのジャケットや、Aラインスカートなどを選べば、体型カバーにもなります。靴は黒やグレージュのパンプス、バッグは黒のフォーマルバッグが無難です。
注意点としては、派手すぎる色や過剰なブランドアピールを避けること。「頑張りすぎた印象」にならないよう、自然な品の良さを大切にしましょう。
6-2. 一人で出席 vs 両親揃って出席時の服装バランス
保護者が一人で出席する場合と、両親揃って出席する場合では、服装のトーンバランスに少し工夫が必要です。
まず、母親一人で出席する場合は、全体的にフォーマル感を重視したスタイルが基本です。黒・ネイビー・グレーのスーツを中心に、コサージュやパールなどの小物で華やかさをプラスすることで、地味になりすぎないように調整しましょう。
一方、父母が揃って出席する場合は、お互いの服装トーンに差がありすぎないように配慮することが大切です。たとえば、父親が黒のスーツを着用するのであれば、母親もそれに合わせて同じくダークトーンのスーツを選ぶと統一感が出ます。
また、父親が明るめのネクタイを選ぶ場合は、母親も淡い色味のブラウスやコサージュで柔らかさを加えると、全体のバランスが整います。夫婦としての落ち着きあるペアスタイルが、まわりにも好印象を与えるでしょう。
6-3. 祖父母・兄弟が同行する場合の全体コーデの工夫
祖父母や兄弟姉妹が同行する場合には、全体の服装に統一感をもたせることが大切です。
まず祖父母に関しては、フォーマルかつ動きやすさを重視したスタイルがおすすめです。男性であればダークスーツに控えめなネクタイ、女性であれば落ち着いた色味のジャケットとスカートのセットアップが良いでしょう。80代以上など高齢の場合は、和装より洋装の方が移動や会場での座り心地も快適です。
兄弟姉妹が同行する場合、特に中高生以上の子どもたちにはセミフォーマルな服装を選ばせましょう。男子であればブレザーとスラックス、女子であればワンピースやジャケットスタイルが望ましいです。
全体として、「バラバラ感」を避け、同系色のアイテムでまとめるのがポイントです。たとえば、家族全員がネイビーやグレーをベースにした服装で揃えれば、写真に写ったときの印象もすっきりします。
また、ブランドロゴが目立つバッグや派手なカラーのアイテムは避けるようにし、格式を感じさせる控えめな装いを意識しましょう。入学式という場にふさわしい家族のまとまりが、お子さんの門出にふさわしい印象を与えてくれるはずです。
7. 入学式当日、服装以外で気をつけたいポイント
大学の入学式は、保護者にとっても節目のイベントです。服装選びはもちろん重要ですが、それだけでは完璧とはいえません。当日は、立ち居振る舞いや持ち物、そして移動時のマナーにも気を配る必要があります。お子さんが新しい環境に踏み出す大切な日に、親としての振る舞いが問われる場面でもあるのです。
7-1. 会場での立ち居振る舞いと写真撮影マナー
大学の入学式では、式典の進行中は厳粛な雰囲気が保たれます。このような場では、私語を慎み、スマートフォンは必ずマナーモードに設定しておきましょう。
写真撮影についても、つい感極まって連写してしまいたくなる気持ちは理解できますが、フラッシュの使用は控えるのが基本です。また、他の保護者や学生の動線をふさぐような場所での撮影や、舞台に近づきすぎる行為も避けましょう。式典終了後に指定された撮影エリアで、落ち着いて写真を撮ることをおすすめします。
式中の静寂を保つことは、他の参加者に対する礼儀であり、お子さんの晴れ舞台を尊重する意味でも大切です。大学という新たな門出にふさわしい、大人のマナーを意識しましょう。
7-2. 雨の日・気温差に備える服装と持ち物の工夫
春とはいえ、大学の入学式は3月末〜4月上旬に行われることが多く、天候が不安定な時期です。当日の天気予報を事前に確認し、気温や雨に備えた準備を怠らないようにしましょう。
例えば、レインコートや晴雨兼用の折りたたみ傘は必需品。駅から会場までの道が舗装されていない場合もあるため、靴は滑りにくい素材のパンプスや防水加工されたフォーマル靴を選ぶと安心です。
気温が低めの日には、スーツの上から羽織れるトレンチコートや、きちんと感のあるウールコートがおすすめです。会場内は空調が効いていても、長時間の待機で体が冷えることもあるため、カイロをバッグに忍ばせておくのも一案です。
また、スーツに合わせやすい色合いの上品なストールを1枚持っておくと、体温調整に役立つうえ、フォーマル感も損ないません。
7-3. 移動・受付・座席配置で見られる“保護者の姿勢”
大学のキャンパスや式典会場は広大で、移動距離が長くなる場合があります。そのため、時間に余裕を持って出発することが何より重要です。遅れてしまうと、お子さんの心配を増やすだけでなく、周囲にも迷惑をかけることになります。
受付では、案内の指示に従い、静かに行動することが求められます。大学によっては保護者の座席が事前に指定されていることもあるため、案内係の方の説明をよく聞いて行動しましょう。
座席では、身だしなみを整えた姿勢を保つことが大切です。姿勢よく座ることで、自然と周囲への印象も良くなりますし、お子さんの同級生や教職員の目にも親としての品位が映るものです。
また、配布された資料などは乱雑に扱わず、丁寧にカバンにしまうなど、小さな所作にも気を配りましょう。これらすべてが、「信頼できる保護者像」につながっていきます。
7-4. まとめ
入学式当日は、服装の準備だけでなく、立ち居振る舞いや気候への備え、時間管理、マナーすべてが「親としての品格」を映し出す場面です。
事前に確認を怠らず、天候に応じた持ち物を整え、他の保護者や大学関係者に対しても思いやりを持った行動を意識しましょう。
その一つひとつの所作が、お子さんにとっての「誇れる親」としての姿に映るはずです。大学生活のスタートを、親子で穏やかに、そして晴れやかに迎えましょう。
8. 先輩保護者に聞いたリアルな声とアドバイス
8-1. 「これを着て正解だった」実例5選
実際に大学の入学式に参加した保護者からは、「これで良かった!」という声が多数寄せられています。以下の5つの実例は、服装選びに悩む方への参考になるはずです。
1. ライトグレーのパンツスーツ+白のブラウス+コサージュ
派手すぎず、地味すぎず、写真映えも良好との声多数。特に春の入学式にぴったりで、明るい印象を与えることができたとのこと。
2. 黒のノーカラージャケット+ベージュのスカート+パールネックレス
落ち着きと清潔感を兼ね備えたコーディネート。「大学生の親」としての信頼感を与えられたと好評。
3. 紺のワンピース+ベージュのジャケット+控えめなピンクのコサージュ
柔らかい雰囲気を演出でき、他の保護者とも好印象で話しやすい空気になったというエピソードも。
4. ダークグレーのセットアップスーツ+シルバーカラーのバッグ
目立ちすぎず、式典にふさわしい引き締まった印象に。子どもからも「落ち着いていて良かった」と褒められたそうです。
5. 黒のスーツ+パールの3連ネックレス+ナチュラルベージュのパンプス
「全体のバランスが良く、親戚にも安心して写真を見せられた」という声もありました。服装に迷った場合の王道スタイルです。
8-2. 逆に後悔した「服装の失敗談」
先輩保護者の中には、準備不足や判断ミスで後悔したという方もいます。その具体例を知ることで、自分の選択に活かすことができます。
1. 派手なブランドバッグで浮いてしまった
「明らかにハイブランドと分かるバッグで行ったところ、周囲からの視線が気になった」という後悔談。大学入学式では控えめな装いが無難です。
2. 明るすぎるピンクのスーツで目立ちすぎた
「若作りに見られた」との声。大学入学式では、上品な印象を重視すべきとの学びがあったそうです。
3. 着物を着たが、場にそぐわなかった
特別な思いで着物を選んだものの、他の保護者が全員スーツで浮いてしまったとのこと。事前に大学の雰囲気をリサーチする重要性を痛感したそうです。
4. スーツが古くてサイズが合わなかった
「高校の入学式で着たスーツを出してみたが、体型が変わっていて不格好だった」との声。試着は必須です。
5. 黒ストッキングで重たい印象に
フォーマルすぎて卒業式のような雰囲気になってしまったという体験談。ナチュラルカラーのストッキングが基本です。
8-3. 子どもから見た「理想の親の服装」とは?
意外にも、子どもたちは親の服装をしっかり見ています。大学生になっても、「恥ずかしくない格好で来てほしい」という声は多く聞かれました。
特に男子学生からは、「落ち着いた色合いで、派手じゃないのがいい」という意見が目立ちます。黒やグレーのスーツに、ほんの少しアクセントを加える程度が理想的とのこと。
女子学生からは、「華やかすぎないけれど、清潔感と品のある装いをしてほしい」との要望が多く、「友達にも紹介できるような服装だとうれしい」といった声も。
さらに、「親の服装が整っていると、自分もシャキッとした気持ちになる」という意見もありました。服装は親子のメンタルにも影響を与えるということですね。
反対に、「頑張りすぎて着物を着てきた母が、周りと浮いていてかわいそうだった」という声や、「ブランドものを身に着けすぎて目立っていた父が少し恥ずかしかった」という本音も。
親として、子どもの晴れ舞台に恥をかかせないよう、控えめで品のある装いを意識したいですね。
9. まとめ:悩まず迷わず、“場にふさわしい”服装で最良の一日に
大学の入学式は、保護者にとっても子どもの人生の節目に立ち会う、かけがえのない一日です。親として誇らしい瞬間を迎えるからこそ、服装に悩むのは当然のこと。しかし、実際の会場を見てみると、その“正解”は意外とシンプルです。大切なのは、「場にふさわしい装いであること」に尽きます。
お母さんの場合、もっとも一般的なのは落ち着いた色味のスーツです。実際には、黒やグレーなどのダークカラーを選ぶ方が多く、コサージュやパールネックレスで品よく華やかさを加えるのがポイントとされています。小物やバッグ、靴などもフォーマル感を意識しながら、全体のバランスを整えることで、安心して式典に臨めるでしょう。
また、お父さんにとってもスーツは必須アイテムです。黒や紺、ダークグレーなどの落ち着いた色合いに、ネクタイで少し明るさを取り入れることで、控えめながらもしっかりとした印象を与えることができます。靴は黒の革靴で決まり。フォーマルな装いで、子どもを見守る姿勢を形にすることが何より大切です。
大学によってはカラーや雰囲気が異なるため、事前に写真や口コミで雰囲気をリサーチするのもおすすめです。これまでの入学式よりも、より大人らしい、フォーマルなムードが求められるのが大学入学式。その場にふさわしい装いを選ぶことで、自分自身も胸を張って参加でき、子どもにとっても誇らしい存在になれるはずです。
最後の入学式という特別な時間を、落ち着きと華やかさを両立させた装いで迎えましょう。スーツやアクセサリーを新調するかどうか迷ったときは、「この先も使えるか?」を基準に選ぶと無駄がありません。これまで子どもの成長を見守ってきた証として、堂々とした姿で参加することで、心から思い出に残る一日になるでしょう。