刑事になるには?必要なステップと現実的なキャリアパスとは

「刑事になるには何をすればいいのか?」と検索したものの、ドラマのイメージしか分からず、最短ルートや現実の働き方まで具体的に知りたいと感じていませんか。

本記事では、刑事になる王道ルート(警察官採用から交番勤務、講習・推薦まで)と、警視庁・県警の違い、配属後のリアルな業務内容やタイムラインを整理します。

目次

1. まず結論:刑事になる最短ルートと「できること/できないこと」

まずいちばん大事なことからお話しするね。
刑事になるための近道はありません。
そして、最初から「刑事」として採用されることも、基本的にはありません。
刑事になりたいなら、まずは「警察官」になることがスタートラインなんだよ。
テレビドラマみたいに、いきなり私服で捜査を始める、なんてことは絶対にないんだ。
ここをきちんと理解しておくことが、とても大切なんだよ。

1-1. 採用は「警察官」から(最初から刑事枠は基本なし/例外:財務捜査官など)

都道府県警察の採用試験には、大きく分けて「警察官」と「一般行政職員(事務職)」しかありません。
「刑事採用」という枠は存在しません。
だから、「刑事になりたいのですが、どこの試験を受ければいいですか?」という質問は、少しズレているんだよ。
答えはシンプルで、「警察官採用試験を受ける」が正解なんだ。

もちろん、例外がまったくないわけではありません。
たとえば「財務捜査官」など、専門性の高いごく一部の特別枠は存在します。
でもこれは本当に例外的な存在で、ほとんどの人には関係がないと考えていいよ。
基本はあくまで「警察官」として採用されることなんだ。

そして、警察官として採用されると、まずは警察学校に入校します。
ここで法律や捜査の基礎、職務質問の方法、体力訓練などを学ぶんだ。
でもね、どれだけ優秀な成績で卒業しても、いきなり刑事にはなれないんだよ。
ここはしっかり覚えておこうね。

1-2. 王道ルート:警察官→警察学校→交番(地域課)→(捜査)講習/推薦→刑事課配属

では、実際の王道ルートを順番に説明するね。
まずは警察官として採用。
次に警察学校を卒業。
そのあと、警察署に配属されて制服で交番勤務(地域課)になるんだ。

ここがとても大事なんだけど、刑事になるにはまず交番でしっかり実績を積むことが必要なんだよ。
職務質問の実績。
交通違反の取り締まり。
日々の勤務態度。
そして何より、上司や同僚からの評判。
これらが評価されるんだ。

刑事になるためには、「刑事(捜査)講習」を受けなければならないんだ。
でも、この講習は誰でも行けるわけじゃない。
1つの警察署で年間1人か2人程度しか行けない、とても狭き門なんだよ。
希望しても、成績が悪かったり評判がよくなかったりすると、行かせてもらえないこともある。

さらに、申請が通っても安心はできない。
書類選考や面接で落ちることもあるんだ。
そして講習は約1か月間。
最後には試験と職場実習がある。
ここでの評価が悪いと、「あいつは使えない」というレッテルを貼られてしまい、その署では刑事課に入れないこともあるんだ。
一度悪い評価がつくと、異動後も影響する可能性が高い。
とてもシビアな世界なんだよ。

刑事になれるまでの期間は人それぞれだけど、ある例では、警察学校卒業後3年3か月で巡査部長になり、その1年9か月後に刑事になったケースがある。
つまり約5年かかっているんだ。
巡査のままで最短なら約3年とも言われているけれど、それはかなり優秀で評判も良い場合だよ。
簡単ではないけれど、努力すれば道は開けるんだ。

1-3. 警視庁と県警で違う点(例:講習制度の有無、推薦の仕組み)

ここで大事なポイントがあるよ。
実は、警察組織は全国で同じ仕組みとは限らないんだ。
たとえば、警視庁では刑事になるために「講習制度」がある。
でも、県警の中には講習制度がなく、上司の推薦だけで刑事になれるところもあると言われているんだ。

つまり、「どこの警察に入るか」によって、刑事までの道のりが少し変わる可能性があるということなんだよ。
講習が必須なのか。
推薦が中心なのか。
制度の細かい運用は組織ごとに違いがある。

だからこそ、「刑事になりたい」と思ったら、自分が受ける予定の都道府県警察の仕組みをきちんと調べることが大切なんだ。
思い込みで進むと、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかもしれないからね。

そして最後にもう一つ。
刑事はかっこいい仕事だけれど、決して楽な仕事ではない。
非番でも帰れないことがある。
前日の朝から一睡もできないことも珍しくない。
変死体の取り扱いに何時間もかかることもある。
小さな子どもの司法解剖に立ち会うこともある。
刑事になるには、強い覚悟が必要なんだ。

でもね、それだけ大変だからこそ、大きなやりがいと達成感があるんだよ。
誰かの人生を守る仕事。
被害者のために本気で動く仕事。
それが刑事なんだ。

刑事を目指すなら、まずは警察官になること。
交番勤務で信頼と実績を積むこと。
講習という狭き門を突破すること。
そして何より、覚悟を持つこと。
この順番を、しっかり胸に刻んでおこうね。

2. 「刑事」とは何か:私服警察官との違いを先に整理

「刑事になりたい」と思ったとき、まず知ってほしい大事なことがあります。 それは、私服で働いている警察官が全員「刑事」ではないということです。 ドラマの影響で「スーツを着ていればみんな刑事」と思ってしまいがちですが、実際の現場ではきちんと役割が分かれています。

警察官として採用されると、まずは警察学校に入校し、卒業後は交番勤務からスタートします。 どんなに成績が優秀でも、いきなり刑事になることはできません。 その後、実績や評判、警察学校の成績などが評価され、ごく限られた人数だけが「刑事(捜査)講習」に進むことができます。

そして講習を修了し、さらに現場で認められてはじめて刑事課に配属されるのです。 つまり、刑事とは警察官の中でも選抜された捜査専門の担当者なのです。

2-1. 刑事課/生活安全課/組織犯罪対策課/公安(係)の違い

私服警察官にはいくつかの部署があります。 代表的なのが「刑事課」「生活安全課」「組織犯罪対策課」「公安係」です。 それぞれの役割をやさしく整理してみましょう。

刑事課は、刑法犯のうち公然わいせつを除いたほぼすべての犯罪を扱います。 殺人や強盗、窃盗、詐欺など、いわゆる「事件らしい事件」を担当するのが刑事課です。 また、被害届を受理して本格的な捜査をするのも基本的には刑事課です。

生活安全課は、風俗営業関係や少年事件、サイバー犯罪など、地域の安全を守る分野を担当します。 万引きや痴漢などの軽微な事件を扱うことも多いです。 ただし私服であっても、生活安全課員は「刑事」ではありません。

組織犯罪対策課は、暴力団などの組織犯罪を専門に扱います。 暴力団員が関わる事件では、被害届の受理や捜査を行うこともあります。 いわば「対組織犯罪のプロ集団」です。

公安係は、テロや国家の安全に関わる事案などを扱います。 政治団体や過激派の動向を把握するなど、表に出にくい活動が中心です。 公安講習もあり、内容は刑事講習と大きくは変わりませんが、目的が異なります。

このように、私服=刑事ではありません。 刑事とは刑事課員のことを指す、これをまず覚えておきましょう。

2-2. 刑事課が扱いやすい事件例(殺人・強盗・窃盗・詐欺・横領・恐喝・贈収賄 等)

刑事課が扱う事件の中心は「刑法」に書かれている犯罪です。 たとえば、殺人、強盗、窃盗、詐欺、横領、恐喝、贈収賄などがあります。 これらの多くには必ず被害者が存在するという特徴があります。

だからこそ、被害届を受理して捜査を進めるのは刑事の重要な役割です。 交通事故で車にひかれた場合に交通課へ被害届を出すことはできません。 被害届を本格的に受理して捜査するのは、基本的に刑事なのです。

ただし、ドラマのように毎日逮捕や取調べをしているわけではありません。 実際の仕事はデスクワークが非常に多く、捜査報告書の作成、証拠品のスマートフォン解析、銀行取引明細の入力などに丸一日かかることも珍しくありません。 作成する書類はざっと300種類前後ともいわれています。

また、取調べのテクニックは学校ではほとんど教わりません。 禁止行為についての教養はありますが、「どうやって落とすか」といった技術は現場で先輩から学びます。 刑事は経験で育つ職業なのです。

2-3. 刑事課が扱う“特別法”の例(公職選挙法/入札談合等関与行為防止法/特殊開錠用具所持禁止法 など)

刑事の仕事は刑法だけではありません。 実は、さまざまな特別法違反も担当します。

代表的なものが公職選挙法違反です。 選挙運動の買収や違法なポスター掲示などは刑事が取り締まります。 選挙期間中は特に神経を使う分野です。

ほかにも、入札談合等関与行為防止法違反のような官製談合に関する事件、特殊開錠用具所持禁止法違反のようにピッキング工具の所持を規制する法律違反もあります。 これらは知識がないと扱えない専門性の高い分野です。

さらに、食中毒事件なども刑事が扱います。 一見、保健所の仕事のように思えますが、刑事責任が問われる場合には捜査対象になります。 刑事は幅広い法律知識を求められるのです。

2-4. 「変死」が刑事業務に入る理由(医師の死亡診断書が出ないケースの対応)

刑事の仕事で避けて通れないのが「変死」です。 変死とは、病院で医師に看取られて亡くなったケースではなく、自宅や屋外で死亡状態で発見された場合をいいます。

この場合、医師が通常の死亡診断書を書けません。 そこで警察が現場状況や遺体の外傷などを確認し、事件性があるかどうかを判断します。 殺人や保護責任者遺棄致死、死体遺棄などの可能性を慎重に見極めるのです。

変死の取り扱いは非常に重い責任を伴います。 1体の対応に何時間もかかることがあります。 司法解剖や新法解剖に立ち会うこともあります。

ゴミ屋敷の中で貴重品や鍵を探すこともあります。 腐敗が進んだ遺体や、列車事故で損壊した遺体に向き合うこともあります。 小さな子どもの解剖に立ち会うこともあります。

「変死を扱いたくなければ刑事になってはいけない」と言われるほど、刑事と変死は切っても切れない関係にあります。 命に向き合う覚悟がなければ務まらない仕事なのです。

3. 刑事の種類:配属先で仕事が激変する(目指し方も変わる)

ひとことで「刑事」といっても、みんなが同じ仕事をしているわけではありません。
実は、配属される係や課によって、毎日の仕事内容も、身につけるべき知識も、覚悟すべき大変さも大きく変わります。
そしてね、どの分野を目指すかによって、警察官になってからの努力の方向も変わってくるのです。
刑事になるには、まず警察官採用試験に合格し、警察学校を卒業し、交番勤務を経験し、そのうえで刑事(捜査)講習に選ばれる必要があります。
しかも、1つの警察署で年間1人か2人しか行けない狭き門です。
だからこそ、「どんな刑事になりたいのか」を早い段階で意識することが、とても大切なのです。
ここでは、刑事の主な種類と、それぞれの特徴をわかりやすく説明していきますね。

3-1. 係・分野の全体像(強行犯/盗犯/知能犯/性犯罪/少年/鑑識 など)

刑事課が担当するのは、基本的に刑法犯(※公然わいせつを除く)です。
そして多くの事件には「被害者」が存在します。
被害届を受理して捜査を進めるのは、原則として刑事の仕事なのです。

強行犯は、殺人・強盗・放火など、凶悪で重大な事件を扱います。
遺体の取り扱い、いわゆる「変死」も刑事の重要な仕事です。
病院で看取られたわけではない死亡事案では、事件性があるかどうかを慎重に判断します。
腐敗が進んだ遺体や、電車事故で損壊の激しい遺体を扱うことも珍しくありません。
司法解剖や新法解剖に立ち会うこともあり、人の命と真正面から向き合う分野です。

盗犯は、窃盗や侵入盗などを担当します。
防犯カメラ映像の回収、聞き込み、足取り捜査など、地道な積み重ねがものをいいます。
事件発生翌日も、朝から映像回収や報告書作成に追われることになります。

知能犯は、詐欺・横領・背任など、お金や契約をめぐる犯罪を扱います。
銀行の取引明細を何百ページも入力し、会計帳簿を読み込み、証拠となるデータを分析します。
丸一日、部屋から出ずにパソコンと向き合うことも珍しくありません。
派手な逮捕シーンよりも、圧倒的にデスクワークが多いのが特徴です。

性犯罪少年事件を担当する係もあります。
被害者の心のケアに配慮しながら慎重に捜査を進めなければなりません。
特に少年事件では、更生を見据えた対応も求められます。

また、鑑識は現場で指紋や足跡、遺留品を採取し、科学的に証拠を固める専門分野です。
刑事課員とは役割が違いますが、事件解決には欠かせない存在です。

3-2. 本部系の例:警視庁「刑事部捜査第一課(強行犯)」と「捜査第二課(知能犯)」のイメージ

都道府県警の中でも、警視庁のような大規模組織では、本部の刑事部に専門課が置かれています。
たとえば刑事部捜査第一課は、殺人や強盗などの強行犯を担当します。
重大事件が発生すれば、所轄署と連携し、大規模な捜査本部が立ち上がります。
緊張感のある現場対応と、迅速な判断力が求められる世界です。

一方、刑事部捜査第二課は、詐欺や横領などの知能犯を中心に扱います。
本庁舎(霞が関)には告訴・告発を受け付ける聴訴室があり、弁護士が持参する告訴状について「受理すべきかどうか」を厳しく判断します。
どこを重視するのか、どこに問題があるのかを見抜く専門性が求められます。
書類の完成度が低ければ、簡単には受理されません。
つまり、法律知識だけでなく、実務的な視点が必要なのです。

本部系は専門性が高く、長年の経験と実績がものをいう世界です。
交番勤務からコツコツ実績を積み、講習で評価され、現場で信頼を得た人だけが進める道なのです。

3-3. 現場系の例:機動捜査隊(機捜)・鑑識課・科学捜査研究所との連携ポイント

事件が発生すると、まず現場に急行するのが機動捜査隊(機捜)です。
初動対応のスピードが命で、犯人の逃走経路を追い、聞き込みを行います。
ここでの動きが遅れると、解決が遠のいてしまいます。

現場では鑑識課が指紋やDNAなどの証拠を採取します。
さらに高度な分析は科学捜査研究所が担当します。
刑事は、これらの専門部署と連携しながら、証拠と供述を組み立てていきます。

そして忘れてはいけないのが、「変死」対応です。
事件性があるかどうかを判断するため、現場確認、ご遺体の確認、遺族対応、貴重品確認など、多くの作業が発生します。
1体の取り扱いに何時間もかかることは珍しくありません。
前日の朝から一睡もしていないこともあるのです。
刑事は、体力と精神力の両方が求められる仕事なのです。

3-4. 「知能犯(告訴・告発)」に行きたい人が先に身につけるべき知識(銀行取引明細・会計帳簿 等)

もしあなたが、将来知能犯捜査に進みたいなら、今のうちから準備できることがあります。
それは、お金と書類に強くなることです。

実際の捜査では、銀行の取引明細を細かく入力し、不自然な資金移動を洗い出します。
会計帳簿を読み込み、売上や経費の流れを分析します。
スマートフォンのデータ解析も行います。
つまり、地道なデスクワークの積み重ねなのです。

また、告訴・告発事件では、「どこが犯罪構成要件に当たるのか」「証拠は十分か」を冷静に判断します。
受理するかどうかの判断は、とても厳格です。
だからこそ、民法・刑法・会社法の基礎知識、簿記の知識、文章作成能力を磨いておくと大きな武器になります。

刑事講習に行くためには、交番勤務で実績を上げ、上司や同僚から信頼されることが大前提です。
警察学校の成績は定年まで人事記録に残ります。
そして講習後も、試験や職場実習で評価が低ければ刑事課に入れないこともあります。
だからこそ、日々の積み重ねが未来を決めるのです。

刑事は華やかに見えるかもしれません。
でも実際は、書類は300種類前後にも及び、変死対応や徹夜の捜査が続く厳しい世界です。
それでも、人のために本気で戦いたいと思うなら、その覚悟があなたを強くしてくれます。
どの分野に進みたいのかを考えながら、今日から一歩ずつ準備していきましょう。

4. タイムライン:最短3年〜“現実的”モデルまで(目安を把握する)

刑事になりたいと思ったとき、いちばん気になるのは「いったい何年かかるの?」ということだよね。

ドラマみたいに、いきなり刑事として採用されることはありません。

警察官として採用され、警察学校を卒業し、交番勤務からスタートするのが全員共通の道です。

しかも、どんなに成績が良くても、卒業直後に刑事になることはできません。

まずは刑事(捜査)講習に行く必要があり、この講習に行ける人数は1つの警察署で年間1〜2人程度という、とても狭い枠なのです。

だからこそ、タイムラインを正しく知っておくことが大切です。

ここでは、最短モデルから現実的なモデル、そして遅れてしまうパターンまで、具体的な数字を交えてわかりやすく説明していきますね。

4-1. 最短ルートの目安(巡査のまま捜査に近づくケース)

まず、いちばん早いケースからお話しします。

警察学校を卒業し、交番勤務でしっかり実績を積み、巡査のまま刑事講習に推薦されるパターンです。

目安としては最短で約3年程度と考えられています。

ただし、これは本当に優秀なケースです。

警察学校での卒業試験順位は人事記録に定年まで残ると言われています。

つまり、スタート地点からすでに評価は続いているのです。

さらに、交番勤務では職務質問の件数や交通違反の取り締まり実績、事件処理能力などが見られます。

実績が悪ければ、いくら「刑事になりたい」と希望しても講習に行かせてもらえません。

そしてもうひとつ大事なのが評判です。

上司や同僚から「あいつは信頼できる」と思われていなければ推薦は通りません。

講習自体も書類選考や面接があり、通過しなければ受講できません。

約1か月の講習を受け、最後には試験と職場実習があります。

実習での評価が悪いと、「使えない」というレッテルを貼られ、刑事課に入れてもらえない可能性もあります。

だから、最短3年というのは、実力・評判・タイミングのすべてがそろった場合の話なのです。

4-2. 昇任絡みのモデル(例:巡査部長試験を挟む4〜5年イメージ)

次に、より現実的なモデルです。

巡査部長試験に合格してから刑事になるパターンです。

ある元刑事のケースでは、警察学校卒業後3年3か月で巡査部長に昇任し、その1年9か月後に刑事になっています。

合計で約5年です。

もし巡査部長試験に一発合格していれば、トータル約4年で刑事になれた計算になります。

このモデルはとても現実的です。

なぜなら、階級が上がることで責任や信頼度も増し、刑事講習への推薦が通りやすくなるからです。

もちろん、昇任すれば自動的に刑事になれるわけではありません。

しかし、「昇任している」という事実そのものが、能力や努力の証明になります。

刑事の仕事は、約300種類前後の書類を扱うとも言われるほど、デスクワークも多いです。

変死の取り扱い一つでも数十種類の書類があります。

こうした事務処理能力や判断力を考えると、ある程度経験を積んでから刑事になるほうが、実はスムーズなことも多いのです。

だから「4〜5年で刑事」というのは、決して遅いわけではなく、むしろ堅実なルートだと言えます。

4-3. 遅れる典型パターン(枠・評判・実績・タイミング)

ここはとても大事なお話です。

刑事になれない、または大きく遅れてしまう人には共通点があります。

まず最大の壁は枠の少なさです。

1署あたり年間1〜2人ということは、希望者が多ければそれだけ競争が激しくなります。

次に評判です。

講習を終えても、実習での評価が悪いと刑事課に入れてもらえないことがあります。

その署で入れなかった場合、定期異動後の別の署でも入れない可能性が高いと言われています。

これはかなり厳しい現実です。

さらに実績不足も大きな原因です。

職務質問や検挙実績が乏しい、仕事への姿勢が消極的、こうした評価は確実に影響します。

そして最後がタイミングです。

推薦が出せる年に優秀な先輩がいれば、自分は翌年以降に回ることもあります。

刑事講習は刑事だけでなく、公安講習、組対講習、生安講習、白バイ講習などと枠を分け合うこともあります。

つまり、「実力があれば必ずすぐなれる」という単純な世界ではないのです。

だからこそ、焦らずに地道に実績を積み、信頼を勝ち取り続けることがいちばんの近道になります。

刑事は、変死の対応や司法解剖の立ち会いなど、精神的にも体力的にも重い仕事を背負います。

帰宅が夜中になることも珍しくありません。

40歳を過ぎて体力的に厳しくなり、交番勤務に戻る人もいる世界です。

それだけに、組織は「本当に覚悟のある人」を慎重に選ぶのです。

4-4. まとめ

刑事になるまでの期間は、最短約3年、現実的には4〜5年が一つの目安です。

でも、年数だけを見てはいけません。

大切なのは、警察学校での成績、交番での実績、上司や同僚からの信頼、そして講習での評価です。

枠は少なく、競争は激しく、講習後も安心はできません。

それでも刑事になりたいと思うなら、その覚悟こそが第一歩です。

タイムラインを知ることは、夢をあきらめるためではありません。

どう努力すれば近づけるかを知るためです。

今日からの一つ一つの仕事が、未来の刑事バッジにつながっているのです。

5. まずは警察官になる:採用試験の選び方(警視庁/道府県警)

「刑事になりたい!」と思ったら、まず知っておいてほしいことがあるよ。
それは、最初から“刑事”として採用される試験はないということなんだ。
各都道府県警察の採用試験は、「警察官」と「一般行政職員(事務職)」に分かれていて、刑事という区分は存在しないんだよ。
つまり、刑事を目指すなら、まずは警察官採用試験に合格し、警察学校を卒業し、交番勤務からスタートする必要があるんだ。
どんなに成績優秀でも、いきなり刑事課に配属されることはないんだよ。
ここを勘違いすると、スタート地点でつまずいてしまうから、しっかり理解しておこうね。

5-1. 受験先の決め方(勤務地・異動範囲・キャリアの広がり)

警察官採用試験は、警視庁(東京都)か、各道府県警察を受験することになるよ。
ここで大切なのは、「どこで働きたいか」だけではないということなんだ。

たとえば警視庁の場合、東京都内が勤務エリアになるよ。
一方、道府県警察はそれぞれの県内が勤務範囲だね。
将来、家族の事情や地元への思いがあるなら、その点もよく考えて選ぶことが大切だよ。

また、刑事になるためには「刑事(捜査)講習」に行かなければならないんだ。
でもこの講習は、1つの警察署で年間1人か2人しか行けないという非常に狭き門なんだよ。
つまり、どの組織に入るかで、チャンスの数や競争の激しさが変わる可能性があるんだ。

さらに、刑事以外にも公安講習、組対講習、生安講習、白バイ講習など、さまざまな専門分野があるよ。
将来どんな分野で活躍したいのかもイメージしながら受験先を決めるといいね。
「なんとなく有名だから」ではなく、自分の人生設計を考えて選ぶことが大切なんだ。

5-2. 受験区分の考え方(大卒区分/高卒区分 等)

警察官採用試験には、大卒区分や高卒区分などがあるよ。
区分によって試験内容や昇任スピードに違いが出ることがあるんだ。

たとえば、大卒区分で採用されると、昇任試験の受験資格を得るまでの期間が短くなるケースがあるよ。
実際に、警察学校卒業後、3年3か月で巡査部長になり、そこから1年9か月で刑事になった例もあるんだ。
トータルで約5年だね。
もし巡査部長試験に早く合格していれば、約4年で刑事になれた計算になるんだよ。

もちろん、高卒区分でも刑事になることはできるよ。
ただし、どの区分でも共通しているのは、実績・評判・勤務態度が非常に重要だということなんだ。
警察学校の卒業試験順位は、人事記録に定年まで残るよ。
だからこそ、最初から全力で取り組む覚悟が必要なんだ。

5-3. 試験の主要パート別・対策方針(筆記/論文/体力/適性/面接)

刑事を目指すなら、まずは警察官採用試験に合格しなければならないよね。
ここでは、主要パートごとの考え方を整理しておこう。

筆記試験

筆記は基礎学力を見る試験だよ。
ここでつまずくとスタートラインに立てないんだ。
特別なことよりも、基礎を丁寧に積み上げることが大事だよ。

論文試験

論文では「なぜ警察官になりたいのか」「どんな警察官になりたいのか」が問われるよ。
ここでドラマの影響だけの動機を書くと危険なんだ。
現実の警察官は、地道な交番勤務から始まり、実績を積み重ねていく職業なんだよ。
その理解を前提に書こうね。

体力試験

刑事の仕事は体力勝負の場面も多いよ。
当番勤務では、前日の朝から一睡もできないことも珍しくないんだ。
若いうちは大丈夫でも、40歳を過ぎると体力的に厳しくなる人もいるよ。
だからこそ、基礎体力づくりは欠かせないんだ。

適性検査

警察は組織だよ。
協調性がない人や、規律を軽んじる人は評価されにくいんだ。
刑事講習に行かせてもらえるかどうかも、日頃の評判が大きく影響するよ。

面接

面接では、人柄と覚悟を見られるよ。
刑事は華やかなイメージがあるけれど、実際はデスクワークが多く、捜査報告書の作成などで丸一日部屋から出ないこともあるんだ。
変死の取り扱いでは、何時間もかけて現場確認やご遺体の確認をすることもあるよ。
その現実を理解したうえで志望しているかが問われるんだ。

5-4. 面接で「刑事志望」を嫌味なく通す言い方(“捜査したい”を具体化)

「将来は刑事になりたいです!」とそのまま言うのは悪くないよ。
でも、それだけでは浅く見えてしまうことがあるんだ。

大切なのは、「なぜ刑事なのか」を具体的に話すことだよ。
たとえば、
「被害者がいる犯罪に真正面から向き合い、事実を積み重ねて真相を明らかにする仕事に魅力を感じました。」
というように、仕事内容への理解を示すんだ。

刑事は、被害届を受理し、証拠を集め、捜査報告書を作り、時には変死の現場にも立ち会う仕事だよ。
派手な逮捕シーンよりも、地道な積み重ねが中心なんだ。
その現実を踏まえた言葉なら、嫌味なく伝わるよ。

5-5. 落ちやすい人の共通点(動機がドラマ寄り/協調性が弱い/規律軽視)

最後に、気をつけてほしいポイントだよ。

まず、動機がドラマや映画の影響だけになっている人。
現実の刑事は、書類作成が300種類前後にも及ぶと言われるほど、事務作業が多いんだ。
地道さに耐えられない人は続かないよ。

次に、協調性が弱い人。
刑事講習に行けるかどうかは、上司や同僚からの評判が大きく左右するんだ。
実績が悪かったり、周囲の信頼がなければ、希望しても行かせてもらえないことがあるよ。

そして、規律を軽く考えている人。
警察は厳格な組織だよ。
警察学校での成績も人事記録に残るし、日々の勤務態度も評価対象なんだ。
ここを甘く見ると、刑事への道は遠ざかるよ。

刑事になる道は簡単じゃない。
でも、覚悟を持ち、地道に努力を積み重ねれば、チャンスは必ず巡ってくるんだ。
まずは警察官として信頼される存在になること。
それが、刑事への一番確実な近道なんだよ。

6. 警察学校:刑事志望なら“ここ”で差がつく

刑事になりたいなら、まずは警察学校での過ごし方がとても大切です。

「どうせ最初はみんな交番勤務なんでしょ。」と思うかもしれませんね。

その通りです。

でもね、ここでの成績や評価が、あとあとまでずっと影響するんです。

特に警視庁の場合、刑事になるには「刑事(捜査)講習」に行かなければなりません。

しかも、その講習に行けるのは1つの警察署で年間1人か2人という、とても狭い枠なのです。

だからこそ、警察学校の段階から「選ばれる人」になる準備が必要なのです。

6-1. 卒業順位と人事記録(評価が長く残る前提で動く)

警察学校の卒業試験順位は、ただの一時的な成績ではありません。

なんとその順位は人事記録に定年まで記載され続けます

つまり、「若い頃どうだったか」が、何十年も残るということです。

少しこわいですよね。

でもこれはチャンスでもあります。

最初にしっかり結果を出せば、「あの期で上位だった」という評価がずっと残るのです。

刑事講習は、成績が極端に悪い人はまず推薦されません。

いくら「刑事になりたいです。」と希望しても、土台が弱ければスタートラインにも立てないのです。

だからこそ、「あとで頑張ればいいや。」ではなく、入校したその日から評価は始まっていると考えて行動することが大切です。

将来の自分を助けるのは、今の自分の努力なのです。

6-2. 生活態度(遅刻・規律違反)と配属・推薦への影響

刑事になるには、成績だけでは足りません。

上司や同僚からの評判も、とても重要です。

講習に行けるかどうかは、最終的には推薦が大きなポイントになるからです。

遅刻が多い。

規律違反がある。

同期や教官からの評判が悪い。

こうした評価がついてしまうと、「あいつを講習に出そう。」とはなりません。

講習は誰でも行けるわけではありません。

希望を出しても、書類選考や面接で落とされることもあります。

さらに、講習後の職場実習で「使えない」というレッテルを貼られてしまうと、その署で刑事課に入れない可能性もあります。

しかも一度そう評価されると、異動後も影響が残ることがあるのです。

だから、毎日の挨拶や時間厳守、報告の丁寧さといった基本こそが、未来の推薦状につながっていくのです。

「小さなこと」と思わずに、大事にしてくださいね。

6-3. 文章力の基礎(報告・連絡・相談/簡潔な記録)

刑事の仕事は、ドラマのように外を走り回るだけではありません。

実際にはデスクワークの割合がかなり高いのです。

捜査報告書の作成。

証拠品のスマートフォン解析。

銀行の取引明細の入力。

そして、扱う書類の種類はざっと300前後ともいわれます。

変死の取り扱いひとつでも、数十種類の書類があります。

これを正確に、わかりやすく、ミスなく書く力が必要です。

取調べのテクニックは学校や講習ではほとんど教わりません。

しかし、報告書は毎日書きます。

だからこそ警察学校の段階で、簡潔にまとめる力を身につけておくことが大切です。

「何が起きたのか。」

「誰が関係しているのか。」

「証拠は何か。」

これを筋道立てて書ける人は、現場でも信頼されます。

刑事講習は約1か月間あり、最後には試験と職場実習があります。

文章力はその評価にも直結します。

だから、日々の報告・連絡・相談をおろそかにしないことです。

書く力は、刑事への近道なのです。

6-4. 同期ネットワークの作り方(のちの捜査連携に効く)

警察学校で出会う同期は、将来それぞれの警察署で働く仲間になります。

刑事、生活安全課員、組織犯罪対策課員、公安係員など、配属はさまざまです。

でも、捜査は一人ではできません。

たとえば、被害届を受理して動くのは基本的に刑事です。

しかし、事件の内容によっては他部署との連携が欠かせません。

そのとき、「あのときの同期だ。」と声をかけられる関係は、大きな力になります。

講習も、刑事だけでなく公安講習、組対講習、生安講習、白バイ講習などがあります。

将来どの道に進んでも、同期のつながりは財産です。

警察学校での人間関係は、一時的なものではありません。

何十年と続く仲間になるのです。

だからこそ、競争するだけでなく、助け合う姿勢も忘れないでください。

それが、のちの捜査連携にじわじわ効いてくるのです。

6-5. まとめ

刑事になる道は、決して簡単ではありません。

まず警察官として採用され、警察学校を卒業し、交番勤務を経て、厳しい選抜を通って講習に進みます。

しかも講習に行けるのは年間1人か2人という狭き門です。

卒業順位は定年まで人事記録に残ります。

生活態度や評判も推薦に直結します。

文章力は毎日の業務で試されます。

そして仲間とのつながりは、将来の武器になります。

警察学校はただの通過点ではありません。

ここが、刑事への分かれ道なのです。

本気で刑事を目指すなら、入校初日から「将来の自分のために」動いてください。

その積み重ねが、やがて大きなチャンスを引き寄せます。

夢を現実にするのは、毎日の小さな行動なのです。

7. 交番(地域課)で“刑事候補”になる:実績の作り方がすべて

刑事になりたいなら、まずは交番勤務で「この人なら捜査を任せられる」と思ってもらうことが何より大切です。

どんなに刑事にあこがれていても、いきなり刑事として採用されることはありません。

警察官として採用され、警察学校を卒業したあと、まずは交番勤務からスタートします。

しかも、刑事講習に行けるのは1つの警察署で年間1人か2人程度です。

つまり、ライバルは多いのに、チャンスはほんのわずかしかないのです。

だからこそ、交番時代の実績と評判がすべてを決める、と言っても言い過ぎではありません。

ここでは、どうやって「刑事候補」になるのかを、やさしく、でもしっかり説明していきますね。

7-1. 何が評価されるか(職務質問/検挙/交通違反取締り/現場臨場)

刑事講習に推薦してもらえるかどうかは、感情ではなく具体的な実績で判断されます。

たとえば、交番勤務でとても大切なのが職務質問です。

不審者を見抜く力、声のかけ方、所持品確認の丁寧さ。

ここで覚醒剤や盗品を発見できれば、それは立派な検挙実績になります。

「ただ立っているだけ」の警察官と、「自分から動いて成果を出す」警察官では、評価はまったく違います。

次に検挙件数です。

万引き、暴行、器物損壊など、小さな事件でも確実に処理する力が問われます。

書類を正確に作れるかどうかも重要です。

刑事になると、作成する書類はざっと300種類前後あると言われています。

変死ひとつ取っても数十種類の書類が必要です。

交番のうちから書類作成を丁寧にしていないと、刑事課では通用しません。

さらに交通違反の取締りも軽く見てはいけません。

反則処理を正確に行い、クレームなく処理できるか。

これは法律理解と説明能力の証明になります。

そして見逃せないのが現場臨場です。

事件や事故が起きたとき、誰よりも早く駆けつけ、状況を正確に把握する。

初動対応がしっかりできる人は、刑事課から見ても非常に頼もしい存在です。

「あの巡査は現場を荒らさない」「状況整理がうまい」と言われるようになると、刑事候補として一歩前進です。

7-2. 署内で信頼を積む(係長・副署長ラインに「使える人」と認識される)

実績と同じくらい大事なのが評判です。

警察学校の卒業順位は人事記録に定年まで残ると言われていますが、それ以上に重視されるのが日々の勤務態度です。

どれだけ頑張っても、「あいつは協調性がない」「報告が遅い」と思われたら、推薦は遠のきます。

刑事講習は希望すれば誰でも行けるわけではありません。

上司が「この人を出したい」と思わなければ、申請すらされません。

申請しても書類選考や面接で落ちることもあります。

だからこそ、係長や副署長から「使える」と認識されることが重要なのです。

たとえば、忙しいときに自分から応援に入る。

面倒な事案を避けない。

ミスを隠さずすぐ報告する。

こうした積み重ねが、「あいつなら刑事課でもやれる」という評価につながります。

逆に、講習を終えても評判が悪いと、刑事課員から「要らない」とレッテルを貼られてしまうことがあります。

一度そう評価されると、その署だけでなく、異動後も影響する可能性があります。

だからこそ、日々の信頼づくりが将来を左右するのです。

7-3. 捜査員が嫌うNG行動(雑な引継ぎ/裏取り不足/クレーム頻発)

刑事課が特に嫌うのは、雑な仕事です。

たとえば、引き継ぎ内容があいまいで、「詳しくは分かりません」と言うケース。

これでは捜査が一からやり直しになります。

また、裏取り不足も大きなマイナスです。

聞き込み内容の確認をしていない。

防犯カメラの確保をしていない。

証拠品の扱いが甘い。

こうした初動ミスは、事件の成否を左右します。

さらに、住民からのクレームが頻発する警察官も評価は上がりません。

説明不足や高圧的な態度は、被害者対応が中心となる刑事には致命的です。

刑事の扱う事件の多くは被害者が存在する犯罪です。

被害届を受理し、寄り添いながら捜査を進める仕事です。

だからこそ、信頼を失う行動は絶対に避けなければなりません。

7-4. 刑事課と接点を増やす具体例(事件応援/初動での証拠保全/聞き込み補助)

では、どうすれば刑事課と距離を縮められるのでしょうか。

答えはシンプルです。

積極的に応援に入ることです。

事件発生時に「応援行きます」と手を挙げる。

変死事案で現場保存を徹底する。

防犯カメラ映像の確保を素早く行う。

こうした行動は、刑事課から強く印象に残ります。

刑事の仕事は華やかに見えるかもしれません。

しかし実際は、デスクワークも多く、当番の日には変死対応が必ず入ります。

一体の取り扱いに何時間もかかることもあります。

こうした現実を理解したうえで、地道な作業を嫌がらない姿勢が評価されます。

聞き込み補助や資料整理など、小さな仕事でも全力で取り組む。

「あの巡査がいれば助かる」と言われる存在になること。

それが、年間1人か2人しか行けない刑事講習への切符をつかむ近道なのです。

刑事への道は決して楽ではありません。

でも、交番勤務の一日一日が未来を作ります。

目の前の仕事を本気でやること。

それが、いちばん確実な「刑事になる方法」なのです。

8. 最大の壁:刑事(捜査)講習/推薦の突破法

ここが、刑事を目指す人にとっていちばん高くて分厚い壁です。

警察官として採用されたあと、すぐに刑事になれるわけではありません。

まずは交番勤務から始まり、実績や評判を積み重ね、そのうえで「刑事(捜査)講習」に行くチャンスをもらう必要があります。

しかもこの講習、だれでも受けられるものではないのです。

「希望します」と手を挙げただけでは、絶対に行けません。

ここでは、その現実と突破法を、ひとつずつ、ていねいに説明していきますね。

8-1. 枠の現実(例:1署あたり年1〜2人程度)

まず知ってほしいのは、枠がとても少ないという現実です。

警視庁の場合、1つの警察署で年間1人か2人程度しか刑事(捜査)講習に行けません。

つまり、同じ署に若い警察官が何十人いても、その中からほんの1人か2人しか選ばれないということです。

「がんばれば全員チャンスがある」という世界ではないのです。

さらに、警察学校の卒業試験の順位は人事記録に定年まで残ります。

これはとても重要です。

なぜなら、「学校時代からどういう評価だったか」がずっと見られるからです。

警察学校での成績が極端に悪いと、それだけで不利になる可能性があります。

この現実を知らずにいると、「なぜ自分は選ばれないのか」と悩んでしまいます。

でも、まずは枠が極端に少ない世界だと理解することが大切なのです。

8-2. 推薦が出る“条件”を分解(実績・評判・書類の正確さ・勤務態度)

では、どんな人が推薦されるのでしょうか。

ポイントは大きく4つです。

■ 実績

職務質問や交通違反の取り締まりなどで、どれだけ結果を出しているか。

数字で見える成果は、やはり強いです。

「あいつは現場で結果を出している」と言われる存在になることが大事です。

■ 評判

上司や同僚からの評価は想像以上に重要です。

「一緒に働きたいかどうか」が見られます。

どんなに能力があっても、態度が悪ければ推薦は出ません。

■ 書類の正確さ

刑事は書類のプロです。

実際、刑事になると扱う書類はざっと300種類前後ともいわれます。

変死の取り扱いだけでも数十種類あります。

交番勤務の段階で書類ミスが多い人は、「刑事は無理だな」と思われてしまいます。

■ 勤務態度

遅刻しない、報告をきちんとする、素直に学ぶ。

当たり前のことですが、これが積み重なります。

「安心して任せられる人かどうか」が見られているのです。

これらがそろって初めて、「講習に行かせてみようか」という話になります。

つまり推薦は、偶然ではなく積み上げの結果なのです。

8-3. 申請〜書類選考〜面接で見られるポイント(志望動機/適性/再現性)

運よく推薦が出ても、まだ安心はできません。

申請を出し、書類選考や面接で落とされることもあります。

見られるのは主に3つです。

① 志望動機

「かっこいいから」では通用しません。

被害者のために何がしたいのか、なぜ刑事でなければならないのかが問われます。

② 適性

刑事は、遺体の取り扱い(変死)を必ず経験します。

腐敗が進んだ遺体、事故で損傷した遺体、司法解剖への立ち会い。

こうした現実に向き合えるかどうか。

「変死を扱いたくないなら、刑事になってはいけない」と言われるほど重要なポイントです。

③ 再現性

今までの実績が、刑事課でも発揮できるか。

一時的な好成績ではなく、安定して成果を出せるかどうかが見られます。

ここで落ちる人も少なくありません。

だからこそ、日ごろからの準備が大切なのです。

8-4. 講習の中身(目安:約1か月+試験+職場実習)

無事に合格すると、約1か月間の講習が始まります。

最後には試験があり、その後に職場実習があります。

ここが本当の勝負です。

刑事の仕事は、デスクワークが非常に多いです。

捜査報告書の作成、証拠品のスマホ解析、銀行取引明細の入力など、丸一日部屋から出ないこともあります。

取調べのテクニックは、実はほとんど教わりません。

禁止行為などの教養はありますが、技術は現場で学びます。

つまり、講習はスタートラインに立つためのものにすぎません。

ここでの評価が、その後を左右します。

8-5. “受かったのに刑事になれない”失敗例(実習評価でレッテル化)

ここがいちばん怖いところです。

講習に合格しても、刑事課に入れないことがあります。

試験の成績が悪い。

実習中の態度がよくない。

先輩刑事から「使えない」と思われる。

すると、「あいつは要らない」というレッテルを貼られてしまうことがあります。

一度その署で評価が固まると、定期異動で別の署に行っても影響が残る可能性が高いです。

つまり、講習はゴールではなく、本当の選別の場なのです。

8-6. 似た講習との違い(公安講習/組対講習/生安講習/白バイ講習)

講習は刑事だけではありません。

公安講習、組織犯罪対策講習、生安講習、白バイ講習などがあります。

内容はほぼ同じような構成ですが、配属先と業務内容が異なります。

一般の人は私服警察官をみんな「刑事」と思いがちです。

でも、刑事課員以外は刑事ではありません。

刑法犯の捜査(公然わいせつを除く)、被害届の受理、変死の取り扱いなどを担当するのが刑事です。

自分が本当にやりたいのはどの分野なのか。

それを考えることも大切です。

8-7 まとめ

刑事になる最大の壁は、講習と推薦です。

1署あたり年1〜2人という狭き門。

実績、評判、書類能力、勤務態度。

そして講習後の実習評価。

どれも甘くありません。

でも、だからこそ価値があります。

交番勤務から一歩ずつ信頼を積み上げ、覚悟を持って挑戦する。

それが、刑事への本当の近道です。

夢だけでなく、現実も知ったうえで、ぜひ目指してくださいね。

9. 刑事課配属直後:最初の90日で詰まないための実務地図

やっと念願の刑事課に配属されたね。
でもね、ここからが本当のスタートなんだ。
交番勤務とはまったく世界が違う。
最初の90日間で何を知っているか、何を覚悟しているかで、その後の刑事人生が大きく変わるよ。
刑事の仕事は、テレビで見る「逮捕の瞬間」よりも、はるかに地道で、重くて、そして責任が大きい。
ここでは、配属直後に「こんなはずじゃなかった」とならないための実務地図を、一つひとつ一緒に見ていこう。

9-1. 事件処理の流れ(受理→捜査→逮捕→勾留→送致→起訴判断の前提)

まず覚えてほしいのは、刑事の仕事は被害届の受理から始まるということ。
交通課のように単独で被害届を受けることはできず、刑法犯の多くは刑事が担当する。
被害者が存在する事件では、受理の可否そのものが重要な判断になる。

受理したら捜査が始まる。
現場確認、関係者聴取、防犯カメラ映像の回収、証拠品の押収。
そして証拠がそろえば逮捕に進む。
逮捕したら終わりではない。
そこから勾留請求のための書類作成、検察への送致が待っている。

検察官は、送致された書類と証拠をもとに起訴するかどうかを判断する。
つまり、刑事の書類が甘ければ、どんなに苦労して逮捕しても不起訴になる可能性がある。
だからこそ、最初の受理段階から「最終的に起訴に耐えられるか」という視点が必要なんだ。
これが、刑事が単なる「犯人を捕まえる人」ではない理由だよ。

9-2. 書類量の現実(例:200〜300種類規模、変死だけでも数十)

刑事になって一番驚くのが、書類の量だ。
その種類はざっと200〜300種類規模とも言われている。
正確に数えた人はいないかもしれないけれど、それくらい膨大なんだ。

たとえば「変死」。
病院で看取られた死亡ではなく、自宅や屋外で死亡しているのを発見されたケースだね。
これ一つ取っても数十種類の書類を作成する。
現場の状況確認、遺体の外表検査記録、所持品確認、遺族対応、実況見分調書など、本当に細かい。

しかも、変死は当番勤務ではほぼ必ず入ってくる。
一体の取り扱いで何時間もかかることも珍しくない。
ゴミ屋敷で膝上までゴミがある中、貴重品や鍵を探すこともある。
司法解剖や新法解剖に立ち会うこともある。
刑事と変死は切っても切れない関係なんだ。

9-3. デスクワーク比率が高い理由(捜査報告書・証拠整理・照会)

ドラマでは走り回っているイメージが強いよね。
でも実際は、デスクワークの比率がかなり高い
丸一日、部屋から出ずにパソコンに向かう日もある。

主な仕事は、捜査報告書の作成。
証拠品の整理。
関係機関への照会。
銀行の取引明細の入力作業。
押収したスマホの解析。
地道な積み重ねが、起訴を左右する。

交番勤務なら非番日は昼頃に帰れることが多い。
でも刑事は、送致準備や遺族対応、防犯カメラの回収などで夜遅くまで残ることもある。
前日の朝から一睡もしていない、なんてことも珍しくない。
体力と覚悟が必要と言われるのは、こういう現実があるからなんだ。

9-4. デジタル捜査の具体例(スマホ解析/防犯カメラ回収/データ保全)

今の刑事にとって、デジタルは避けて通れない。
証拠品のスマホ解析は日常業務の一つだ。
メッセージ履歴、通話履歴、位置情報。
データは証拠の宝庫なんだ。

事件が起きれば、防犯カメラ映像の回収に走る。
コンビニ、マンション、駅、個人宅。
時間との勝負だよ。
上書きされる前に確保しなければならない。

そしてデータ保全。
証拠能力を維持するために、適切な方法で保管し、記録を残す。
ここが雑だと、裁判で争われたときに不利になる。
デジタル捜査は、現代の刑事にとって重要な武器なんだ。

9-5. 金融・知能犯の具体例(銀行取引明細入力/資金の流れの図解)

知能犯捜査では、お金の流れを追う。
銀行の取引明細を一つひとつ入力する作業は、想像以上に地道だ。
何百件、何千件という取引を整理することもある。

そして、資金の流れを図にする。
どこから入金され、どこへ送金されたのか。
誰が関与しているのか。
複雑な関係を一目で分かる形にまとめる力が求められる。

知能犯は暴力的な場面は少ないかもしれない。
でも、証拠を積み上げる緻密さが必要だ。
刑事25年の経験の中でも、告訴・告発事件を専門に扱う分野では、この分析力が大きな武器になる。
刑事は、頭も使う仕事なんだよ。

10. 当番(宿直)と「変死」:避けて通れない領域を先に理解する

刑事の仕事と聞くと、犯人を追いかけたり、取調室で鋭く質問したりする姿を思い浮かべる人が多いですよね。

でもね、実際の刑事の仕事には、もっと重くて、もっと静かで、そして絶対に避けて通れない大切な仕事があります。

それが「当番(事件番の宿直勤務)」で扱う変死事案です。

万引きや痴漢の対応もありますが、当番に入るとほぼ確実に入ってくるのが「変死」です。

そしてこの変死の取り扱いこそが、刑事という仕事の覚悟を問われる場面なのです。

ここでは、刑事を目指すあなたに、少しだけリアルな話をしていきますね。

10-1. 「変死」の定義と初動(現場調査→検視→事件性判断)

まず「変死」とは何かを知っておきましょう。

変死とは、病院などで医師に看取られて亡くなったのではなく、自宅や屋外などで死亡した状態で発見されたご遺体のことをいいます。

つまり、医師が通常の死亡診断書を書けないケースです。

だからこそ、警察が動きます。

刑事はまず現場に臨場し、部屋の状況や遺体の状態を細かく確認します。

外傷はあるか。

争った形跡はないか。

凶器になりそうな物はないか。

そのあと、検視を行い、事件性があるかどうかを判断します。

もし殺人や保護責任者遺棄致死、死体遺棄などの疑いがあれば、重大事件として捜査が始まります。

人の命に関わることなので、判断は絶対に間違えられません。

たった一つの見落としが、大きな冤罪や事件の見逃しにつながるからです。

だから、1体の変死事案に何時間もかかるのです。

10-2. 現場の具体例(ゴミ屋敷で鍵・貴重品探索/腐敗/列車接触)

ここからは、少し厳しい話になります。

でも、刑事を目指すなら知っておいてほしいのです。

例えば自宅での変死。

刑事は、ご遺体の確認だけでなく、貴重品や家の鍵があるかどうかも探します。

なぜなら、遺族への引き渡しや管理のために必要だからです。

ところが、それがゴミ屋敷だったらどうなるでしょう。

膝の上までゴミが積もっていることもあります。

まるでゴミの海をかき分けて進むような状態です。

その中で鍵や通帳、財布を探さなければなりません。

また、発見が遅れれば腐敗が進んだご遺体を扱うこともあります。

強烈な臭気の中で作業を続けることも珍しくありません。

さらに、通過電車との接触事故では、ご遺体が原形をとどめていない場合もあります。

現実は、ドラマのようにきれいではありません。

それでも刑事は、淡々と、そして丁寧に一つ一つ確認していきます。

10-3. 解剖の立会いが発生するケース(司法解剖 等)

事件性が否定できない場合や、死因がはっきりしない場合には、司法解剖や新法解剖が行われます。

その際、刑事は解剖に立ち会う必要があります。

これは決して軽い仕事ではありません。

無理心中のケースで、小さなお子さんの解剖に立ち会うこともあります。

感情を切り離さなければ、心が持ちません。

しかし、感情を完全に失ってしまってもいけません。

なぜなら、その先には必ず遺族がいるからです。

刑事は、冷静さと人間らしさの両方を求められます。

10-4. 1体で数時間かかる理由(確認事項・遺族対応・所要手続)

「なぜそんなに時間がかかるの?」と思うかもしれませんね。

でもね、確認することが本当に多いのです。

現場状況の記録。

遺体の状況確認。

関係者からの聞き取り。

事件性の有無の判断。

必要に応じて解剖の手続。

そして、遺族への説明と引き渡し。

遺族は突然の出来事で混乱しています。

怒りや悲しみを刑事にぶつけることもあります。

それでも、丁寧に、誠実に対応しなければなりません。

だから1体だけで数時間かかるのです。

当番明けでも、昼に帰れることはまずありません。

夕方、あるいは夜中までかかることもあります。

前日の朝から一睡もしていない、そんなことも珍しくありません。

10-5. まとめ

刑事と「変死」は、切っても切れない関係です。

もし「変死は扱いたくない」と思うなら、正直に言います。

刑事の道は選ばない方がいいかもしれません。

それほど重く、大切で、責任のある仕事なのです。

でもね。

この仕事を通して、人の最期に向き合い、真実を明らかにし、遺族のために尽くすことができます。

それは、とても厳しいけれど、とても尊い仕事です。

刑事を目指すあなたには、かっこいい部分だけでなく、こうした現実も知ったうえで覚悟を決めてほしいのです。

それが、本当に強い刑事への第一歩なのです。

11. 取調べのリアル:学校や講習で学べない“現場技能”

刑事と聞くと、ドラマのように鋭い質問で一気に自白を引き出す姿を思い浮かべるかもしれませんね。
でもね、実際の取調べは、そんな派手なものではないのです。
警察学校や刑事講習では、取調べの「テクニック」はほとんど教わりません。
教わるのは、便宜供与や肉体的接触といった絶対にしてはいけない行為についての教養が中心です。
どうやって落とすか、どうやってしゃべらせるかといった技巧的なことは、座学では学べないのです。

だからこそ、刑事は現場で覚えます。
先輩刑事の取調べを横で見て、聞いて、空気を感じ取りながら、自分の中に型を作っていくのです。
丸一日取調室にこもることもありますし、その後は膨大な書類作成が待っています。
刑事の仕事はデスクワークの割合がとても高く、捜査報告書を一日中作り続ける日も珍しくありません。
取調べとは、話を聞くだけで終わるものではなく、事実を積み上げ、書類として形にしていく作業まで含めて初めて「仕事」になるのです。

11-1. 供述調書・調書作成の基本(事実の積み上げ/矛盾整理)

刑事になると、まず驚くのが書類の多さです。
その数はざっと300種類前後とも言われています。
たとえば変死の取扱いひとつでも、数十種類の書類を作成します。
取調べで得た供述は、最終的に「供述調書」という形にまとめられます。
ここで大切なのは、話をそのまま書くことではありません。
事実を一つ一つ積み上げることが基本です。

「いつ」「どこで」「誰が」「何をしたのか」。
この基本事項を曖昧にしないことが第一歩です。
供述の中に矛盾があれば、そこを整理しなければなりません。
昨日は「午後8時」と言っていたのに、今日は「午後10時」と言っている。
このズレを放置したままでは、後で裁判になったときに大きな問題になります。
だから刑事は、供述を時系列に並べ、細部を確認し、食い違いを丁寧に詰めていきます。

特に知能犯や告訴・告発事件では、銀行の取引明細を入力したり、スマートフォンの解析結果を照合したりと、裏付け作業が欠かせません。
取調べは「話術」よりも「裏付け」が命なのです。
供述と客観証拠がかみ合ったとき、はじめて強い事件になります。
だからこそ、刑事には根気と几帳面さが求められます。
派手さはありませんが、この地道な積み上げが真実に近づく一番の近道なのです。

11-2. 絶対NG(便宜供与・肉体的接触など)とコンプライアンス

取調べで絶対にしてはいけないことがあります。
それが便宜供与や肉体的接触です。
「早く帰してあげるから正直に話して」などの約束。
肩を叩く、体に触れるといった行為。
こうしたことは厳しく禁止されています。

なぜなら、違法・不当な取調べは、せっかくの事件を台無しにしてしまうからです。
どれだけ真実に近づいていても、手続きに問題があれば証拠能力が争われます。
刑事は「犯人を落とす人」ではなく、「適正な手続きで事実を明らかにする人」です。
この意識を持てない人は、刑事には向きません。

取調べでは強い言葉を使うこともあります。
しかし、それは法律と規則の枠内で行わなければなりません。
刑事講習でもまず教えられるのは、こうした禁止事項です。
技巧よりもコンプライアンス。
これが現代の刑事にとっての大前提です。

11-3. 先輩から学ぶ型(聞き方・沈黙・突きどころ)※技巧より手続遵守

では、実際の取調べはどうやって身につけるのでしょうか。
答えはとてもシンプルです。
先輩から学ぶのです。

刑事課に配属されると、最初は先輩の横に座り、取調べを見学します。
質問の順番。
声のトーン。
あえて沈黙する時間。
どこで証拠を示すのかという「突きどころ」。
それらを体で覚えていきます。

ただし、ここで勘違いしてはいけません。
大事なのは相手を言い負かすことではありません。
大事なのは、手続を守りながら事実を確認することです。
先輩刑事の多くは、派手なことはしません。
淡々と、しかし粘り強く聞きます。
そして供述を整理し、矛盾を一つずつ解消していきます。

取調べは、特別な才能がある人だけができるものではありません。
地道な努力と、現場での経験の積み重ねで磨かれていく技能です。
だからこそ、刑事を目指すなら、まずは交番勤務で実績を積み、上司や同僚から信頼される存在になることが第一歩です。
講習に行けるのは、1署あたり年間1人か2人程度という厳しい現実があります。
その狭き門をくぐり抜けた先に、ようやく取調べのスタートラインがあるのです。

刑事の取調べは、華やかさよりも責任の重さが際立つ仕事です。
人の人生を左右する場面に立ち会う覚悟が必要です。
それでも真実を明らかにしたいと思える人にとっては、大きなやりがいがあります。
刑事を目指すなら、このリアルをしっかり胸に刻んでおいてくださいね。

12. 生活・働き方:刑事の覚悟を数字と具体で把握する

刑事になりたいと思ったとき、ドラマのような活躍ばかりを想像してしまうかもしれませんね。
でもね、本当の刑事の生活は、キラキラした場面よりも、地道で、体力勝負で、覚悟が問われる毎日の積み重ねなのです。
警察官として採用されたあと、いきなり刑事になれるわけではありません。
まずは警察学校を卒業し、交番勤務からスタートします。
そこから数年かけて実績と信頼を積み上げ、年間わずか1署あたり1人か2人しか行けない刑事(捜査)講習のチャンスをつかむのです。
約1か月の講習と試験、さらに職場実習を経て、ようやく刑事への道が開けます。
それでも、必ず刑事課に入れるとは限らないのです。
だからこそ、刑事の生活や働き方を具体的に知っておくことは、とても大切なのですよ。

12-1. 勤務時間の崩れ方(非番でも帰れない/一睡なしが起きる理由)

まず覚えておいてほしいのは、「刑事は非番でも帰れないことがある」という現実です。
交番勤務の場合、夜勤明けの非番日は遅くても正午ごろには帰宅できることが多いです。
ところが刑事は違います。
遺体のご遺族への引き渡し、逮捕事件の送致準備、防犯カメラ映像の回収など、やるべきことが山のようにあります。
その結果、帰宅が夕方、あるいは夜中になることも珍しくありません。

さらに、前日の朝から一睡もしていないという状況も起こります。
当番(事件番の宿直勤務)では、万引きや痴漢のほか、必ずと言っていいほど「変死」の対応が入ります。
変死とは、病院で看取られたのではなく、自宅や屋外で死亡状態で発見されたご遺体の取り扱いです。
事件性の有無を慎重に判断しなければならず、1体の取り扱いだけで何時間もかかります。
腐敗が進んだご遺体や、電車事故で損傷の激しいケースもあります。
司法解剖や新法解剖に立ち会うこともあります。
小さな子どもの解剖に立ち会うこともあるのです。

こうした現実があるからこそ、「体力」と「精神力」の両方が求められるのです。
もし「変死を扱いたくない」と思うなら、刑事という道は本気で考え直したほうがよい、と言われるほどです。
それくらい、勤務時間は簡単に崩れます。

12-2. 体力の限界ライン(例:40歳以降に地域へ戻る人がいる)

若いうちは、寝不足でも気合で乗り切れるかもしれません。
でもね、人間の体には限界があります。
実際に、40歳を過ぎると体力的にきつくなり、刑事をやめて交番勤務に戻る人もいるのです。

刑事の仕事は、外回りだけではありません。
デスクワークも非常に多いです。
捜査報告書の作成、証拠品スマートフォンの解析、銀行の取引明細の入力など、丸一日部屋から出ないこともあります。
作成する書類の種類は、およそ300前後とも言われています。
変死の扱いひとつでも、数十種類の書類が必要になります。

つまり、体力だけでなく集中力も長時間求められるのです。
だからこそ、「いつまで刑事を続けるのか」というキャリアの見通しも大切になります。
若さだけでは乗り切れない世界だということを、しっかり覚えておきましょう。

12-3. 家庭・健康との両立(睡眠/食事/メンタルケアの現実)

刑事の生活は、不規則そのものです。
非番でも帰れない。
一睡もできない日がある。
突然の呼び出しもあります。
これが家庭にどんな影響を与えるか、想像できますか。

家族との予定が直前でキャンセルになることもあります。
食事の時間もバラバラになりがちです。
夜中にコンビニで簡単に済ませる日もあるでしょう。
睡眠不足が続けば、体調を崩す可能性も高まります。

さらに、変死や重大事件に向き合うことで、心にも負担がかかります。
人の死や悲しみに何度も向き合う仕事だからです。
メンタルケアを自分で意識して行うことがとても大切になります。
信頼できる同僚と話すこと、適度に休みを取ること、家族との時間を意識的に確保すること。
それらを怠ると、心が先に疲れてしまいます。

刑事になるというのは、「自分ひとりの夢」ではありません。
家族や大切な人の理解と支えがあってこそ、続けられる仕事なのです。

12-4. 異動とキャリアの考え方(署→本部→係替えの可能性)

刑事のキャリアは、一本道ではありません。
警察署で経験を積んだあと、本部の部署へ異動する可能性もあります。
逆に、別の署へ定期異動になることもあります。

刑事講習を受けても、その署で刑事課に入れないケースもあります。
いったん評価が低いと、次の署でも入りにくい可能性が高いという厳しさもあります。
だからこそ、日々の勤務態度や実績、周囲からの評判がとても重要なのです。
警察学校の卒業試験順位が人事記録に残り続けるという事実も、決して軽くはありません。

実際には、警察学校卒業後3年3か月で巡査部長になり、その後1年9か月で刑事になった例もあります。
約5年で刑事になれた計算です。
巡査のまま最短で3年ほどで刑事になる可能性もありますが、それは相当な実績と評価があってこそです。

刑事として長く続けるのか。
将来的に地域へ戻るのか。
本部で専門分野を極めるのか。
自分の体力や家庭状況も踏まえて考えることが、賢いキャリアの築き方です。

刑事という仕事は、簡単ではありません。
でも、その分だけ大きなやりがいと達成感があります。
数字と具体的な現実をしっかり理解したうえで、「それでも挑戦したい」と思えるなら、あなたにはその覚悟があります。
その覚悟こそが、刑事への第一歩なのですよ。

13. 向いている人/向いていない人:適性チェックを具体化

刑事になるには、試験に受かるだけでは足りません。
警察官として採用されたあと、交番勤務で実績を積み、わずか年間1~2人しか行けない刑事(捜査)講習への推薦を勝ち取らなければならないからです。
しかも、講習を修了しても、実習評価や周囲の評判しだいで刑事課に入れないこともあります。
だからこそ、「自分は刑事に向いているのか」を早めに知っておくことがとても大切なのです。
ここでは、実際の仕事内容や選抜の現実をふまえながら、具体的に説明していきますね。

13-1. 向いている人(観察力・文章力・粘り強さ・対人調整・倫理観)

まず大前提として、刑事の仕事はテレビドラマのように逮捕シーンばかりではありません。
実際は、捜査報告書の作成や証拠資料の整理など、デスクワークが非常に多い仕事です。
作成する書類はおよそ300種類前後ともいわれ、変死の取り扱いだけでも数十種類の書類があります。
そのため、観察力と文章力は欠かせません。
現場で見たこと、聞いたことを正確に記録し、あとから第三者が読んでも分かる文章にまとめる力が必要なのです。

また、粘り強さも重要です。
事件番(宿直勤務)では、万引きや痴漢のほかに必ずといっていいほど「変死」の取り扱いが入ります。
現場確認や遺族対応、司法解剖への立ち会いなどで何時間もかかることがあり、前日の朝から一睡もしていないという状況も珍しくありません。
体力だけでなく、「最後までやり抜く心の強さ」が求められます。

さらに、対人調整能力も欠かせません。
刑事の扱う事件の多くには被害者が存在します。
被害届を受理するのは基本的に刑事だけであり、被害者の話を丁寧に聞き、加害者とも向き合わなければなりません。
感情が揺れ動く現場で、冷静に、しかし思いやりをもって対応できる人が向いています。

そして何より大切なのが強い倫理観です。
取調べでは、便宜供与や肉体的接触などの禁止行為について厳しく教養されます。
「結果が出ればいい」という考えは絶対に許されません。
法律とルールを守り抜く姿勢が、刑事としての信頼を支えるのです。

13-2. 向いていない人(ルール軽視/短気/記録が雑/秘密保持が弱い)

反対に、ルールを軽く考えてしまう人は刑事には向きません。
警察学校の卒業試験順位は人事記録に定年まで残ります。
勤務態度や取り締まり実績も評価対象です。
「これくらい大丈夫だろう」という姿勢は、推薦の段階で必ず見抜かれます。

短気な人も注意が必要です。
被疑者がすぐに話してくれるとは限りませんし、被害者の気持ちが整理できていないこともあります。
感情的になってしまえば、信頼関係は一瞬で崩れてしまいます。
刑事は冷静さを失わないことが絶対条件です。

また、記録が雑な人も致命的です。
刑事の仕事は「書類の質」がそのまま事件処理の質につながります。
誤字脱字や事実誤認があれば、事件そのものに影響を与えかねません。
地道な作業を面倒くさがる人には厳しい世界です。

そして秘密保持が弱い人も不向きです。
捜査情報は極めて重要な機密です。
軽い気持ちで話した一言が、大きな問題に発展することもあります。
口が堅く、自分を律する力がないと、信頼を得ることはできません。

13-3. 「刑事になれない」典型原因(実績不足・評判・推薦の壁・実習評価)

刑事になれない典型的な原因の一つは、交番勤務での実績不足です。
職務質問や交通違反取り締まりなどで成果を上げていなければ、講習への推薦はまず通りません。
最短でも巡査で約3年、昇任して巡査部長となり約5年で刑事になった例もありますが、これは相当な努力と評価があってこそです。

次に、周囲の評判です。
上司や同僚からの信頼がなければ、年間1~2人という狭き門を突破することはできません。
たとえ講習に行けたとしても、書類選考や面接で落とされることもあります。

さらに厳しいのが、講習後の実習評価です。
約1か月の講習の最後には試験と職場実習があります。
そこで「使えない」というレッテルを貼られてしまうと、その署で刑事課に入れない可能性が高くなります。
一度評価を落とすと、定期異動後も影響することがあるのです。

つまり、刑事になれない理由の多くは「能力不足」だけではありません。
日々の積み重ね、周囲との信頼関係、そして講習・実習での総合評価がすべて影響します。
だからこそ、今この瞬間の勤務態度が未来を決めるのです。

13-4 まとめ

刑事は、誰でもなれる職種ではありません。
警察官として採用されたあと、交番勤務で成果を出し、推薦を受け、講習と実習を突破しなければなりません。
しかも、なったあとも変死対応や長時間勤務など、強い覚悟が求められます。

でもね、それだけ厳しい道だからこそ、大きなやりがいと達成感があるのも事実です。
自分が観察力や文章力、粘り強さ、そして高い倫理観を持っているかどうか、ぜひ一つ一つ考えてみてください。
その積み重ねが、未来の刑事への第一歩になりますよ。

14. よくある質問(検索ニーズを回収)

14-1. 大卒じゃないと無理?(区分より実績と推薦が効く)

結論から言うね。
大卒でなくても刑事になることは可能です。
刑事という枠での採用はそもそも存在せず、各都道府県警察の採用試験は「警察官」としての採用しかありません。
つまり、高卒区分でも大卒区分でも、スタートラインは同じ警察官なのです。

採用後は警察学校に入校し、卒業するとまずは交番勤務から始まります。
どんなに成績が優秀でも、いきなり刑事課に配属されることはありません。
そして刑事になるためには「刑事(捜査)講習」を受ける必要がありますが、これがとても狭き門なのです。
1つの警察署で年間1人か2人しか行けないことも珍しくありません。

ここで大事なのは学歴よりも実績と署内での評価です。
職務質問や交通違反取締りなどでしっかり成果を出しているか。
警察学校での成績が極端に悪くないか。
上司や同僚からの評判が良いか。
こうした積み重ねが、講習への推薦を左右します。

しかも、警察学校卒業試験の順位は人事記録に定年まで残ります。
つまり「最初の頑張り」はずっと見られているということです。
だから「大卒かどうか」よりも、「警察官としてどう評価されているか」がずっと大切なのです。

14-2. 女性でも刑事になれる?(係の例:盗犯・知能犯・少年 等)

もちろん、女性でも刑事になれます。
刑事という仕事は体力勝負のイメージが強いかもしれませんが、実際はデスクワークの比率も非常に高いです。
捜査報告書の作成、証拠品のスマートフォン解析、銀行取引明細の精査など、地道な作業が多くを占めます。

刑事課の中にもさまざまな担当があります。
たとえば、盗犯係(窃盗など)、知能犯係(詐欺や横領など)、少年事件を扱う分野などです。
特に知能犯分野では、告訴・告発事件を扱い、弁護士が持参する告訴状を精査するような専門性の高い業務もあります。

また、刑事は被害者対応も重要な仕事です。
ほとんどの事件には被害者が存在します。
被害届を受理し、話を聞き、証拠を集め、送致まで責任を持つのが刑事です。
丁寧な聞き取りや気配りが求められる場面も多く、女性警察官の強みが発揮されることもあります。

体力も必要ですが、それ以上に責任感、粘り強さ、精神的な強さが大切です。
性別で道が閉ざされることはありません。
本気で目指せば、チャンスはあります。

14-3. どれくらいでなれる?(最短/平均感/遅れる理由)

刑事になれるまでの期間は人それぞれです。
一例として、警察学校卒業後3年3か月で巡査部長に昇任し、その1年9か月後に刑事になったケースでは、約5年で刑事になっています。

巡査のまま刑事を目指す場合、最短で約3年という可能性もあります。
ただし、これは相当な実績を上げ、署内で高い評価を得ていることが前提です。
講習自体が狭き門で、書類選考や面接で落とされることもあります。

さらに、講習は約1か月間行われ、最後に試験と職場実習があります。
ここでの評価が悪いと、たとえ修了しても刑事課に入れてもらえないことがあります。
「講習に行けば確実に刑事になれる」というわけではありません。

遅れる理由として多いのは、
・実績不足。
・上司からの推薦が得られない。
・講習での評価が低い。
こうした積み重ねです。
だからこそ、日々の勤務態度がとても重要なのです。

14-4. 県警でも講習は必須?(制度差と“推薦だけ”のケース)

ここは大事なポイントです。
講習制度は警視庁の場合の話で、県警によっては講習制度がなく、上司の推薦だけで刑事になれるところもあるとされています。

つまり、制度には差があります。
「必ず講習を受けなければならない」とは一概に言えません。
ただし、どの組織であっても共通しているのは、上司の評価と信頼が不可欠だということです。

講習には刑事のほか、公安講習、組対講習、生安講習、白バイ講習などがありますが、内容はほぼ同じとされています。
どの分野でも、選ばれる人は日頃から評価を積み重ねている人です。

自分が志望する都道府県警察の制度をしっかり調べること。
そして、どんな制度でも通用する実力を身につけること。
これが遠回りのようで一番の近道です。

14-5. 一度つまずいたら終わり?(署内評価・異動後の扱いの現実)

これはとても現実的な質問ですね。
正直に言うと、講習や実習で悪い評価がつくと、その署では刑事課に入れてもらえない可能性があります。

さらに、その署で入れなかった場合、定期異動で別の署に移っても入れてもらえない可能性が高いとされています。
「使えない」というレッテルは簡単には消えません。

でもね、だからといって人生が終わるわけではありません。
警察には公安、組織犯罪対策、生活安全、交通などさまざまな分野があります。
刑事以外にも、誇りを持てる仕事はたくさんあります。

そして、刑事になった後も楽ではありません。
変死体の取り扱い、司法解剖への立ち会い、ゴミ屋敷での確認作業など、想像以上に過酷な現場があります。
当番の日には一睡もできないことも珍しくありません。
40歳を過ぎて体力的に厳しくなり、交番勤務に戻る人もいます。

だからこそ大切なのは、「本当に刑事になりたいのか」という覚悟です。
つまずかない努力も必要ですが、それ以上に、自分がどんな警察官になりたいのかを考えることが大切です。
刑事の道は険しいですが、その分やりがいと達成感は大きいのです。

15. 目標別チェックリスト(今日からの行動に落とす)

刑事になる道は、いきなり開けるわけではありません。
警察官として採用され、警察学校を卒業し、交番勤務で実績を積み、年間1〜2人しか行けない刑事(捜査)講習への推薦を勝ち取る。
そして講習の試験や職場実習で評価され、ようやく刑事課に入れるかどうかが決まります。
だからこそ大切なのは、「その時が来たら頑張る」ではなく、今日から逆算して動くことです。
ここでは段階ごとに、何を意識し、何を積み上げればいいのかを、具体的なチェックリストにしていきます。
一つずつ、確実にクリアしていこうね。

15-1. 受験前(体力・論文・面接材料:志望動機の具体例づくり)

まず大前提として、刑事という採用枠はありません。
スタートは「警察官採用試験」です。
だから受験段階では、警察官としての基礎力が問われます。

① 体力づくり
警察学校では体力訓練が日常です。
卒業後も交番勤務では夜勤・当番が続きます。
さらに刑事になると、前日の朝から一睡もできないことも珍しくありません。
40歳を過ぎて体力的に戻る人もいる世界です。
受験前から、持久走・腕立て・体幹トレーニングを習慣にしておこうね。

② 論文対策
警察官採用試験では作文・論文があります。
「なぜ警察官になりたいのか」を抽象的に語るだけでは弱いです。
将来、刑事として被害者のために何をしたいのかまで書けると説得力が増します。
たとえば「被害届を受理してもらえず苦しんでいる人を助けたい」「知能犯事件で泣き寝入りする人を減らしたい」など、具体的な視点を持とう。

③ 面接材料の具体化
刑事は被害者のいる犯罪を扱います。
だから「人の話を最後まで聞ける」「冷静に判断できる」経験を準備しよう。
アルバイトでのクレーム対応、部活動でのまとめ役など、具体的エピソードを用意しておくことが大切です。

15-2. 入校〜卒業(成績・規律・文章:人事評価を落とさない)

警察学校の成績は軽く考えてはいけません。
卒業試験順位は人事記録に定年まで残ります。
ここでの評価は、その後の推薦に影響します。

① 成績を落とさない
法律、実務、射撃、逮捕術。
どれもバランスよく取り組もう。
特に刑法は、将来刑事になるなら絶対に強くなっておくべき分野です。
刑事は刑法犯(公然わいせつを除く)の検挙が中心だからです。

② 規律を守る
遅刻や素行不良は致命傷です。
講習は年間1〜2人しか行けません。
候補者が複数いる場合、「安心して推薦できる人」が選ばれます。
評判は静かに積み上がり、静かに広まります。

③ 文章力を鍛える
刑事になると、書類はざっと300種類前後あると言われます。
変死の取り扱いだけでも数十種類です。
報告書、送致書類、捜査報告書。
文章が書けない刑事は苦労します。
日頃から正確で簡潔な文章を書く癖をつけよう。

15-3. 交番1〜3年目(職質・検挙・初動対応・署内信用の積み上げ)

どんなに優秀でも、卒業後は交番勤務です。
ここが刑事への本当のスタートラインです。

① 職務質問を逃げない
職務質問の実績は重要です。
消極的では推薦は来ません。
「声をかける」「粘る」「記録を残す」。
地道な積み重ねが評価されます。

② 小さな検挙を確実に
交通違反取締りや軽微事件でも、手続きを丁寧に。
雑な書類は信頼を失います。
刑事は被害届を受理して捜査する立場です。
交番時代から正確な手続きができる人が評価されます。

③ 初動対応を学ぶ
刑事は変死や重大事件の初動に立ち会います。
現場保存、関係者聴取、証拠確認。
交番勤務でも事件現場に臨場する機会があります。
その一回一回を真剣に取り組もう。

④ 署内の信用
「今度講習に行った○○は使えない」と言われたら終わりです。
講習後の評判が悪ければ、その署で刑事課に入れないこともあります。
信用は最大の武器です。

15-4. 講習申請前(推薦を引き出す面談準備/実績の見える化)

刑事講習は希望すれば誰でも行けるわけではありません。
書類選考や面接で落ちることもあります。
だから準備が必要です。

① 実績を数字で整理
職質件数、検挙件数、感謝状など。
具体的に言えるようにまとめておこう。
「頑張っています」では弱いです。

② 面談対策
なぜ刑事になりたいのか。
変死の取り扱いも含めて覚悟があるか。
腐敗遺体や司法解剖に立ち会う現実を理解しているか。
ここを逃げずに語れることが大切です。

③ 評判の最終確認
上司や同僚からの評価は決定的です。
日頃の態度がそのまま推薦に反映されます。

15-5. 刑事課配属後(書類・送致・証拠管理・当番対応の習慣化)

晴れて刑事になっても、ゴールではありません。
むしろここからが本番です。

① 書類作成の徹底
300種類近い書類。
丸一日デスクワークという日もあります。
正確さとスピードを両立させよう。

② 送致準備の責任
逮捕事件の送致は重い仕事です。
不備は許されません。
被害者の人生がかかっています。

③ 証拠管理
スマートフォン解析、銀行取引明細入力など、地道な作業が続きます。
派手さはありません。
でもここが捜査の核心です。

④ 当番と変死対応
万引き、痴漢、そして必ず入る変死。
1体で何時間もかかることがあります。
司法解剖立ち会いもあります。
刑事と変死は切っても切れません。
覚悟を持って向き合うことが必要です。

刑事への道は、確かに険しいです。
でも一歩一歩、今日の行動を変えれば、ちゃんと近づいていきます。
目の前の仕事を丁寧に。
信用を積み重ねる。
そして覚悟を持つ。
それが、刑事になるための最短ルートなんだよ。