「紙の通帳が有料になるって聞いたけど、Eco通帳に変えて本当に大丈夫?」そんな不安を抱える方が増えています。確かに、Eco通帳は便利でスマートな選択肢ですが、その裏には思わぬ不便やリスクも潜んでいるのです。この記事では、三菱UFJ銀行のEco通帳に切り替える前に知っておきたいデメリットや注意点、実際に起きているトラブル、高齢者や家族管理の壁などをわかりやすく解説します。
1. はじめに:Eco通帳とは?「便利」の裏にある落とし穴
三菱UFJ銀行では、デジタル化の流れに対応する形で「Eco通帳(エコ通帳)」という新しい形の通帳サービスを提供しています。これは紙の通帳に代わるインターネット通帳で、スマートフォンやパソコンから取引明細を確認できるという点が最大の特徴です。一見とても便利そうに見えますが、その裏には見逃せない落とし穴もあるんですよ。特に、年配の方や家族で通帳を使い回しているご家庭などにとっては、思わぬ不便を感じることも少なくないんです。ここでは、Eco通帳の導入背景や仕組み、そしてその「便利さの裏にあるリスク」について、詳しくお話していきますね。
1.1 三菱UFJ銀行のEco通帳とは何か?
Eco通帳は、2020年1月24日から本格的にキャンペーンが展開され、利用者の拡大が進められています。これはそれまでの紙の通帳に代わり、Web上で入出金の明細が確認できるようにしたものです。たとえば、過去25か月分の明細がすぐにチェックできたり、申し込みをすれば最長10年分の「お取引推移表」もPDFで確認できるなど、便利な面がたくさんあります。
また、ATMの時間外手数料が無料になるといった特典もあり、若年層やビジネスパーソンを中心に人気が出ています。さらに、紙の通帳を持ち歩かないことで紛失や不正利用のリスクも軽減されます。とはいえ、「全ての人にとって使いやすいか?」と問われると、そうとは言い切れません。特にデジタルに不慣れな高齢者や、家族と共有で使っていた人には、意外な落とし穴があるんです。
1.2 紙の通帳が有料化?背景にあるコスト削減の狙い
では、なぜここまでEco通帳が推奨されているのでしょうか?その大きな理由のひとつがコストの削減です。実は、紙の通帳を1口座あたりで維持するには、年間200円の印紙税や、印刷・配送などの運用コストがかかっていたのです。銀行としてはそれを減らしたいというのが本音。
この流れを後押しするように、2019年6月10日以降に新しく口座を開設する場合、原則として紙の通帳は発行されないことになりました。さらに、Eco通帳への切り替えを促進するため、先着10万人に1,000円をプレゼントするキャンペーンまで行われていたんですよ。
つまり、この流れは「ユーザーに便利な新サービスを提供するため」というよりも、銀行側のコスト削減策の一環でもあるのです。そしてその結果として、紙の通帳を引き続き使いたい人には逆風が吹くようになってしまいました。切り替えを拒む場合は、今後紙の通帳が有料化される可能性も十分に考えられます。実際、他の銀行ではすでに年間500円の手数料がかかる例も出てきています。
Eco通帳は確かに未来型で便利な面も多いですが、それがすべての人にとって最適解とは限りません。特に高齢の方や、家族間で通帳を共有する使い方をしているご家庭にとっては、紙の通帳がなくなることによる不便が予想以上に大きいのです。この章ではその点に焦点を当て、次の章で具体的なデメリットや注意点について深掘りしていきますね。
2. Eco通帳のデメリットとは?利用前に知っておくべき6つの注意点
2.1 ATMでできることが減る?通帳レスで困る取引とは
Eco通帳に切り替えると、紙の通帳が使えたATMでの一部取引ができなくなります。例えば、ATMでの振替や、キャッシュカードを使わずに紙の通帳だけで行っていた預け入れ・出金などが、Eco通帳では利用できません。
特に、キャッシュカードを紛失したときなど、紙の通帳があれば代わりに使えた場面がなくなってしまうのです。
これは、年配の方や機械操作に不慣れな方にとっては、大きな不安材料となります。
「ちょっとATMに行って通帳で入金しよう」ができないって、思った以上に不便かもしれませんね。
2.2 紙に戻すのが大変?Eco通帳からの復帰手続き
「やっぱり紙の通帳に戻したいな」と思ったとき、すぐには戻せないのもEco通帳の注意点です。
切り替え前のようにWebからの簡単な操作では復帰できず、原則として三菱UFJ銀行の本支店に出向いて書面で手続きを行う必要があります。
しかも、Eco通帳と紙の通帳は併用ができないため、紙に戻すとEco通帳のメリットはすべてなくなります。
手間もかかるし、時間もかかるし、「ちょっとやっぱやーめた」が難しいのは、事前に知っておきたい大事なポイントですね。
2.3 明細の保存期間に制限あり?過去取引の確認方法
Eco通帳では入出金明細を最長25か月分までしか確認できません。
「もっと前の履歴を見たい!」というときは、「お取引推移表」というPDF形式の明細を申し込む必要があります。
これは過去10年分まで遡って確認できる便利な仕組みではありますが、申し込みが必要で、すぐに見られるわけではない点は注意が必要です。
また、「明細を紙でファイルして管理していた」という人にとっては、デジタル明細の整理がかえって面倒に感じることもあるかもしれませんね。
2.4 キャッシュカード依存の不安とそのリスク
Eco通帳を使うということは、キャッシュカード1本で口座を管理することになるという意味でもあります。
つまり、キャッシュカードを紛失したり、磁気不良で使えなくなった場合、すぐに預金の出し入れができなくなるというリスクが生じるのです。
紙の通帳があるときは、カードが使えなくても代替手段がありましたが、Eco通帳ではそれが通用しません。
また、高齢者など、カードの管理が不安な方にはストレスの種になることも。大切な口座だからこそ、複数のアクセス手段がある方が安心ですよね。
2.5 通帳がないと誰が困る?代理管理のハードル
「自分はスマホもパソコンも使えるから大丈夫」と思っていても、家族が代わりに管理する場面を想像してみてください。
たとえば、病気や入院で口座の管理を家族にお願いしたいとき。Eco通帳では、ログイン情報を知らないと中身を確認できません。
紙の通帳なら目で見て確認できますが、デジタル化されたEco通帳は、使い慣れていない家族にとってはハードルが高いのです。
特に、高齢の親がEco通帳に切り替えた後で、子どもが代わりに管理しなければならなくなったときなど、思わぬトラブルになる可能性もあります。
「将来のことを考えると、紙の通帳があった方が安心」という声も多いのは、このあたりが理由なんですね。
2.6 通帳コピーの提出が必要な場面での対応法
何かの申請や手続きで、「口座情報の分かる通帳のコピーを提出してください」と言われること、ありますよね?
Eco通帳では「通帳表紙イメージ」をPDFでダウンロードできる機能がありますが、これがすべての提出先で認められるとは限りません。
たとえば、役所や学校、企業によっては「紙の通帳のコピーでないと不可」としている場合もあります。
このようなときには、銀行に連絡して対応してもらう必要が出てくるかもしれません。
スムーズな手続きのためにも、「通帳コピーが必要な場面に対応できるか?」を事前に確認しておくことが大切です。
3. 実際に起きているEco通帳のトラブルと利用者の声
3.1 家族が通帳を確認できないことで起きた誤解
Eco通帳はスマホやパソコンを使って取引明細を確認できる便利なサービスですが、紙の通帳のように「見せて共有する」ことができません。特に家族間でお金の管理を共有しているケースでは、この点が大きな問題になることがあります。
たとえば、親が入院中に子どもが代わりに通帳を確認しようとしたとき、Eco通帳のパスワードが分からなければ何もできません。「通帳はどこ?」「残高はいくら?」と聞かれても、紙の通帳のように手元でパッと見せられないため、ちょっとした誤解が大きな不信につながることも。ある家庭では、親が送金したお金が子どもに届いていないと勘違いされ、後日家族間で揉め事になったそうです。
紙の通帳があれば、誰でも視覚的に確認できるという安心感がありました。Eco通帳は「本人しか見られない=安心」と捉える人が多い一方で、家族で管理する状況ではむしろ不便で不安のもとになるという声も多いのです。
3.2 高齢者が手続きできずに放置された口座
Eco通帳の一番のハードルは、やはり「デジタルが苦手な高齢者」にとっての使いにくさです。特に、スマホやパソコンの操作に慣れていない方は、Eco通帳のログインすらできず、口座の管理を放置してしまうことがあります。
あるおばあちゃんのケースでは、通帳がないことで自分の預金がどうなっているのか分からず、不安になって誰にも相談できないまま数か月が経過しました。それまで紙の通帳で毎月記帳していた習慣がなくなり、「残高が分からない」「取引履歴が見られない」とパニックになったそうです。
しかも、Eco通帳から紙の通帳に戻すには、実際に店舗に行かなければならないという制約があり、体が不自由な高齢者にとっては大きな負担です。そのまま口座を使わなくなってしまうことも多く、「デジタル化が進む一方で、高齢者が取り残される現実」が浮き彫りになっています。
3.3 入院・認知症などで家族が代わりに操作できない問題
人生はいつどんなことが起こるか分かりません。突然の入院や認知症の進行で、本人がEco通帳を操作できなくなるケースも十分に考えられます。こうした場合、紙の通帳であれば家族が代わりに記帳して確認できますが、Eco通帳ではログイン情報が分からないと一切アクセスできません。
特に問題となるのは、認知症を発症した親の口座に介護費用や生活費が入っているような場合です。家族が急に対応しなければならないのに、「通帳がない」「ログイン方法が分からない」となれば、お金を引き出すことすらできず、手続きは非常に煩雑になります。
このような状況では、銀行側も「ご本人でないとお取引はできません」としか言えず、成年後見制度などの法的手続きを経ないと何も進まないのです。つまり、Eco通帳は便利な反面、万一のときに家族が何もできない“情報のブラックボックス”になりかねないというリスクをはらんでいます。
一部の人にとっては「エコでスマートな選択」かもしれませんが、家族で支え合って生活している人にとっては、紙の通帳の方がずっと実用的な場合もあるのです。
4. 高齢者・IT初心者にとってのEco通帳の壁
Eco通帳は紙の通帳に代わる便利で環境にやさしい選択肢として広がっていますが、高齢者やIT初心者にとっては、むしろ大きな不安や不便を招く存在になりかねません。
とくに、スマートフォンやパソコンの操作が難しい人にとっては、通帳の確認ひとつでも一苦労。
ログインやパスワードの管理にも苦労し、「見られない」「触れない」不安が日常的に付きまといます。
ここでは、Eco通帳が抱える高齢者・IT初心者にとってのリアルな壁を3つの側面から見ていきます。
4.1 スマホ操作・パソコン操作に不安がある人の実情
「通帳が見たいのに、スマホの操作が分からない」。
これは、今や多くの高齢者が直面している現実です。
三菱UFJ銀行のEco通帳では、取引明細を確認するにはインターネットバンキングにログインして操作する必要があります。
しかし、スマートフォンやパソコンの基本操作に慣れていない人にとって、それは大きなハードルとなります。
特に70代以上の利用者では、「ページを開く」「ボタンを押す」といった基本操作さえ、誰かの助けを必要とすることが多いのです。
実際に、「画面の文字が小さくて読めない」「手が震えて正確に押せない」など、身体的な制約も重なり操作が難しいという声もよく聞かれます。
加えて、Eco通帳はATMでの記帳ができないため、「通帳を入れれば見られる」安心感が消えてしまいます。
結果として、「残高がいくらあるか分からない」「お金の管理ができない」といった不安が日々積み重なっていくのです。
4.2 ログインやパスワードの管理が大きな障壁に
Eco通帳では、取引明細を確認するたびに、ユーザーIDやパスワードの入力が必要です。
しかし、これがまた高齢者やIT初心者にとっての難関となっています。
「どこに書いたか忘れた」「パスワードが違うと何度も言われて入れない」
このような声は決して珍しくありません。
ログインに失敗すると、再設定の手続きが必要になりますが、これもWEB上でのやり取りが中心です。
メールアドレスの入力やSMS認証といったステップが加わることで、ますます複雑化。
一度パスワードを忘れるだけで「通帳を見られない」「使えない」状態になるのは、大きな不安要素となっています。
紙の通帳であれば、「手元に置いておけばよい」だけだったのに、デジタル化されたことで、むしろ不便に感じる人が少なくありません。
中には、「IDとパスワードを紙に書いて貼っておく」という危険な対処法を取る人もおり、セキュリティ上のリスクも懸念されます。
4.3 デジタル化が招く「情報格差」と金融孤立
Eco通帳は、スマホやパソコンをスムーズに使える人にとっては便利なツールですが、一方で情報格差を拡大し、金融孤立を生み出している側面も否定できません。
特に高齢者世代では、「子どもや孫に操作を頼むしかない」という状況になりやすく、自立した金融管理が難しくなっている現実があります。
もしも病気や認知症で本人が操作できなくなったとき、家族が代わりに残高確認や取引を行うには、さらに複雑な手続きが必要になります。
これは、本人確認の観点では正しい対応ではあるのですが、生活上の困難さにつながってしまうケースも多いのです。
また、紙の通帳があれば、介護施設の職員や訪問介護スタッフが代わりに確認することもできますが、Eco通帳ではそれができません。
結果として、お金の出し入れの状況が誰にも分からない「金融孤立」状態に陥る可能性があります。
こうした事態を避けるためには、銀行側が操作の簡略化や高齢者向けサポートの充実を図る必要があります。
同時に、デジタルに不慣れな方でも安心して使えるような配慮が求められているのです。
5. 法制度や家族間トラブルにも注意!通帳廃止の思わぬ影響
三菱UFJ銀行の「Eco通帳」は、便利で環境にもやさしいといったメリットが語られていますが、実は法的な手続きや家族間のトラブルという視点から見ると、思わぬ落とし穴が潜んでいます。
通帳を紙で持たないことで、財産の所在が不明瞭になったり、親族間の信頼関係が崩れたりするケースもあるのです。
以下では、特に注意しておきたい3つのポイントについてお話ししていきます。
5.1 相続や成年後見制度における通帳の役割
相続や成年後見制度を利用する際、紙の通帳は「お金の流れを視覚的に確認できる重要な証拠」として機能します。
例えば、相続手続きでは故人が持っていた資産の全体像を明確にするために、通帳記載の入出金履歴が使われます。
また、成年後見制度を利用する際にも、被後見人の財産管理状況を家庭裁判所に報告する必要があり、その際にも通帳が重要な根拠資料となります。
Eco通帳の場合は、過去の取引履歴を「お取引推移表」としてPDFで取得できますが、申込みが必要で、最大でも過去10年分までです。
しかも、こうした情報を第三者(例えば子どもや後見人)が取得するには本人の同意やアクセス情報が必要になり、手続きは煩雑になりがちです。
対して紙の通帳であれば、目の前にある物理的な証拠として裁判所や関係者にすぐ提示でき、利便性に大きな差があるのです。
5.2 財産把握に通帳が欠かせない理由
家族が急に病気で倒れたり、亡くなったりしたとき、残された家族がその人の財産を把握するためにまず確認するのが通帳です。
タンスや引き出しの中から通帳が見つかれば、どの銀行に口座があり、残高がどれくらいあるか一目で分かります。
ですがEco通帳の場合、ログイン情報がなければ内容の確認はできませんし、パスワードを知らなければ事実上、口座の存在すら気づかれないリスクもあります。
また、亡くなった本人が「Eco通帳に変えたこと」を家族に伝えていなかった場合、口座の存在自体が家族にとって“見えない財産”となってしまう危険性があります。
これはとても大きな問題で、相続財産の全容が把握できないと、申告漏れや不公平な相続の原因にもなりかねません。
紙の通帳は、「ここに資産がありますよ」という視覚的な証明になるため、財産管理においては今でも非常に重要な存在なのです。
5.3 家族間での信頼・監視・トラブルに繋がるリスク
通帳には、「誰がどのくらい使っているのか」「どこに送金しているのか」など、お金の使い方がダイレクトに記録されます。
これがあることで、家庭内でも「見える化」が進み、信頼関係の維持や監視の役割を果たしていました。
しかしEco通帳に移行してしまうと、通帳を物理的に共有できなくなるため、家族間で「何にお金を使っているのか」が分かりにくくなります。
たとえば、仕送りをしている親が子どもの口座を確認したいと思っても、ログイン情報がなければ見ることはできません。
また、離れて暮らす親がEco通帳を利用していた場合、家族が確認しづらいことで「本当にお金の管理ができているのか」という不信感につながることもあるのです。
さらに、認知症の進行や体調不良などで本人が操作できなくなったとき、紙の通帳がないと預金の確認や引き出しすら難しくなり、最悪の場合は家庭内で口座の存在や残高を巡るトラブルに発展するケースもあります。
家族のことを考えたとき、Eco通帳への切り替えが「自分だけの判断」で済まない理由が、ここにあるのです。
5.4 まとめ
Eco通帳は確かに便利な側面がありますが、相続・成年後見・財産管理・家族間の信頼関係といった大切なテーマでは、紙の通帳に勝る点が多くあります。
デジタルが進化する一方で、家族みんなが同じように使いこなせるわけではありません。
とくに親世代や高齢の家族がいる場合、紙の通帳を残しておくことは、家族全体への思いやりにもなります。
目に見える通帳があることで、いざというときの安心感やスムーズな手続きが叶うのです。
Eco通帳への切り替えを考えているなら、自分だけでなく「家族にとってどうか?」も、ぜひ一緒に考えてみてくださいね。
6. 紙通帳 vs Eco通帳 〜ライフスタイル別で考えるメリットとデメリット〜
6.1 子育て世帯・共働き世帯にとっての利便性
子育て中や共働きの家庭にとって、時間の有効活用はとっても大事です。
Eco通帳の最大のメリットは、銀行やATMに行かなくても入出金明細を確認できること。
これは、平日忙しく働くパパやママにとっては、かなりの時短になります。
特に「ネット銀行アプリで残高チェック → 家計簿アプリへ連携」という使い方は、スマホひとつで済むからとってもスマートですね。
また、最大25か月分の明細がWeb上で見られるので、保育料の引き落とし状況などもパッと把握できます。
ただし、家庭内での情報共有には注意が必要です。
夫婦どちらかだけがIDやパスワードを管理していると、もう一方が必要なときに確認できない…なんてケースも。
また、紙の通帳のように「見える場所にある安心感」がなくなるため、お金の動きを目に見える形で把握したい人には少し不安かもしれません。
特に、子ども名義の口座でお年玉や学資の入出金を記録しておきたい場合には、記録としての紙通帳の存在は重宝されることもあります。
6.2 高齢者世帯・家族が代行管理するケースのリスク
高齢者の方にとっては、紙通帳のほうが安心できるという声がとても多いです。
なぜなら、スマートフォンやパソコンの操作に慣れていない方もまだまだ多く、ネットバンキングに不安を感じる人が大勢いるからです。
たとえば、「アプリの開き方が分からない」「ログインIDを忘れた」など、ちょっとしたつまずきで口座をチェックできなくなることもあるのです。
さらに問題になるのが、家族が代わりにお金の管理をするケースです。
介護が必要になった場合など、家族が代理で通帳を管理する場面では、紙通帳なら目視で確認や記録がしやすいですが、Eco通帳ではID・パスワードを知らなければアクセスできません。
また、Eco通帳ではATMでの通帳取引(振替など)もできなくなるため、通帳を使った入金や振替を習慣にしていた人には大きな負担となります。
銀行窓口で紙通帳に戻すことは可能ですが、WEB上では手続きできず、店舗へ行く必要があります。
これも、高齢者にとってはハードルの高い作業ですね。
6.3 単身赴任・仕送りの場面での通帳活用法
単身赴任のパパ、大学進学で一人暮らしを始めたお子さんに仕送りをしているご家庭では、通帳を家族で共有するケースも多いのではないでしょうか?
たとえば、親が毎月通帳へ入金し、子どもがキャッシュカードで引き出すというスタイルです。
このような場合、Eco通帳に切り替えると、親側が手元で残高や入金履歴を確認することが難しくなるというデメリットがあります。
紙通帳なら、記帳すればすぐに確認できますが、Eco通帳ではスマホやPCでのログインが必要ですし、ログイン情報を家族間で共有するのもセキュリティ的に不安ですよね。
また、単身赴任の家庭で、夫がキャッシュカードを持ち、妻が通帳で残高を確認・管理するという役割分担をしているご家庭もあります。
この場合、Eco通帳では妻が確認したいときにすぐに確認できず、「今月の生活費、いくら使ったの?」と不安になることも。
紙通帳なら、「パッと見て安心」「記録が残る」「誰でも使える」と三拍子そろっています。
家族で役割を分けて管理するようなケースでは、Eco通帳はやや不便になる可能性が高いです。
6.4 まとめ
Eco通帳はとても便利で、特にデジタルに慣れた世代には使いやすい仕組みです。
ですが、ライフスタイルや家族構成によっては、「紙通帳の方が安心で便利」という場面もまだまだ多いのです。
子育て世帯や共働き家庭では、スマホで管理できる利便性が魅力ですが、家庭内での情報共有やアカウント管理には注意が必要です。
高齢者や家族が代わりに口座を管理する場合には、操作の簡便さや視認性を考えると紙通帳に軍配が上がることも多いでしょう。
また、単身赴任や仕送りなど、離れて暮らす家族間の金銭管理では、通帳を共有する利便性が失われることもあります。
つまり、大切なのは「自分にとって」だけでなく、「家族にとっても使いやすいかどうか」を一緒に考えることです。
Eco通帳にするかどうかは、家族みんなのライフスタイルに合わせて決めるのが、いちばん安心で確実な選択です。
7. 知らないと損?Eco通帳と他サービスとの併用テクニック
三菱UFJ銀行の「Eco通帳」は、とても便利なサービスですが、実は他のサービスと組み合わせることで、もっと快適に使える方法があるんです。「紙の通帳が使えないのが不安…」という方も、知っておくと損しない併用のコツをご紹介します。それでは、1つずつ見ていきましょうね。
7.1 紙通帳と併用できる裏技はあるのか?
まず気になるのが「紙の通帳とEco通帳を両方使えたら一番いいのに」という声。実は、三菱UFJ銀行ではEco通帳と紙通帳の『併用』は原則できません。一度Eco通帳に切り替えると、紙通帳は使えなくなります。
ですが、「やっぱり紙の通帳に戻したい!」と思った場合、銀行窓口に行けば、紙通帳への戻しは可能です。ただし、インターネットからの操作では戻すことができず、支店に出向く必要があります。また、Eco通帳から紙通帳に戻した後は、再びEco通帳に切り替える場合にも、また手続きが必要になります。気軽に行き来できるわけではないので、併用の「裏技」と言えるほどの方法は現状ないのが実情です。
7.2 「お取引推移表」って何?紙の代わりになる?
Eco通帳に切り替えると、「記帳ができない」と不安になる方も多いですよね。そこで登場するのが、「お取引推移表」です。このサービスを利用すると、最長で過去10年分までの取引履歴をPDFで確認・保存することができます。しかも、申し込みはネットから可能で、費用は無料です。
内容としては、紙の通帳よりも詳細で見やすいこともあります。取引日、摘要、金額、残高などがきちんと表示され、ExcelやPDF形式でダウンロードできるため、家計簿や確定申告にも活用できます。一部の手続き(例:残高証明代わり)にも使える場面がありますが、公的書類として提出が必要な場合は、「通帳表紙イメージ」を別途印刷する必要がある点に注意しましょう。
7.3 Eco通帳+インターネットバンキングでできること・できないこと
Eco通帳は単体でも便利ですが、インターネットバンキングと組み合わせると、さらに便利になります。たとえば、スマートフォンやパソコンから24時間いつでも入出金明細の確認ができるので、残高チェックが本当に簡単なんです。また、振込や定期預金の作成、住所変更などの手続きもすべてオンラインで完結できます。
一方で、Eco通帳だけでは対応できないこともあります。たとえば、ATMで紙通帳を使った「通帳振替」や「通帳預け入れ」などはできません。これは紙通帳があれば、キャッシュカードなしでも操作できた場面が、Eco通帳だとすべてキャッシュカードに依存するということ。高齢の親御さんが通帳だけでATMを操作していた場合には、切り替え後に困ることがあるかもしれません。
また、Eco通帳にしていると、何かの手続きで「通帳のコピー」を求められたとき、「通帳表紙イメージ」を印刷して提出する必要があります。この点でも、紙の通帳に慣れている方にはやや不便に感じるかもしれません。
7.4 まとめ
Eco通帳は便利でエコ、かつ銀行としても推奨しているサービスですが、使い勝手は紙の通帳とはかなり異なります。紙通帳との完全な併用は不可ですが、「お取引推移表」や「通帳表紙イメージ」など、補完的なサービスをうまく使うことで、Eco通帳でも安心して管理することができます。
インターネットバンキングと合わせて活用することで、振込や残高確認がぐっと楽になりますが、ATM操作や家族での通帳共有といった場面では注意が必要です。特に高齢の方や、家族間で通帳を共有していた人は、切り替え前にしっかりとシミュレーションすることが大切です。
「便利そうだから」と安易に切り替えるのではなく、自分と家族に合った使い方を選ぶことが、後悔しないためのコツですよ。
8. 結局、Eco通帳は誰におすすめ?誰におすすめできない?
8.1 Eco通帳が向いている人の特徴
Eco通帳はインターネットバンキングに慣れている人にとって、非常に便利なサービスです。特に、スマートフォンやパソコンでの操作に抵抗がない方で、普段からネットでの取引に慣れている人には、紙の通帳よりも合理的でストレスが少ないでしょう。
たとえば、ネットショッピングやクレジットカードの利用履歴をこまめに確認している人にとっては、入出金明細が最長25ヶ月分も簡単にチェックできるという点は大きなメリットです。
また、PDF形式で「お取引推移表」を申し込めば、最大10年分まで過去の取引履歴がさかのぼって無料で見られるので、確定申告や家計管理にも役立ちます。
さらに、ATM時間外手数料が無料になるのも見逃せないポイント。特に平日仕事で銀行に行けない方にはありがたい特典です。
通帳を紛失したり、不正利用されるリスクもなくなるため、セキュリティ意識の高い方や、紙の保管に手間を感じる方にもぴったりです。
8.2 Eco通帳が向いていない人の共通点
一方で、Eco通帳があまりおすすめできないのは、スマホやパソコンの操作に不慣れな方や、インターネットバンキングに不安を感じている人です。特にご高齢の方にとっては、通帳という「見てすぐ分かる安心感」が大切であり、デジタル画面での確認には抵抗を持つことも少なくありません。
たとえば、「紙に印字されているからこそ信用できる」という価値観を持つ方は少なくなく、そういった方にとってはEco通帳はむしろストレスになる可能性もあります。
さらに、Eco通帳はATMでの通帳記帳ができないため、通帳を利用した振替などの操作ができなくなるという点もデメリットです。キャッシュカードがないとATMでの入金ができないため、通帳を使って現金を預けていた人にとっては不便になるでしょう。
また、紙の通帳に戻したい場合には店頭での手続きが必要で、WEB上では完結できないのも障壁になります。
8.3 家族や自分の状況に合わせた最適な選択とは
Eco通帳を選ぶかどうかは、自分だけでなく、家族の使い方や生活スタイルも考慮する必要があります。
たとえば、お子さんに仕送りをしていて、親が通帳を使って入金し、子どもがキャッシュカードを使って引き出しているような家庭では、通帳が手元にあることで安心できるケースもあります。
また、単身赴任で家族と離れて暮らしている方など、通帳とキャッシュカードを別々の場所で使う必要がある状況では、紙の通帳の方が柔軟に対応できるかもしれません。
ご自身が突然病気や事故で入院した場合、家族が通帳を使って状況を確認する必要が出てくることもあります。そのとき、家族がEco通帳の操作に慣れていなければ、大切なお金の出し入れに支障をきたす可能性も否定できません。
このように、Eco通帳が便利かどうかは、「誰がどんなふうに使うか」によって大きく変わってくるのです。自分一人の利便性だけでなく、家族の状況や将来のことも考えて判断するのが、いちばん賢い選び方です。
9. まとめ:Eco通帳のデメリットを回避するために、今できる準備
9.1 事前に確認しておきたいチェックリスト
Eco通帳へ切り替える前に、まずは自分や家族の生活スタイルに合っているかを確認することがとても大切です。
以下のチェックリストを活用して、後悔のない選択をしてくださいね。
- スマートフォンやパソコンの操作に抵抗はないか?
- インターネットバンキングをすでに利用しているか?
- 家族が代わりに取引する場面は想定されるか?
- もし入院や認知症になったとき、家族がEco通帳を確認・操作できるか?
- 紙の通帳に戻したいとき、支店に行ける状況にあるか?
- ATMでの振替など、通帳が必要な操作をしていないか?
これらの項目にひとつでも「不安がある」と感じた方は、Eco通帳への切り替えを急ぐ必要はありません。
あなたの生活や安心感を大切にしましょう。
9.2 困ったときの相談先・サポート情報
「Eco通帳にしたけど使い方がわからない…」そんなときは、一人で悩まずに相談できる窓口を知っておくと安心です。
まず、三菱UFJ銀行の店舗窓口では、Eco通帳の設定方法や操作の仕方をスタッフが丁寧に教えてくれます。
また、公式サイトには「よくある質問(FAQ)」も用意されており、パソコンやスマホから24時間いつでも確認できます。
さらに、家族や親しい友人に操作を一緒にお願いすることもひとつの方法です。
とくに高齢の方は、「身近に助けてくれる人がいるかどうか」がEco通帳利用のカギになります。
また、どうしても不安なときは、紙の通帳を続ける選択も忘れないでくださいね。
一人ひとりに合った方法を選ぶことが一番大切です。
9.3 「見える化」+「備える」がこれからの通帳管理の鍵
これからの時代、通帳はただ「記録する」だけではなく、見える化して、備える道具として活用していくことが求められます。
たとえば、Eco通帳では最大25か月分の入出金履歴が確認できますし、「お取引推移表」を申し込めば最大10年間の取引記録がPDFで確認できます。
これを活用して、自分の資産をいつでも見える形で把握しておくことで、相続や終活の準備にも役立ちます。
でもね、家族がその存在を知らなかったり、操作できなかったら意味がないんです。
だからこそ、Eco通帳に切り替えるなら、家族と一緒に「見える化」+「共有」を進めておくことがとても大事です。
そして、将来の不安に備えるという視点も忘れないでくださいね。
通帳は「お金の記録帳」ではなく、「安心をつなぐ橋」でもあります。
Eco通帳の便利さと、紙通帳の安心感。
どちらも大事にしながら、自分と家族にとって一番いい選択をしていきましょうね。