「パエリアには何を入れればいいの?」そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。実は、パエリアの味を大きく左右するのが“具材選び”なんです。本記事では、定番の魚介類や肉、旬の野菜まで、ジャンル別におすすめの具材とその特徴を詳しくご紹介します。
1. パエリアをもっと美味しくするために知っておきたい基本知識
1-1. パエリアとは?発祥地バレンシアのルーツと現在の多様性
パエリアって聞くと、なんだかおしゃれで難しそうな料理に感じるかもしれないけれど、じつはスペインの家庭でもよく食べられる伝統的なごはん料理なんだよ。その始まりは、スペインのバレンシア地方。地中海沿岸のこの町では、農作業をしていた人たちが、身近な食材を使って屋外で作ったのがパエリアのはじまりなんだって。当時は、お肉や豆、野菜などを大きな平たい鍋で炊き上げる、いわゆる「農民料理」だったんだよ。
それが時代とともにどんどん進化して、いまでは魚介をたっぷり使ったものや、いろんな国のアレンジを加えたパエリアも登場しているの。日本では魚介が主流だけど、本場スペインでは肉だけのパエリアも当たり前なんだよ。
1-2. なぜ「具材」がパエリアの主役なのか?味の決め手になる理由
パエリアを美味しく作るために一番大事なこと、それは「具材選び」なんだよ。「え、ごはんが主役じゃないの?」って思うかもしれないね。でもね、パエリアではごはんに具材の旨味を吸わせることがポイントなの。だから、どんな具材を選ぶかで、味が大きく変わっちゃうんだ。
たとえば、えびやムール貝を使えば、魚介のだしがごはんにしみこんで、深い海の味になるし、鶏肉を使えばコクと旨味がアップするんだよ。しかも、見た目も豪華になるから、おもてなし料理にもピッタリなんだ。さらに、野菜の彩りが加わることで、見た目にも味にもバランスがとれるよ。
だからパエリアは、「どんな具を使おうかな?」って考えるところから楽しめる料理なの。具材の組み合わせ次第で、味も印象もガラッと変わるから、まるで自分だけのオリジナルパエリアが作れるんだよ。
1-3. 具材選びが決まる!パエリアの3大ジャンルとは?(バレンシア風・マリスコス・ミクスタ)
パエリアには実は大きく分けて3つのスタイルがあるんだ。それぞれに使う具材が違っていて、「どんな味が好きか?」で選べるのが楽しいところなんだよ。
① バレンシア風パエリアこれは元祖パエリアとも言えるスタイルで、本場スペインのバレンシア地方でよく食べられているの。使うのは鶏肉やうさぎの肉、インゲン豆、白インゲン豆、トマトなど。スペインではうさぎ肉が一般的なんだけど、日本では手に入りにくいから鶏肉で代用するといいよ。肉の旨味をお米にしっかり吸わせる、コク深い味わいが魅力なんだ。
② マリスコス(魚介パエリア)日本で「パエリア」といえば、この魚介たっぷりのスタイルを思い浮かべる人が多いよね。えび、ムール貝、あさり、白身魚などを使って、海の香りが広がるパエリアができるよ。シーフードの旨味がごはんにじゅわ~っと染み込んで、とっても贅沢な味わいになるんだ。
③ ミクスタ(ミックスパエリア)名前の通り、肉と魚介を両方使う欲張りなパエリア!たとえば、鶏肉とえび、ムール貝にパプリカなんて組み合わせもアリ。スペインでも人気のスタイルで、見た目も豪華だし、味に深みが出るんだよ。どっちも楽しみたい人にはぴったりのスタイルなんだ。
それに加えて、最近ではソーセージとひよこ豆を入れたアレンジパエリアや、ラム肉を使った珍しいパエリアもあるんだよ。ラム肉はちょっとクセがあるけど、ハーブやスパイスを使えばとっても美味しく仕上がるんだ。
1.4 まとめ
パエリアって、具材によってこんなに味わいが変わるんだね!肉の旨味、魚介のだし、野菜の彩り――それぞれがパエリアの味を決める大切な要素なんだ。
だからこそ、自分の好みに合わせて具材を選んでみよう。今日の気分はどれ?バレンシア風?魚介たっぷり?それとも両方?パエリアの楽しみは、まさに「具材選び」から始まってるんだよ。
2. 魚介類を使ったパエリア:定番から変わり種まで
パエリアと聞いてまず思い浮かぶのが、魚介のうまみが詰まった海鮮パエリアではないでしょうか。
特に日本では、華やかな見た目と風味豊かな出汁が魅力の「魚介パエリア」が人気です。
でも、実はその具材選び一つで、味も見た目も大きく変わってくるんです。
ここでは、定番の具材から少し珍しいものまで、おすすめの魚介類をご紹介します。
おうちで作るときも、ちょっとした工夫でグッと本格的になりますよ。
2-1. エビ:ブラックタイガー、赤エビなど種類別の特徴と下処理方法
エビはパエリアの王様とも言える存在です。
中でも人気なのがブラックタイガーと赤エビ(アルゼンチン産など)。
ブラックタイガーはしっかりとした歯ごたえがあり、熱を加えても縮みにくいため、ぷりぷり食感を楽しめます。
赤エビは甘みが強く、火を通すととろけるような食感に変化します。
見た目も鮮やかな赤色になるので、パエリアの彩りにもぴったりです。
下処理としては、殻付きのまま使うと見た目が豪華になりますが、食べやすさを考えるなら殻をむいて背ワタを取っておくのがベスト。
エビの頭は捨てずに炒めて出汁をとると、濃厚な旨味が加わります。
このひと手間が、味に深みを出す大切なポイントなんです。
2-2. ムール貝・アサリ・ホタテ:出汁と見た目を両立する貝類の使い方
魚介パエリアで欠かせないのが貝類。
特にムール貝は、見た目のインパクトもさることながら、加熱することでたっぷりと旨味を出してくれる万能選手です。
また、アサリは和食でもおなじみで、旨味の強い出汁が特徴。
砂抜きが必要ですが、塩水につけて暗所に2時間ほど置けばOK。
加えることで、魚介全体の香りがグッと深まります。
ホタテは見た目も豪華で、甘みとコクをプラスしてくれるうれしい存在。
貝柱だけでも十分ですが、貝付きならさらにインパクト大。
ムール貝やアサリと組み合わせることで、見た目も味も本格派のパエリアが完成します。
2-3. タコ・イカ・白身魚(スズキやタラなど):プロっぽい演出ができる中級具材
ちょっと料理に慣れてきたら、タコ・イカ・白身魚を取り入れてみましょう。
まずイカは、火を通しすぎると固くなってしまうため、最後にサッと加えるのがコツです。
輪切りにしたり、ゲソ部分を炒めて使ってもOK。
タコは下茹でしておけばやわらかくなり、ほんのりとした甘みも加わります。
白身魚は、スズキやタラのようにクセが少ないものが使いやすいです。
焼き目をつけてから加えると、香ばしさがアップします。
バルなどで見かけるような、プロっぽい仕上がりになるので、ホームパーティーなどにもぴったりです。
2-4. 冷凍シーフードミックスを活用する時短テクニック
「魚介の下処理はちょっと面倒…」という方には、冷凍のシーフードミックスがとても便利です。
エビ・イカ・アサリなどがミックスされていて、解凍してそのまま使える手軽さが魅力。
でも、ちょっとした工夫をすれば、冷凍でも本格的な味に近づけることができます。
まず事前に塩水で軽く洗い、キッチンペーパーで水分をしっかり取るのがポイント。
こうすることで、炒めたときに余分な水分が出にくく、味がぼやけません。
さらに白ワインやニンニクと一緒に軽く炒めてから加えると、香りもグッと引き立ちますよ。
忙しい日の夜ご飯や、気軽に本格パエリアを楽しみたいときにぴったりの時短テクです。
3. 肉を使ったパエリア:本場感とボリュームを演出
パエリアといえば魚介類を思い浮かべる方が多いけれど、スペインの本場ではお肉もよく使われるんです。「海の幸」だけじゃなく「山の幸」もたっぷり味わえるのが、パエリアの魅力のひとつ。ここでは、お肉を使ったパエリアの具材について、まるっとご紹介しますね。
3-1. 鶏もも肉・ささみ:旨味と柔らかさのバランスが取れる王道食材
鶏肉は、日本でも手に入りやすくて失敗が少ないパエリアの定番具材です。特におすすめなのが「鶏もも肉」と「ささみ」です。鶏もも肉は脂がほどよく、加熱してもジューシーさが残るので、お米にもおいしい旨味がしみ込みますよ。
一方、ささみはヘルシー志向の方や、あっさりとした味が好みの人にぴったり。お肉の中でもくせがなく、野菜や魚介とも相性が抜群です。
本場スペインではうさぎ肉の代わりとして鶏肉を使うことが多いので、味のバランスや香りの調和もとりやすいんです。お子さまから大人まで、みんなで楽しめる安心の食材ですよ。
3-2. 豚肉・牛肉・ラム肉:肉の種類でガラリと変わる風味の違い
お肉の味をもっと楽しみたいなら、豚肉や牛肉、さらにはラム肉を使ったアレンジパエリアがおすすめ。
豚肉は甘みとコクがあって、お米にしっかり味が移るので食べごたえがあります。部位はバラ肉や肩ロースなど、少し脂があるものが良いですよ。炒めると香ばしい香りが広がって、もうそれだけで食欲がそそられます。
牛肉はコクが強く、特に赤ワインを使った味付けにすると大人っぽい味に仕上がります。ステーキ用の厚めの肉をカットして使うと、ゴロゴロ感が楽しめて、見た目にも華やかです。
ラム肉は少しクセがありますが、スペインではよく使われる伝統的な具材です。香草やスパイスを上手に使うと、香りが際立って本格的な仕上がりになりますよ。ローズマリーやタイムを加えると、パエリア全体がグッと洗練された味わいになります。
3-3. うさぎ肉や鴨:入手困難だけど一度は試したい本格派具材
ちょっと特別な日に挑戦してみたいのが、「うさぎ肉」や「鴨肉」を使ったパエリアです。
うさぎ肉は、本場バレンシア風パエリアでよく登場する伝統的な食材です。あっさりとした味でクセが少なく、どんな具材とも調和しやすいんですよ。日本ではなかなか手に入りにくいけど、通販やジビエ専門店などで見つけられることも。
鴨肉は脂がのっていて、噛むほどにコクが広がります。特に胸肉をロゼ色に仕上げると、パエリアの主役級になる高級感のある一皿に早変わり。
どちらも手に入りにくいけど、一度は試してみたい「本場感あふれる」具材です。
3-4. チョリソー・ソーセージとひよこ豆:スペイン家庭料理の定番アレンジ
スペインの家庭でよく見かけるのが、「チョリソー」と「ソーセージ」を使ったパエリア。ピリッとした辛さと、肉の旨味がギュッと詰まっていて、いつものパエリアがグレードアップしますよ。
チョリソーの赤い色がご飯に移って、見た目も食欲をそそるんです。また、日本のウインナーでも代用OK!小さめにカットすれば、食べやすさも抜群です。
そして、意外と知られていないけどおすすめなのが「ひよこ豆」。栄養価が高く、ホクホクした食感が楽しいアクセントになります。パエリアに加えると、お肉との相性も良くて一皿でバランスの良い食事になるんですよ。
どちらも常備しやすく、パエリアのアレンジ幅がグンと広がる便利な具材です。
4. 野菜で彩る!パエリアに合う野菜の選び方と組み合わせ
4-1. トマト・パプリカ:味と見た目のバランスを取る必須野菜
パエリアに欠かせない野菜といえば、トマトとパプリカです。
この2つの野菜は、味と見た目の両方に大きな影響を与えてくれます。
トマトはパエリアにほのかな酸味と甘みを加えるだけでなく、お米に自然な旨味を染み込ませてくれます。
完熟のフレッシュトマトをざく切りにして加えるのがおすすめですが、加熱時間を短くするためにカットトマト缶を活用してもOKです。
また、赤・黄・オレンジのカラフルなパプリカは、見た目をぐんと華やかにしてくれます。
焼き色がつくくらい炒めてから入れると、香ばしさもプラスされてさらに美味しくなりますよ。
特にお子様やおもてなしの場では、色鮮やかなパプリカは「パエリアらしさ」を演出するのにぴったりです。
視覚と味覚の両方で楽しめる野菜として、ぜひ取り入れてくださいね。
4-2. アスパラ・ブロッコリー・ズッキーニ:緑のアクセントを加える野菜たち
パエリアに緑の彩りを添えるなら、アスパラガス、ブロッコリー、ズッキーニのような緑黄色野菜が活躍します。
まずアスパラガスは、シャキッとした歯ごたえが心地よく、ほんのり苦味がアクセントになります。
春から初夏にかけて旬を迎えるので、季節感も演出できます。
ブロッコリーは見た目のボリューム感を増し、しかもビタミンや食物繊維も豊富なので栄養面でも優秀です。
少し硬めに茹でてから最後に加えると、鮮やかな緑が保たれて美しく仕上がります。
そしてズッキーニは、クセがなく他の食材の味を引き立てる存在です。
輪切りにして軽くソテーしてから加えることで、香ばしさと甘みが加わりますよ。
緑の野菜は、料理の印象をぐっと明るくしてくれるだけでなく、健康的な食卓を演出するのにもぴったりですね。
4-3. きのこ類(しめじ・マッシュルーム):旨味と香りを足す脇役の主役
パエリアの具材に「きのこ?」と思われる方もいるかもしれませんが、きのこ類は驚くほど優秀な存在なんです。
特におすすめなのがしめじとマッシュルーム。
しめじは火を通すことで旨味がぐんと増し、全体の味わいに深みを加えてくれます。
マッシュルームはヨーロッパでも広く使われていて、パエリアとの相性も抜群です。
バターやオリーブオイルで軽く炒めて香りを引き出してから加えると、風味豊かな一皿に仕上がります。
また、きのこ類は肉や魚介とも非常に相性が良く、どんなタイプのパエリアにも溶け込んでくれます。
「ちょっと具材が足りないな」と思ったときに加えると、ボリュームもアップしますよ。
地味だけど、実はとても頼れる存在。脇役だけど主役級の働きをしてくれるきのこ類は、ぜひ取り入れてみてくださいね。
4-4. 季節の野菜を使ったパエリア:春(菜の花)、夏(とうもろこし)、秋(さつまいも)、冬(ごぼう)
季節を感じる食材を使ったパエリアも、とっても素敵です。
四季の移ろいを食卓で表現できるなんて、なんだかワクワクしますよね。
春は「菜の花」。少し苦みのある味わいが特徴で、パエリアにほろ苦い春の香りを添えてくれます。
彩りも鮮やかで、一気に春めいた印象に仕上がります。
夏には「とうもろこし」を。粒をそのまま散らして使うと、自然な甘みがご飯全体に広がって、子どもも喜ぶ味になります。
黄色い粒がパエリアの見た目にもぴったりです。
秋は「さつまいも」。ホクホクとした食感が特徴で、ほのかな甘さが全体を優しく包み込みます。
角切りにして加えると、食べ応えもアップしますよ。
冬には「ごぼう」を。きんぴらごぼうのように薄くささがきにして炒めて加えると、香りと食感が絶妙です。
根菜ならではの力強さが、寒い季節のパエリアにぴったりです。
このように、季節の野菜を上手に使うことで、一年中楽しめるパエリアが完成しますよ。
5. お米とスープ:具材の引き立て役にもなる重要要素
パエリアを美味しく作るうえで、華やかな具材に目がいきがちですが、実はお米とスープの選び方こそが料理全体の仕上がりを大きく左右する重要なポイントです。
ここでは、パエリアに適したお米の種類やスープの選び方、そして色と香りを支える香辛料について、子供にもわかるようにやさしく紹介していきますね。
5-1. バレンシア米と代用できる日本米・輸入米(カルローズなど)
パエリアに最適なお米といえば、やっぱり「バレンシア米(Arroz de Valencia)」です。
スペイン東部・バレンシア地方の代表的な品種で、短粒で水分の吸収が良く、スープのうまみをしっかり吸ってくれるのが特徴なんです。
ただ、日本では手に入りにくいこともありますよね。
そんなときにおすすめなのが、アメリカ・カリフォルニア産の「カルローズ米」です。
これはバレンシア米に近い性質を持ちつつ、日本でも比較的入手しやすい輸入米です。水加減に注意すれば、おいしいパエリアが作れますよ。
また、どうしても手元にあるお米で作りたい場合は、「コシヒカリ」や「ななつぼし」など粘りが控えめな品種を選びましょう。
ただし、日本米は水分を多く含みやすいので、炊き加減やスープ量の調整がカギになります。
5-2. 魚介だし・鶏だし・野菜だし:具材ごとに合うスープの選び方とレシピ
パエリアの土台となるのがスープ。これを「ストック」や「ブイヨン」とも呼びますが、具材によって相性のよいだしを選ぶことが、とても大切なんですよ。
たとえば、エビやムール貝など魚介が中心のパエリアには「魚介だし」がおすすめ。
殻付きのエビやアサリを軽く炒めてから水で煮出すだけで、簡単に美味しいだしが取れます。
煮汁を濾すと、透明感のあるきれいなスープができますよ。
鶏肉や豚肉を使うなら「鶏だし」がぴったりです。
鶏ガラや骨付きの鶏肉を弱火でコトコト煮込むと、うまみたっぷりの黄金色のスープが完成します。
特に、鶏肉はうまみとコクが深く出るので、お米にも具材にもよく合います。
野菜中心のパエリアには、「野菜だし」がヘルシーで優しい味わいを生み出します。
玉ねぎ・にんじん・セロリ・トマトなどを水で煮て、あっさりした甘みのあるスープを作ってみてくださいね。
5-3. サフラン・ターメリック・パプリカパウダー:色と香りを支える名脇役
パエリアの魅力のひとつが、あの黄金色。
実はこの色と香りを支えているのが、「サフラン」「ターメリック」「パプリカパウダー」といった香辛料たちなんです。
まず、サフラン。
これはクロッカスの花のめしべから採れる高価なスパイスで、ほんの少しでも鮮やかな黄色と華やかな香りをつけてくれます。
お湯に数分浸して色を出してからスープに加えるのがコツです。
もう少し手軽に色づけしたいなら、「ターメリック」が使いやすいです。
カレー粉の原料にもなっていて、クセが少なく子供でも食べやすいですよ。
そして、「パプリカパウダー」は色だけでなく、ほんのり甘みと香ばしさもプラスしてくれる名脇役。
スペインの家庭ではよく使われていて、パエリアに奥行きのある味わいを加えてくれます。
5-4. まとめ
パエリアを本当においしく仕上げるには、具材だけでなくお米・スープ・香辛料という「ベースの三本柱」をしっかり押さえることが大切です。
お米はバレンシア米やカルローズ米、スープは魚介や鶏、野菜に合わせて、そして香りはサフランやターメリック、パプリカパウダーで彩る。
この組み合わせで、見た目も味も本格的なパエリアが、おうちでも楽しめるようになりますよ。
ぜひ、お気に入りの組み合わせを探してみてくださいね。
6. パエリアの組み合わせ術|シーン別おすすめ具材例
6-1. 子どもと一緒に:骨なし鶏肉・コーン・エビのマイルドパエリア
家族で楽しむ夕食や、お子さまと一緒に囲む食卓には、骨なしの鶏もも肉をベースにしたパエリアがおすすめです。
鶏肉は日本でも手に入りやすく、クセがない味わいで子どもにも大人気。
ここに甘みのあるコーンを加えると、彩りもよくなり、優しい甘さが全体をマイルドに仕上げてくれます。
さらに、ぷりぷり食感のむきエビを加えれば、おいしさと見た目の豪華さもアップ。
骨や殻がない具材を中心に選ぶことで、小さなお子さまでも安心して食べられる工夫が詰まっています。
味つけは塩とコンソメでシンプルに仕上げ、仕上げにパセリをぱらりとかけるだけでも、本格的な雰囲気が演出できますよ。
親しみやすさと食べやすさを両立した、家族向けの一皿です。
6-2. ホームパーティー向け:シーフード×カラフル野菜で華やかさ重視
おもてなしやホームパーティーでパエリアを出すなら、見た目の華やかさがポイントです。
おすすめはムール貝・エビ・イカなどの海の幸をふんだんに使ったパエリア。
これにパプリカ(赤・黄)、アスパラガスやブロッコリーといったカラフルな野菜を加えると、テーブルが一気に華やぎます。
特にパプリカとトマトは彩りだけでなく、旨味も引き出してくれる優秀な食材です。
シーフードの下処理が面倒な場合は、市販のシーフードミックスを使うのも手軽で便利。
レモンを添えるだけでプロ顔負けの仕上がりになりますよ。
盛りつけにもこだわって、大きめのフライパンでそのままサーブすれば、写真映えも抜群です。
6-3. ヘルシー志向に:魚介と野菜中心のローカロリーレシピ
ダイエット中の方やカロリーを控えたい方には、魚介と野菜をメインにしたヘルシーパエリアがぴったりです。
たとえば、白身魚(タラやスズキなど)は脂肪分が少なく、淡白な味わいで他の具材とも調和します。
ここにあさりやはまぐりなどの貝類を加えると、うま味が増して満足度もアップ。
野菜はブロッコリー・きのこ・ズッキーニを取り入れると、低カロリーでありながらボリューム感が出せます。
味つけは塩とレモンでさっぱりと仕上げて、オリーブオイルは控えめにするとより軽やかに。
身体にやさしく、見た目にも美しい一品は、健康を気遣う方へのおもてなしにも最適です。
6-4. 男性ウケ重視:肉たっぷりミートパエリア
ガッツリ食べたい男性には、肉が主役のミートパエリアがおすすめ。
本場スペインではうさぎ肉を使うこともありますが、日本では手に入りにくいため、鶏肉・豚バラ・牛肩ロースなどを組み合わせると良いでしょう。
中でもソーセージとひよこ豆の組み合わせは、スペインでも定番の具材。
ひよこ豆は食物繊維やたんぱく質が豊富で、ボリューム感を出しつつ栄養価も高めてくれます。
味つけはパプリカパウダー・ガーリック・チリペッパーでしっかりと風味をつけ、男性の食欲をそそるように仕上げるのがコツ。
ご飯に肉のうま味がしっかりと染み込み、食べごたえ満点の一皿に。
ボリュームとインパクトを重視したい場面で活躍する、頼れるレシピです。
7. 地域と文化によるアレンジの幅を知る
パエリアはただの魚介ごはんじゃないんだよ。地域や文化によって、使われる具材も味付けもまったく違うの。だから、「何を入れれば正解?」って悩んでる人にとって、このバリエーションの幅広さを知ることは、とっても役立つのよ。
7-1. バレンシア地方の伝統:うさぎ肉といんげんの古典パエリア
パエリア発祥の地、スペイン・バレンシア地方では、なんと魚介ではなくうさぎ肉を使うのが伝統なんだよ。ちょっとびっくりするかもしれないけど、地元ではとてもポピュラーなの。
この伝統的な「パエリア・バレンシアーナ」は、うさぎ肉や鶏肉、それに平さやいんげん(フェルラ)と白いんげん豆などを一緒に煮込んで作るの。お米にお肉のうまみがぎゅーっと染み込んで、とっても風味豊かになるんだよ。
ちなみに日本ではうさぎ肉ってあまり手に入らないけど、似た味わいの鶏肉で代用すれば十分おいしく作れるよ。バレンシア風を再現したい人は、肉と豆の組み合わせにチャレンジしてみてね。
7-2. カタルーニャ地方の魚介主役パエリア「アロス・デ・マリスコス」
「パエリアっていえば海の幸でしょ!」って思ってる人、多いよね。それもそのはず、スペイン北東部のカタルーニャ地方では、魚介類が主役のパエリアが人気なんだ。
この地域では「アロス・デ・マリスコス」と呼ばれていて、えび、ムール貝、イカ、ホタテなどの魚介類をたっぷり使っているのが特徴だよ。さらに、トマトやにんにくをベースにしたソフリット(炒めソース)と魚介のスープで炊くから、濃厚な海の風味が味わえるの。
記事でも紹介されていたように、ムール貝や白身魚、あさりなどは日本でも手に入りやすいから、自宅でも作りやすいのがうれしいね。見た目も豪華だから、おもてなし料理にもぴったりなんだよ。
7-3. 南米・アジア・地中海風:海外で進化した創作系パエリア
パエリアはスペインだけのものじゃないよ。世界中でアレンジされて、各地の味に染まった創作パエリアがたくさんあるの。
たとえば南米では、トウモロコシやパプリカ、チリソースを加えたピリ辛アレンジが人気。アジアでは、ナンプラーやココナッツミルク、レモングラスを使ってタイ風やベトナム風に仕上げることもあるのよ。
さらに地中海沿岸では、オリーブやフェタチーズ、ズッキーニやナスを加えて、ヘルシーで彩り豊かなベジ系パエリアが好まれてるの。
こういった海外スタイルは、具材の自由度が高いから、おうちの冷蔵庫にあるもので楽しくアレンジできるよ。いつものレシピに飽きたら、世界のパエリアを旅してみよう!
7-4. 日本ならではのアレンジ例(明太子・しらす・昆布だし)
日本でも、和風アレンジのパエリアがすごく人気になってきているよ。たとえば、明太子やしらすを使ったら、海の香りが豊かで白いごはんに合う味わいになるの。
中には、昆布やかつおの和風だしで炊き上げた「和風パエリア」なんてものも。これなら、魚介のうまみに加えて、和のだしの深い味わいが合わさって、どこかホッとする味になるよ。
また、しいたけや小松菜などの和野菜を加えると、さらに親しみやすくなるし、見た目も鮮やかでおいしそうになるんだ。味噌やしょうゆベースで炊いても、ちゃんとパエリア風に仕上がるから驚きだよ。
「パエリア=スペインの料理」って思っている人も多いけど、こんな風に日本ならではのアレンジで、もっと自由に楽しんでいいんだよってことを知ってほしいな。
8. よくある質問&失敗しないコツ
8-1. 具材を入れる順番は?火の通りと香りを考えた工程
パエリア作りで失敗しがちなポイントのひとつが、「具材の投入タイミング」です。
火の通りや香りの出方を考えて順番を工夫することで、格段に美味しくなりますよ。
まずは鶏肉や豚肉などの火の通りにくい具材からしっかり焼きましょう。
香ばしさが出るまで炒めることで、旨味がベースのオイルに移り、全体のコクがアップします。
次に、エビやイカ、貝などの魚介類を軽く炒め、表面に火が入ったら一度取り出しておきます。
長く加熱しすぎるとパサつくので、仕上げに戻すのがポイントです。
最後に、トマトやパプリカなどの野菜を加えます。
トマトは水分が多いので後から加えるとライスがべちゃっとなりにくく、見た目も鮮やかに仕上がります。
このように具材の順番に気をつけることで、それぞれの旨味と食感を最大限に活かした一皿になりますよ。
8-2. 下ごしらえが面倒?冷凍・加工品の上手な使い方
「魚介の下処理が大変そう…」と不安な方も多いですよね。
そんなときに便利なのが冷凍シーフードミックス。
ムール貝やエビ、イカが入っているタイプなら、解凍してそのまま使えるので手間いらずです。
ただし、解凍方法にはひと工夫が必要です。
冷蔵庫でゆっくり自然解凍するか、塩水で軽く洗って水分をしっかり取ると、臭みが出にくくなります。
また、香ばしさを出すために、炒める前にキッチンペーパーで水気を拭き取るのが大事なポイントです。
さらに、ソーセージや缶詰のひよこ豆などもスペインではよく使われています。
こうした加工品を上手に取り入れることで、手軽で失敗の少ないパエリアになりますよ。
8-3. 具材から水分が出すぎてベチャベチャになる原因と対策
「パエリアを作ったらお米がベチャベチャに…」
これは具材から出る水分が多すぎるのが原因かもしれません。
特にトマト、冷凍シーフード、きのこなどは水分が出やすいため、使い方に注意が必要です。
まず、トマトは湯むきして種を取り除いてから使うと、水っぽさが抑えられます。
また、シーフードは炒める前にしっかり水分をふき取りましょう。
さらに、お米の種類や火加減も大切です。
日本のお米ではなく、スペインの「バレンシア米」や、吸水の少ない「カルローズ米」などがおすすめです。
水加減はお米の1.5倍が目安ですが、具材の水分量を見て少し減らすのもコツですよ。
8-4. 家庭のフライパンや炊飯器でもできる?調理器具別テクニック
「うちにパエリアパンがないけど大丈夫?」という声もよく聞きます。
結論から言うとフライパンでも炊飯器でもOK!
それぞれに合ったテクニックを知れば、美味しいパエリアが家庭でも作れます。
フライパンの場合は、直径28cm前後のものを使うと2〜3人前にぴったりです。
底が広くて浅めのものを選び、火加減は最初は中火、後半は弱火でじっくり炊きましょう。
最後に強火で1分ほど加熱して「おこげ(ソカラ)」を作ると、香ばしさが加わって本格的になります。
炊飯器で作る場合は、水分量を少なめに設定するのがポイントです。
炒めた具材とお米、スープを入れてスイッチを押すだけ。
炊き上がったらエビやパプリカを飾ると華やかに仕上がります。
どちらの方法でも、少しの工夫でお店のような味に近づけますよ。

