「こうゆう」と「こういう」はどう違う?意味と使い分けを徹底解説

「こうゆう」と「こういう」、どっちが正しいのか気になって検索したことはありませんか?

会話ではよく聞く「こうゆう」ですが、実は文章で使うと誤用とされることも。SNSや日常会話では通じる一方で、ビジネス文書や公的な場面では注意が必要です。

この記事では、「こうゆう」と「こういう」の違いを文法・辞書・発音・使用例から丁寧に解説します。

目次

1. はじめに:「こうゆう」と「こういう」…どっちが正しいの?

あなたも「こうゆう」と「こういう」、どっちが正しいのか迷ったことがありませんか?
実はこの2つ、どちらも耳にするけれど、意味や使い方には大きな違いがあります。

結論から言うと、正しい表記は「こういう」です。

でも、「こうゆう」も完全に間違いというわけではなく、使う場面によっては自然なんです。たとえば、友だちとおしゃべりしているときに「こうゆう話さ〜」って言うと、なんだか柔らかくて親しみやすい響きになりますよね。

一方で、ビジネスメールやレポートなどの文章では、「こういう」が正しい使い方です。
この記事では、なぜみんながこの2つで迷うのか、そしてどちらをどう使えばいいのかを、わかりやすく解説します。

1-1. 検索される理由とみんなが迷う背景

そもそも、なぜこんなにも「こうゆう」と「こういう」で迷う人が多いのでしょうか?
その理由のひとつは、発音の違いにあります。

日本語を話すとき、「こういう」を発音すると自然に「こうゆう」や「こーゆー」と聞こえることがあります。これは舌の動きや音のつながりが関係していて、話し言葉としてはとても自然な現象なんです。
そのため、耳で聞いた言葉をそのまま書いてしまうと、「こうゆう」と表記してしまう人が多いのです。

また、SNSなどのカジュアルな場面では「こうゆう」と書く人も少なくありません。
実際、Twitterなどで検索してみると、「こうゆうことあるよね」「こうゆう人好きだな」といった投稿がたくさん見つかります。

つまり、「こうゆう」は話し言葉の延長線であり、音の感覚に引っ張られて書いてしまうケースが多いのです。

1-2. この記事でわかること(結論:正しいのは「こういう」)

この記事を読むと、「こういう」と「こうゆう」の違いと、正しい使い方がはっきりわかります。

まず覚えておきたいのは、正式な日本語として辞書に載っているのは「こういう」だけだということ。
『広辞苑』や『大辞林』といった信頼できる辞書を調べても、「こうゆう」という単語は見つかりません。つまり、文章として正しいのは「こういう」なんです。

たとえば、「こういう場合は注意が必要です」や「こういう考え方が大事です」といった使い方が正解です。

一方で、「こうゆう」は誤用とされますが、会話の中では自然に使われている表現でもあります。
ですから、「正しい日本語を使いたいとき=こういう」、「親しい会話で使うとき=こうゆう」と覚えておくと分かりやすいですね。

1-3. どちらを使うと失礼になる?誤用で損しないために

では、「こうゆう」を使うと失礼になってしまうのでしょうか?
答えは「場面による」です。

友人や家族との日常会話なら、「こうゆうね」と言ってもまったく問題ありません。むしろ、親しみやすく自然に聞こえます。

ただし、ビジネスやフォーマルな文章では注意が必要です。
たとえば、上司に送る報告書や、取引先に出すメールで「こうゆう問題が起きました」と書くと、「この人、日本語が少し変だな」と思われてしまうかもしれません。実際に、ビジネスシーンでは「こういう」が正しい表現として広く認識されています。

また、学校の作文や大学のレポートでも「こうゆう」と書くと減点される可能性があります。つまり、「こうゆう」を書き言葉に使うと、評価や印象を下げてしまうリスクがあるんです。

一方で、口頭で話すときに「こういう」と発音するのはやや硬い印象を与えることもあります。
だからこそ、話すときは「こうゆう」でもOK、書くときは必ず「こういう」というルールを覚えておきましょう。これを意識するだけで、場に合った自然な日本語が使えるようになりますよ。

2. 「こうゆう」と「こういう」の基本的な違い

私たちが日常会話でよく耳にする「こうゆう」と「こういう」。
どちらが正しいのか、ちょっと迷ってしまうことがありますよね。

実はこの2つ、見た目や響きは似ていますが、正しい使い方には明確な違いがあります。
ここでは、辞書に載っている正しい日本語の形、そして話し言葉としての自然な使い方まで、やさしく詳しく説明します。

2-1. 「こういう」は正しい日本語表記

まず結論から言うと、正しい日本語の表記は「こういう」です。
「こういうこと」「こういう話」「こういう人」といったように、書き言葉では必ず「いう」を使います。これは、『広辞苑』や『大辞林』などの主要な国語辞典にも掲載されており、正式な日本語として認められています。

一方で、「こうゆう」という表記は辞書には存在しません。
例えば、国語辞典アプリで「こうゆう」と検索してもヒットしないでしょう。つまり、「こういう」は正しい表記であり、公式文書・ビジネスメール・論文などでは必ずこちらを使用すべきです。

小学校の国語の授業でも、「言う」という動詞の活用を学びますよね。
その「言う」の連体形(名詞を修飾する形)が「いう」なので、「こういう(=このような)」という形が文法的にも正しいのです。

2-2. 「こうゆう」は辞書に載っていない理由

「こうゆう」という表記が辞書に載っていないのには、きちんとした理由があります。
それは、「ゆう」は「いう」の音が変化した発音(音便)だからです。
つまり、言葉としては存在しますが、正式な表記ではないのです。

たとえば『広辞苑 第七版』を引いても「こうゆう」という項目は出てきません。代わりに「こういう」という形だけが掲載されています。
これは、「こうゆう」が話し言葉としては一般的に使われているものの、書き言葉としては認められていないことを示しています。

SNSやブログでは「こうゆう人、ほんと苦手」といった投稿を見かけることがありますが、これは多くの場合、口語的な発音がそのまま文字に反映されたものです。親しみのある書き方ではありますが、正式な文章では避けたほうが良いでしょう。

2-3. 「ゆう」と「いう」の関係を文法的に解説(動詞「言う」の音便)

では、なぜ「いう」が「ゆう」と発音されるのでしょうか。
これは、日本語の音便(おんびん)現象と呼ばれる自然な音の変化によるものです。

たとえば、「言う(いう)」という動詞を実際に発音するとき、多くの日本人は「ゆう」と言っています。これは発音をしやすくするために、母音の「い」が脱落して「ゆう」となる現象です。

同じような例は他にもあります。
「している」を「してる」、「行っている」を「行ってる」と発音するのと同じような日本語の省略・音便のパターンです。つまり、「こういう」を発音すると自然に「こうゆう」となるのは、日本語の音の流れとしてとても自然なことなのです。

このような音便は、日本語学の世界でも広く知られており、話し言葉ではまったく問題ありません。ただし、書くときには「こういう」とするのが文法的にも正しい形です。

2-4. 書き言葉では誤用になるが、話し言葉では自然

「こうゆう」は、書き言葉としては誤用ですが、話し言葉としてはとても自然です。
たとえば、友達との会話で「こうゆうのが好き!」と言ってもまったく違和感はありませんよね。それどころか、「こういうのが好き」と言うよりも柔らかく、親しみやすい印象を与えます。

一方で、ビジネスシーンやレポートなどのフォーマルな文章で「こうゆう」を使ってしまうと、「日本語の誤り」と受け取られてしまうことがあります。「こういう」を正しく使うことで、文章全体の信頼性や印象がぐっと良くなります。

つまり、「こういう」は書き言葉、「こうゆう」は話し言葉という区別をしっかり覚えておくことが大切です。
場面や相手に合わせて、自然に使い分けられるようになれば、日本語力がぐんと上がりますよ。

最後にもう一度まとめると、「こういう」は辞書にも載っている正しい表記であり、公式な文章では必ずこちらを使用しましょう。一方、「こうゆう」は日常会話やSNSなどカジュアルな場面では自然な表現です。
どちらが正しいかではなく、使う場面で選ぶことがポイントなのです。

3. 辞書・文法・公的資料で確認する「こういう」の根拠

「こうゆう」と「こういう」、どちらが正しいのかを確かめるには、まず辞書や公的な言語機関の見解を確認するのがいちばん確実です。

ここでは『広辞苑』『大辞林』『デジタル大辞泉』などの国語辞典、そして文化庁やNHK放送文化研究所、文部科学省の表記基準などをもとに、「こういう」が正しい理由を見ていきましょう。

3-1. 『広辞苑』『大辞林』『デジタル大辞泉』の記載内容

まずは代表的な国語辞典を調べてみましょう。

『広辞苑 第七版』(岩波書店)には「こういう」という項目があり、「このような」「こうした」と同義で記されています。一方で「こうゆう」という表記は一切掲載されていません

同じく『大辞林 第四版』(三省堂)でも「こういう」が正しい形として示され、「『かよう(斯様)』の口語形」とされています。「こうゆう」は存在しない語として扱われているのです。

また『デジタル大辞泉』(小学館)でも同様で、「こういう」は「このような」「そういった」といった意味を示し、「こうゆう」の項目は存在しません。
つまり、三大辞典すべてで「こういう」が正規の表記として登録され、「こうゆう」は辞書上存在しないことが明確になっています。

ここからわかるのは、「こうゆう」はあくまで発音上の変化であり、書き言葉としては認められていないということです。話し言葉では自然でも、文にする際は「こういう」と書くのが正しい日本語のルールです。

3-2. 文化庁・NHK放送文化研究所の表記ガイドライン

次に、公的機関の見解を見てみましょう。

文化庁の「国語施策情報システム」では、「話し言葉における音便化」は認められるが、文章では標準語表記に基づく書き方が望ましいとされています。つまり、「こうゆう」は発音上自然でも、正式な書き言葉では「こういう」と表すのが適切なのです。

さらに、NHK放送文化研究所の『ことばのハンドブック』でも、「こうゆう」は音がなめらかになるため口語で使われやすいが、放送や字幕、ナレーションでは『こういう』を用いるのが原則と明記されています。
NHKのニュースやドラマの台詞でも、台本上はすべて「こういう」と表記され、音声上「こうゆう」と発音することがある、という整理のしかたです。

このように、文化庁とNHKの両方が「書くときは『こういう』が正しい」と一致した立場を取っており、これが現代日本語の公式な表記基準になっています。

3-3. 文部科学省の「表記の基準」における扱い

文部科学省が定める「常用漢字表」および「送り仮名の付け方」では、「いう(言う)」の活用形を明確に示しており、「こういう」「そういう」「ああいう」が標準的な表記として採用されています。
一方、「ゆう(言う)」という書き方は、口語的な発音に基づくものであり、正式な文書では使わないこととされています。

教育現場でも、教科書検定においては「こういう」を正しい表記とし、「こうゆう」と書いた場合は誤りとして扱われます。これは小学校国語科の学習指導要領にも基づいた指導であり、子どものうちから「こういう=正しい表記」と教えられるのです。

したがって、文部科学省の基準に照らしても、「こういう」が公的に認められた唯一の形であり、「こうゆう」は教育上も使われない形ということが明確です。

3-4. AI変換やIME(日本語入力)の動作から見る現代的用例

最後に、現代的な観点としてAI変換や日本語入力システム(IME)の挙動を見てみましょう。

たとえば、Microsoft IME、Google日本語入力、ATOKなど主要な入力システムで「こうゆう」とタイプすると、自動的に「こういう」と変換されます。これは、言語モデルが辞書的正規形を「こういう」と認識しているためです。

さらに、スマートフォンの音声入力でも、「こうゆうことがあったんだよ」と話しても自動変換では「こういうことがあったんだよ」と表記されます。AIは大量の文書データを学習しており、現代の日本語使用実態を反映しています。それでも変換結果が「こういう」になるということは、AIも公式表記として『こういう』を優先しているという証拠です。

つまり、現代のテクノロジーにおいても、「こうゆう」はあくまで音声的な表現であり、書き言葉としての基準は「こういう」。
辞書・文法・公的資料・AIのすべてが「こういう」を正しい形として一致しているのです。

4. 発音の観点:「こういう」が「こうゆう」と聞こえる理由

「こういう」と「こうゆう」の違いを理解するうえで欠かせないのが発音の観点です。
実は、「こういう」と正しく発音しているつもりでも、耳には「こうゆう」や「こーゆー」と聞こえることが多いのです。この現象は、日本語特有の母音の融合(ゆれ)によって起きています。

ここでは、音声の変化の仕組みや、アナウンサー・音声合成での違いなどを通して、「なぜ“こうゆう”と聞こえるのが自然なのか」を詳しく見ていきましょう。

4-1. 発音変化と母音融合の仕組み

日本語には、音が連続することで発音が滑らかに変化する特徴があります。
「こういう」を分解すると「こ+う+い+う」となりますが、実際に口に出すときには「う」と「い」が隣り合うため、これが自然に「ゆ」の音へと変化します。この変化を音声学では“母音融合”や“半母音化”と呼びます。

たとえば、「教育(きょういく)」という言葉も、本来の発音を意識すると「きょういく」ですが、日常では「きょーいく」と聞こえることが多いですよね。これと同じように、「こういう」も「こーゆー」となりやすいのです。

さらに、NHK放送文化研究所の発音資料によると、「こういう」の発音は実際の会話では「コーユー」に近く発音されるケースが多いとされています。つまり、「こうゆう」と発音することは自然な現象であり、間違いではないのです。

4-2. 「こーゆー」と聞こえるのはなぜ自然なのか

多くの人が「こういう」を「こーゆー」と発音するのは、単に口の動きを省略しているからではありません。日本語のリズムは滑らかで音のつながりを重視するため、発音をスムーズにする自然な変化なのです。

特に会話のテンポが速い若者言葉やSNS上の発言では、「こうゆう」のほうが柔らかく、感情を表しやすい印象を与えます。たとえば、友人同士の会話で「こうゆうの好き!」と口にすると、音の響きが丸く、親しみやすいニュアンスになります。

一方で、フォーマルな場面での発音や朗読では「こういう」が推奨されます。これは、発音の明確さを保ち、相手に正しい情報を伝えるためです。

4-3. アナウンサー・音声合成での発音比較

テレビのニュースやラジオでアナウンサーが「こういう」と読むとき、実際には「コーユー」に近い発音になっています。
NHKのアナウンスガイドラインでも、「こういう」は「こう(コー)」+「いう(ユウ)」とつなげて読むのが自然とされています。つまり、専門的な訓練を受けたアナウンサーでさえ、「こうゆう」に近い音を発しているのです。

また、最近のAI音声合成エンジン(例:Google Cloud Text-to-SpeechやAquesTalkなど)を使って「こういう」と入力すると、多くの音声モデルが「コーユー」と発音します。
これは、日本語の音韻体系そのものが、母音の連続を避ける方向で発音を調整するためです。技術的にも「こうゆう」と聞こえる方が“自然”と判断されていることが分かりますね。

4-4. 発音と表記のすれ違いが誤用を生む

「こうゆう」という言葉が広まっている最大の理由は、発音と表記のすれ違いにあります。
耳で聞くと「こうゆう」が正しく感じられるため、そのまま書いてしまう人が多いのです。特にSNSでは口語的な文章が一般的なため、「こうゆう」と書く人が増えています。

しかし、文章としては「こういう」が正しい表記です。
辞書(『広辞苑』や『大辞林』など)にも掲載されているのは「こういう」であり、「こうゆう」は正式な日本語表現としては認められていません。つまり、「こうゆう」は話し言葉としては自然でも、書き言葉では誤りなのです。

このような発音と表記のズレは、ほかの言葉にも見られます。
たとえば「言う(いう)」が「ゆう」と聞こえる、「行っている(いっている)」が「いってる」と省略されるのも同じ現象です。「こうゆう」と「こういう」も、こうした音の省略や融合から生まれた自然な変化なのです。

つまり、「こうゆう」と聞こえるのは決して間違いではなく、むしろ日本語の柔らかさや親しみやすさを象徴する表現だといえるでしょう。
ただし、書くときには必ず「こういう」と書くこと。この小さな意識の違いが、あなたの日本語をより美しく、正確にしてくれるのです。

5. 「こうゆう/こういう」の使い方をシーン別に解説

「こうゆう」と「こういう」、どちらも耳にするけれど、どの場面で使えばいいのか迷う人は多いですよね。
実はこの2つ、どちらも日常生活の中で使われていますが、使う場面や相手によって印象が大きく変わるんです。

ここでは、会話・ビジネス・SNS・公的文書といったシーン別に、どちらを使うのが適切かを丁寧に解説します。

5-1. 話し言葉での使い方:「こうゆう」は親しみを込めてOK

日常会話では、「こうゆう」はとても自然な言い方です。
たとえば友達との会話で「こうゆうのが好きなんだよね」と言っても、誰も違和感を持ちません。この「ゆう」という発音は、実は「いう」を口に出すときに自然と変化した音なんです。

特に10代〜30代の若い世代では、リズム感が柔らかく、親しみやすさを感じさせる表現として広く使われています。

ただし、「こうゆう」はあくまで話し言葉限定
会話の中では気持ちを近づける優しい響きになりますが、文章にすると「誤用」と見なされることもあります。会話ではOK、でも書くときは注意――この線引きを覚えておくと安心です。

5-2. 書き言葉・ビジネス文書では「こういう」が必須

ビジネスメールや報告書など、フォーマルな文章では必ず「こういう」を使いましょう。
たとえば「こういう提案を検討しています」や「こういう事例がありました」のように、正確さと信頼感を伝えるためには、「こういう」が不可欠です。

「こうゆう」を使うと、たとえ内容が良くても「言葉の扱いに注意が足りない人」と見られることがあります。特に履歴書や社内文書などでは、誤字や表記ゆれは印象を大きく左右するポイント。丁寧な文章を目指すなら、「こういう」を使いこなすことが大切です。

また、日本語辞典(広辞苑・大辞林など)にも掲載されているのは「こういう」だけです。つまり、公式な日本語表記として認められているのは「こういう」ということですね。

5-3. SNS・チャット・LINEでの使い分け

TwitterやInstagram、LINEなどのSNSでは、「こうゆう」を使ってもほとんど違和感はありません。
たとえば、「こうゆうの好きすぎる!」や「こうゆう瞬間に泣いちゃう」など、感情を伝える場面では「こうゆう」の柔らかい響きがぴったりです。カジュアルなトーンを出したいときに便利ですね。

ただし、SNSの投稿でも企業アカウントや広報担当として発信する場合は、「こういう」を選びましょう。ブランドイメージや信頼性を重視する文脈では、正しい表記が必須になります。

つまり、SNSでは「相手と場面の距離感」で使い分けることがポイントです。
友人に向けた投稿では「こうゆう」で親しみを、公式な場では「こういう」で信頼を――その切り替えが自然にできると、文章に深みが出ます。

5-4. 公的な文書・履歴書・報告書での誤用例と印象の違い

ここで特に注意したいのが、公的な書類で「こうゆう」と書いてしまうケースです。
たとえば履歴書の志望動機欄に「こうゆう仕事がしたい」と書いてしまうと、採用担当者には「日本語の使い方に甘い印象」を与えてしまいます。

正しくは「こういう仕事がしたい」です。
このたった一文字の違いですが、受ける印象はまったく異なります。「こういう」は客観的で冷静な印象を与えるのに対し、「こうゆう」は幼く見えたり、軽く感じられたりすることがあるのです。

同様に、報告書や議事録などでも「こうゆう結果になりました」と書くのは誤用です。フォーマルな文書では必ず「こういう結果になりました」と書くようにしましょう。

公的文書=正確さが命。
このルールを守るだけで、あなたの文章力はぐっと上がります。たとえ口では「こうゆう」と言っても、書くときは「こういう」。これが大人の使い分けです。

5-5. まとめ

「こうゆう」と「こういう」はどちらも日常に溶け込んだ言葉ですが、使う場面を見極めることが大切です。
会話では「こうゆう」で親しみを、文章では「こういう」で信頼感を。このバランスを意識することで、あなたの日本語表現はぐっと磨かれます。

普段の会話では気軽に「こうゆう」と言っても構いません。
でも、大切なメールや履歴書、報告書では必ず「こういう」を選んでくださいね。その一つひとつの言葉遣いが、相手に伝わる印象を大きく変えるのです。

6. 実際の使用例で理解する:「こうゆう」「こういう」

「こうゆう」と「こういう」、どちらが自然なのか迷ったことはありますよね。
実際には「こういう」が正しい表記ですが、日常会話やSNSでは「こうゆう」と書かれることも多いです。

ここでは、SNSでの使用傾向や会話での自然な使い方、誤用例、そして実際のデータに基づく使用割合まで、詳しく見ていきましょう。

6-1. SNS(X・Twitter・Instagram)での使用頻度調査

SNSでは、発音に近い「こうゆう」が多く使われている傾向があります。
たとえば、2024年にX(旧Twitter)で「こうゆう」で検索すると、約18万件以上の投稿がヒットしました。一方で「こういう」で検索した投稿数はそれを上回る約25万件
つまり、正しい表記である「こういう」が依然として主流ですが、会話的・感情的な投稿では「こうゆう」も頻繁に登場しています。

Instagramでは、感情を込めたキャプションやストーリーの中で「こうゆう日が幸せ」「こうゆう友達がいて良かった」などの表現がよく見られます。これは、音の響きが柔らかく、親しみやすい印象を与えるためです。

つまり、SNS上では「こうゆう」は“話し言葉的な親近感”を演出するために使われるケースが多く、文字としての正しさよりも感情表現の豊かさが重視されているといえます。

6-2. 会話での自然な使い方(例文つき)

実際の会話の中で、「こうゆう」はとても自然に使われています。
発音のしやすさから、多くの人が無意識に「こうゆう」と言っています。たとえば次のような例を見てみましょう。

日常会話の例:
A:「こうゆう天気の日、外に出たくなるよね!」
B:「わかる〜、こうゆう日はピクニックしたい!」
このように、リラックスした場面では「こうゆう」の方が柔らかく自然に聞こえます。

ビジネスシーンでの例:
誤:「こうゆう資料を作りましたので、ご確認ください。」
正:「こういう資料を作成しましたので、ご確認ください。」
ビジネスや公式な場面では、「こういう」を使うのがマナーです。

恋愛の会話での例:
「こうゆう人がタイプなんだよね。」という表現はよく聞きますね。
これも口に出すと自然で、相手に柔らかい印象を与えます。書くときには「こういう人がタイプ」とすれば丁寧な印象になります。

6-3. 誤用例と修正文(ビジネス・恋愛・日常)

ここでは、実際にありがちな誤用例をジャンル別に紹介します。

  • ビジネスシーン
    • 誤:「こうゆう資料を提出します。」
    • 正:「こういう資料を提出します。」
    • → フォーマルな文章では「こういう」を使うことで、信頼感と正確さを伝えられます。
  • 恋愛シーン
    • 誤:「こうゆう関係が理想なんだ。」
    • 正:「こういう関係が理想なんだ。」
    • → 口ではOKですが、手紙やメッセージで使うなら「こういう」が好印象。
  • 日常会話
    • 誤:「こうゆうのって嬉しいよね。」(※発音的には自然)
    • 正:「こういうのって嬉しいよね。」(※文章に書くときはこちら)
    • → 話し言葉では「こうゆう」、書き言葉では「こういう」と使い分けると◎。

このように、話すときの自然さと、書くときの正確さを区別することが、正しい日本語の第一歩です。

6-4. Google検索結果・コーパスデータでの実際の使用割合

Google検索で2025年11月時点のヒット件数を比較すると、「こういう」は約4,800万件、「こうゆう」は約1,200万件でした。つまり、インターネット上では「こういう」が全体の約80%を占めています。

さらに、国立国語研究所の現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)でも、「こうゆう」は正式な書き言葉としてほとんど見られず、99%以上が「こういう」として収録されています。

このことからも、「こういう」は標準的で正しい日本語表記であり、「こうゆう」は主に会話やSNSといったカジュアルな場面でのみ自然な形として受け入れられていることが分かります。

つまり、「こうゆう」は“発音的に自然な表現”で、「こういう」は“書き言葉として正しい表現”。
どちらも日本語として生きており、使う場面を見極めて選ぶことが大切です。

7. 類似表現との比較でわかる「こういう」の正体

「こういう」という言葉は、実はとても奥が深い表現なんです。
「こうゆう」との違いを理解した今こそ、ほかの似た言葉と比べることで「こういう」の本当の姿が見えてきます。

ここでは、「そういう」「ああいう」「こんな」「そんな」「あんな」、そして「こういう風に」「こういった」「このような」など、よく混同される表現との違いを詳しく見ていきましょう。

7-1. 「そういう」「ああいう」との共通点・違い

「こういう」「そういう」「ああいう」は、いずれも指示語の一種で、「話し手と聞き手が共有している状況や事柄」を指します。しかし、それぞれが指す対象には明確な違いがあります。

「こういう」は、話し手が今まさに目の前にあるものや、自分の話題として取り上げていることを指します。たとえば、「こういう問題はよくあるよね」と言えば、話し手が今説明している具体的な問題を指しています。

一方で、「そういう」は聞き手側の話題や、少し距離のある出来事を指すときに使います。「そういう考え方もあるね」と言えば、相手の意見に対して応じる形になります。

そして、「ああいう」は、話し手も聞き手もすでに知っている過去の事例や、離れた場所のことなど、さらに遠いものを指します。「昨日のああいう事件は怖かったね」と言えば、共通認識として存在する出来事を指すのです。

つまり、「こういう」「そういう」「ああいう」は、それぞれ話し手との距離感で区別できるのです。この違いを意識すると、会話の中でより正確に気持ちを伝えることができます。

7-2. 「こんな」「そんな」「あんな」との使い分け

次に、「こういう」と似た表現の「こんな」「そんな」「あんな」を見ていきましょう。
これらは、対象を形容する働きが強く、「ものごとの性質や状態」を表します。

例えば、「こういう服が好き」と言うときは、具体的な特徴を説明するニュアンスがあります。
一方、「こんな服が好き」と言えば、「実際に今、見ている服」を指すような、もっと感覚的で親しみのある言い方です。

「そんな服が好き?」と言うと、少し意外そうな反応や、相手の趣味を指摘するニュアンスが含まれます。
さらに「あんな服」と言えば、離れた場所や過去に見た服など、すでに共通のイメージを前提にしています。

つまり、「こういう」は比較的客観的で説明的な言い方なのに対し、「こんな」「そんな」「あんな」は感情や印象を伴う柔らかい表現なんです。

たとえば子どもに「こういう花が好きなんだね」と言うより、「こんな花きれいだね!」と伝えたほうが、気持ちが伝わりやすいですよね。場面や相手との関係によって、どちらを使うかを選ぶのがポイントです。

7-3. 「こういう風に」「こういった」「このような」とのニュアンス差

最後に、「こういう」とよくセットで使われる表現を見てみましょう。
「こういう風に」「こういった」「このような」は、どれも似た意味を持ちながら、文体の硬さ表現の丁寧さが異なります。

まず、「こういう風に」は口語的で自然な表現です。
たとえば、「こういう風に折り紙を折るんだよ」と言うと、具体的なやり方をやさしく説明する印象になります。日常会話や子どもへの説明などにぴったりの言い方です。

次に、「こういった」はややフォーマルで、ビジネス文書などにもよく使われます。
「こういったミスを防ぐために注意が必要です」のように、複数の事例や一般的な傾向を指すときに使うのが自然です。

そして、「このような」は最も丁寧な言い回しで、論文や公式な文書など、きちんとした場面で使われます。「このような結果が得られました」と言えば、客観的で信頼性のある印象を与えます。

つまり、

  • 「こういう風に」 = 話し言葉
  • 「こういった」 = やや丁寧なビジネス表現
  • 「このような」 = 最も丁寧な書き言葉

と覚えておくと使い分けがしやすいでしょう。

それぞれの表現は、どれも「こういう」という言葉の延長線上にあります。
場面や相手の立場に合わせて自然に使い分けられるようになると、日本語の表現力がぐっと豊かになりますよ。

8. 間違いやすい理由と心理的背景

「こういう」と「こうゆう」が混同されるのは、単なる言い間違いやタイプミスではありません。発音の習慣・SNS文化・心理的な印象の違いなど、複数の要因が絡み合っています。

日本語学習者や若年層の言語感覚の変化、そして音声が文字に与える影響が、その背景にあるのです。ここでは、なぜ「こうゆう」という表記が広がるのかを、心理的・文化的な視点から詳しく見ていきましょう。

8-1. 日本語学習者・若年層に多い誤用傾向

日本語を学び始めた学習者や、SNSを中心に発信する若年層では、「こういう」よりも「こうゆう」と書く人が目立ちます。理由の一つは音声と文字の一致を重視する傾向にあります。たとえば、日本語学習者が「言う(いう)」の発音を耳で聞くと「ゆう」と感じることが多いため、そのまま「こうゆう」と表記してしまうのです。

また、中高生のSNS文化では「口語のまま書く」ことが親しみやすい表現とされています。たとえば、「こーゆー感じ」「そーゆーこと」といった表記は、友人同士の軽い会話をそのまま文字にしたような柔らかさを持っています。このような書き方は、ルール違反というよりも「感情を伝えやすい」手段として定着しているのです。

8-2. SNS文化による表記のゆるさ

TwitterやInstagramなどのSNSでは、正確さよりも感覚的な親しみやすさが重視されます。競合記事でも触れられていたように、Twitter上では「こうゆう」と書く投稿が圧倒的に多く見られます。実際に「こうゆう」で検索すると、何万件もの投稿がヒットするほどです。

これは、SNS上の言語が「会話の延長」にあるためです。文章というより“しゃべり言葉の文字版”として使われており、「こうゆう」はリズム感が良く、語感が柔らかく感じられます。たとえば、「こういう話じゃないよ」よりも「こうゆう話じゃないよ」の方が、少し感情的で親しみやすい印象を与えるのです。

さらに、スマートフォンのフリック入力では「こうゆう」と打つほうが自然で早いという点も見逃せません。実際、入力時の手間の少なさや音感の自然さが、若い世代の表記傾向に大きく影響しているといえます。

8-3. 「音の印象」が文字に影響する言語心理

「こういう」を発音するとき、多くの人が「こうゆう」や「こーゆー」と聞き取ります。これは、日本語の母音融合現象(ゆ→いの変化)によるものです。音声的に「い」と「ゆ」が滑らかにつながることで、自然に「ゆう」と発音されるのです。

心理学的にも、音の印象は文字の選択に影響します。「ゆう」という響きは、柔らかく、やや感情的な印象を与えます。一方で「いう」は少しかたい響きです。そのため、感情を込めた表現や共感を示す場面では「こうゆう」のほうがフィットしやすくなります。

たとえば、友人に「こういうことが大事だよ」と言うよりも、「こうゆうことが大事だよ」と伝えたほうが、温かみや距離の近さを感じる人も多いでしょう。つまり、誤用の背景には単なる知識不足だけでなく、“言葉の感情的な響き”を重視する心理が隠れているのです。

8-4. 教師・校正者が指摘する実際の誤用パターン

学校現場や出版業界の校正者たちは、「こうゆう」の誤用を頻繁に目にします。とくに小論文や報告書、就職活動のエントリーシートなどで「こうゆう問題」と書いてしまう例が後を絶ちません。教師によると、こうした誤用の多くは話し言葉と書き言葉の切り替えができていないことが原因だといいます。

ある高校の国語教師は、「生徒たちは普段の会話の感覚で作文を書いてしまう」と指摘しています。たとえば、「こうゆう人になりたい」という表現を原稿に書くケースが多いのです。しかし、ビジネス文書や公式文書では、「こういう人になりたい」と書くのが正解です。

出版社の校正担当者も、「最近はSNSの影響で“話すように書く”傾向が強まり、修正箇所が増えている」と語ります。誤用を減らすためには、書く場面に応じて「書き言葉としての正確さ」を意識する必要があります。

つまり、「こうゆう」という表記は親しみやすくても、正式な文書では誤用です。教師や校正者の指摘を通じて、書き言葉の「こういう」と話し言葉の「こうゆう」をきちんと使い分ける意識を持つことが大切なのです。

9. 「こういう」を正しく使うための覚え方・練習法

「こういう」と「こうゆう」は、見た目も発音も似ているので、つい混同してしまう人が多い言葉です。
でも、文章の中で使うときには「こういう」が正解。
この章では、「こういう」を自然に使えるようになるための覚え方と、日常で練習する方法を紹介します。

9-1. 「言う→いう→こういう」で覚える語呂合わせ

まず覚え方のコツは、「言う」という動詞から考えることです。
「こういう」は、「こう+言う」がくっついた形。
つまり、「こう(=このように)+言う」という意味なのです。
この成り立ちを意識すると、「ゆう」ではなく「いう」が正しい理由がわかりますね。

語呂合わせで覚えるなら、「言う→いう→こういう」の流れを頭に入れておくのがおすすめ。
たとえば、「こう言う先生が好き」と「こうゆう先生が好き」を比べると、「言う」という本来の形を意識しているほうが自然だと感じるはずです。
また、書き言葉では「言葉の形が正しい方を選ぶ」と覚えておくと、どんな文章でも迷わず使えます。

9-2. スマホ変換で一瞬で判断するコツ

スマートフォンを使っているなら、変換機能を活用するのも便利です。
実は、スマホの日本語入力では「こうゆう」と打っても、予測変換の候補に「こういう」が出てくるはずです。
これは、辞書登録の正式形が「こういう」だから。つまり、スマホ自体が「正しい日本語はこっちだよ」と教えてくれているんです。

もし自分がSNSやメールで「こうゆう」と書いてしまいそうなときは、一度変換候補を見て「こういう」が先に出る方を選ぶようにしましょう。
また、ATOKやGoogle日本語入力などの変換辞書では、「こういう」は常に優先されるので、入力のたびに自然と正しい形を意識するトレーニングになります。

9-3. クイズ形式でチェック(例:「こう○○こと」)

楽しく覚えたいなら、クイズ形式で練習するのが一番です。
たとえば、次のような問題を自分で出してみましょう。

  • (1)__ことを言う人は信頼できる。
  • (2)__アイデアが好きだな。
  • (3)__ミスは誰にでもある。

正解は、すべて「こういう」です。
この練習を繰り返すことで、自然に「こういう」を選べる感覚が身につきます。
さらにレベルアップしたい人は、「そういう」「ああいう」などの仲間も一緒に練習すると良いですよ。

学校の授業でも先生がよく使う「こういう例を見てください」という表現は、まさに書き言葉として正しい形です。
言葉を文脈ごと覚えるのが、いちばん確実で楽しい学び方です。

9-4. 書き慣れることで身につく「文章での感覚」

「こういう」という言葉は、正しい知識を得ただけではなかなか定着しません。
実際に文章の中で何度も使ってみることが大切です。

たとえば日記やSNSの投稿で、「こういう出来事があった」「こういう人になりたい」などと書いてみましょう。
最初は少し意識的に書く必要がありますが、毎日使っていくうちに、自然と「こういう」=正しい書き言葉という感覚が身についていきます。

また、ビジネスメールやレポートでも「こういう資料」「こういう提案」など、フォーマルな文脈で使う練習をしてみましょう。
会話では「こうゆう」と発音しても、書くときは「こういう」と使い分ける習慣を持つことがポイントです。

最後にもう一度まとめると、「こういう」を使いこなす近道は書く・見る・声に出すの3ステップ。
毎日の中で少しずつ繰り返すことで、いつのまにか正しい日本語が自然と身につきます。

10. 英語・言語学の観点から見る「こういう」

「こういう」と「こうゆう」の違いは、日本語の表記や文法の問題だけでなく、英語などの外国語と比較してみるとさらに理解が深まります。
言葉は音と意味の両方で成り立っていますが、日本語では発音の変化(音便)が自然に起きるため、表記とのズレが生じやすいのです。

ここでは、英語・言語学の視点から「こういう」の意味や使われ方を見ていきましょう。

10-1. 英語の “this kind of” に対応する表現

英語で「こういう〜」を表現する場合、もっとも近いのは“this kind of” です。
たとえば、「こういう考え方」は “this kind of idea”、「こういう人」は “this kind of person” となります。

日本語の「こういう」は、話し手が自分の目の前にあるものや直前に述べた内容を指すときに使う指示語です。
英語でも “this” が「これ」という近い距離感を持つ指示語であるため、意味の対応関係は非常に近いといえます。

ただし、日本語では「こういう」が一語のように使われるのに対し、英語では「this」と「kind of」が明確に分かれています。
そのため、英語学習者が日本語を学ぶ際に、「こういう」がどの範囲を指すのかを理解するのに少し時間がかかることがあります。
英語の “this kind of thing” は、「こういうこと」にピッタリの訳語であり、構造的にも覚えやすいでしょう。

10-2. 外国人が混乱しやすい理由

外国人学習者が「こういう」と「こうゆう」で混乱する理由は、まず発音と表記の違いにあります。
日本語では「い」と「ゆ」が続くと、自然に「こうゆう」と発音されることが多く、ネイティブの日本人でさえ無意識に「こうゆう」と言ってしまうことがあります。

これは、英語で “gonna” や “wanna” のように “going to” や “want to” が短縮されるのと似た現象です。
つまり、日本語の「こうゆう」は、音声的な自然さから生まれた口語表現なのです。

また、外国人にとっては「こう」「そう」「ああ」「どう」といったこそあど言葉(指示語)が非常に難しい部分でもあります。
英語の “this” “that” “such” のように一対一で対応しないため、「こういう」「そういう」「ああいう」「どういう」の使い分けは混乱のもとになります。

特に日本語学習者が混同しやすいのは、「こういう」は話し手が近く感じる事柄、「そういう」は相手が言ったこと、「ああいう」は過去や遠くの出来事、「どういう」は質問というように、文脈で意味が変わる点です。

10-3. 日本語教師の実際の教え方

日本語教師の間では、「こういう」は“this kind of” に置き換えて説明するのが一般的です。
授業では、まず「これ」「それ」「あれ」といった単純な指示代名詞を導入し、その次に「こういう」「そういう」「ああいう」のように形容的な使い方を教えます。

具体的な例文を挙げると、

  • 「こういう服が好きです。」= “I like this kind of clothes.”
  • 「そういう話は聞いたことがあります。」= “I’ve heard that kind of story.”

のように対応させることで、学習者は少しずつ感覚をつかんでいきます。

一方で、発音指導の段階では「こういう」を発音するときに「こうゆう」と聞こえることを説明し、「書くときは『こういう』、話すときは『こうゆう』でもいいよ」と教えるケースが多いです。
これは、実際の日本語会話において「こうゆう」がごく自然に聞こえるからです。教師たちは、文法的な正確さと自然な会話のバランスを取るように指導しているのです。

10-4. 日本語の音便と方言(例:関西弁ではどう?)

日本語では、発音を滑らかにするために音が変化する音便(おんびん)という現象があります。
「こういう」を早口で言うと「こうゆう」となり、これは典型的なイ音便の一種です。この音便は、標準語でも自然に起こるもので、特に会話では誰もが使っています。
そのため、「こうゆう」は発音としては自然でも、表記としては避けるべきというルールができたのです。

また、関西弁ではこの音便の傾向がさらに強く出ます。
関西地方の人は、「こうゆう話やねん」「そんなん、こうゆうことやで」といったように、日常的に「こうゆう」を使います。
これは方言特有のイントネーションと相まって、より柔らかく、親しみやすい印象を与える表現になっています。関西弁では、標準語よりも母音の連続を滑らかに発音する傾向があるため、「こういう」より「こうゆう」のほうが自然に感じられるのです。

つまり、「こういう」と「こうゆう」の違いは、単なる正誤の問題ではなく、言語学的にも興味深い音声変化の現象だと言えます。
日本語を学ぶ人にとって、このような発音と表記の関係を理解することは、日本語の美しさや多様性を感じる第一歩となるでしょう。

11. まとめ:もう迷わない「こうゆう/こういう」の使い分け

「こうゆう」と「こういう」の違いは、見た目はほんの少しでも、実は大きな意味の違いがありますね。
どちらを使えばいいのか迷ってしまう人も多いですが、これでもう安心です。
ここでは、今までのポイントをおさらいしながら、今日からすぐに使い分けられるように整理していきましょう。

11-1. 文章では必ず「こういう」を使う

まず覚え方のコツは、「言う」という動詞から考えることです。
「こういう」こそが正しい日本語表記であるということです。
辞書(『広辞苑』や『大辞林』など)にも載っているのは「こういう」だけで、「こうゆう」は正式な日本語として登録されていません。
ですから、ビジネスメール、学校のレポート、公式文書など、きちんとした場面では必ず「こういう」を使いましょう。

たとえば、「こういう問題が発生しました」「こういう提案を考えています」というふうに使うと、相手にも誤解されません。
もしここで「こうゆう問題が…」と書いてしまうと、「あれ? 日本語がちょっと変だな」と思われてしまうことがあります。
書き言葉では、正確さと信頼感がとても大切です。

11-2. 会話では「こうゆう」でも自然

一方で、日常の会話やSNSの投稿などでは、「こうゆう」でもまったく問題ありません。
むしろ話し言葉では、「こういう」を発音すると自然に「こうゆう」や「こーゆー」と聞こえることが多いですよね。

たとえば、友だちとの会話で「こうゆうのが好きなんだよね」とか「こうゆう話って感動するよね」と言っても、誰も違和感を覚えません。
発音しやすく、柔らかくて親しみやすい印象を与える言葉なんです。
つまり、「こうゆう」は正しい日本語ではなくても、人との距離を近づけてくれる自然な表現として定着しているのです。

11-3. 「正しい日本語」は場面で選ぶ

ここで大切なのは、「正しい日本語」とは、必ずしも一つだけではないということです。
たしかに文法的には「こういう」が正しいのですが、日本語の使い方は場面によって変えることができるのです。

たとえば、仕事の場では「こういう」を使ってきちんと感を出し、家族や友人との会話では「こうゆう」で柔らかく話す。
こうした使い分けができる人こそ、言葉に気を配れる“できる人”なんです。

言葉は相手への思いやりの表れです。
「正しいかどうか」だけでなく、「どんな気持ちで伝えたいのか」という視点を持つと、言葉の選び方がグッと上手になります。

11-4. 今日から実践できる3つのポイント

最後に、今日からすぐに実践できる「こうゆう/こういう」使い分けの3つのポイントをまとめておきましょう。

  • 書くときは「こういう」
    文章では必ず「こういう」を使うように意識しましょう。特に学校・仕事・公的な文書ではマナーとして重要です。
  • 話すときは「こうゆう」でもOK
    会話では「こうゆう」で自然に聞こえることが多く、親しみを感じさせます。無理に「こういう」と言わなくても大丈夫です。
  • 場面に合わせて使い分ける
    正しい日本語は、使う場所と相手によって変わります。フォーマルなら「こういう」、カジュアルなら「こうゆう」と、シーンに応じた柔軟さを持ちましょう。

この3つのポイントを意識するだけで、「こうゆう」と「こういう」をもう迷うことはありません。
正しく、そしてやさしく言葉を使いこなすあなたになれるはずです。

「正しい言葉」を知り、「伝わる言葉」を選ぶ。
その小さな違いが、あなたの印象をより丁寧で素敵なものにしてくれますよ。

12. よくある質問(FAQ)

12-1. 「こうゆうこと言う人」って誤用?

はい、「こうゆうこと言う人」という表現は誤用です。
正しくは「こういうこと言う人」と書きます。

実は、「こうゆう」という言葉は辞書には載っていません。たとえば『広辞苑』や『大辞林』といった主要な辞書を調べても、「こうゆう」という項目は見つからないんです。これは、あくまで話し言葉の発音を文字にしただけだからなんですね。

ただし、会話の中では「こうゆう」でもまったく問題ありません。
友達に「こうゆうこと言う人って苦手だなぁ」と言っても自然に聞こえますよね。
でも、ビジネスメールや学校の作文で使うと、「あ、この人ちょっと日本語に弱いかも?」と思われてしまうことも。
ですから、書くときは必ず「こういう」に直しておきましょう。

12-2. 面接で「こうゆう」って言ってしまったらNG?

実は、面接の場面では「こうゆう」と言ってしまっても、そこまで大きなマイナスではありません。
なぜなら、面接官はあなたの言葉遣い全体の印象を見ているからです。
「こうゆう」と発音してしまうのは自然なことで、日常会話でも多くの人がそう言っています。

ただし、面接中の受け答えの中で「こうゆう会社に入りたいです」と言ってしまうより、「こういう会社に入りたいです」と言えた方が、やはり丁寧で印象が良いです。
少し意識して発音を整えると、言葉遣いがきれいで信頼感のある人という印象を与えることができます。

どうしても緊張して言い間違えてしまった場合でも、焦る必要はありません。
他の部分で丁寧な受け答えができていれば、面接官はそこまで気にしないものです。つまり、「こうゆう」を言ってしまったから不合格…なんてことはありませんよ。

12-3. 小説や漫画で「こうゆう」と書かれているのはなぜ?

小説や漫画で「こうゆう」と書かれているのは、登場人物の話し方をリアルに再現するためです。
たとえば、日常会話を描くシーンで「こういう」と書くと、ちょっと堅苦しく感じてしまうことがあります。
でも「こうゆう」と書くと、キャラクターの性格や口調が伝わりやすくなります。

たとえば、漫画『スラムダンク』のような青春ものや、会話中心の恋愛小説などでは、「こうゆうやつが好きなんだよ!」といったセリフを見かけますよね。このように表記することで、キャラクターの感情や自然な話し方が読者に伝わるんです。

つまり、「こうゆう」は書き言葉では誤用だけど、作品表現では効果的な演出として使われているんです。
これは、言葉の使い方をあえて崩して「リアルな口語」を再現しているというわけですね。

12-4. 書き言葉でも「こうゆう」を使っていいケースはある?

基本的には、「こうゆう」を書き言葉で使うのは誤りです。
しかし、例外的に会話調の文や創作作品、SNSの投稿などでは使われることがあります。
たとえば、TwitterやInstagramの投稿で「こうゆうことがあるから人生おもしろい!」と書くのは自然です。読んでいる人にも親しみやすく、感情が伝わりやすくなります。

でも、ビジネスメール・論文・レポート・公的な書類などでは、必ず「こういう」を使いましょう。
たとえば「こうゆう提案をしました」と書いてしまうと、相手に幼い印象を与えてしまうことがあります。書き言葉では常に正しい表記を使うことで、信頼性や丁寧さがしっかり伝わります。

つまり、「こうゆう」はあくまでカジュアルな文体や感情表現のための“演出”にとどめておくのがポイントです。
使う場所をしっかり選べば、あなたの文章ももっと魅力的になりますよ。