ドーナッツといっても、オールドファッションやフレンチクルーラー、チュロス、サーターアンダギーなど種類が多く、「何がどう違うの?」と迷ってしまいますよね。この記事では、ドーナッツを生地・形・食感・国・トッピング別に整理し、日本でおなじみの定番から世界の揚げ菓子、家で作りやすい種類まで分かりやすく紹介します。読めば、好みに合うドーナッツの選び方や、イースト・ケーキ・フレンチの違い、初心者におすすめの種類まで楽しく理解できます。
1. ドーナッツの種類は「生地・形・食感・国」で整理するとわかりやすい
ドーナッツの種類を調べると、イーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチドーナツ、チュロス、ベニエ、サーターアンダギーなど、名前がたくさん出てきて少し迷ってしまいますよね。
でも大丈夫です。
ドーナッツは、ひとつずつ名前を丸暗記するよりも、「どんな生地か」「どんな形か」「どんな食感か」「どこの国や地域で親しまれているか」で分けると、とてもわかりやすくなります。
たとえば、ふわふわでパンに近いものはイースト生地、外がサクッとして中がしっとりしているものはケーキ生地、口の中でシュワッと軽くほどけるものはフレンチ生地と考えると、いつものドーナッツ売り場も小さな図鑑のように見えてきます。
また、真ん中に穴が開いたリング型だけがドーナッツではありません。
一口で食べやすいボール型、テーマパークでよく見る棒状のチュロス、四角や丸など形が決まっていないベニエ、沖縄の郷土菓子として親しまれているサーターアンダギーも、広い意味ではドーナッツの仲間として楽しめます。
つまり「ドーナッツの種類」を知ることは、単に名前を覚えることではなく、甘いお菓子の世界を冒険する地図を持つようなものです。
ここからは、代表的な種類を押さえながら、生地、形、食感、国や地域の文化に分けて、やさしく整理していきます。
1-1. まず押さえるべき代表的な11種類
ドーナッツの種類を知るなら、まずは代表的な11種類を押さえると全体像が見えやすくなります。
その11種類とは、イーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチドーナツ、ドーナツボール、あんドーナツ、オールドファッション、クルーラー、パパナッシュ、チュロス、ベニエ、サーターアンダギーです。
イーストドーナツは、小麦粉、砂糖、卵などの生地にイーストを加えて発酵させるタイプで、パンのようにふっくらするのが特徴です。
表面に砂糖をまぶしたシュガードーナツや、ねじった形のツイストドーナツを思い浮かべるとわかりやすいですよ。
ケーキドーナツは、イーストではなくベーキングパウダーでふくらませるタイプです。
発酵を待たなくてよいので、家庭で作るドーナッツのレシピにもよく登場します。
外側はクッキーのようにサクッとしていて、内側はケーキのようにしっとりしているため、素朴なおやつとして人気があります。
フレンチドーナツは、シュー生地のようなやわらかい生地を使い、卵の力でふんわりさせるタイプです。
星型の口金で絞って揚げることが多く、フレンチクルーラーのように軽くて口どけのよい食感が魅力です。
ドーナツボールは、小さく丸めて揚げた一口サイズのドーナッツです。
ホットケーキミックスで作りやすく、白玉粉を入れてもちもちにしたり、豆腐を入れてやさしい味にしたり、きな粉やチョコで飾ったりと、アレンジしやすいところが楽しい種類です。
あんドーナツは、あんこを包んで揚げた和洋折衷のお菓子です。
あんこの甘さと揚げた生地の香ばしさが合わさるので、日本らしいドーナッツを食べたいときにぴったりです。
オールドファッションは、ケーキドーナツの仲間で、表面のひび割れた見た目が目印です。
「昔ながらの」という意味を持つ名前のとおり、シンプルで食べ飽きにくく、ミスタードーナツなどでも長く愛されています。
クルーラーは、くるっと曲がった形やねじれた形のドーナッツを指します。
フレンチ生地で作るフレンチクルーラーがよく知られていますが、名前そのものは生地ではなく形の特徴を表しています。
パパナッシュは、ルーマニアで親しまれている伝統的な揚げ菓子です。
チーズを混ぜた生地を揚げ、サワークリームやベリー系のジャムを添えて食べるので、甘さと酸味のバランスを楽しめます。
チュロスは、スペイン発祥の棒状の揚げ菓子です。
日本では砂糖、ココアパウダー、シナモンをまぶして食べることが多く、スペインでは細めのチュロスをホットチョコレートに浸して食べるスタイルも定番です。
ベニエは、フランスの揚げ菓子で、四角や丸など形がきっちり決まっていないところが特徴です。
粉糖をたっぷりかけたり、中にチョコやジャムを入れたりして食べます。
サーターアンダギーは、沖縄で昔から親しまれている郷土菓子です。
小麦粉や砂糖を使い、ベーキングパウダーでふくらませる点はケーキドーナツに近いのですが、水分が少なめなのでずっしりしていて、食べごたえがあります。
1-2. イースト・ケーキ・フレンチの生地3分類
ドーナッツをいちばん大きく分けるなら、イースト生地、ケーキ生地、フレンチ生地の3分類で考えるのがおすすめです。
これは、ドーナッツがどうやってふくらむかを見る分け方です。
イースト生地は、パンと同じようにイーストの力で発酵させます。
発酵の時間が必要なので少し手間はかかりますが、そのぶん空気を含んだふわふわの食感になります。
クリームを入れたドーナッツや、砂糖をまぶした定番の丸いドーナッツに多く、やさしくちぎれるような食感が好きな人に向いています。
クリスピー・クリーム・ドーナツの「オリジナル・グレーズド」のように、軽い生地と甘いグレーズの組み合わせを楽しむ商品も、イースト系の魅力がわかりやすい例です。
ケーキ生地は、ベーキングパウダーでふくらませるタイプです。
イーストのように発酵を待つ必要がないため、家で作りやすいところが大きな特徴です。
外はサクサク、中はしっとりという食感になりやすく、オールドファッションやサーターアンダギーもこの分類に近い仲間です。
牛乳や卵、砂糖の風味がしっかり出るので、飲み物と合わせると満足感があります。
フレンチ生地は、シュークリームの皮のように水分を多く含む生地を使い、卵の力でふくらませます。
星型の口金で絞り出して揚げると、表面にきれいな筋ができ、見た目も華やかになります。
食べたときにふわっと軽く、少しシュワッと消えるような食感があるので、重たいドーナッツが苦手な子でも食べやすいタイプです。
この3分類を覚えておくと、お店で「今日はふわふわがいい」「今日はサクサクがいい」「今日は軽い口どけがいい」と選びやすくなります。
1-3. リング型・ボール型・棒状・不定形の形別分類
ドーナッツと聞くと、多くの人が真ん中に穴の開いたリング型を思い浮かべます。
たしかにリング型は、ドーナッツを象徴する形です。
オールドファッションやフレンチクルーラーのように、丸い輪になっていると手で持ちやすく、見た目にも「これぞドーナッツ」という安心感があります。
ただし、世界のドーナッツを見ていくと、形はもっと自由です。
ボール型の代表はドーナツボールです。
小さく丸いので子供でも食べやすく、お皿にいくつも並べるとコロコロしていてかわいらしく見えます。
粉砂糖、きな粉、チョコスプレーなどをまぶせば、同じ生地でもまったく違うおやつに変身します。
沖縄のサーターアンダギーも丸い形ですが、ドーナツボールより大きく、割れ目が花のように開くことがあります。
棒状の代表はチュロスです。
テーマパークや映画館で食べたことがある人も多いかもしれません。
細長い形なので歩きながらでも持ちやすく、シナモンや砂糖をまぶした香りが広がると、楽しい気分になります。
スペインでは日本より細いものや曲がったものもあり、ホットチョコレートに浸して食べる文化があります。
不定形の代表はベニエです。
四角だったり丸かったり、きっちり同じ形ではないところが魅力です。
油で揚げたあとに粉糖をたっぷりかけると、雪をかぶった小さなクッションのように見えます。
このように形で分けると、リング型だけがドーナッツではないことがよくわかります。
お店で見つけたときは、「これはリング型かな」「これはボール型かな」とクイズのように見てみると楽しいですよ。
1-4. ふわふわ・サクサク・もちもち・ずっしりの食感別分類
ドーナッツ選びで大切なのは、名前だけではありません。
食べたときの食感で選ぶと、今の気分にぴったりの一個を見つけやすくなります。
ふわふわ系が好きなら、イーストドーナツがおすすめです。
発酵した生地は空気を含みやすく、かじるとやわらかく沈みます。
クリーム入りのドーナッツやグレーズをかけたドーナッツは、ふわふわの生地と甘いトッピングの組み合わせで、おやつらしい満足感があります。
サクサク系が好きなら、ケーキドーナツやオールドファッションがぴったりです。
外側に少し固さがあり、かじるとカリッ、サクッとした音が楽しめます。
オールドファッションは表面のひび割れにチョコがかかっているタイプも多く、香ばしさと甘さの両方を味わえます。
もちもち系が好きなら、白玉粉を混ぜたドーナツボールや、硬めの生地で作るチュロスに注目してみましょう。
チュロスはフレンチドーナツと同じように膨張剤を使わないタイプとして語られることがありますが、生地が硬めなので、ふんわりよりももちっとした噛みごたえを感じやすいです。
ずっしり系が好きなら、サーターアンダギーがよい例です。
水分量が少なめで、しっかり詰まった生地なので、ひとつ食べるだけでもおなかにたまりやすいです。
外側は香ばしく、中はほろっとした甘さがあり、牛乳やお茶ともよく合います。
軽い口どけを楽しみたいなら、フレンチドーナツも忘れられません。
シュー生地のようなやわらかい生地を揚げるため、見た目よりも軽く、食後のデザートとしても食べやすい種類です。
このように、ドーナッツは「甘いかどうか」だけでなく、「ふわふわか、サクサクか、もちもちか、ずっしりか」で選ぶと、失敗しにくくなります。
1-5. 日本・アメリカ・ヨーロッパ・沖縄で違うドーナッツ文化
ドーナッツは世界中で親しまれていますが、国や地域によって楽しみ方が少しずつ違います。
日本では、ドーナッツはおやつや差し入れとして食べるイメージが強く、ミスタードーナツのようなチェーン店で、オールドファッション、フレンチクルーラー、ポン・デ・リング、エンゼルクリームなどを選ぶ楽しさがあります。
あんドーナツのように、あんこと揚げ菓子を組み合わせた和洋折衷のタイプもあり、日本らしい甘さを感じられます。
アメリカでは、ドーナッツはコーヒーと一緒に朝食として食べられることも多く、ダンキン・ドーナツのようにベーグル、マフィン、サンドイッチなど朝向けのメニューをそろえる店もあります。
1ダース、つまり12個入りで買う文化もあり、箱を開けるといろいろな色や味のドーナッツが並ぶところがアメリカらしい楽しさです。
クリスピー・クリーム・ドーナツのように、1930年代から続く専門店では、できたての温かいドーナッツやカラフルなデコレーションが人気を集めてきました。
ヨーロッパを見ると、ドーナッツの原型に近い揚げ菓子がたくさんあります。
オランダのオリーボーレンは、年末年始に食べられる丸い揚げ菓子で、「油のボール」という意味を持つ名前です。
小麦粉、卵、砂糖などで作った生地を油に落として揚げるもので、イーストを使うため、見た目よりももちもちした食感を楽しめます。
フランスのベニエは、カーニバルの時期に食べられる行事菓子として知られ、粉糖をかけたり、中にジャムやチョコを入れたりして楽しみます。
スペインのチュロスは、ホットチョコレートに浸して食べる文化があり、日本のテーマパークで食べる太めのチュロスとはまた違った魅力があります。
沖縄では、サーターアンダギーが昔から大切にされてきました。
琉球王国の時代から続くといわれ、砂糖が貴重だったころには特別なお菓子として扱われていました。
現在でも家庭のおやつ、祝いごと、観光のお土産など、さまざまな場面で親しまれています。
こうして見ていくと、ドーナッツはただの揚げ菓子ではなく、国や地域の暮らしとつながった食べ物だとわかります。
次にドーナッツを食べるときは、形や味だけでなく、「この一個はどんな文化から来たのかな」と想像してみてください。
いつものおやつの時間が、少しだけ世界旅行のように楽しくなります。
2. 生地で分ける基本のドーナッツ3種類
ドーナッツには、リングの形をしたもの、まん丸のボールみたいなもの、ねじねじしたもの、クリームが入ったものなど、見た目だけでもたくさんの種類があります。
でも、「どんなドーナッツがあるのかな」と考えるときに、まず見てほしいのは生地の作り方です。
生地がどうやってふくらむのかを知ると、ふわふわなのか、サクサクなのか、しっとりなのかが、ぐっと分かりやすくなります。
ドーナッツの生地は、大きく分けるとイーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチドーナツの3種類です。
たとえば、パンみたいにふんわりしているドーナッツはイーストドーナツ、外が少しサクッとして中がしっとりしているものはケーキドーナツ、口に入れると軽くてしゅわっとするものはフレンチドーナツと考えると、イメージしやすいですよ。
同じ「ドーナッツ」という名前でも、ふくらませる材料や生地の水分量が違うだけで、食べたときの印象は大きく変わります。
ここでは、ドーナッツの基本になる3種類の生地を、子供にも分かるように、ひとつずつやさしく見ていきましょう。
2-1. イーストドーナツ:イーストで発酵させるふんわり定番タイプ
イーストドーナツは、ドーナッツの中でもとても定番のタイプです。
小麦粉、砂糖、卵、牛乳などを使った生地にイーストを加え、パン作りのように発酵させてから油で揚げます。
イーストは小さな働き者のようなもので、生地の中でゆっくりガスを出し、その力で生地をふんわり大きくしてくれます。
そのため、イーストドーナツは食べたときにやわらかく、かむと空気をふくんだような軽さを感じやすいのが特徴です。
お店でよく見かけるシュガードーナツや、ねじった形のツイストドーナツは、イーストドーナツの仲間として考えられます。
グレーズをかけたつやつやのドーナッツや、中にカスタードクリーム、ホイップクリーム、チョコクリームなどを入れたものも、ふんわりしたイースト生地と相性がよいです。
たとえるなら、イーストドーナツは「甘い揚げパン」に近い存在です。
パンのようなやさしい弾力があるので、朝ごはんやおやつとして食べても満足感があります。
ただし、作るときには少しだけ時間がかかります。
なぜなら、イーストを入れた生地は、こねたあとにしばらく休ませて発酵させる必要があるからです。
気温が低い冬は発酵に時間がかかり、夏は発酵が進みやすいので、同じレシピでも季節によって仕上がりが変わることがあります。
でも、その待つ時間があるからこそ、ふんわりとした口どけが生まれます。
できたてのイーストドーナツをひと口食べると、外はほんのり香ばしく、中はふわっとやわらかくて、「待ってよかった」と感じられるはずです。
ドーナッツの種類を知りたいとき、まず覚えておきたい王道が、このイーストドーナツです。
2-2. ケーキドーナツ:ベーキングパウダーで膨らませるサクサクしっとりタイプ
ケーキドーナツは、名前のとおり、ケーキに近い食感を持つドーナッツです。
イーストではなく、ベーキングパウダーの力で生地をふくらませます。
ベーキングパウダーは、ホットケーキやパウンドケーキにも使われる身近な材料です。
生地に混ぜて加熱すると、ふくらむ力が働き、発酵させなくてもドーナッツらしい厚みが出ます。
ケーキドーナツの魅力は、外側のサクッとした食感と、内側のしっとりした食感を一緒に楽しめるところです。
リング状にして揚げると、表面がこんがりして少しクッキーのようになり、中はケーキのようにほろっとやわらかく仕上がります。
代表的なものとしては、昔ながらの雰囲気があるオールドファッションが分かりやすい例です。
オールドファッションは表面にひびが入りやすく、その割れ目の部分がカリッと香ばしくなるため、チョコレートを半分だけかけたり、砂糖をまぶしたりしてもおいしく食べられます。
ケーキドーナツは発酵時間がいらないので、家庭で作りやすいことも大きな特徴です。
材料を混ぜ、形を作り、油で揚げるという流れで進められるため、イーストドーナツよりも気軽に挑戦できます。
ホットケーキミックスを使えば、小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーを別々に量る手間を減らせるので、子供と一緒に作るおやつにも向いています。
ただし、混ぜすぎると生地がかたくなりやすいので、粉っぽさがなくなるくらいで止めるのがポイントです。
まるで粘土遊びをするように、リング形、丸形、ひと口サイズなど、好きな形にしやすいところも楽しいですね。
「おうちで作るドーナッツ」と聞いて思い浮かべるものの多くは、このケーキドーナツのタイプです。
サクサクも、しっとりも、どちらも楽しみたいときにぴったりの生地です。
2-3. フレンチドーナツ:卵の力で膨らませる軽いシュー生地タイプ
フレンチドーナツは、イーストドーナツやケーキドーナツとは、ふくらみ方が少し違います。
イーストやベーキングパウダーではなく、主に卵の力を使って生地をふくらませます。
生地はシュークリームの皮に近く、水分を多く含んでいて、やわらかくなめらかです。
そのため、手で丸めるというより、星形の口金を付けた絞り袋に入れて、くるっと円を描くように絞り出してから揚げることが多いです。
お店で見かけるフレンチクルーラーを思い浮かべると、分かりやすいでしょう。
表面が波のようにくるくるしていて、見た目もふわっと軽そうですよね。
フレンチドーナツの食感は、ひと言で言うと、とても軽いです。
かむとふわっとして、口の中でしゅわっとほどけるような感じがあります。
ケーキドーナツのようなどっしり感は少なく、イーストドーナツのようなパンらしい弾力とも違います。
まるで空気をたっぷりふくんだ雲を食べているような、やさしい口あたりです。
この軽さがあるので、チョコレートやはちみつ風味のグレーズをかけても重くなりすぎません。
甘いコーティングと合わせることで、外側は少ししっとり、中はふんわりという楽しい食感になります。
一方で、家庭で作る場合は少しコツがいります。
シュー生地は火にかけながら生地をまとめたり、卵を少しずつ加えてかたさを調整したりするため、初めての人にはむずかしく感じるかもしれません。
でも、仕組みを知っておくと、お店でフレンチドーナツを選ぶときに「これは卵の力でふくらんでいるんだ」と分かって、ちょっと楽しくなります。
軽いドーナッツが好きな人、甘いけれど重すぎないものを食べたい人には、フレンチドーナツがよく合います。
2-4. 発酵あり・発酵なしで変わる作りやすさと食感
ドーナッツの生地を比べるときは、発酵があるか、ないかを見ると違いが分かりやすくなります。
イーストドーナツは発酵ありのタイプです。
生地をこねたあと、イーストが働く時間を待つことで、ふんわりした食感が生まれます。
この発酵の時間があるため、完成までには少し手間がかかりますが、そのぶんパンのようなやわらかさと香りが楽しめます。
シュガードーナツやツイストドーナツのように、シンプルな砂糖だけでもおいしいのは、生地そのものにふんわりした魅力があるからです。
一方、ケーキドーナツは発酵なしのタイプです。
ベーキングパウダーでふくらませるので、材料を混ぜて形を作ったら、比較的すぐに揚げられます。
「今日のおやつに作りたい」と思ったときに、時間の予定を立てやすいのはケーキドーナツです。
外はサクサク、中はしっとりという食感になりやすく、オールドファッションのような食べごたえのあるドーナッツにも向いています。
フレンチドーナツも、イーストの発酵は必要ありません。
ただし、ケーキドーナツのように混ぜるだけで形にしやすい生地ではなく、シュー生地に近い作り方をするため、発酵なしでも少し上級者向けです。
つまり、発酵がないからといって、必ず簡単というわけではありません。
ここが大事なポイントです。
作りやすさで見るなら、ケーキドーナツがいちばん気軽です。
ふわふわ感を大切にしたいなら、発酵させるイーストドーナツが向いています。
軽くてしゅわっとした口どけを楽しみたいなら、フレンチドーナツを選ぶとよいでしょう。
同じ油で揚げるお菓子でも、発酵の有無とふくらませ方によって、まったく違う表情になるのがドーナッツのおもしろいところです。
2-5. 家庭で作りやすいのはケーキドーナツやドーナツボール
おうちでドーナッツを作るなら、最初におすすめしたいのはケーキドーナツやドーナツボールです。
理由は、発酵を待たなくても作りやすく、形も自由に変えやすいからです。
特にドーナツボールは、小さく丸めて揚げるだけなので、リング形にするよりも失敗しにくいです。
中心に穴を開ける必要がなく、ひと口サイズにしやすいので、子供のおやつや家族で分けるお菓子にもぴったりです。
ホットケーキミックスを使えば、より手軽に作れます。
ホットケーキミックスは、もともと小麦粉、砂糖、ふくらむための材料が入っていることが多いので、卵や牛乳、豆腐などを混ぜるだけで生地を作りやすくなります。
豆腐を入れるとしっとりやわらかく、白玉粉を少し加えるともちもちした食感を出しやすくなります。
揚げたあとにグラニュー糖をまぶせば定番のおやつに、きな粉をまぶせば和風に、チョコレートをかければパーティー向けのかわいいドーナッツになります。
まるいドーナツボールは、ころころした見た目も楽しく、竹串に刺したり、カップに入れたりすると、見た目までわくわくします。
あんこを包めば、あんドーナツ風にもできます。
市販のこしあんやつぶあんを使えば、家庭でも挑戦しやすいですよ。
ただし、揚げ物なので、大人と一緒に作ることが大切です。
油の温度が高すぎると外だけ焦げて中が生っぽくなり、低すぎると油を吸って重たい仕上がりになりやすいです。
小さめに丸める、同じくらいの大きさにそろえる、揚げすぎないように色を見る、という3つを意識すると、家庭でもおいしく作りやすくなります。
はじめてなら、まずはホットケーキミックスのドーナツボールから始めて、慣れてきたらオールドファッション風のケーキドーナツ、さらに挑戦したくなったらイーストドーナツやフレンチドーナツへ進むとよいでしょう。
ドーナッツは、作り方を知るほど「次はどんな味にしようかな」と考えるのが楽しくなるお菓子です。
生地の違いを知っておくと、お店で選ぶときも、おうちで作るときも、自分の好きなドーナッツを見つけやすくなります。
3. 日本でよく見かける定番ドーナッツの種類
ドーナッツと聞くと、まん中に穴が開いた丸い形を思い浮かべる子が多いかもしれませんね。でも、よく見てみると、お店のショーケースには丸いものだけでなく、ねじねじした形、ころんと丸い形、中にクリームやあんこが入ったものなど、いろいろな仲間が並んでいます。
ドーナッツは大きく見ると、イーストでふくらませるふわふわ系、ベーキングパウダーでふくらませるサクサク・しっとり系、卵の力でふんわりさせる軽いタイプなどに分けられます。日本でよく見かける定番ドーナッツも、この生地の違いや形、入っている具によって名前が変わります。ここでは、コンビニ、スーパー、ベーカリー、ミスタードーナツのような専門店で見つけやすい代表的なドーナッツを、ひとつずつやさしく見ていきましょう。
3-1. オールドファッション:表面のひび割れが特徴の昔ながらのドーナッツ
オールドファッションは、ドーナッツの中でも「昔ながらのドーナッツ」として根強い人気がある定番です。名前の「オールドファッション」には、古くから親しまれてきた、なつかしいスタイルという意味合いがあります。
一番の特徴は、表面に入ったゴツゴツとしたひび割れです。このひびがあることで、見た目に手作り感が出るだけでなく、油で揚げたときに外側がカリッと香ばしくなりやすいのです。小さな山みたいな割れ目を見つけると、「ここがサクサクしていそう」と食べる前からわくわくしますね。
生地としては、イーストでふくらませるパンのようなタイプではなく、ベーキングパウダーでふくらませるケーキドーナッツ系に入ります。そのため、ふわふわと軽くしぼむ感じではなく、外はサクッ、中はしっとり、少しほろっとほどけるような食感になります。牛乳や卵、砂糖を使ったやさしい甘さが感じられるので、チョコレートやクリームがたっぷりのものより、素朴なおやつが好きな人にぴったりです。
ミスタードーナツでも「オールドファッション」は長く親しまれている王道メニューのひとつです。プレーンのほかに、チョコレートを半分だけかけたタイプを見かけることもあります。全部がチョコ味ではないので、生地そのものの香ばしさとチョコの甘さを両方楽しめるのがうれしいところです。
飲み物と合わせるなら、子供には牛乳やカフェオレ風のミルク、大人にはコーヒーや紅茶がよく合います。甘さが強すぎないので、朝のおやつ、午後の休憩、少し小腹がすいたときにも食べやすいドーナッツです。「ザクッ」としたところと「しっとり」したところが1個の中に一緒にあるので、食感の違いを楽しみながら食べてみてください。
3-2. シュガードーナツ:砂糖をまぶしたイースト系の王道
シュガードーナツは、ふわっとした生地のまわりに砂糖をまぶした、とても分かりやすい王道ドーナッツです。白い砂糖が表面についているので、見た目からも「甘くておいしそう」とすぐに伝わってきます。
このタイプは、イーストを使って生地をふくらませるイーストドーナッツの代表的な形です。イーストはパン作りにも使われる材料で、生地を休ませて発酵させることで、ふんわりとした空気を含んだ食感を作ります。そのため、シュガードーナツはケーキドーナッツのようにサクサク重めではなく、パンに近いふかふか感があります。
かじると、最初に砂糖のシャリッとした甘さが口に広がり、そのあとに生地のやわらかさがやってきます。この「シャリッ」と「ふわっ」の組み合わせが、シュガードーナツの大きな魅力です。味はとてもシンプルですが、だからこそ小麦の香りや揚げたての香ばしさを感じやすく、飽きにくいドーナッツといえます。
パン屋さんでは、リング型のシュガードーナツだけでなく、丸い形のものや少し大きめのものが並ぶこともあります。スーパーやコンビニでも、袋入りのシュガードーナツを見かけることがありますね。専門店の華やかなドーナッツに比べると見た目は控えめですが、昔からある安心感があり、子供から大人まで食べやすい味です。
食べるときに気をつけたいのは、表面の砂糖がこぼれやすいことです。小さな子が食べるときは、お皿や紙ナプキンの上で食べると安心です。手についた砂糖をなめたくなるくらい甘くて楽しいおやつですが、食べ終わったら手を洗うところまでセットにするといいですね。
シュガードーナツは、アレンジの土台としても優秀です。シナモンシュガーに変えると少し大人っぽくなり、きな粉をまぶすと和風のおやつに近づきます。シンプルなドーナッツだからこそ、家庭でもお店でもいろいろな味に変身できるのです。
3-3. ツイストドーナツ:ねじった形が特徴のふわふわ系ドーナッツ
ツイストドーナツは、名前のとおり生地をくるっとねじった形が特徴のドーナッツです。リング型のように穴がまん中にあるわけではなく、細長い生地をひねって作るので、見た目に動きがあり、ショーケースの中でも目を引きます。
このツイストドーナツも、シュガードーナツと同じくイーストドーナッツの仲間としてよく紹介されます。イーストで発酵させた生地を使うため、食感はふわふわで、パンに近いやさしい口当たりです。揚げたあとに砂糖をまぶしたものが多く、ねじれたすき間に砂糖が入り込むので、どこを食べても甘さを感じやすいのが楽しいところです。
ねじった形には、見た目のかわいさだけでなく、食感の変化を生み出す役割もあります。生地が重なったところは少し厚みが出てふっくらし、外側に出ている部分は油に触れやすく香ばしくなります。ひと口ごとに、ふわっとした部分と少しカリッとした部分が出てくるので、最後まであきずに食べられます。
パン屋さんで売られているツイストドーナツは、給食や昔ながらのおやつを思い出すような、親しみやすい味のものが多いです。リング型のドーナッツより持ちやすく、片手で食べやすい形なので、子供のおやつにも向いています。ただし、砂糖がたっぷりついている場合は、食べ歩きよりも席に座って食べるほうが安心です。
味の種類は、定番の砂糖まぶしのほか、チョコレートをかけたもの、シナモン風味のもの、きな粉をまぶしたものなどがあります。生地がシンプルなので、甘いトッピングとも香ばしいトッピングとも相性がよいのです。
「ふわふわしたドーナッツが食べたいけれど、丸い形ではなく少し楽しいものを選びたい」というときは、ツイストドーナツを選ぶと満足しやすいです。ねじねじの形を見ながら、「どこから食べようかな」と考える時間も、おやつの楽しみのひとつですね。
3-4. あんドーナツ:あんこを包んで揚げる和洋折衷の日本風ドーナッツ
あんドーナツは、ドーナッツ生地の中にあんこを包んで油で揚げた、日本らしさを感じるドーナッツです。外側は洋菓子のドーナッツ、内側は和菓子でおなじみのあんこなので、和と洋が一緒になったおやつといえます。
あんこは、たい焼き、大福、どら焼きなどにも使われる、日本でとても親しまれている甘い具です。そのあんこをドーナッツの中に入れることで、ふわっとした生地やサクッとした生地の中から、しっとり甘いあんこが出てくる特別感が生まれます。
あんドーナツの生地は、ベーキングパウダーを使ったケーキドーナッツ系で作られることも多いです。また、家庭ではホットケーキミックスを使って作るレシピもあり、あんこを包んで揚げれば、手作りのあんドーナツに近い味を楽しめます。あんこはスーパーでもチューブ入りやパック入りで買えるので、材料だけを見ると意外と身近です。
ただし、実際に作るときは、あんこを生地で包む作業に少しコツがいります。すき間があると揚げている途中で中身が出てしまうことがあるので、ぎゅっと閉じることが大切です。小さな子と作る場合は、大人が包むところや揚げるところを担当し、子供は生地を丸める、砂糖をまぶす、といった安全な作業を楽しむとよいでしょう。
市販のあんドーナツは、表面に砂糖がまぶされているものが多く、ひと口食べると外側の甘さと中のあんこの甘さが重なります。かなり満足感があるので、1個でもしっかりおやつを食べた気持ちになります。緑茶、ほうじ茶、牛乳、ブラックコーヒーなど、合わせる飲み物によって和風にも洋風にも感じられるのが面白いところです。
あんドーナツは、専門店だけでなく、町のパン屋さんやスーパーのベーカリー売り場でも見つけやすい定番です。華やかなデコレーションは少ないかもしれませんが、ずっしりした安心感と、昔から親しまれてきたようななつかしさがあります。甘いものをしっかり食べたい日や、和菓子も洋菓子もどちらも好きな人におすすめです。
3-5. クリーム入りドーナツ:エンゼルクリームのような中に詰め物があるタイプ
クリーム入りドーナツは、外から見るとシンプルでも、中にクリームやカスタードなどの詰め物が入っている、わくわく感のあるドーナッツです。ひと口かじるまで中身が見えにくいので、「どこまでクリームが入っているかな」と楽しみながら食べられます。
日本でイメージしやすいものとしては、ミスタードーナツの「エンゼルクリーム」があります。ふんわりしたイースト系の生地の中にホイップクリームが入り、表面には粉砂糖がかかっているタイプです。見た目は白くてやさしい印象ですが、食べるとクリームのなめらかさと生地のふわふわ感が合わさり、ケーキを食べているような満足感があります。
このタイプは、フランスの揚げ菓子であるベニエのように、揚げた生地の中へチョコレートやジャム、クリームを詰めるスタイルとも共通点があります。つまり、穴の開いたリング型だけがドーナッツではなく、中においしいものを閉じ込めたドーナッツも世界で広く親しまれているのです。
クリーム入りドーナツに使われる中身は、ホイップクリームだけではありません。カスタードクリーム、チョコクリーム、いちごジャム、季節限定のフルーツクリームなど、お店によっていろいろな種類があります。クリスピー・クリーム・ドーナツのように、ふわふわの生地や華やかなデコレーションを大切にしているお店では、見た目にもかわいいクリーム入り商品が並ぶことがあります。
食べるときのポイントは、クリームがこぼれないように少しずつかじることです。勢いよくかぶりつくと、反対側からクリームが出てきてしまうことがあります。小さな子が食べるときは、半分に切って中身を見せてあげると食べやすくなり、「中に白いクリームがいるね」と楽しく会話できます。
クリーム入りドーナツは、軽いイースト生地と甘いクリームの組み合わせが多いため、見た目よりもペロッと食べられることがあります。ただし、クリームが入っているぶん満足感も高いので、おやつとして1個選ぶだけでも特別な気分になれます。誕生日のおやつ、家族で分けるスイーツ、少しごほうび感を出したい日にもぴったりです。
定番ドーナッツの中でも、オールドファッションはサクサク感、シュガードーナツは砂糖の王道感、ツイストドーナツは形の楽しさ、あんドーナツは和の甘さ、クリーム入りドーナツは中身のわくわく感が魅力です。同じ「ドーナッツ」でも、作り方や形、中に入るものが変わるだけで、こんなに違ったおいしさになります。お店で選ぶときは、見た目だけでなく、「今日はサクサクがいいかな」「ふわふわがいいかな」「中に何か入っているものがいいかな」と考えてみると、自分にぴったりの1個を見つけやすくなります。
4. 形で分けるドーナッツの種類
ドーナッツの種類を知りたいときは、材料や生地の違いだけでなく、形に注目して分けると、とてもわかりやすくなります。
たとえば、イーストでふんわり膨らませるイーストドーナツ、ベーキングパウダーで作るケーキドーナツ、卵の力で軽く仕上げるフレンチドーナツなど、生地で分ける方法もあります。
でも、お店のショーケースを見たときに「これはリング型だね」「これはボールみたいでかわいいね」と、ぱっと見てすぐにわかるのは形の違いです。
ドーナッツには、真ん中に穴があるリング型だけでなく、一口で食べやすいボール型、テーマパークでおなじみの棒状タイプ、くるくると曲がったクルーラー、四角や不定形に揚げるベニエなど、世界中にいろいろな形があります。
ここでは、子どもにも説明しやすいように、代表的な形ごとにドーナッツの特徴や食感、よく知られている商品例を見ていきましょう。
4-1. リング型:中心に穴がある最もイメージされやすい形
ドーナッツと聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのが、丸くて中心に穴が開いたリング型ではないでしょうか。
お皿にのせると小さな輪っかのように見えて、手でも持ちやすく、チョコレートや砂糖をかけたときも見た目がとてもかわいくなります。
ミスタードーナツの「オールドファッション」や「フレンチクルーラー」、クリスピー・クリーム・ドーナツの「オリジナル・グレーズド」なども、リング型としてイメージしやすい代表例です。
リング型のよいところは、見た目が親しみやすいだけではありません。
真ん中に穴があることで生地が厚くなりすぎず、油で揚げたときに中心まで火が入りやすいと考えられています。
ただし、ドーナッツがなぜ今のような丸い穴あきの形として広まったのかは、ひとつの理由だけで説明できるものではありません。
昔から受け継がれてきた作りやすさ、食べやすさ、見た目の覚えやすさが合わさって、今の「ドーナッツらしい形」として定着したと考えると、なんだかおもしろいですよね。
リング型は、同じ輪っかの形でも生地によって食感が大きく変わります。
イーストドーナツなら、パンのようにふんわり軽く、砂糖をまぶすだけでも満足感があります。
ケーキドーナツなら、外はサクッとしていて中はしっとりした食感になり、オールドファッションのように表面のひび割れが魅力になります。
フレンチドーナツなら、シュー生地のようにやわらかく、水分を多く含んだ生地を絞り出して揚げるため、ふわっと軽く、口の中でほどけるような食感を楽しめます。
つまり、リング型は「同じ形だから同じ味」ではなく、生地の作り方でまったく違うおいしさになる形なのです。
子どもに説明するときは、「同じ丸い輪っかでも、ふわふわのパンみたいな子、サクサクのクッキーみたいな子、しゅわっと軽いシュークリームみたいな子がいるんだよ」と話すと、楽しく覚えられます。
4-2. ボール型:一口サイズで食べやすいドーナツボール
ボール型のドーナッツは、名前のとおり、ころんと丸い小さな形をしたドーナッツです。
大きなリング型をひとつ食べるよりも、少しずつつまめるところが魅力で、おやつの時間やホームパーティーにもぴったりです。
ひと口サイズのドーナツボールは、手をあまり汚さずに食べやすいので、小さな子どもにも人気があります。
家庭で作るときは、ホットケーキミックスを使ったレシピでも作りやすく、特別な型がなくてもスプーンで生地を丸く落として揚げれば、それらしい形に仕上がります。
ボール型は、アレンジの自由度がとても高い形です。
生地に白玉粉を混ぜれば、もちもちした食感になります。
豆腐を入れると、しっとりしてやさしい味わいになり、少し軽めに食べたいときにも向いています。
仕上げにグラニュー糖をまぶせば昔ながらのおやつらしくなり、きな粉をまぶせば和風の味わいになります。
チョコレートでコーティングしたり、カラースプレーを散らしたりすれば、お祭りの屋台に並んでいるような楽しい見た目にもできます。
ボール型のドーナッツを考えるときに、ドーナッツの原型とされるオランダの「オリーボーレン」を思い出すと、形の歴史も少し見えてきます。
オリーボーレンは「油のボール」という意味を持つ丸い揚げ菓子で、小麦粉、卵、砂糖などを使った生地を油で揚げて作られます。
日本の沖縄県で親しまれている「サーターアンダギー」も、ころんと丸い見た目をしていて、小麦粉や砂糖を使う点ではドーナッツに近いお菓子です。
ただし、サーターアンダギーは水分量が少なめで、食べごたえがしっかりしているため、ふわふわというよりもずっしりした満足感があります。
このように、ボール型は小さくてかわいいだけでなく、世界のいろいろな揚げ菓子とつながっている形です。
「小さな丸いドーナッツ」と聞くとシンプルに思えますが、実は、もちもち、しっとり、ふんわり、ずっしりと、作り方によってたくさんの表情を見せてくれるのです。
4-3. 棒状タイプ:テーマパークでも人気のチュロス
棒状タイプの代表といえば、テーマパークや映画館、イベント会場などでよく見かけるチュロスです。
長いスティックのような形をしているので、歩きながらでも食べやすく、紙に包まれて売られている姿を見ると、わくわくした気持ちになりますよね。
チュロスはスペイン発祥のお菓子として知られ、小麦粉、砂糖、卵などを使って作られます。
フレンチドーナツと同じように、イーストやベーキングパウダーなどの膨張剤を使わないタイプとして説明されることがありますが、生地はフレンチドーナツよりもかためです。
そのため、食感はふわふわというより、外はカリッと、中はもっちりした印象になりやすいです。
日本でよく見かけるチュロスは、まっすぐで太めに揚げられ、シナモンシュガー、ココアパウダー、砂糖などをまぶして食べる形が一般的です。
一方で、本場スペインのチュロスは日本のものより細めのものも多く、まっすぐなものだけでなく、ゆるくカーブしたものもあります。
そして、濃厚なホットチョコレートにディップして食べる楽しみ方も定番です。
つまり、同じチュロスでも、日本では「そのまま持って食べる甘い棒状ドーナッツ」、スペインでは「チョコレートにつけて味わう揚げ菓子」というように、楽しみ方に少し違いがあります。
棒状タイプのよさは、食べやすさと香ばしさです。
表面に星型の筋が入っているチュロスは、油で揚げたときに凹凸の部分がカリッとしやすく、砂糖やシナモンもからみやすくなります。
子どもに説明するなら、「チュロスは長いドーナッツのつえみたいなお菓子で、ぎざぎざのところに甘い砂糖がくっつくんだよ」と言うと、形とおいしさの関係が伝わりやすいでしょう。
また、リング型のドーナッツはお皿に置いて食べるイメージが強いのに対し、チュロスは片手で持てるため、レジャー気分を盛り上げてくれます。
おやつでありながら、食べる場所の思い出まで一緒に残りやすいのが、チュロスの大きな魅力です。
4-4. ねじり型・曲がり型:クルーラーやツイストドーナツ
ねじり型や曲がり型のドーナッツは、見た目に動きがあって、ショーケースの中でも目を引きます。
代表的なものには、クルーラーやツイストドーナツがあります。
クルーラーは、くるくると曲がった形や、ねじれたような形をしたドーナッツを指す言葉として使われます。
よく知られている「フレンチクルーラー」は、シュー生地のようなやわらかい生地を星型の口金で絞り出し、輪のようにして揚げたドーナッツです。
表面に細かな筋ができるので、見た目はふわふわの花びらのようにも見えます。
食べると、空気をふくんだ軽い食感があり、重たすぎない甘さを楽しめます。
一方で、ツイストドーナツは、イースト生地を細長くのばしてねじり、揚げて作ることが多いドーナッツです。
パンのようにふんわりした生地に砂糖をまぶしたものは、学校帰りのおやつやパン屋さんの定番として親しみやすい存在です。
同じ「ねじれた形」でも、クルーラーは軽くてしゅわっとした食感、ツイストドーナツはふんわりもっちりした食感になりやすいので、食べ比べると違いがよくわかります。
ねじり型や曲がり型の魅力は、形そのものが食感を作っているところです。
生地をねじることで、表面に山と谷ができます。
その山の部分は油に触れて香ばしくなり、谷の部分には砂糖やグレーズがたまりやすくなります。
だから、ひと口ごとにカリッとした部分、ふわっとした部分、甘さがしっかり感じられる部分が少しずつ変わります。
リング型が「きれいな丸」だとしたら、ねじり型は「楽しく踊っている形」です。
見た目がユニークなので、子どもと一緒に選ぶときにも「今日はくるくるのドーナッツにしようか」「ねじねじのほうにする?」と会話が広がります。
ドーナッツは味だけでなく、形を見て選ぶ楽しさもあるお菓子なのだと感じられる種類です。
4-5. 四角・丸・不定形タイプ:フランスのベニエ
最後に紹介するのは、四角、丸、不定形など、決まった形にこだわらないタイプのドーナッツです。
その代表として知られているのが、フランスの揚げ菓子ベニエです。
ベニエは、リング型のように必ず穴が開いているわけではなく、四角く切った生地を揚げたり、丸くしたり、少し不ぞろいな形のまま揚げたりします。
きちんと同じ形にそろっていないところが、手作りのおやつのようで、あたたかみがあります。
ベニエには、イーストドーナツのような生地で作るものと、フレンチドーナツに近い生地で作るものがあります。
揚げたあとに粉糖をたっぷりふりかけたり、中にチョコレートやジャムを入れたりして食べることもあります。
口のまわりに白い粉糖がついてしまうこともありますが、それもベニエを食べる楽しさのひとつです。
子どもなら、思わず「おひげができた」と笑ってしまうかもしれません。
ベニエは、季節を問わずいつでも食べるドーナッツとは少し違い、カーニバル、つまり謝肉祭の時期に食べられる行事食としても知られています。
お祝いの日や特別な時期に食べるお菓子だと思うと、ただの揚げ菓子ではなく、文化や暮らしと結びついた大切な食べ物だとわかります。
また、フランス料理の世界では、甘いお菓子だけでなく、野菜や果物に衣をつけて揚げる料理もベニエと呼ばれることがあります。
卵白や炭酸水を使った生地でふわっと包み、油で揚げるため、日本の天ぷらに少し似た雰囲気があります。
甘いベニエには粉糖やジャムがよく合い、料理としてのベニエには塩気や飲み物との組み合わせが楽しめるなど、同じ名前でも幅広い世界を持っています。
不定形タイプのよさは、きっちり整っていないからこそ、おいしそうに見えるところです。
リング型のようなわかりやすい形もすてきですが、ベニエのように「これは四角かな」「これは丸に近いかな」と眺めながら食べるのも楽しいものです。
ドーナッツの種類を形で分けて見ていくと、リング型、ボール型、棒状タイプ、ねじり型、ベニエのような不定形タイプまで、それぞれに理由と魅力があることがわかります。
お店でドーナッツを選ぶときは、味だけでなく、ぜひ形にも注目してみてください。
「今日は丸いドーナッツ」「次は長いチュロス」「今度は粉糖たっぷりのベニエ」と選んでいくと、いつものおやつの時間が、世界のドーナッツを旅する時間のように楽しくなります。
5. 食感で選ぶドーナッツの種類
ドーナッツを選ぶときは、味や見た目だけでなく、食感に注目すると、もっと楽しく選べます。
同じ「ドーナッツ」という名前でも、パンみたいにふわふわしたもの、クッキーみたいにサクッとしたもの、おもちみたいにもちもちしたもの、口の中でしゅわっと軽く消えるもの、そしておなかにたまるずっしりタイプまで、びっくりするほど個性があるのです。
たとえば、朝ごはんのように軽く食べたい日なら、イーストドーナツやフレンチクルーラーが食べやすいです。
牛乳やコーヒーと一緒にゆっくり楽しみたい日なら、オールドファッションやケーキドーナツのようなサクサク系がぴったりです。
小腹がすいて「しっかり甘いものを食べたいな」という日には、あんドーナツやサーターアンダギーのようなずっしり系を選ぶと満足しやすいですよ。
ここでは、ドーナッツを食感ごとに分けて、どんな材料や作り方でその食感になるのか、どんな場面で食べるとおいしいのかを、やさしく見ていきましょう。
5-1. ふわふわ系:イーストドーナツ・グレーズド・クリーム入りドーナツ
ふわふわ系の代表は、イーストドーナツです。
イーストドーナツは、小麦粉、砂糖、卵などで作った生地にイーストを混ぜ、パンのように発酵させてから油で揚げるドーナッツです。
イーストの力で生地の中に小さな空気の部屋がたくさんできるので、ひと口かじると、ふんわりやわらかく、少しパンに近い食感になります。
作るときには発酵の時間が必要になるため、ベーキングパウダーでふくらませるタイプより少し手間はかかりますが、そのぶん軽くてやさしい口当たりに仕上がります。
小さな子でも食べやすく、朝のおやつや、ミルクと一緒に食べるおやつにも向いています。
イーストドーナツの中でも、砂糖で表面を包んだシュガードーナツや、ねじねじした形のツイストドーナツは、とてもなじみ深い種類です。
表面に甘いグレーズをかけたグレーズドドーナツも、ふわふわ系が好きな人に人気があります。
グレーズとは、砂糖をベースにした薄いコーティングのことで、ドーナッツの表面にツヤを出し、シャリッとした甘さを足してくれます。
クリスピー・クリーム・ドーナツの「オリジナル・グレーズド」のように、ふわふわの生地に甘い膜をまとわせたタイプは、温めると生地がさらにやわらかくなり、口に入れた瞬間にじゅわっとほどけるようなおいしさを楽しめます。
また、クリーム入りドーナツも、ふわふわ系の楽しさをぐんと広げてくれる存在です。
ミスタードーナツの「エンゼルクリーム」のように、イースト生地の中にホイップクリームやカスタードクリームを詰めたものは、外側のふんわり感と中のなめらかさを一度に味わえます。
かじったときにクリームが出てくるので、まるで小さなケーキを食べているような気分になりますよ。
ふわふわ系を選ぶときは、「軽く食べたいけれど、甘さもほしい」という日を目安にすると選びやすいです。
ただし、クリーム入りやグレーズたっぷりのものは甘さがしっかりしているので、甘い飲み物よりも、ブラックコーヒー、無糖の紅茶、牛乳などと合わせると、最後までおいしく食べやすくなります。
5-2. サクサク系:ケーキドーナツ・オールドファッション
サクサク系のドーナッツが好きな人には、ケーキドーナツやオールドファッションがおすすめです。
ケーキドーナツは、名前のとおり、外側はクッキーのようにサクッとしていて、中はケーキのようにしっとりしているのが特徴です。
イーストではなく、ベーキングパウダーの力で生地をふくらませるため、発酵させる時間がいりません。
そのため、家庭で作るドーナッツのレシピにもよく登場します。
ホットケーキミックスを使って作れるレシピも多く、親子でおやつ作りをするときにも挑戦しやすいタイプです。
ケーキドーナツの楽しいところは、表面のサクサク感と中のしっとり感の差です。
外側をかじると「カリッ」と音がして、そのあとにバターや卵のやさしい風味がふわっと広がります。
チョコレートを半分だけかけたり、粉砂糖をまぶしたり、シナモンシュガーを合わせたりすると、味の変化もつけやすいです。
甘さを少し控えめに作れば、コーヒーやカフェラテと相性のよい大人向けのおやつにもなります。
オールドファッションは、ケーキドーナツの一種で、表面にひび割れたような模様があるのが大きな特徴です。
「オールドファッション」には「昔ながらの」という意味があり、見た目も味わいも、どこかほっとする雰囲気があります。
生地に筋をつけてから揚げることで、揚げている間に表面がきれいに割れ、あの独特のゴツゴツした形になります。
外側はしっかりサクサク、中は牛乳などの水分でしっとりしているので、ひとつのドーナッツの中に2つの食感がかくれています。
ミスタードーナツでも定番人気の種類として知られており、チョコをかけたタイプを選ぶと、サクサクした生地とチョコのなめらかさが一緒に楽しめます。
サクサク系は、ふわふわ系よりも噛みごたえがあるため、「おやつを食べた」という満足感が出やすいです。
ゆっくり噛むほど小麦や卵の風味が感じられるので、急いで食べるよりも、飲み物と一緒に少しずつ味わうのがおすすめです。
5-3. もちもち系:チュロス・白玉粉入りドーナツボール・オリーボーレン
もちもち系のドーナッツは、噛むたびに弾むような食感が楽しいタイプです。
「ふわふわ」や「サクサク」とは違って、少し押し返してくるような歯ごたえがあり、食べていて元気が出る感じがします。
代表的なのは、テーマパークや映画館などでもよく見かけるチュロスです。
チュロスはスペイン発祥のお菓子で、小麦粉、砂糖、卵などを使って作られます。
フレンチドーナツのように膨張剤を使わないタイプですが、生地がやや硬めなので、ふんわりというより、もっちりした食感になりやすいです。
日本では長い棒状のチュロスに、砂糖、ココアパウダー、シナモンなどをまぶして食べることが多いです。
一方、本場スペインでは、日本で見るものより細めのものも多く、まっすぐな形やカーブした形など、いろいろな姿があります。
食べ方としては、濃いホットチョコレートにディップするスタイルも定番です。
あつあつのチュロスをチョコにちょんとつけると、外側の香ばしさと中のもちっとした食感、チョコの甘さが一緒になって、特別なおやつになります。
ドーナツボールも、もちもち系にアレンジしやすい種類です。
ドーナツボールは、ドーナッツ生地を小さな丸い形にして揚げた、一口サイズのかわいいドーナッツです。
ホットケーキミックスを使って作るレシピも多く、丸い形なので、子供のおやつやパーティー用にも出しやすいです。
このドーナツボールに白玉粉を混ぜると、もちもち感がぐっと強くなります。
白玉粉は、お団子にも使われる材料なので、生地に入れると、普通のドーナッツとは違う、むにゅっとした楽しい食感になります。
砂糖をまぶすだけでもおいしいですが、きな粉をまぶすと和風になり、チョコレートでコーティングすると子供が喜ぶデザート感のある見た目になります。
もちもち系を語るなら、オランダの伝統菓子オリーボーレンも知っておきたいところです。
オリーボーレンは、直訳すると「油のボール」という意味で、小麦粉、卵、砂糖などで作った生地をスプーンですくい、油に落として揚げる丸いお菓子です。
年末年始に食べられることが多く、屋台で揚げたてを楽しむ文化もあります。
見た目は沖縄のサーターアンダギーに似ていますが、イーストを使って発酵させるため、中は意外なほどもちもちした食感になります。
もちもち系は、冷めても食感が残りやすいものが多いので、おやつとして持ち歩きやすいのもよいところです。
ただし、チュロスのように表面の香ばしさを楽しむものは、できたての温かいうちに食べると、いちばんおいしさを感じやすいですよ。
5-4. 軽い口どけ系:フレンチドーナツ・フレンチクルーラー
軽い口どけ系が好きな人には、フレンチドーナツやフレンチクルーラーがぴったりです。
このタイプは、ドーナッツなのに重たく感じにくく、口に入れるとしゅわっとほどけるような食感があります。
イーストドーナツやケーキドーナツは、イーストやベーキングパウダーなどで生地をふくらませますが、フレンチドーナツは卵の力を使ってふくらませるのが大きな違いです。
シュークリームに使われるような、水分の多いやわらかい生地を、星型の口金を付けた絞り袋に入れて、くるりと絞り出してから揚げます。
そのため、表面には波のような細かいすじができ、見た目もとても華やかになります。
フレンチクルーラーは、フレンチドーナツの中でも特に有名な種類です。
「クルーラー」は、もともと「曲がったもの」や「くるくるした形」を表す言葉として使われており、生地の種類そのものではなく、形の特徴を表す名前です。
シュー生地を輪の形に絞って揚げたものが、フレンチクルーラーとして広く親しまれています。
ミスタードーナツでも定番のひとつとして知られており、軽く食べられるドーナッツを選びたいときに手に取りやすい種類です。
フレンチドーナツの魅力は、なんといっても空気を食べているような軽さです。
外側はほんのり香ばしく、中はふわっとしていて、噛むとしゅわっと消えていくように感じます。
同じ揚げ菓子でも、オールドファッションのようにしっかりした食べごたえは少なく、甘いものを少しだけ楽しみたいときにも向いています。
表面にグレーズをかけたタイプなら、軽い生地に砂糖の甘さが薄くまとい、上品なおやつになります。
チョコをかけたタイプやクリームをはさんだタイプもありますが、生地そのものが軽いので、全体として重くなりすぎにくいです。
おなかがいっぱいの食後でも、「少しだけ甘いものが食べたいな」というときに選びやすいですね。
軽い口どけ系は、食感がやさしいぶん、飲み物との組み合わせも大切です。
紅茶やカフェオレのように香りのある飲み物と合わせると、ふんわりした卵の風味やグレーズの甘さが引き立ちます。
小さな子に説明するなら、「ふわふわ雲みたいなドーナッツ」と言うと、イメージしやすいかもしれません。
5-5. ずっしり系:サーターアンダギー・あんドーナツ
ずっしり系のドーナッツは、ひとつ食べるだけでしっかり満足できるタイプです。
軽い口どけのフレンチクルーラーとは反対に、生地がぎゅっと詰まっていて、噛むほどに甘さや粉の風味が広がります。
おなかがすいている日や、午後のおやつで元気を出したい日に向いています。
代表的なのが、沖縄県の郷土菓子として知られるサーターアンダギーです。
サーターアンダギーは、小麦粉や砂糖を使って作る揚げ菓子で、ドーナッツと同じ仲間として楽しめます。
歴史はとても古く、琉球王国の時代から伝わるお菓子とされ、当時は砂糖が高級品だったため、特別なお菓子として扱われていました。
ベーキングパウダーでふくらませる点はケーキドーナツと似ていますが、水分量が少なめなので、一般的なドーナッツよりもずっしりとした食感になります。
外側はしっかり揚がってカリッと香ばしく、中はぎゅっと詰まっていて、素朴な甘さがあります。
牛乳やさんぴん茶、温かいお茶と合わせると、口の中がほどよくすっきりして、最後まで食べやすいです。
もうひとつのずっしり系が、あんドーナツです。
あんドーナツは、日本で親しまれてきたあんこを生地で包み、油で揚げた和洋折衷のお菓子です。
生地にはケーキドーナツのようにベーキングパウダーを使うことも多く、ホットケーキミックスで作ることもできます。
中に入るあんこは、つぶあん、こしあん、白あんなどで印象が変わります。
つぶあんは小豆の粒感が残っていて食べごたえがあり、こしあんはなめらかで上品な甘さを楽しめます。
白あんを使うと、やさしくまろやかな味になり、緑茶ともよく合います。
あんドーナツの魅力は、外側の揚げた生地の香ばしさと、中のあんこのしっとりした甘さが一緒に味わえることです。
砂糖をまぶしたタイプなら、表面のじゃりっとした食感も加わり、ひと口ごとに満足感があります。
パン屋さんやスーパーでも見つけやすく、昔ながらのおやつとして親しみやすいのもよいところです。
ずっしり系を選ぶときは、「今日はしっかり食べたいかな」と自分のおなかに聞いてみるといいですよ。
軽く食べたいときには少し重く感じることもありますが、疲れた日やたくさん遊んだあとには、サーターアンダギーやあんドーナツのどっしりした甘さが、とても頼もしいおやつになります。
5-6. まとめ
ドーナッツは、食感で分けると選びやすくなります。
ふわふわ系なら、イーストドーナツ、グレーズドドーナツ、クリーム入りドーナツのように、やわらかく軽い甘さを楽しめます。
サクサク系なら、ケーキドーナツやオールドファッションのように、外側の香ばしさと中のしっとり感を味わえます。
もちもち系なら、チュロス、白玉粉入りドーナツボール、オリーボーレンのように、噛むほど楽しい弾力を感じられます。
軽い口どけ系なら、フレンチドーナツやフレンチクルーラーのように、しゅわっと消えるようなやさしい食感が魅力です。
ずっしり系なら、サーターアンダギーやあんドーナツのように、ひとつでしっかり満足できる食べごたえがあります。
ドーナッツ売り場で迷ったら、まずは「今日はどんな食感が食べたいかな」と考えてみてください。
そうすると、たくさん並んだドーナッツの中から、今の気分にぴったりのひとつを見つけやすくなりますよ。
6. 世界のドーナッツ系スイーツの種類
ドーナツと聞くと、まんなかに穴が開いた丸い形を思い浮かべる子が多いかもしれませんね。でも、世界をぐるりと見てみると、穴がないもの、細長いもの、四角いもの、チーズやジャムを合わせるものなど、「これもドーナツの仲間なの?」とびっくりするような揚げ菓子がたくさんあります。小麦粉、卵、砂糖などを使った生地を油で揚げるという点では、日本でおなじみのイーストドーナツやケーキドーナツと近いのですが、国や地域によって形、食感、食べる場面が大きく変わるのが楽しいところです。たとえば、ふんわり発酵させるものもあれば、ベーキングパウダーでふくらませるもの、卵の力を使って軽く仕上げるものもあります。つまり、ドーナツはただの丸いお菓子ではなく、世界中の人が自分たちの暮らしやお祭り、家庭の味に合わせて育ててきたスイーツなのです。ここでは、オランダのオリーボーレン、スペインのチュロス、フランスのベニエ、ルーマニアのパパナッシュ、そして沖縄のサーターアンダギーを紹介します。どれも日本のドーナツとは少しずつ違うので、「どんな味かな」「どんな場面で食べるのかな」と想像しながら読んでみてください。
6-1. オリーボーレン:オランダ発祥でドーナッツの原型といわれる揚げ菓子
オリーボーレンは、オランダで古くから食べられている揚げ菓子で、ドーナツの原型のひとつといわれています。名前を分けて考えると、「オリー」は油、「ボーレン」はボールのような丸いものを表す言葉としてとらえられ、まさに油で揚げた丸いお菓子という意味に近いスイーツです。見た目はころんとした丸い形で、日本のサーターアンダギーに少し似ていると感じる人もいるかもしれません。でも、作り方には大きな違いがあります。オリーボーレンは小麦粉、卵、砂糖などを合わせた生地にイーストを使い、発酵させてから油で揚げるため、見た目よりも中がやわらかく、もちっとした食感になりやすいのです。
オランダでは、オリーボーレンは年末年始に食べられる定番のお菓子として知られています。寒い季節に屋台で揚げたてを買い、湯気の立つあつあつをほおばる場面を想像してみると、なんだか冬のお祭りに遊びに来たような気分になりますよね。粉糖をたっぷりかけて食べることも多く、外は香ばしく、中はふんわり、そして表面の甘さが口の中でやさしく広がります。日本でいうと、大みそかやお正月に特別なお菓子を食べるような感覚に近く、家族や友達と分け合って楽しむお菓子として親しまれてきました。
ドーナツの歴史を考えるとき、オリーボーレンはとても大切な存在です。オランダなどヨーロッパで食べられていた揚げ菓子が、時代の流れとともにイギリスやアメリカへ伝わり、やがて「ドーナツ」と呼ばれる形へ発展していったといわれます。英語の「doughnut」は「dough」が生地、「nut」が木の実を表す言葉で、昔の生地にナッツを合わせたことに由来するという考え方もあります。現在は「doughnut」と「donut」の2つの表記が使われていますが、どちらも同じドーナツを指します。丸いリング状のドーナツだけでなく、オリーボーレンのような穴のない丸い揚げ菓子も仲間として見ると、ドーナツの世界がぐんと広く見えてきますよ。
6-2. チュロス:スペイン発祥でホットチョコレートに浸して食べる定番菓子
チュロスは、スペイン発祥の揚げ菓子として知られ、日本でもテーマパークや映画館、イベント会場などでよく見かけます。日本では、長い棒のような形をしたチュロスに砂糖やシナモン、ココアパウダーをまぶして食べることが多いですね。外側はカリッとしていて、中はもっちりした食感があり、手で持って食べやすいところも人気の理由です。小さな子でも歩きながら食べやすく、見た目も楽しいので、おでかけのおやつとして覚えている人も多いのではないでしょうか。
チュロスの生地は、小麦粉、砂糖、卵などを使って作られます。イーストドーナツのように発酵させるタイプではなく、フレンチドーナツに近いように、膨張剤をあまり使わず生地そのものの力で仕上げるのが特徴です。ただし、フレンチドーナツのようなふわっと軽い口どけというより、チュロスは少しかためで、噛むともっちりとした弾力を感じやすいお菓子です。星形の口金から生地をしぼり出して揚げるため、表面に筋のような模様ができます。このギザギザした形のおかげで、砂糖やシナモンがからみやすく、ひと口食べるたびに甘い香りがふわっと広がるのです。
本場スペインのチュロスは、日本で見かけるものより細めのものが多く、まっすぐな形だけでなく、カーブした形や輪のような形のものもあります。そして、スペインらしい食べ方としてよく知られているのが、濃厚なホットチョコレートに浸して食べる方法です。日本のチュロスはそのまま食べても甘くて完成された味に感じますが、スペインではチュロスをチョコレートにちょんとつけて食べることで、よりリッチなおやつになります。朝食や軽食として食べられることもあり、甘い飲み物と一緒に楽しむ文化が根づいています。
ドーナツの仲間としてチュロスを見ると、形の自由さがよく分かります。ドーナツは丸くなければいけない、穴が開いていなければいけない、という決まりはありません。チュロスのように細長くても、小麦粉を使った生地を油で揚げ、甘く仕上げるという点では、立派なドーナツ系スイーツです。日本のチュロスとスペインのチュロスを食べ比べる機会があれば、太さ、食感、甘さ、チョコレートとの相性を比べてみると楽しいですよ。同じ名前のお菓子でも、国によって少しずつ姿が変わるところが、世界のスイーツのおもしろさです。
6-3. ベニエ:フランスのカーニバルで食べられる粉糖たっぷりの揚げ菓子
ベニエは、フランスで親しまれている揚げ菓子で、形がひとつに決まっていないところが大きな特徴です。四角いもの、丸いもの、少しふくらんだクッションのようなものなど、作り方や地域によって見た目が変わります。日本のドーナツのようにリング形を思い浮かべていると、「これもドーナツの仲間なの?」と感じるかもしれません。でも、生地を油で揚げ、粉糖をたっぷりまぶして食べるところは、ドーナツ系スイーツらしさがしっかりあります。
ベニエの生地には、大きく分けてイーストドーナツに近いタイプと、フレンチドーナツに近いタイプがあります。イーストを使うタイプは、発酵によってふんわりとした食感が生まれます。一方で、卵の力や水分の多い生地を生かして軽く仕上げるタイプは、口に入れたときにやわらかく、ふわっとほどけるような食感を楽しめます。揚げたあとにチョコレートやジャムを中に入れることもあり、粉糖の白い見た目と中の甘いフィリングの組み合わせがとても華やかです。
ベニエは、フランスのカーニバル、つまり謝肉祭の時期に食べられる行事食としても知られています。いつでも買える日常のおやつというより、特別な季節に楽しむお菓子としての意味があるのです。粉糖をたっぷりかけたベニエは、見た目が雪のように白く、子供の目にも楽しく映ります。ひと口かじると粉糖が少しこぼれてしまうこともありますが、それもベニエの楽しいところです。お皿の上や口のまわりが少し白くなって、みんなで笑いながら食べるような、にぎやかな雰囲気が似合います。
また、フランス料理の世界では「ベニエ」という言葉が、甘いお菓子だけを指すとは限りません。野菜や果物に衣をつけて油で揚げる料理にも使われることがあり、日本の天ぷらに少し似た料理として楽しまれる場合もあります。甘いベニエは粉糖やジャムと相性がよく、料理としてのベニエは塩気や飲み物との相性を楽しむものです。同じ「ベニエ」という名前でも、スイーツにも料理にも広がっているところが面白いですね。ドーナツの種類を知るときは、形だけでなく、食べる季節や使われる場面まで見てみると、その国の暮らしが少し見えてきます。
6-4. パパナッシュ:ルーマニアのチーズ生地にジャムとサワークリームを合わせる菓子
パパナッシュは、ルーマニアで親しまれている伝統的な揚げ菓子です。ドーナツ系スイーツの中でも、かなり個性的な存在といえます。なぜなら、生地にチーズをたっぷり混ぜ込み、揚げたあとにジャムとサワークリームを合わせて食べるからです。日本のドーナツは砂糖、チョコレート、クリームを合わせることが多いですが、パパナッシュはチーズのコク、ジャムの甘酸っぱさ、サワークリームのさっぱり感を一度に楽しめるお菓子です。
見た目は、丸いドーナツの上に小さな丸い生地をのせたような形で出されることが多く、上から白いサワークリームと赤いベリー系のジャムがかかります。まるで小さな山に雪と果物のソースがのっているようで、テーブルに運ばれてきた瞬間にわくわくする見た目です。使われるジャムは、ベリー系のものがよく合うとされ、甘さだけでなく酸味があるため、揚げ菓子の重たさをやわらげてくれます。あつあつの生地に冷たいクリームやジャムを合わせると、温度の違いも楽しめます。
パパナッシュは、もともとルーマニアの家庭料理として親しまれていたお菓子とされています。今では家庭だけでなく、ルーマニア各地のカフェやレストランでも食べられる定番スイーツとして知られています。家庭のおやつから外食のデザートへ広がっていったと考えると、日本でいうあんドーナツやホットケーキのように、身近な味が多くの人に愛されていった姿と少し似ていますね。
ドーナツの種類を学ぶとき、パパナッシュは「ドーナツは甘いだけではない」と教えてくれる存在です。チーズを入れた生地は、砂糖だけの生地よりもコクがあり、食べごたえがあります。そこへサワークリームを合わせることで、こってりしすぎず、最後まで食べやすくなります。さらにジャムのフルーティーな香りが加わるため、ひと皿の中でいろいろな味が順番にやってくるのです。いつものドーナツに慣れている人ほど、パパナッシュを知ると「世界にはこんな組み合わせもあるんだ」と感じられるはずです。
6-5. サーターアンダギー:500年前の琉球王国時代にもつながる沖縄の郷土菓子
サーターアンダギーは、沖縄県を代表する郷土菓子です。日本のお菓子ですが、小麦粉や砂糖を使い、生地を油で揚げるという点では、ドーナツと同じ仲間として見ることができます。沖縄の言葉で「サーター」は砂糖、「アンダ」は油、「アギー」は揚げることを表すとされ、名前そのものが「砂糖を使って油で揚げたもの」という意味を持っています。まさに、名前から作り方が見えるお菓子ですね。
サーターアンダギーの歴史はとても古く、500年前の琉球王国時代にもつながるといわれています。当時、中国や台湾で料理を学んだ料理人が関わったとされ、沖縄の食文化の中で大切に受け継がれてきました。今でこそ砂糖はスーパーで手軽に買えますが、昔は砂糖がとても貴重なものでした。そのため、サーターアンダギーは日常的にたくさん食べるお菓子というより、特別な場面で喜ばれる高級感のあるお菓子だったと考えられています。
作り方はケーキドーナツに近く、ベーキングパウダーを使って生地をふくらませることが多いです。ただし、水分量が少なめなので、ふわふわ軽いドーナツというより、ずっしりとして食べごたえがあります。外側はカリッと香ばしく、中はほろっとしていて、噛むほどに砂糖と小麦粉のやさしい甘みが広がります。小さく見えてもおなかにたまりやすいので、おやつとしてだけでなく、小腹がすいたときにもぴったりです。
サーターアンダギーには、表面がぱっくり割れたような形になるものがあります。この割れ目が花のように見えることから、縁起のよいお菓子として扱われることもあります。沖縄ではお祝いごとや行事で登場することもあり、家庭ごとに少しずつ味や大きさが違うのも魅力です。黒糖を使ったもの、紅いも風味のもの、ゴマを加えたものなど、現代ではアレンジも増えています。
世界のドーナツ系スイーツとして見ると、サーターアンダギーはとても身近でありながら、深い歴史を持つお菓子です。オランダのオリーボーレンが年末年始に親しまれているように、サーターアンダギーも沖縄の暮らしや祝いの場と結びついています。スペインのチュロス、フランスのベニエ、ルーマニアのパパナッシュと並べてみると、国や地域は違っても、人は昔から「生地を揚げた甘いもの」が大好きだったことが分かります。ドーナツの種類を知ることは、ただお菓子の名前を覚えることではありません。それぞれの国の季節、家族の食卓、お祭りのにぎわいまで一緒に知ることなのです。次にドーナツを食べるときは、「この形にはどんな歴史があるのかな」と、少しだけ旅をする気持ちで味わってみてください。
7. トッピング・味付けで分けるドーナッツの種類
ドーナッツは、生地の作り方だけでなく、上に何をかけるか、何をまぶすか、中に何を入れるかによっても、まったく違うおやつになります。
たとえば、ふんわりしたイーストドーナッツに砂糖の衣をかけると、つやつや甘いグレーズドになります。
外がサクサクで中がしっとりしたケーキドーナッツにチョコレートをかけると、少しビターで食べごたえのある味になります。
チュロスのような細長い揚げ菓子なら、シナモンやココアをまぶすだけで、テーマパークで食べるようなワクワクする味になります。
さらに、ベニエのように粉糖をたっぷりふったり、中にジャムやクリームを入れたりすると、見た目も味もぐっと華やかになります。
このように、ドーナッツはトッピングや味付けを変えるだけで、同じ生地でも別のお菓子のように楽しめるのが大きな魅力です。
ここでは、よく見かける定番の味から、日本らしい和風アレンジまで、ドーナッツを味付けで分けたときの種類を、ひとつずつ見ていきましょう。
7-1. グレーズド:砂糖衣でコーティングした甘さが特徴のタイプ
グレーズドは、ドーナッツの表面に砂糖を使った甘い衣をかけて仕上げるタイプです。
お店で見ると、表面がうっすら白く光っていたり、つやつやしていたりするドーナッツがありますよね。
あれがグレーズドの代表的な見た目です。
砂糖の衣は、ドーナッツの熱で少し溶けながら表面にからみ、冷めると薄い膜のようになります。
ひと口かじると、最初にシャリッとした甘さがきて、そのあとにふんわりした生地のやさしい味が広がります。
特に相性がよいのは、イーストを使って発酵させたふんわりタイプのドーナッツです。
イーストドーナッツは、パンのように発酵させて作るので、生地の中に空気をふくみやすく、軽い食感になります。
そこにグレーズをかけると、生地だけでは少し物足りない部分に甘さが加わり、バランスのよい定番ドーナッツになります。
クリスピー・クリーム・ドーナツの「オリジナル・グレーズド」のように、グレーズドタイプはお店の看板商品になりやすい味でもあります。
電子レンジで数秒温めると、砂糖衣がほんのりやわらかくなり、できたてに近いような口どけを楽しめることもあります。
小さな子に説明するなら、グレーズドは「ドーナッツに甘いおふとんをかけたもの」と考えるとわかりやすいです。
ただし、砂糖のコーティングがしっかりしているぶん、甘さは強めです。
牛乳やブラックコーヒー、無糖の紅茶と合わせると、口の中が甘くなりすぎず、最後までおいしく食べられます。
シンプルなのに満足感が高いので、はじめてドーナッツの種類を比べるときは、まずグレーズドを基準にすると違いが見えやすくなります。
7-2. チョココーティング:チョコレートをかけた定番アレンジ
チョココーティングは、ドーナッツの表面にチョコレートをかけて仕上げる、とても人気の高いアレンジです。
リング型のドーナッツの上半分だけにチョコをかけたものもあれば、全体をチョコで包んだものもあります。
さらに、チョコの上にカラースプレーやナッツ、クランチをのせると、見た目も楽しいドーナッツになります。
チョココーティングのよいところは、使う生地をあまり選ばないことです。
ふわふわのイーストドーナッツにかけると、やわらかい生地とチョコの甘さがいっしょになって、子供にも親しみやすい味になります。
一方で、オールドファッションのようなケーキドーナッツにかけると、外側のサクサク感とチョコのなめらかさが合わさって、少し大人っぽいおやつになります。
オールドファッションは、ベーキングパウダーでふくらませるケーキドーナッツの一種で、表面のひび割れが特徴です。
このひび割れた部分にチョコが少しかかると、かじる場所によってチョコの量が変わり、味にリズムが出ます。
だから、同じチョコ味でも、ふんわりタイプとサクサクタイプではまったく印象が変わるのです。
また、チョココーティングは、アメリカ風のカラフルなドーナッツとも相性がよい仕上げです。
ダンキンやクリスピー・クリーム・ドーナツのような海外発のチェーンでは、グレーズドだけでなく、チョコをかけたものや、かわいいデコレーションをほどこしたものもよく見られます。
ピンクや黄色のアイシング、顔を描いたデザイン、季節限定の飾りなどを組み合わせると、ドーナッツはただのおやつではなく、写真を撮りたくなるスイーツになります。
おうちで作る場合は、板チョコを湯せんで溶かして、揚げたドーナッツの表面に少しつけるだけでも楽しめます。
まだ温かいドーナッツにつけるとチョコがゆるみすぎることがあるので、少し冷ましてからかけると、きれいに固まりやすいです。
チョココーティングは、定番でありながら、飾り方しだいで特別感を出せる万能タイプといえるでしょう。
7-3. シナモン・ココア・粉糖:チュロスやベニエにも使われる仕上げ
シナモン、ココア、粉糖は、ドーナッツの表面にまぶして楽しむ仕上げです。
チョコのように表面をコーティングするというより、揚げた生地にふわっと香りや甘さをまとわせるイメージです。
このタイプは、チュロスやベニエのような揚げ菓子でよく見られます。
チュロスは、スペイン発祥とされる細長い揚げ菓子で、日本ではテーマパークや映画館などでもよく見かけます。
小麦粉、砂糖、卵などで作った生地を使い、フレンチドーナッツのように膨張剤を使わないタイプですが、生地はやや硬めで、食感はふんわりというよりも、もっちりしています。
日本で親しまれているチュロスは、まっすぐで太めの形が多く、仕上げに砂糖、ココアパウダー、シナモンなどをまぶして食べることが一般的です。
シナモンをまぶすと、甘さの中に少しスパイシーな香りが加わり、ぐっと海外のお菓子らしい雰囲気になります。
ココアをまぶすと、チョコレートほど重くならず、ほろ苦さと香ばしさを楽しめます。
粉糖は、白くて細かい砂糖をふんわりかける仕上げで、見た目が雪のようにかわいらしくなります。
ベニエでは、この粉糖をたっぷりふりかける食べ方がよく知られています。
ベニエは、四角や丸など形がきっちり決まっていないフランスの揚げ菓子です。
イーストドーナッツに近い生地で作られることもあれば、フレンチドーナッツに近い生地で作られることもあり、ふんわりした食感が魅力です。
粉糖をたっぷりかけると、口のまわりが白くなってしまうこともありますが、それもベニエらしい楽しさです。
小さな子にとっては、粉糖がこぼれないように食べるのも、ちょっとした遊びのように感じられるかもしれません。
シナモン、ココア、粉糖は、油で揚げた生地の香ばしさを引き立てながら、味をわかりやすく変えてくれます。
グレーズやチョコほど重たくないので、軽めに食べたいときにも向いています。
香りを楽しむならシナモン、ほろ苦さを足すならココア、見た目のかわいさを出すなら粉糖と覚えると、選ぶときに迷いにくくなります。
7-4. ジャム・クリーム入り:ベニエやクリームドーナツに多いタイプ
ジャムやクリームを中に入れたドーナッツは、ひと口かじったときの驚きが楽しいタイプです。
外から見るとシンプルな丸いドーナッツなのに、中からカスタードクリーム、ホイップクリーム、チョコクリーム、いちごジャムなどが出てくると、宝物を見つけたような気持ちになりますよね。
このタイプは、ベニエやクリームドーナッツ、イーストドーナッツのアレンジでよく見られます。
ベニエは、揚げたあとに中へチョコやジャムを詰めたり、上から粉糖をふりかけたりして食べられることがあります。
生地がふんわりしているので、甘酸っぱいベリー系のジャムや、なめらかなチョコクリームとよく合います。
ルーマニアの伝統菓子であるパパナッシュも、ジャムを使うドーナッツ系のお菓子として覚えておきたい存在です。
パパナッシュは、チーズを混ぜた生地を揚げ、ベリー系のジャムとサワークリームを合わせて食べるお菓子です。
甘いだけでなく、チーズやサワークリームのさわやかさがあるので、濃厚なのに後味が重くなりにくいのが特徴です。
日本でなじみ深いクリーム入りドーナッツでは、ミスタードーナツの「エンゼルクリーム」のように、イーストドーナッツの中へクリームを入れた商品がよく知られています。
ふわふわの生地に軽いクリームが入ると、口の中で生地とクリームがいっしょにほどけて、ケーキのような満足感が生まれます。
クリーム入りタイプは、穴の開いたリング型よりも、丸くて中に空間を作りやすい形のほうが多いです。
中身を入れる必要があるので、ドーナッツボールのような小さな丸型や、丸いイーストドーナッツと相性がよいのです。
ただし、ジャムやクリーム入りは、食べるときに中身がこぼれやすいことがあります。
子供といっしょに食べるときは、半分に割って中身を見せてから食べると、こぼれにくく、味の違いもわかりやすくなります。
ジャム入りは甘酸っぱく、クリーム入りはまろやかなので、さっぱり食べたい日はジャム、しっかり甘さを楽しみたい日はクリームを選ぶとよいでしょう。
7-5. きな粉・あんこ・豆腐入り:日本風に楽しめる和風アレンジ
ドーナッツは洋菓子のイメージが強いですが、日本らしい素材を合わせると、ほっとする和風のおやつになります。
代表的なのは、きな粉、あんこ、豆腐を使ったアレンジです。
どれもスーパーで手に入りやすい材料なので、おうちでドーナッツを作るときにも取り入れやすいのがうれしいところです。
きな粉は、揚げたドーナッツの表面にまぶして使います。
砂糖を少し混ぜたきな粉をまぶすと、昔ながらのおやつのような香ばしい甘さになります。
ドーナッツボールのような一口サイズのドーナッツにきな粉をまぶすと、ころころした見た目もかわいく、子供でも食べやすいです。
ドーナッツボールは、生地を小さく丸めて揚げたタイプで、ホットケーキミックスを使ったレシピも多く見られます。
一口で食べやすい大きさなので、きな粉、砂糖、チョコ、粉糖など、いろいろな味を少しずつ試すのにも向いています。
あんこを使うなら、やはりあんドーナッツが定番です。
あんドーナッツは、日本を代表する甘味であるあんこを生地で包んで揚げた、和洋折衷のお菓子です。
生地はベーキングパウダーでふくらませるケーキドーナッツ系で作られることが多く、ホットケーキミックスで代用することもできます。
外側は油で揚げた香ばしさがあり、中にはしっとり甘いあんこが入っているので、おまんじゅうともパンとも違う、独特のおいしさがあります。
あんこは、つぶあんを使うと豆の食感が残り、こしあんを使うとなめらかな口当たりになります。
どちらを選ぶかで印象が変わるので、家族で食べ比べをしても楽しいでしょう。
豆腐入りのドーナッツは、生地に豆腐を混ぜて作るアレンジです。
豆腐を入れると、しっとり、もちもちした食感になりやすく、重すぎない仕上がりを目指せます。
ドーナッツボールの生地に白玉粉を混ぜてももちもち感を出せますが、豆腐を使うと、やさしい口当たりになりやすいです。
小さな子に食べさせるおやつとして作るときは、サイズを小さめにして、甘さを控えめにすると食べやすくなります。
きな粉、あんこ、豆腐を使った和風アレンジは、派手さよりも、安心感のある味が魅力です。
洋風のドーナッツに日本の素材を合わせることで、なつかしくて新しい味を楽しめるのが、和風ドーナッツのおもしろいところです。
7-6. まとめ
トッピングや味付けで見ると、ドーナッツの種類はとても豊かです。
グレーズドは砂糖衣の甘さとつやが魅力で、ふんわりしたイーストドーナッツと特に相性がよいタイプです。
チョココーティングは、イーストドーナッツにもケーキドーナッツにも合わせやすく、カラースプレーやナッツを足せば見た目も楽しくなります。
シナモン、ココア、粉糖は、チュロスやベニエのような揚げ菓子でよく使われ、香りや軽やかな甘さをプラスしてくれます。
ジャムやクリーム入りは、中から甘いフィリングが出てくる楽しさがあり、ベニエやクリームドーナッツで人気です。
きな粉、あんこ、豆腐入りは、日本らしい素材を使った和風アレンジで、家庭でも試しやすい味です。
つまり、ドーナッツは「丸くて穴があるお菓子」だけではありません。
砂糖をかけるか、チョコをかけるか、粉をまぶすか、中に何を入れるかで、味も食感も雰囲気も大きく変わります。
お店で選ぶときは、まず生地の種類を見て、次にトッピングや中身を見てみましょう。
そうすると、「今日はふわふわのグレーズドにしよう」「今日はきな粉のドーナッツボールにしよう」と、自分の気分に合う一個を見つけやすくなります。
ドーナッツの種類を知ることは、おやつ選びの地図を持つようなものです。
いろいろな味を少しずつ試しながら、お気に入りのドーナッツを見つけてみてください。
8. 人気チェーンで買えるドーナッツの種類
ドーナツの種類を知るときは、生地の作り方だけでなく、どのお店でどんな名前の商品として並んでいるかを見ると、とてもわかりやすくなります。
たとえば、同じ丸い形に見えても、ふんわり発酵させたイーストドーナツ、外がサクッとして中がしっとりしたケーキドーナツ、シュー生地のように軽いフレンチドーナツでは、食べたときの印象がぜんぜん違います。
ショーケースの前で「今日はどれにしようかな」と迷う時間も、種類の違いがわかると、まるで小さな探検みたいに楽しくなります。
ここでは、ドーナツ好きなら一度は名前を聞いたことがある人気チェーンを中心に、代表的なドーナツの種類をやさしく見ていきましょう。
8-1. ミスタードーナツ:1971年に日本上陸した身近なドーナツチェーン
日本で「ドーナツを買いに行こう」と聞いたとき、多くの人が思い浮かべるお店がミスタードーナツです。
ミスタードーナツは1971年に日本へ上陸し、それから長いあいだ、家族のおやつ、学校帰りのごほうび、友だちとのおしゃべりのおともとして親しまれてきました。
駅前やショッピングセンターで見かけることも多く、子供から大人まで入りやすい雰囲気があるため、ドーナツチェーンの中でもとても身近な存在です。
ミスタードーナツの大きな魅力は、ひとつのお店の中でいろいろな種類のドーナツを比べられることです。
しっかりした食べごたえのあるケーキドーナツ系、ふわっと軽いフレンチドーナツ系、クリームを入れたイーストドーナツ系、もちもち食感を楽しめるタイプなど、ショーケースを見ているだけで「ドーナツにはこんなに種類があるんだ」とわかります。
丸くて真ん中に穴があるものだけでなく、クリーム入り、ボール状、チュロスのような細長い形のものなどもあり、ドーナツの形はひとつではないことを教えてくれるお店でもあります。
また、ミスタードーナツは甘いドーナツだけでなく、飲茶やパイなどの軽食系メニューを扱うこともありました。
そのため、おやつの時間だけでなく、ちょっとした昼食や休憩にも使いやすいお店として広がっていったのです。
ドーナツの種類を覚えたいときは、まずミスタードーナツの定番商品を見てみると、基本の生地や形の違いをつかみやすいですよ。
8-2. ミスタードーナツの代表商品:オールドファッション・フレンチクルーラー・エンゼルクリーム・ポン・デ・リング
ミスタードーナツの代表商品には、ドーナツの種類を学ぶうえでぴったりのものがたくさんあります。
まずオールドファッションは、ケーキドーナツの仲間として知られています。
ベーキングパウダーで生地をふくらませるタイプで、表面にひび割れのような筋が入っているのが特徴です。
外側はサクッと香ばしく、中はしっとりしていて、牛乳やコーヒーと一緒に食べると、昔ながらのおやつを食べているような安心感があります。
「オールドファッション」という名前には、昔ながらの、という意味合いがあり、シンプルだけれど長く愛される理由がよくわかるドーナツです。
次にフレンチクルーラーは、軽い食感が好きな人に人気があります。
フレンチドーナツは、イーストやベーキングパウダーではなく、卵の力でふくらませる生地が特徴です。
シュー生地のようなやわらかい生地を星形の口金でしぼり、くるっとした形にして揚げるため、見た目にもふんわりしています。
口に入れると、サクッというよりも、しゅわっとほどけるような軽さがあり、小さな子でも食べやすいドーナツです。
エンゼルクリームは、ふんわりしたイーストドーナツの中にクリームを入れたタイプです。
イーストドーナツはパンのように発酵させるため、やわらかく空気をふくんだような生地になります。
そこへなめらかなクリームが入ることで、ひと口食べたときに生地のふわふわ感とクリームの甘さが一緒に広がります。
フランスのベニエのように、中へクリームやジャムを入れて楽しむ揚げ菓子を思わせるところもあり、ドーナツの広がりを感じられる商品です。
そして、ミスタードーナツを語るうえで外せないのがポン・デ・リングです。
2003年に登場してから、丸い玉がつながったような見た目と、もちもちした食感で一気に人気商品になりました。
普通のリングドーナツとはちがい、ちぎりながら食べやすい形をしているので、子供にも楽しいドーナツです。
オールドファッションのサクサク、フレンチクルーラーの軽さ、エンゼルクリームのふわふわ、ポン・デ・リングのもちもちを比べると、同じドーナツでも食感の世界がとても広いことがわかります。
8-3. ダンキン・ドーナツ:1970年に銀座へ出店し1998年に日本撤退したアメリカ系チェーン
ダンキン・ドーナツは、アメリカを代表するドーナツチェーンとして知られています。
日本ではミスタードーナツのほうが身近に感じられますが、実はダンキン・ドーナツは1970年に銀座へ出店しており、日本への登場はミスタードーナツよりも少し早いものでした。
ただし、日本国内ではその後、1998年に一般向けの店舗展開から撤退しました。
そのため、今の日本で「近所の商業施設でダンキンを買う」という機会は少なく、海外旅行やアメリカ文化の中で名前を知った人も多いかもしれません。
ダンキン・ドーナツを知るときに大切なのは、アメリカではドーナツが朝食の一部としても楽しまれていることです。
日本ではドーナツというと、3時のおやつや差し入れのイメージが強いですよね。
でもアメリカでは、朝にコーヒーとドーナツを買って出勤したり、ベーグル、マフィン、サンドイッチと一緒に選んだりする文化があります。
海外ドラマや映画で、箱に入ったドーナツとコーヒーが出てくる場面を見たことがある子もいるかもしれません。
あれは、ドーナツが特別な日だけのお菓子ではなく、日常に近い食べ物として親しまれていることを表しています。
ダンキン・ドーナツは、そんなアメリカらしいドーナツ文化を感じられるチェーンです。
甘いグレーズド、チョコレートをまとったもの、クリームを入れたものなど、わかりやすくて楽しい種類が多く、見た目にも「どれを選ぼうかな」とワクワクします。
日本から撤退した歴史もふくめて見ると、ドーナツチェーンは国や地域によって広がり方が違うことがわかります。
8-4. ダンキン・ドーナツの定番:グレーズド・チョコ系・クリーム入り・1ダース12個セット
ダンキン・ドーナツの定番を考えるとき、まず思い浮かべたいのがグレーズド系のドーナツです。
グレーズドとは、砂糖を使ったつやのあるコーティングをかけたタイプのことで、ドーナツの表面がきらっと光って見えます。
ふんわりしたイーストドーナツに甘いグレーズがかかると、生地のやわらかさと砂糖のシャリッとした甘さが一緒に楽しめます。
シンプルですが、ドーナツらしい満足感があるので、初めて食べるときにも選びやすい種類です。
次に人気があるのが、チョコ系のドーナツです。
チョコレートで表面をコーティングしたもの、チョコスプレーをのせたもの、チョコ生地を使ったものなど、ひとことでチョコ系といってもいろいろあります。
子供にとっては見た目が楽しく、甘さもしっかり感じられるので、箱を開けたときに一番先に手が伸びやすいタイプかもしれません。
チョコの濃さやトッピングの違いで味の印象が変わるため、同じチョコ系でも食べ比べる楽しさがあります。
クリーム入りドーナツも、ダンキン・ドーナツらしい定番のひとつです。
ふわっとしたイースト生地の中にクリームを入れると、外から見ただけではわからない楽しみが生まれます。
ひと口かじったときに中からクリームが出てくると、まるで小さなサプライズを見つけたような気持ちになります。
カスタードやホイップ系のクリームは甘党の人に向いていて、飲み物はコーヒーや牛乳を合わせると食べやすくなります。
そして、ダンキン・ドーナツらしさを感じる買い方が1ダース12個セットです。
日本でも手土産にドーナツを箱で買うことはありますが、12個入りでどんと買うスタイルは、とてもアメリカらしい雰囲気があります。
家族や友だちと分けるときは、グレーズド、チョコ系、クリーム入りを混ぜて選ぶと、箱を開けた瞬間に「ぼくはこれ」「わたしはこれ」と楽しい会話が生まれます。
ドーナツは1個でもうれしいですが、たくさん並ぶと種類の違いが見えやすくなり、選ぶ楽しさがぐんと大きくなります。
8-5. クリスピー・クリーム・ドーナツ:1937年創業で2006年に日本初出店したグレーズド系の人気店
クリスピー・クリーム・ドーナツは、1937年にアメリカで創業したドーナツとコーヒーの専門店です。
日本には2006年に初出店し、それまでの日本のドーナツ店とは少し違う、アメリカらしい華やかなドーナツで大きな話題になりました。
開店当時はお店の前に長い行列ができ、並んでいる人へ試食のドーナツが配られることもありました。
ふわふわの生地、あたたかい状態で食べる楽しさ、ピンクや黄色のカラフルなデコレーションなどが新鮮で、「ドーナツってこんなにかわいくできるんだ」と驚いた人も多かったのです。
クリスピー・クリーム・ドーナツの看板商品といえば、やはりオリジナル・グレーズドです。
ふんわり軽い生地に、甘いグレーズをまとわせたシンプルなドーナツで、見た目は派手すぎません。
でも、できたてに近い状態で食べると、生地がやわらかく、グレーズがすっと口の中でとけるように感じられます。
お店ではできたての味が大きな魅力ですが、家で食べるときは電子レンジで数秒温めると、ふわっとした食感が戻りやすくなります。
小さな子に説明するなら、「冷たいままでもおいしいけれど、少し温めるとドーナツが目を覚ますみたいだよ」と言えるような楽しさがあります。
また、クリスピー・クリーム・ドーナツは、季節限定やイベント向けのデコレーションドーナツも人気です。
顔が描かれたもの、カラフルなチョコを使ったもの、ハロウィンやクリスマスをイメージしたものなど、見た目のかわいさで選びたくなる商品が並びます。
これは、ドーナツが味だけでなく、写真を撮ったり、プレゼントしたり、箱を開けた瞬間に喜んだりできるスイーツであることを教えてくれます。
ミスタードーナツが身近で種類豊富な日常のお店だとしたら、クリスピー・クリーム・ドーナツはグレーズドのふわふわ感と、華やかな見た目を楽しむお店といえます。
どちらが上ということではなく、食べたい気分によって選ぶのがいちばんです。
しっかり食感ならオールドファッション、軽さならフレンチクルーラー、クリームの満足感ならエンゼルクリームやクリーム入り、ふわっと甘い王道ならオリジナル・グレーズドというように、ドーナツは種類を知るほど選び方が上手になります。
お店ごとの代表商品を見比べると、ドーナツの世界は丸い穴のあるお菓子だけではなく、形、食感、甘さ、食べる場面まで広がる楽しい世界だとわかります。
9. 家で作りやすいドーナッツの種類
おうちでドーナッツを作るなら、まず覚えておきたいのは「ふくらませ方」の違いです。
ドーナッツには、イーストでふんわりさせるパンのようなタイプ、ベーキングパウダーでふくらませるケーキのようなタイプ、卵の力を使うシュー生地のようなタイプがあります。
この中で、家で作りやすいのは発酵を待たなくてよいケーキドーナツ系です。
イーストドーナツはふわふわでお店の味に近づきますが、生地を休ませる時間が必要なので、小さな子供と一緒に作る日には少し待ち時間が長く感じるかもしれません。
一方で、ホットケーキミックスやベーキングパウダーを使うタイプなら、材料を混ぜて形を作り、油で揚げるだけなので、おやつ作りのハードルがぐっと下がります。
丸いリング型にしなくても、スプーンで落とすドーナツボール、白玉粉を入れたもちもちタイプ、豆腐を混ぜた軽めのタイプなど、作り方の幅はとても広いです。
ドーナッツと聞くと、真ん中に穴がある丸い形を思い浮かべやすいですが、世界にはボール状、棒状、四角形、ねじった形など、いろいろな形の揚げ菓子があります。
だから、おうちで作るときも「きれいな輪っかにしなきゃ」と思わなくて大丈夫です。
ころんと丸めても、少し不ぞろいでも、それが手作りのかわいさになります。
ここでは、はじめてでも作りやすく、味の変化も楽しみやすいドーナッツの種類を紹介します。
9-1. ホットケーキミックスで作れるケーキドーナツ
家で作るドーナッツの定番といえば、ホットケーキミックスを使ったケーキドーナツです。
ケーキドーナツは、外側がクッキーのようにサクッとして、中はケーキのようにしっとりしやすいのが特徴です。
イーストを使うタイプと違って発酵時間がいらないので、「今から作って、今日のおやつに食べたい」というときにも向いています。
ホットケーキミックスには、小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーなどが入っている商品が多いため、材料を細かく量る手間を減らせます。
たとえば、ホットケーキミックス150g、卵1個、牛乳大さじ1〜2、溶かしバター10gほどを混ぜると、扱いやすい生地になります。
生地がやわらかすぎると形が作りにくいので、まずは牛乳を少なめに入れ、様子を見ながら足してあげると失敗しにくいです。
リング型にしたいときは、生地をのばしてコップとペットボトルのキャップで抜くと、専用の型がなくても丸い形を作れます。
抜いた真ん中の小さな生地も捨てずに揚げると、ひと口サイズのミニドーナツになります。
油の温度は160〜170℃くらいを目安にして、きつね色になるまでゆっくり揚げましょう。
高温すぎると外だけが先に焦げて、中が生っぽくなることがあります。
小さな子には「お風呂みたいに、急に熱すぎるとびっくりしちゃうんだよ」と説明すると、温度を守る大切さが伝わりやすいです。
仕上げは粉砂糖、グラニュー糖、シナモンシュガーなどがよく合います。
シンプルな生地だからこそ、オールドファッション風にチョコを半分だけかけたり、レモン風味のアイシングを薄くかけたりしてもおいしくなります。
短時間で作れて、形も味も変えやすいことが、ホットケーキミックスのケーキドーナツの大きな魅力です。
9-2. 発酵なしで作れるドーナツボール
ドーナツボールは、生地を小さく丸めて揚げる、ひと口サイズのドーナッツです。
リング型のように穴を開ける必要がないので、はじめて作る子供にもぴったりです。
スプーンですくって油に落とすだけでも形になるため、手がべたべたしにくく、後片付けも少し楽になります。
もともとホットケーキに近い生地で作りやすいので、ホットケーキミックスを使ったレシピとの相性もとてもよいです。
材料の目安は、ホットケーキミックス150g、卵1個、牛乳大さじ2、砂糖大さじ1ほどです。
甘さ控えめにしたいときは、砂糖を入れず、揚げたあとにきな粉や粉砂糖をまぶす方法でも十分おいしく食べられます。
丸めるときは、直径2〜3cmくらいにすると火が通りやすくなります。
大きくしすぎると、外はこんがりしているのに中だけ火が入りにくいことがあるので、「ビー玉より大きく、ピンポン玉より小さく」と考えると分かりやすいです。
油に入れるとぷっくりふくらむので、鍋いっぱいに入れず、少しすき間を空けて揚げましょう。
コロコロ転がしながら揚げると、全体がきれいな色になります。
ドーナツボールのよいところは、味のアレンジがとても簡単なことです。
生地にココアパウダー小さじ1を混ぜればチョコ風味に、つぶしたバナナを少し入れればやさしい甘さになります。
揚げたては外がサクッとして、中はふんわりしています。
冷めても食べやすいので、お弁当のデザートや、家族で分けるおやつにも向いています。
小さなボール状のドーナッツは、1個ずつ味を変えやすいので、「これは砂糖味、これはチョコ味、これはきな粉味」と食べ比べる楽しさもあります。
9-3. 白玉粉を混ぜたもちもちドーナツ
もちもちした食感が好きなら、白玉粉を混ぜたドーナッツがおすすめです。
白玉粉は、白玉団子を作るときに使う米の粉で、生地に加えると弾力のある食感が出やすくなります。
ドーナツボールに白玉粉を混ぜると、普通のケーキドーナツよりも、かむたびにむぎゅっとした楽しさが出ます。
お店で見かけるもちもち系ドーナツが好きな子なら、きっとわくわくするタイプです。
作るときは、白玉粉50gに牛乳または水を少しずつ加えて、粒をつぶすようによく混ぜます。
そこへホットケーキミックス100g、卵1個、砂糖大さじ1を加えると、もちもち感とふんわり感のバランスが取りやすくなります。
白玉粉はダマになりやすいので、最初に水分となじませてから他の材料と合わせるのが大切です。
ここをていねいにすると、食べたときに粉っぽさが残りにくくなります。
形は、小さな丸を数個つなげてリング状にしてもかわいいです。
もちろん、丸いドーナツボールのままでも大丈夫です。
白玉粉入りの生地はもちっとしていて重さがあるため、1個を小さめに作ると食べやすくなります。
油の温度は160℃くらいから始め、じっくり火を通しましょう。
表面がすぐ濃い色になる場合は、少し火を弱めてください。
仕上げは、きな粉と砂糖を混ぜたものがよく合います。
きな粉の香ばしさが、もちもちした生地と相性ぴったりです。
チョコレートを細く線がけすると、見た目も楽しくなります。
白玉粉を入れるだけで、同じドーナッツでも食感の種類が変わるので、「サクサク」「ふわふわ」「もちもち」の違いを家族で話しながら食べるのも楽しい時間になります。
9-4. 豆腐を入れた軽めのアレンジドーナツ
少し軽めのドーナッツにしたいときは、豆腐を入れたアレンジが便利です。
豆腐を混ぜると、生地の水分が増えて、しっとりやわらかく仕上がりやすくなります。
油で揚げるお菓子は重たく感じることがありますが、豆腐入りにすると口当たりがやさしくなり、何個か食べてもくどく感じにくいです。
使いやすいのは絹ごし豆腐です。
なめらかにつぶしやすく、生地全体になじみやすいからです。
目安は、ホットケーキミックス150gに対して、絹ごし豆腐100gほどです。
卵を入れる場合は1個、牛乳は生地のかたさを見ながら少量だけ足します。
豆腐に水分があるので、最初から牛乳をたくさん入れないようにしましょう。
スプーンですくって落とせるくらいのやわらかさなら、ドーナツボールにしやすいです。
手で形を作りたい場合は、ホットケーキミックスを少し足して、扱いやすいかたさに調整します。
豆腐の味が心配な子もいるかもしれませんが、揚げると大豆の香りはやわらぎ、ほんのりやさしい風味になります。
バニラエッセンスを2〜3滴加えると、お菓子らしい香りが出ます。
きな粉をまぶすと和風に、ココアを混ぜるとチョコ風に、黒ごまを加えると香ばしい味になります。
豆腐入りドーナッツは、沖縄のサーターアンダギーのようなずっしり系とは反対に、しっとり軽い食べ心地を目指しやすいタイプです。
ただし、豆腐を入れても油で揚げるお菓子であることは変わらないので、食べすぎには気をつけましょう。
お皿に盛るときは、小さめを3〜4個にして、果物やヨーグルトを添えると、見た目も明るくなります。
豆腐を使うと、材料の身近さと食べやすさを両立できるので、普段のおやつに取り入れやすいドーナッツです。
9-5. あんこ・チョコ・きな粉で変化をつける簡単アレンジ
同じ生地でも、仕上げや中身を変えるだけで、ドーナッツの種類はぐんと増えます。
家で作るときに試しやすいのが、あんこ、チョコ、きな粉の3つです。
どれもスーパーで買いやすく、特別な道具がなくても使えるので、手作りドーナッツの味変にぴったりです。
まず、あんこを使うと、和洋折衷のあんドーナツ風になります。
あんドーナツは、日本らしい甘味であるあんこを生地で包んで揚げるお菓子です。
家で作る場合は、こしあんやつぶあんを小さじ1くらいずつ丸めておき、ホットケーキミックスの生地で包むと作りやすいです。
包むときは、あんこが外に出ないように、生地のつなぎ目をしっかり閉じましょう。
難しいときは、揚げたドーナツボールに切り込みを入れて、あとからあんこを少しはさむ方法でも大丈夫です。
次に、チョコアレンジです。
板チョコやチョコチップを生地に混ぜると、中から甘いチョコが出てくる楽しいドーナッツになります。
また、揚げたあとに湯せんで溶かしたチョコを表面にかけると、お店のドーナッツのような見た目になります。
半分だけチョコをつければ、オールドファッション風の雰囲気も出せます。
カラースプレーやナッツを少しのせると、誕生日や休日のおやつにもぴったりです。
きな粉は、いちばん手軽な和風アレンジです。
きな粉大さじ2、砂糖大さじ1、塩ひとつまみを袋に入れ、揚げたドーナツを入れてふるだけで、全体にきれいにまぶせます。
白玉粉入りのもちもちドーナツや豆腐入りのしっとりドーナツとも相性がよく、やさしい甘さに仕上がります。
さらに、シナモンシュガー、粉砂糖、抹茶パウダー、ジャム、ホイップクリームを組み合わせれば、フランスの揚げ菓子のように中に甘いものを詰めたり、上からたっぷりかけたりする楽しみ方もできます。
ドーナッツは、リング型だけでなく、ボール状でも、ねじった形でも、長い形でも楽しめるお菓子です。
だから、家で作るときは「正解の形」を気にしすぎず、好きな味を見つける気持ちで作ってみましょう。
あんこで和風、チョコで華やか、きな粉でやさしくと覚えておくと、1つの生地から何種類ものドーナッツを楽しめます。
今日のおやつが少し特別になるように、家族で味を選びながら、いろいろなドーナッツ作りを楽しんでください。
10. ドーナッツの歴史・語源・形の由来
ドーナッツの種類を見ていると、イーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチドーナツ、ドーナツボール、あんドーナツ、オールドファッション、クルーラー、チュロス、ベニエ、サーターアンダギーなど、本当にたくさんの仲間がいることに気づきます。
丸いリング型のものだけを思い浮かべていた子は、「えっ、チュロスやサーターアンダギーもドーナッツの仲間なの。」と少しびっくりするかもしれませんね。
でも、ドーナッツを広く見ると、小麦粉や砂糖、卵などを使った生地を油で揚げるお菓子という大きな共通点があります。
だから、形が丸くても、棒のように長くても、ボールのようにころんとしていても、国や地域によって「ドーナッツらしい揚げ菓子」として親しまれてきたのです。
ここでは、そんなドーナッツがどこから来たのか、名前にはどんな意味があるのか、そしてどうして真ん中に穴がある形が有名になったのかを、順番にやさしく見ていきましょう。
10-1. ドーナッツの原型はオランダのオリーボーレン
ドーナッツのはじまりをたどると、よく名前が出てくるのがオランダの「オリーボーレン」という揚げ菓子です。
オリーボーレンは、今の日本でよく見るような、真ん中に穴が開いたリング型ではありません。
どちらかというと、ころんと丸いボールのような形をしていて、見た目だけでいうと沖縄県のサーターアンダギーを思い浮かべると近いでしょう。
ただし、サーターアンダギーがベーキングパウダーでふくらませることが多いのに対して、オリーボーレンはイーストを使って発酵させる生地が代表的です。
そのため、外側は油で揚げた香ばしさがありながら、中はもっちり、ふんわりとした食感になりやすいのが特徴です。
イーストドーナツのようなふわっとした軽さと、ドーナツボールのようなかわいらしい丸さを合わせたようなお菓子だと考えると、想像しやすいかもしれません。
ドーナッツは、もともとヨーロッパで生まれた揚げ菓子が、人の移動や暮らしの変化とともにイギリスやアメリカへ伝わり、少しずつ今の姿に近づいていったと考えられています。
お菓子はレシピだけでなく、家族の思い出やお祭り、季節の行事と一緒に広がっていくものです。
オリーボーレンも、ただの古いお菓子ではなく、ドーナッツのルーツを知るうえでとても大切な存在なのです。
10-2. オリーボーレンは「油のボール」を意味する年末年始の揚げ菓子
オリーボーレンという名前は、オランダ語で「油のボール」という意味を持つ言葉です。
名前を聞くと、なんだかそのままでかわいいですよね。
小麦粉、卵、砂糖などを使った生地を作り、スプーンなどですくって油の中に落とし、丸い形に揚げていくので、「油の中でできるボール」というイメージにぴったりです。
家庭によってはレーズンやりんごを入れたり、仕上げに粉砂糖をたっぷりかけたりして楽しみます。
日本でいうと、お正月におもちを食べたり、年越しにそばを食べたりするように、オランダでは年末年始にオリーボーレンを食べる習慣があります。
寒い季節に、揚げたての熱々のお菓子をほおばる様子を想像すると、なんだか心までぽかぽかしてきますね。
年末年始には、オリーボーレンを売る屋台が出ることもあり、家で作るだけでなく、外で買って楽しむ人もいます。
このように、オリーボーレンは特別な日を楽しくしてくれる行事のお菓子でもありました。
ドーナッツの種類を知るときに、ケーキドーナツやフレンチドーナツのような生地の違いだけを見るのも楽しいですが、こうした「どんな日に食べられてきたか。」という背景を見ると、もっと味わい深くなります。
甘いものは、おなかを満たすだけではありません。
家族で囲む時間、屋台で買うわくわく、1年の終わりを迎える気持ちなども一緒に包み込んでいるのです。
10-3. doughnutは「dough=生地」と「nut=木の実」に由来する言葉
ドーナッツを英語で書くと、昔ながらの表記では「doughnut」になります。
この言葉は、「dough」と「nut」に分けて考えると意味が見えてきます。
「dough」はパンやお菓子を作るときの「生地」という意味です。
「nut」はクルミやアーモンドのような「木の実」を表す言葉です。
つまり、doughnutは直訳すると「生地の木の実」のような意味合いになります。
少し不思議に感じるかもしれませんが、昔のドーナッツは今のようなリング型ばかりではなく、小さく丸めた生地を油で揚げたものが中心でした。
その丸い形が木の実のように見えたことや、生地の中央にナッツをのせていたという説から、この名前につながったといわれています。
ここで大切なのは、ドーナッツという言葉が最初から「穴の開いた丸いお菓子」を意味していたわけではないことです。
むしろ、最初はオリーボーレンのような丸い揚げ菓子のイメージに近く、そこからアメリカで名前や形が少しずつ変わっていきました。
ドーナッツの種類の中に、ドーナツボールやベニエ、あんドーナツのような穴のないものがあるのも、こう考えると自然ですよね。
「ドーナッツなのに穴がない。」ではなく、「穴がない形も、ドーナッツの古い姿に近い仲間なんだ。」と見ると、種類の違いがぐっとおもしろくなります。
10-4. donutはdoughnutを簡略化した表記
ドーナッツには、もう1つよく見る英語表記として「donut」があります。
お店の名前や商品名で見かけたことがある子も多いでしょう。
「doughnut」と「donut」は、どちらもドーナッツを表す言葉として使われます。
ただし、もともとの形に近いのは「doughnut」で、「donut」はそれを短く、読みやすくした表記です。
英語の「dough」は、日本語を母語にする人だけでなく、英語を学びはじめた子にとっても少し読みづらい単語です。
見た目は「ドウグ」や「ドウフ」と読みたくなるかもしれませんが、実際には「ドウ」に近い音で読みます。
そこで、もっと短く、パッと見て読みやすい「donut」という表記が広がっていきました。
有名なチェーン店でも、Mister Donutのように「donut」を使う名前がある一方で、Krispy Kreme Doughnutsのように「doughnuts」を使う名前もあります。
つまり、どちらかが間違いというわけではありません。
伝統的で少しきちんとした印象を持つのが「doughnut」、短くて親しみやすい印象を持つのが「donut」と考えると分かりやすいでしょう。
日本語でも「ドーナツ」と書くこともあれば、「ドーナッツ」と小さな「ッ」を入れて書くこともあります。
言葉は、国や時代、お店の名前、使う人の感覚によって少しずつ変わります。
でも、ふわふわで甘く、食べるとにっこりできるお菓子であることは、どの表記でも変わりません。
10-5. ドーナッツに穴がある理由とリング型が広まった背景
ドーナッツと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、やはり真ん中に穴が開いたリング型でしょう。
でも、ドーナッツの歴史を見ていくと、最初からすべてのドーナッツに穴があったわけではありません。
オリーボーレンのような丸い揚げ菓子、ドーナツボールのような一口サイズ、チュロスのような棒状、ベニエのように四角や丸など形が決まっていないものもあります。
つまり、穴のあるリング型は、ドーナッツの代表的な形ではありますが、唯一の正解ではないのです。
では、なぜ穴がある形がこんなに広まったのでしょうか。
よく語られる理由の1つは、火の通りをよくするためです。
丸く厚い生地を油で揚げると、外側はこんがりしているのに、中心だけ生焼けになってしまうことがあります。
そこで真ん中を抜いてリング型にすると、生地の厚みが均一に近づき、油の熱が内側からも外側からも入りやすくなります。
子供でも分かりやすくいうと、大きな丸いおにぎりより、薄いドーナツ型のごはんのほうが中まで温まりやすい、という感じです。
また、リング型は見た目にも分かりやすく、手で持ちやすく、砂糖やグレーズ、チョコレートをかけたときにもかわいく仕上がります。
お店でたくさん並べたときに、丸い輪がずらりと見えると、それだけで「ドーナッツだ。」とすぐに分かりますよね。
この分かりやすさも、リング型が広まった大きな理由といえるでしょう。
一方で、ドーナッツの形が丸い理由や穴が生まれた理由には、いくつかの説があり、はっきり1つに決まっているわけではありません。
19世紀のアメリカで、船乗りが生地の中心を抜いたという話も知られていますが、料理の歴史には、あとから語られる伝説のような話もたくさんあります。
大切なのは、「穴があるからドーナッツ」「穴がないからドーナッツではない」と決めつけないことです。
イーストドーナツのふんわり感、ケーキドーナツのサクサク感、フレンチドーナツの軽い口どけ、オールドファッションのひび割れた見た目、クルーラーのくるくるした形など、ドーナッツにはそれぞれの個性があります。
リング型はその中でも、とくに多くの人に親しまれ、ドーナッツのシンボルのようになった形なのです。
今度ドーナッツを食べるときは、真ん中の穴を見ながら、「この形には、食べやすくする工夫や、長い歴史がつまっているんだな。」と思ってみてください。
いつものおやつが、少しだけ特別な物語を持ったお菓子に見えてくるはずです。
11. ドーナッツの種類に関するよくある疑問
ドーナッツには、ふわふわのもの、サクサクのもの、もっちりしたもの、穴が開いていないもの、細長いものまで、びっくりするほどたくさんの種類があります。「ドーナッツ」と聞くと、まん中に穴が開いた丸い形を思い浮かべる子が多いかもしれませんが、世界をぐるっと見てみると、ドーナツボール、あんドーナツ、オールドファッション、クルーラー、チュロス、ベニエ、サーターアンダギーのように、形も食感も名前も少しずつ違う仲間がたくさんあります。
ここでは、「ドーナツとドーナッツはどっちが正しいの?」、「イーストドーナツとケーキドーナツは何が違うの?」という、読んでいる途中でふわっと浮かびやすい疑問を、やさしくほどいていきます。小さな子に説明するように、むずかしい言葉はできるだけかみくだいて話しますね。
11-1. ドーナツとドーナッツはどちらの表記が正しいのか
結論からいうと、「ドーナツ」も「ドーナッツ」も日本語としては通じます。ただし、辞書や商品名、一般的な記事では「ドーナツ」と書かれることが多く、少しだけ標準的な表記に近いのは「ドーナツ」と考えると分かりやすいです。一方で、「ドーナッツ」は促音の「ッ」が入るため、口に出したときのかわいらしさや、少し弾むような音の感じが出ます。お店のポップや個人のブログでは「ドーナッツ」と書かれることもよくあります。
もともとの英語には「doughnut」と「donut」という2つの書き方があります。「dough」はパンやお菓子の「生地」を表し、「nut」は木の実を表す言葉です。昔の揚げ菓子にナッツが関係していたという考え方から、この名前が広がったといわれています。そしてアメリカでは、長い「doughnut」だけでなく、短くて覚えやすい「donut」もよく使われるようになりました。
日本の有名店を見ても、表記の幅があることが分かります。ミスタードーナツは英語表記で「Mister Donut」と書かれますし、クリスピー・クリーム・ドーナツは「Krispy Kreme Doughnuts」と書かれます。つまり、英語でも日本語でも、ひとつだけが絶対に正しいというより、場面によって使われ方が違うのです。
記事やメニューで迷ったときは、きちんとした説明文では「ドーナツ」、やわらかい雰囲気を出したいときは「ドーナッツ」と考えるとよいでしょう。ただし、同じ文章の中で「ドーナツ」と「ドーナッツ」が何度も入れ替わると、読んでいる人が少し迷ってしまいます。ワードプレスの記事では、タイトルや本文の表記をできるだけそろえることが大切です。
11-2. イーストドーナツとケーキドーナツは何が違うのか
イーストドーナツとケーキドーナツのいちばん大きな違いは、生地をふくらませる方法です。イーストドーナツは、パンを作るときにも使うイーストを入れて、生地を発酵させてから油で揚げます。発酵というのは、生地を少し休ませて、ふんわり大きく育てる時間のことです。だから、イーストドーナツはパンのように軽く、ふかふかした食感になりやすいのです。
代表的なイーストドーナツには、表面に砂糖をまぶしたシュガードーナツや、くるっとねじったツイストドーナツがあります。クリームを中に入れたタイプもイースト生地と相性がよく、ふわっとした生地と甘いクリームの組み合わせは、まるで小さなごほうびのようです。ミスタードーナツのエンゼルクリームのような、やわらかい生地にクリームを合わせた商品を思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。
一方、ケーキドーナツは、ベーキングパウダーで生地をふくらませるタイプです。イーストのように長く発酵させる必要がないため、家庭でも作りやすいのが大きな魅力です。外側はクッキーのようにサクッとして、中はケーキのようにしっとりすることが多く、ひと口かじると「カリッ、ほろっ」とした食感を楽しめます。
オールドファッションは、ケーキドーナツの代表選手です。表面にひび割れのような筋があり、そこがカリッと揚がるので、食感に楽しい変化が出ます。「昔ながらの」という意味を持つオールドファッションは、派手なデコレーションがなくても、しっかりした甘さと香ばしさで長く愛されています。
小さな子に説明するなら、イーストドーナツはパンに近いふわふわタイプ、ケーキドーナツは焼き菓子に近いサクしっとりタイプです。作る時間を短くしたいならケーキドーナツ、ふわふわの食感を楽しみたいならイーストドーナツを選ぶと、失敗しにくいですよ。
11-3. フレンチドーナツとフレンチクルーラーは同じものなのか
フレンチドーナツとフレンチクルーラーは、とても近い関係にあります。ただし、まったく同じ意味として使われることもあれば、少し分けて考えられることもあります。分かりやすくいうと、フレンチドーナツは生地の種類を表す言葉、フレンチクルーラーはその中でもくるっとした形で知られる名前と考えるとよいでしょう。
フレンチドーナツは、イーストやベーキングパウダーの力ではなく、卵の力でふくらませる生地を使います。シュークリームの皮に近い、水分が多くてやわらかい生地を作り、星型の口金を付けた絞り袋からしぼり出して揚げます。すると、表面にきれいな筋が入り、ふわっと軽く、口の中でしゅわっとほどけるような食感になります。
クルーラーという言葉は、くるくる曲がった形や、ねじれた形を表す言葉として使われます。そのため、シュー生地のようなフレンチドーナツを、輪の形にしぼって揚げたものが「フレンチクルーラー」と呼ばれることが多いのです。つまり、フレンチクルーラーはフレンチドーナツの仲間の中でも、とくに形の特徴がはっきりしたものといえます。
ここで気を付けたいのは、「クルーラー」は必ずシュー生地だけを指す言葉ではないという点です。くるっとした形やねじった形に注目した呼び方なので、国やお店によっては、少し違う生地のものにも使われることがあります。でも、日本で「フレンチクルーラー」と聞いたときは、ミスタードーナツで見かけるような、軽くて波のあるリング状のドーナツを思い浮かべれば、だいたい合っています。
食感で選ぶなら、フレンチドーナツ系はとても軽いので、重い甘さが苦手な人にも向いています。チョコレートやグレーズをかけても生地がふわっとしているため、見た目より食べやすいことが多いです。「ドーナツは好きだけれど、油っぽいものは少し苦手」という子にも、フレンチクルーラーは試しやすい種類です。
11-4. チュロスやサーターアンダギーはドーナッツの仲間なのか
チュロスやサーターアンダギーは、まん中に穴が開いた丸いドーナツとは見た目が違います。でも、材料や作り方をよく見てみると、ドーナツの仲間として考えられる揚げ菓子です。小麦粉、砂糖、卵などを使い、生地を油で揚げて作るという点では、イーストドーナツやケーキドーナツと同じグループに入れて考えられます。
チュロスは、スペイン発祥のお菓子として知られています。日本ではテーマパークや映画館で見かけることが多く、長い棒のような形に揚げて、砂糖、シナモン、ココアパウダーなどをまぶして食べることがよくあります。日本のチュロスは太めでしっかりしたものが多いですが、本場では細いものや少し曲がったものもあり、ホットチョコレートに浸して食べる楽しみ方もあります。
チュロスはフレンチドーナツと同じように、膨張剤を使わないタイプとして説明されることがあります。ただし、生地はフレンチドーナツよりかためで、ふわふわというより、もっちり、むぎゅっとした食感になりやすいです。だから、同じ揚げ菓子でも、口に入れたときの印象はかなり違います。
サーターアンダギーは、沖縄県の郷土菓子として有名です。名前の「サーター」は砂糖、「アンダギー」は油で揚げたものを意味するとされ、まさに甘い揚げ菓子です。琉球王国の時代から伝わる古いお菓子で、500年ほど前の歴史にふれられる食べ物としても知られています。
サーターアンダギーは、ケーキドーナツと同じようにベーキングパウダーを使ってふくらませることがあります。ただし、水分量が少なめなので、一般的なドーナツよりもずっしりしていて、食べごたえがあります。表面はかたく香ばしく、中はほろっとした食感で、ひとつ食べるだけでもおなかが満足しやすいです。
つまり、チュロスもサーターアンダギーも、リング型ではないからドーナツではないと決めつける必要はありません。ドーナツの世界はとても広く、ボール状のドーナツボール、四角や丸など形が自由なベニエ、チーズを使うルーマニアのパパナッシュなど、国ごとにいろいろな仲間がいます。形だけでなく、材料、作り方、食感まで見ると、ドーナツの種類をもっと楽しく理解できます。
11-5. 初心者におすすめのドーナッツの種類はどれか
初めてドーナツを選ぶなら、まずはイーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチドーナツの3つから試すのがおすすめです。この3つを食べ比べると、ドーナツの基本的な違いがとても分かりやすくなります。ふわふわ、サクしっとり、しゅわっと軽いという3つの食感を知るだけで、次にお店で選ぶときに「今日はこれが食べたい」と決めやすくなります。
やわらかい食感が好きな人には、イーストドーナツがおすすめです。シュガードーナツやツイストドーナツのようなシンプルなタイプなら、生地そのもののおいしさがよく分かります。クリーム入りのものを選ぶと、ふわふわ生地と甘いクリームの組み合わせを楽しめるので、おやつらしい満足感も高いです。
サクサクした食感が好きな人には、ケーキドーナツやオールドファッションが向いています。オールドファッションは、表面のひび割れ部分がカリッとしやすく、コーヒーや牛乳ともよく合います。チョコレートが半分だけかかったタイプを選ぶと、香ばしさと甘さの両方を楽しめます。
軽めのドーナツから始めたい人には、フレンチクルーラーがぴったりです。生地がふわっと軽く、口の中でほどけるような食感なので、油で揚げたお菓子が少し苦手な人でも食べやすいことがあります。見た目も波のような筋があってかわいらしく、子供にも説明しやすいドーナツです。
家で作ってみたい初心者には、ケーキドーナツやドーナツボールがおすすめです。ケーキドーナツは発酵時間がいらないため、イーストドーナツより挑戦しやすいです。ドーナツボールなら、小さく丸めて揚げるだけでも形になりやすく、ホットケーキミックスを使ったアレンジもしやすいです。きな粉をまぶしたり、チョコレートをかけたり、豆腐や白玉粉を混ぜても楽しいので、親子で作るおやつにも向いています。
少し慣れてきたら、あんドーナツ、チュロス、ベニエ、サーターアンダギーにも進んでみましょう。あんドーナツは日本らしいあんこの甘さがあり、ベニエは粉糖をたっぷりかけると特別感が出ます。チュロスは手で持って食べやすく、サーターアンダギーは沖縄らしい素朴な味わいを楽しめます。ドーナツはひとつの形だけではなく、世界中でいろいろな姿に変身してきたお菓子なのです。
11-6. まとめ
ドーナツの種類を知るときは、名前だけを丸暗記するより、生地、ふくらませ方、形、食感に分けて見ると、とても分かりやすくなります。イーストドーナツは発酵させるふわふわタイプ、ケーキドーナツはベーキングパウダーで作るサクしっとりタイプ、フレンチドーナツは卵の力で軽く仕上げるタイプです。
さらに、クルーラーのように形で名前が付くものもあれば、チュロスやサーターアンダギーのように、国や地域の文化と結び付いた揚げ菓子もあります。ドーナツの原型といわれるオランダのオリーボーレンのように、丸い揚げ菓子が時代や国をこえて広がり、アメリカで「doughnut」や「donut」という言葉として親しまれるようになった流れを知ると、いつものおやつが少し特別に見えてきます。
初心者は、まずイーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチクルーラーを食べ比べてみてください。それぞれの違いが分かると、次はオールドファッション、チュロス、あんドーナツ、ベニエ、サーターアンダギーなどにも自然に興味が広がります。ドーナツは、丸くて甘いだけのお菓子ではありません。世界の食文化やお店ごとの工夫がぎゅっと詰まった、楽しいお菓子の大きな家族なのです。
12. まとめ|ドーナッツの種類は目的別に選ぶともっと楽しめる
ドーナッツは、ただ「甘くて丸いおやつ」と思われがちですが、実は生地の作り方、ふくらませ方、形、食感、トッピングによって、びっくりするくらいたくさんの種類に分けられます。
たとえば、パンのように発酵させてふんわり仕上げるイーストドーナツ、ベーキングパウダーでふくらませて外側をサクッとさせるケーキドーナツ、卵の力を使って軽く仕上げるフレンチドーナツなど、生地の違いだけでも楽しみ方が変わります。
さらに、オールドファッション、ドーナツボール、あんドーナツ、チュロス、ベニエ、パパナッシュ、サーターアンダギーのように、名前を聞くだけで形や国の雰囲気まで想像できる種類もあります。
だからこそ、ドーナッツを選ぶときは「有名だから」「近くで売っているから」だけで決めるよりも、今日はどんな気分で食べたいのかを考えると、もっと楽しく選べます。
ふわふわを食べたい日、サクサクを楽しみたい日、ちょっと珍しい海外のお菓子に出会いたい日、家族や友達と分け合いたい日、子供と一緒に家で作りたい日など、目的に合わせて選ぶと、同じドーナッツでもまるで別のおやつのように感じられます。
ここでは最後に、食感や買いやすさ、作りやすさごとに、おすすめのドーナッツの種類をまとめていきます。
12-1. ふわふわが好きならイーストドーナツやグレーズド
ふわふわしたドーナッツが好きなら、まず選びたいのはイーストドーナツです。
イーストドーナツは、小麦粉、砂糖、卵などで作った生地にイーストを加え、パンのように発酵させてから揚げるタイプです。
発酵の時間が必要なので、すぐに完成するお菓子ではありませんが、そのぶん生地の中に空気が入り、口に入れたときにふんわり軽い食感になります。
シュガードーナツやツイストドーナツのように、砂糖をまぶしただけのシンプルなものでも、生地そのもののやさしい甘さを感じやすいのが魅力です。
「ふわっ」とした食感をもっと楽しみたいなら、表面に甘い糖衣をかけたグレーズドドーナツもぴったりです。
グレーズドは見た目がつやつやしていて、かじると表面の甘さと中のやわらかい生地が一緒に広がります。
特にクリスピー・クリーム・ドーナツの「オリジナル・グレーズド」は、ふわふわ系ドーナッツの代表として知られています。
電子レンジで数秒温めると、できたてに近いようなやわらかさを楽しめることもあり、冷めたドーナッツとはまた違うおいしさに出会えます。
小さな子供に選んであげるときも、ふわふわ系は食べやすく、チョコやクリームがたくさん入っていないタイプなら、手や口の周りが汚れにくいのもうれしいところです。
「今日はやさしい甘さがいいな」「軽い食感のドーナッツを食べたいな」という日は、イーストドーナツやグレーズドを選ぶと、きっと満足しやすいです。
12-2. サクサクが好きならケーキドーナツやオールドファッション
サクサクした食感が好きなら、ケーキドーナツやオールドファッションを選ぶとよいです。
ケーキドーナツは、イーストではなくベーキングパウダーで生地をふくらませるタイプです。
パンのように発酵させる必要がないため、家庭でも作りやすく、外側はクッキーのようにサクッと、中はケーキのようにしっとり仕上がります。
ひと口食べたときに「カリッ」「サクッ」とした感じがほしい人には、ふわふわ系よりもケーキドーナツのほうが向いています。
その中でもオールドファッションは、昔ながらのドーナッツらしさを感じられる人気の種類です。
表面にひび割れのような模様があり、その割れた部分が揚がることで、より香ばしくサクサクした食感になりやすいのが特徴です。
牛乳を使った生地では、中はしっとり感も出るため、外側のサクサクと内側のやさしい口当たりを両方楽しめます。
ミスタードーナツでもオールドファッションは定番商品として親しまれており、チョコをかけたタイプを選べば、サクサク感にチョコの甘さが加わります。
甘すぎるドーナッツが苦手な人は、プレーンなオールドファッションを選ぶと、油で揚げた生地の香ばしさをゆっくり味わえます。
コーヒーや牛乳と合わせると、サクサクした生地が飲み物とよく合い、おやつの時間がぐっと楽しくなります。
「ふわふわより、しっかりかみたい」「食べごたえのあるドーナッツがいい」という日は、ケーキドーナツやオールドファッションを選んでみてください。
12-3. 珍しい種類を食べたいならベニエ・パパナッシュ・オリーボーレン
いつものリング状のドーナッツとは少し違うものを食べたいなら、海外で親しまれているドーナッツに目を向けてみましょう。
まずおすすめしたいのが、フランスの揚げ菓子として知られるベニエです。
ベニエは、四角形や丸形など決まった形にこだわらない揚げ菓子で、イーストドーナツのような生地や、フレンチドーナツに近い生地で作られることがあります。
揚げたあとに粉糖をたっぷりかけたり、中にチョコレートやジャムを入れたりするため、見た目も味も特別感があります。
日本でよく見る穴あきドーナッツとは違い、「これもドーナッツの仲間なんだ」と感じられる楽しい種類です。
次に知っておきたいのが、ルーマニアの伝統菓子であるパパナッシュです。
パパナッシュは、チーズを混ぜた生地を揚げ、上からサワークリームやベリー系のジャムをかけて食べるお菓子です。
甘さだけでなく、チーズのコク、サワークリームのさっぱり感、ジャムの酸味が重なるので、ケーキのような満足感があります。
「普通のドーナッツより、デザートらしいものを食べたい」という人にはぴったりです。
さらに、ドーナッツの原型に近いお菓子として覚えておきたいのが、オランダのオリーボーレンです。
オリーボーレンは「油のボール」という意味を持つ丸い揚げ菓子で、小麦粉、卵、砂糖などで作った生地を油で揚げます。
年末年始に食べられることが多く、屋台で揚げたてを楽しむ文化もあります。
見た目は沖縄のサーターアンダギーに似ていますが、イーストを使うため、もちもちした食感になりやすいのが面白いところです。
ベニエ、パパナッシュ、オリーボーレンのようなドーナッツを知っておくと、世界にはいろいろな揚げ菓子があることがわかり、おやつの時間が小さな旅のようになります。
12-4. 手軽に買うならミスタードーナツやクリスピー・クリーム・ドーナツ
手軽にドーナッツを楽しみたいなら、身近なお店で買える種類から選ぶのがいちばん簡単です。
日本でドーナッツと聞いて思い浮かべる人が多いのは、やはりミスタードーナツです。
1971年に日本に登場してから長く親しまれており、イーストドーナツ、ケーキドーナツ、フレンチドーナツ、チュロスなど、いろいろなタイプを一度に見比べられるのが魅力です。
たとえば、サクサク系ならオールドファッション、ふんわり系ならエンゼルクリーム、もちもち感を楽しみたいなら2003年に登場したポン・デ・リングなど、気分に合わせて選べます。
ドーナッツだけでなく、飲茶や軽食を扱う店舗もあるため、甘いものを食べたい人と食事をしたい人が一緒に利用しやすいのも便利です。
一方で、見た目のかわいさやふわふわ感を重視するなら、クリスピー・クリーム・ドーナツもおすすめです。
日本では2006年の初出店以降、カラフルなグレーズやポップなデコレーションで注目されました。
定番のオリジナル・グレーズドは、やわらかい生地と甘いコーティングの組み合わせがわかりやすく、初めて食べる人にも選びやすいドーナッツです。
期間限定の商品には、顔が描かれたものや季節のイベントに合わせたデザインもあり、手土産や差し入れにすると箱を開けた瞬間に盛り上がります。
子供と一緒に選ぶときも、「どの顔がかわいいかな」「どの色が好きかな」と話しながら決められるので、買う時間そのものが楽しい思い出になります。
手軽に買いたい日には、まず近くの店舗で定番商品を選び、慣れてきたら季節限定やクリーム入り、チョココーティングなどに挑戦すると、少しずつお気に入りの種類が増えていきます。
12-5. 家で作るならケーキドーナツやドーナツボールがおすすめ
家でドーナッツを作るなら、最初はケーキドーナツやドーナツボールから始めるのがおすすめです。
イーストドーナツはふわふわでおいしいのですが、発酵の時間が必要なため、慣れていないと少し難しく感じることがあります。
その点、ケーキドーナツはベーキングパウダーでふくらませるため、発酵を待たずに作りやすく、家庭のおやつ作りに向いています。
ホットケーキミックスを使えば、小麦粉や砂糖の配合を細かく考えなくてもよく、子供と一緒に生地を混ぜるところから楽しめます。
型でリング状に抜けば定番のドーナッツらしい形になりますし、スプーンで丸めて揚げれば小さなドーナツボールにもなります。
ドーナツボールは、一口大で食べやすく、たくさん作って家族で分けやすいのが魅力です。
生地に白玉粉を混ぜるともちもち感が出やすく、豆腐を加えるとやわらかく軽い仕上がりになります。
仕上げに砂糖をまぶすだけでもおいしいですが、きな粉、ココアパウダー、シナモン、チョコレートコーティングなどを用意すると、いろいろな味を作れます。
小さな子供と一緒に作るなら、揚げる作業は大人が担当し、子供にはトッピングを任せると安心です。
「これはきな粉味」「これはチョコ味」と並べれば、お店屋さんごっこのように楽しめます。
また、あんこを包めばあんドーナツ風、少し大きめに丸めればサーターアンダギー風の素朴なおやつにも近づきます。
ドーナッツは、お店で買う楽しさもありますが、家で作ると香りや形、できたての温かさまで味わえます。
ふわふわならイーストドーナツ、サクサクならケーキドーナツ、珍しさなら海外のドーナッツ、手軽さなら人気チェーン、手作りならドーナツボールと覚えておくと、次に「どれを食べようかな」と迷ったときに選びやすくなります。
ドーナッツの種類を知ることは、ただ名前を覚えることではなく、自分の好きな食感や味を見つけることです。
今日のおやつを選ぶときは、ぜひ「今の気分はふわふわかな、サクサクかな」と考えてみてください。
そうすると、いつものドーナッツがもっと楽しく、もっとおいしく感じられます。

