「宜しく」の漢字表記について考えてみましょう
常用漢字表の決まりと背景
みなさん、「宜しく」という言葉をよく使いますよね。でも、この「宜」という漢字、実は常用漢字表では「よろ」と読むことが認められていないんです。常用漢字表では「ぎ」と読むことになっているので、公的な文書では「よろしく」とひらがなで書くことが推奨されています。
例えば、会社の公式メールや新聞などでは、「よろしくお願いいたします」とひらがなで書かれることが多いんですよ。これは、多くの人に読んでもらうためなんです。
この常用漢字表は1981年に作られたもので、現代社会で使う漢字の目安とされています。でも、これはあくまで目安なんです。「観る」や「嘘」など、常用漢字表にない漢字でもよく使われるものがありますよね。「宜しく」も同じで、読みやすい表現だし、特に失礼な言葉でもありません。
当て字との違いを理解しよう
ところで、「宜しく」を当て字だと思っている人もいるかもしれません。でも、これは間違いなんです。「宜」という漢字は昔から漢文で「宜しく〜すべし」という使い方をされていて、これが「よろしき」と読まれる理由の一つなんです。
辞書を見てみると、広辞苑や明鏡国語辞典など主要な辞書には「宜しく」を当て字として扱う記述はありません。
ちなみに、「宜敷(よろしく)」という書き方を見たことがある人もいるかもしれません。これは坂本龍馬が使っていた古い表記で、この「敷」が当て字として使われているんです。だから、「宜しく」という表現自体は正しい読み方で、間違いではないんですよ。
このように、言葉には歴史や背景があって面白いですね。みなさんも、言葉の使い方に興味を持ってみてはいかがでしょうか。
「お願い致します」って失礼なの?
みなさん、「お願い致します」という表現を使ったことがありますよね。でも、これが失礼だと思っている人もいるみたいです。本当にそうなのでしょうか?今日はこの表現について一緒に考えてみましょう。
「致す」ってどんな意味?
まず、「致す」という言葉の意味を確認してみましょう。「致す」は基本的に「する」の謙譲語、つまり相手を敬う言葉なんです。でも、辞書を見ると「よくない結果を引き起こす」という意味も載っていることがあります。例えば、「不徳の致すところ」という言い方がありますね。
でも、安心してください。「お願い致します」の場合は、単純に「お願いをする」という意味で使われているんです。むしろ、「心を尽くしてお願いします」というような、丁寧な気持ちが込められているんですよ。
なぜ「失礼」だと思われているの?
「お願い致します」が失礼だと思われるようになったのは、最近のことなんです。文化庁が公用文では「いたす」とひらがなで書くように推奨したことがきっかけです。そのため、会社や役所などでは「お願いいたします」と書くことが増えました。
でも、「お願い致します」という表現は昔から使われていて、坂本龍馬も手紙で使っていたそうです。2016年頃からインターネットで「失礼だ」という噂が広まりましたが、これは誤解なんです。
どう使えばいいの?
では、「お願い致します」をどう使えばいいでしょうか。ここで、いくつかアドバイスをします。
- 1. 公的な場面では、「お願いいたします」とひらがなで書くのが無難です。
- 2. 会社のメールなどでは、相手に合わせて使い分けるといいでしょう。
- 3. 「致す」には敬意を示す気持ちが込められていることを覚えておきましょう。
結局のところ、「お願い致します」は決して失礼な表現ではありません。むしろ、相手を敬う気持ちを表す丁寧な言葉なんです。
みなさんも、この表現の意味をよく理解して、適切に使ってくださいね。相手を思いやる気持ちを込めて使えば、きっと良いコミュニケーションにつながりますよ。
3. 公用文ではどう書くのがいいの?
みなさん、公用文って聞いたことがありますか?役所や学校などで使われる公式な文書のことですね。この公用文では、漢字とひらがなの使い方に特別なルールがあるんです。今日はそれについて一緒に学んでいきましょう。
公用文でひらがなを使う理由
文化庁というところが、公用文を書くときの考え方を示しています。そこでは、補助的な動詞や形容詞をひらがなで書くことを勧めているんです。例えば、「いたす」や「申し上げる」といった言葉はひらがなで書くのがいいとされています。
なぜそうするのかというと、読む人にとって読みやすく、親しみやすい文章になるからなんです。漢字ばかりだと難しそうに見えてしまいますよね。
また、「宜しく」という言葉も、公用文では「よろしく」とひらがなで書くことが多いです。これには理由があって、「宜」という漢字は常用漢字表では「ぎ」としか読めないことになっているんです。だから、公的な文書では「よろしく」とひらがなで書くのが標準なんですよ。
会社でも同じように書くの?
そうなんです。多くの会社でも、公用文と同じような書き方をしています。例えば、「よろしくお願いいたします」や「お願い申し上げます」といった表現をよく見かけますよね。
会社がこういう書き方を選ぶのには、いくつか理由があります:
- 1. お客さんや取引先の人が読みやすいように配慮しているんです。
- 2. 文化庁が示している標準的な表現を使うことで、社会的な信頼を得ようとしています。
- 3. 特に自動返信メールや会社の広報文書では、誤解を避けるために公用文に近い書き方をすることが多いんです。
このように、会社でも「よろしくお願いいたします」というひらがな表記を使うのは、読む人のことを考えた結果なんですね。
みなさんも、公式な文書を書くときは、こういったルールを意識してみてください。でも、友達との会話や個人的な手紙では、自分の気持ちが伝わりやすい書き方を選んでもいいですよ。大切なのは、相手に伝わりやすい表現を選ぶことです。
敬語の「致す」って、どう使えばいいの?
みなさん、「致す」という言葉を使ったことがありますか?この言葉、実は昔から使われている敬語なんです。でも、使い方が少し難しいので、今日はみんなで一緒に勉強していきましょう。
辞書で「致す」を調べてみると
辞書を開いてみると、「致す」についてこんなふうに書いてあります:
- 「する」の謙譲語、つまり相手を敬う言葉です。
- 「心を尽くす」とか「全力で何かをする」という良い意味もあります。
- 「〜の致すところ」という言い方をすると、ちょっと悪い意味になることもあります。でも、これはあまり使いません。
例えば、「お願い致します」と言うとき、それは「お願いします」をもっと丁寧に言っているんです。相手を大切に思う気持ちが込められているんですよ。
昔の「致す」はどんな意味だったの?
「致す」という言葉は、平安時代からあったんです。すごく昔ですね。
昔は「結果として何かを引き起こす」という意味で使われていました。でも、今はあまりそういう使い方はしません。「不徳の致すところ」みたいな言い方の中に、その名残が残っているくらいです。
平安時代の人たちは、「致す」を使うと「丁寧に相手のために何かをする」という気持ちを表現できると考えていたんです。その気持ちが、今でも敬語として残っているんですね。
どんなふうに使えばいいの?
「致す」は、相手を敬う気持ちを表すのに使います。例えば:
- 「お願い致します」
- 「ご連絡致します」
- 「申し訳ございませんでした」
こんなふうに使うと、とても丁寧な印象になります。特に目上の人や、お客様に対して使うことが多いですね。
でも、友達同士で話すときは、あまり使わなくてもいいです。使いすぎると、かえって距離を感じさせてしまうかもしれません。
みなさんも、相手や場面に合わせて「致す」を使ってみてください。丁寧に話したいときに、とても役立つ言葉ですよ。
ケース別のおすすめ表記
みなさん、「よろしくお願いします」という言葉、よく使いますよね。でも、場面によって少し言い方を変えた方がいい時もあるんです。今日は、どんな時にどんな言い方をすればいいのか、一緒に勉強していきましょう。
ビジネスシーンでの適切な表現(上司・顧客・取引先向け)
仕事の場面では、相手を敬う気持ちを込めつつ、誤解を招かないような表現を選ぶことが大切です。特に「宜しくお願い致します」のように漢字をたくさん使うと、少し堅苦しい印象になってしまうので注意が必要です。
具体的には、こんな風に使い分けるといいでしょう:
- 会社のメールを書くとき:
上司や取引先に送るメールでは、「よろしくお願いいたします」とひらがなで書くのがおすすめです。
これは公式な文書の書き方に近いので、丁寧さが伝わりやすいんです。 - 商談や提案をするとき:
「何卒よろしくお願い申し上げます」という言い方がよく使われます。
この表現は相手への敬意がより強く感じられるので、大切な場面で使うといいでしょう。 - 長い文書や公式な文書を書くとき:
契約書のような正式な文書では、「宜しくお願い申し上げます」と書くこともあります。
でも、あまり使いすぎないように気をつけましょう。
日常会話でのフレキシブルな使い分け
普段の会話では、もっと自由に表現を選んでいいんです。相手との関係や場面に合わせて、適切な言い方を選びましょう。
- 親しい人との会話:
友達や家族、仲の良い同僚には、「よろしくね」とか「よろしくお願いします」というカジュアルな言い方で大丈夫です。
親しみやすい感じが伝わりますよ。 - ちょっと改まった場面:
少し丁寧にしたい時は、「よろしくお願いします」とひらがなで書くといいでしょう。
堅すぎず、かといってカジュアルすぎない、ちょうどいい感じになります。 - SNSやLINEでの使い方:
SNSやLINEでは、あまり固い言い方をしない方がいいですね。
「よろしく!」と短く書いて、絵文字やスタンプを付けるのもいいでしょう。
このように、場面や相手によって言い方を変えることで、より適切なコミュニケーションができるんです。みなさんも、状況に応じて使い分けてみてくださいね。
6. 「宜しくお願い致します」が失礼だと言われ始めたわけ
みなさん、「宜しくお願い致します」という言葉、よく使いますよね。でも、最近この言葉が失礼だと言われることがあるんです。どうしてそんなことになったのか、一緒に考えてみましょう。
インターネットで広まった「失礼」説
実は、「宜しくお願い致します」が失礼だと言われ始めたのは、そんなに昔のことではありません。2016年くらいから、インターネット上でこの説が広まり始めたんです。特に2017年以降、たくさんのブログやウェブサイトで「これは失礼な表現だ」と書かれるようになりました。
なぜこんなことが起こったのでしょうか。理由はいくつかあります:
- 1. 「宜しく」という漢字の使い方が、公式な文書では避けられることが多いこと。
- 2. 「致します」という言葉に、悪い意味があると誤解されたこと。
これらの理由から、「宜しくお願い致します」は気をつけて使うべき表現だと思われるようになってしまったんです。
「嘘マナー」の問題点
でも、実はこの説には根拠がありません。「宜しくお願い致します」は、昔から使われてきた正しい敬語なんです。それなのに、なぜ「失礼だ」と誤解されてしまったのでしょうか。
- 1. 「宜しく」は古い漢文でも使われていて、当て字ではないんです。
- 2. 「致す」は「する」の丁寧な言い方で、敬語として問題ありません。
- 3. でも、「〜の致すところ」という言い方には悪い意味があるので、混乱が起きやすかったんです。
また、「宜しくお願い致します」は少し堅苦しい印象があるので、それを避けたい人もいたのかもしれません。
このように、正しい敬語を使いたいという気持ちから、逆に間違った情報が広まってしまったんですね。
みなさんも、ネットで見た情報をすぐに信じるのではなく、本当かどうかをよく確かめることが大切です。「宜しくお願い致します」は、相手を敬う気持ちを込めた正しい表現なんですよ。
「宜しくお願い致します」と「よろしくお願いいたします」の違い
みなさん、「宜しくお願い致します」と「よろしくお願いいたします」、この二つの表現の違いについて考えたことはありますか?今日はこの二つの表現の違いについて、詳しく見ていきましょう。
漢字とひらがなで印象が変わる
まず、この二つの表現は見た目が違いますよね。一つは漢字がたくさん使われていて、もう一つはほとんどひらがなです。この違いで、読む人の受ける印象が変わってくるんです。
「宜しくお願い致します」と漢字を使うと、なんだかしっかりした感じがしませんか?ビジネスの場面でよく見かける表現ですね。でも、「宜」という漢字は常用漢字表に「よろ」という読み方が載っていないので、少し難しく感じる人もいるかもしれません。
一方、「よろしくお願いいたします」とひらがなを使うと、やわらかい感じがしますね。公的な文書でもこちらが推奨されているんです。誰でも読めるので、ビジネスメールでもよく使われています。
相手への印象やマナーにも影響する
どちらを使うかで、相手にどんな印象を与えるか、マナーとしてどうなのかも変わってきます。
ビジネスや公的な場面では、「よろしくお願いいたします」の方が適切とされることが多いです。読みやすくて、親しみやすい印象を与えられるからです。
「宜しくお願い致します」は、しっかりした印象を与えられますが、少し固い感じがするかもしれません。でも、これも昔から使われている表現なので、失礼というわけではありませんよ。
どう使い分ければいいの?
では、どう使い分ければいいのでしょうか。ここでいくつかポイントをお伝えします:
- 公的な文書やビジネスのメールでは、「よろしくお願いいたします」を使いましょう。
- 友達や親しい人には、やわらかい印象の「よろしくお願いいたします」がいいでしょう。
- 伝統的な場面や、格式を重んじる相手には「宜しくお願い致します」も使えます。
- 相手が使っている表現に合わせるのも、良いマナーですよ。
結局のところ、どちらの表現も間違いではありません。大切なのは、相手や場面に合わせて使い分けることです。
みなさんも、これからは相手や状況を考えて、適切な表現を選んでみてくださいね。相手を思いやる気持ちが伝わる、素敵なコミュニケーションができると思いますよ。
8. まとめ:どちらの表記を選べばいいの?
みなさん、「宜しくお願い致します」と「よろしくお願いいたします」、どちらを使えばいいか迷うことがありますよね。今日はこの二つの表現について、どう選べばいいのかまとめてみましょう。
表記選択のコツと読む人が安心する選び方
「宜しくお願い致します」と「よろしくお願いいたします」、どちらも間違いではありません。でも、使う場面によって、ちょっと気をつけた方がいいこともあるんです。
漢字を使った「宜しくお願い致します」は、昔から使われてきた表現です。でも、公式な場面では避けられることが多いんです。なぜかというと、「宜」という漢字が常用漢字表に載っていないからなんです。
一方、ひらがなで書く「よろしくお願いいたします」は、文化庁が公式な文書で使うのにいいと言っています。読みやすくて、誤解されにくいからです。だから、会社のメールや役所に出す書類では、こちらを使う方が安全ですね。
でも、友達との会話や個人的な手紙では、漢字で「宜しくお願い致します」と書いても全然問題ありません。大切なのは、相手や場面に合わせて使い分けることです。
迷ったときの選び方
どちらを使えばいいか迷ったときは、こんなふうに考えてみてください:
- 役所や会社の人に出す文書なら、「よろしくお願いいたします」を使いましょう。
- 相手が使っている書き方に合わせるのも、いい方法です。
- 友達や家族なら、「宜しくお願い致します」でも大丈夫です。
他にも、こんなことを覚えておくといいでしょう:
- 公式な文書を書くときは、ひらがなの「よろしくお願いいたします」がおすすめです。
- 伝統的な表現が好きなら、場面を選んで漢字の「宜しくお願い致します」を使ってもいいですよ。
- 相手の立場を考えて選ぶと、相手も安心します。
大切なのは、相手のことを考えて表現を選ぶことです。そうすれば、相手との関係もよくなりますよ。
みなさんも、これからは場面や相手に合わせて、適切な表現を選んでみてくださいね。相手のことを思いやる気持ちが伝わる、素敵なコミュニケーションができると思いますよ。