Figmaの方眼紙の使い方!グリッド設計が簡単になるコツ

「Figma 方眼紙」と検索される方の多くは、「もっと整ったデザインを作りたい」「でも設定方法がよく分からない」と感じているのではないでしょうか。本記事では、Figmaで“方眼紙”のように活用できる「レイアウトグリッド」の基本から応用までを、デザイン初心者にもわかりやすく解説します。

目次

1. はじめに:「Figma 方眼紙」の検索ニーズを正しく捉えよう

Figmaを使ったデザイン作業を始めるとき、「方眼紙のようなグリッドをどうやって表示させるの?」という疑問を持つ方は少なくありません。

特にUI/UXデザインやWebサイトの制作においては、デザインの整合性や見た目の美しさを保つために、グリッドの設定が非常に重要です。

この記事では、「figma 方眼紙」と検索する人が本当に知りたいこと——つまり、グリッドの役割・設定方法・使い方・デザインへの影響について、実際のFigmaの操作を交えて詳しく紹介していきます。

「なんとなく必要そうだから…」ではなく、しっかりと意味を理解したうえでグリッドを導入すれば、デザインの精度とスピードが一気に向上します。

1-1. なぜFigmaに方眼紙(グリッド)が必要なのか?

Figmaでデザインを行う際に、「レイアウトグリッド」を初めに設定しておくと、作業がとてもスムーズに進みます。

このグリッドは、まさに「方眼紙」としての役割を果たします。デザイン要素の配置基準が明確になり、感覚だけに頼らない一貫性あるレイアウト設計が可能になるのです。

Figmaでは、「グリッド」「列(カラム)」「行」など複数の設定項目が用意されており、自分好みにカスタマイズすることができます。

たとえば、Webデザインでは12カラムのグリッドがよく使われます。これはBootstrapなどのフレームワークでも一般的で、画面幅を均等に12分割することで、可読性や整列性を保ちながらレイアウトを構築できます。

また、デバイスごとの違いに対応するため、グリッドの数や余白、ガター(カラム間の余白)なども細かく設定可能です。これにより、レスポンシブデザインにも柔軟に対応できます。

Figmaではこれらのグリッド設定を「スタイル」として登録できるため、別のページやデバイスで同じレイアウト基準を簡単に再利用できる点も見逃せません。

1-2. UI/UX・Webデザインにおけるグリッドの重要性

UIやUXの設計において、グリッドは視覚的一貫性とユーザー体験の向上を支える重要なツールです。

たとえば、ボタンや見出し、テキストブロックが微妙にズレて配置されていると、ユーザーは無意識に「このサイト、なんだか違和感がある」と感じてしまいます。

それに対して、グリッドに沿って要素が整然と並んでいると、自然と「使いやすそう」「わかりやすい」印象を与えることができます。

デザイン初心者にありがちなミスの一つが、「好きな場所に自由に配置してしまう」こと。けれど、自由すぎるレイアウトは、結果として情報の伝わりにくさ視覚的ノイズにつながります。

その点、Figmaのグリッドは、美しさと機能性を両立させる設計の指針を与えてくれるのです。

また、Figmaのレイアウトグリッド機能には、左側・右側のマージンを別々に設定する機能もあります。これにより、ページの左右バランスも精密に調整でき、特にレスポンシブ対応が求められるプロジェクトでは重宝します。

さらに、「グリッドスタイル」を保存すれば、どんなプロジェクトでもすぐに使い回せるため、作業効率も格段に向上します。

このように、Figmaにおける方眼紙(グリッド)の活用は、美しさ・効率・ユーザー体験のすべてを底上げする鍵となります。

2. Figmaにおける方眼紙=レイアウトグリッドの基本

2-1. Layout Gridとは?行・列・ガター・マージンの用語整理

Figmaでのデザイン作業において、まず最初に設定しておきたいのが「Layout Grid(レイアウトグリッド)」です。これは、まさに方眼紙のように画面を整えるための基盤で、要素を揃えたり、バランスよく配置したりするための補助ツールになります。

レイアウトグリッドには主に「Grid(グリッド)」「Columns(カラム)」「Gutter(ガター)」「Margin(マージン)」という用語が出てきます。それぞれの意味を簡単に整理しましょう。

  • Grid(グリッド):マス目のように均等に線が引かれたレイアウト。デザイン全体の整合性を保つために使用します。
  • Columns(カラム):画面を縦に分割した列のこと。たとえば「12カラム」は画面を12等分したことを意味します。
  • Gutter(ガター):カラムとカラムの間の隙間です。視認性や可読性を保つための余白です。
  • Margin(マージン):画面の左右などに設ける余白のこと。コンテンツを中央に寄せたり、外側に空白を持たせたりするために使います。

Figmaでは、このレイアウトグリッドを柔軟に設定できます。たとえば、画面幅1280pxに対して12カラム、マージンとガターがそれぞれ26pxという設定はよく使われる基本構成です。この設定をしておくだけで、後から要素を配置する時に位置合わせが非常にスムーズになります。

設定は簡単で、「レイアウトグリッド」の+(プラス)ボタンをクリックし、種類を「カラム」にして、列数・マージン・ガターを入力するだけです。赤色で透過10%の初期設定は、好みに応じて変更可能です。

2-2. 方眼紙のような「Grid」とカラム分割の「Columns」は何が違う?

「方眼紙」と聞くと、均一なマス目が敷き詰められたイメージがありますよね。Figmaにおいて、この方眼紙的な使い方ができるのが“Grid”タイプです。このタイプは、縦横に等間隔で線が引かれるため、ピクセル単位で正確な配置をしたい時に便利です。

一方で、「Columns(カラム)」タイプは、ウェブデザインやレスポンシブデザインに特化した構造です。画面幅を複数の縦のカラムに分割し、その中にコンテンツを配置することで、左右のバランスが取りやすくなります。特に、Bootstrapなどのフレームワークでも採用されている12カラム構成は、UI設計のスタンダードとも言えます。

つまり、Gridタイプはピクセルの整列に最適で、Columnsタイプは情報の構造的な配置に最適というわけです。用途に応じて使い分けることで、Figmaでのデザインがより精密で効率的になります。

たとえば、ボタンやアイコンの位置をぴったり揃えたいときはGridを使い、ページのレイアウト全体を整えるときはColumnsを使うと良いでしょう。この2つを組み合わせることで、見た目の美しさと機能性の両立が可能になります。

2-3 まとめ

Figmaで方眼紙のような見た目を再現したい場合、レイアウトグリッドの「Grid」機能が役立ちます。一方で、画面全体の構成やレスポンシブ対応を視野に入れるなら「Columns」設定が欠かせません。

それぞれに特徴があるため、デザインの目的に合わせて使い分けることが大切です。また、Figmaでは複数のグリッドを重ねて設定することも可能です。たとえば、中央に12カラムのColumnsを配置し、さらに上からGridを重ねて細かい配置調整を行うといったこともできます。

このように、Figmaのレイアウトグリッドは非常に柔軟性が高く、UI/UXデザインの心強い味方となります。最初にしっかり設定しておけば、後の作業がグッと楽になりますよ。

3. 実際にやってみよう:Figmaでのグリッド設定方法(超入門)

3-1. グリッドの追加方法(+アイコンをクリック)

Figmaでグリッドを設定するには、まずデザイン対象となるフレームを作成する必要があります。
たとえば、1280×800ピクセルのデスクトップ用フレームを選ぶのがよくある例です。
フレームを選択した状態で右側のプロパティパネルを確認すると、「Layout grid(レイアウトグリッド)」という項目があります。
その横にある「+」アイコンをクリックすると、グリッドが適用され、方眼紙のようなマス目がフレーム上に表示されます。
この初期設定では10px単位のグリッドが赤色で薄く表示されます。
この表示がグリッドのスタート地点になりますので、次はこれを実際の作業に合わせてカスタマイズしていきましょう。

3-2. デフォルトの設定からカスタムへ:具体数値で解説

グリッドは初期状態でも便利ですが、実際のデザイン用途に合わせて調整することで、作業効率が格段にアップします。
まず、Layout Gridに追加されたグリッド設定をクリックして詳細設定を開きます。
ここでは、以下のように「列」を選択し、数値を入力していくのが一般的です。

たとえば、次のように設定します:
・列の数(Count): 12(Bootstrapなどと同様に12カラムで設計)
・余白(Margin): 左右それぞれ26px
・ガター(Gutter): カラム間のスペースを26px

この設定により、左右に均等な余白を持ち、中央に12のカラムが並ぶレイアウトグリッドが完成します。
デザインの要素をこのカラムに沿って配置することで、どのデバイスでもバランスの良いUIが実現できます。

このように具体的な数値を設定することで、ルールに基づいた整ったデザインが可能になります。
特にWebサイトやアプリUIなど、要素が複数並ぶ画面では見た目の一貫性が出て信頼感が高まります。

3-3. グリッドの色や透過度を変更して見やすくする

グリッドは見やすく設定することも重要です。
初期設定では赤色かつ10%の透過度になっていますが、デザイン作業に応じて色や透明度を調整しましょう。

たとえば、余白やカラムの違いがすぐにわかるように、余白用グリッドは青色カラム用は緑色に変えると見やすくなります。
また、透過度を20〜30%程度に設定すると、背景のデザインが視認しやすくなるため、調整の目安になります。

さらに、右側や左側のマージン(余白)を視覚的に表現したいときには、
グリッドの種類を「列」に変更し、列数1、種類は「左揃え」「右揃え」でそれぞれ追加します。
このとき、ガターを「1」、色と透過度は任意で設定することで、どのくらいの余白を確保しているかが一目で把握できるようになります。

このように、グリッドは「見た目を整えるためのルーラー」として機能するだけでなく、作業効率を上げるサポーターにもなるのです。
見やすくカスタマイズしておくことで、チームメンバーとの共有もスムーズになります。

4. レスポンシブ対応を見据えたグリッド設計の基本原則

4-1. よく使われるフレームサイズとその背景(1280px, 1440pxなど)

WebデザインでFigmaを活用する際、まず決めるべきなのがフレームサイズです。これは言わば「キャンバスの大きさ」のようなもので、これを適切に設定することで、最初から完成形を意識した設計が可能になります。

よく使われるフレームサイズには1280px × 800px1440px × 1024pxがあります。Figmaのデフォルトでは1440pxが選ばれていますが、これは近年のノートパソコンやデスクトップ画面で標準的に使われているサイズだからです。特に、画面の横幅(width)が1440pxであれば、多くのユーザーにとって自然な見え方になるため、企業サイトやブログなどで多く採用されています。

一方で、1280pxは少し小さめの画面に対応しており、古いデバイスやサイドメニュー付きのUIに適しています。「どのユーザー層をメインにするか」によって、どちらのサイズを選ぶかは変わってくるのです。例えば、社内業務用アプリケーションのようにウィンドウを小さくして使うケースでは1280pxが適していると言えるでしょう。

さらに、Figmaではこれらのフレームサイズを「フレーム」のドロップダウンメニューからすぐに選べます。作成したフレームにレイアウトグリッド(方眼紙のようなマス目)を追加すれば、各デバイスサイズに対応しやすくなります。ここで重要なのが、グリッドの「列数」「余白(マージン)」「ガター(カラム間の余白)」の設定です。たとえば、12カラム・余白26px・ガター26pxという構成は、Bootstrapのようなレスポンシブフレームワークとも相性が良く、多くのプロジェクトで実績があります。

4-2. スマホ・タブレットでも見栄えが崩れないグリッド設計

PC向けに整ったデザインでも、スマホやタブレットで見たときにレイアウトが崩れてしまっては意味がありません。Figmaを使えば、各デバイスに対応したグリッド設計を柔軟に行うことができます。

まず、Figmaではデスクトップサイズで設計したフレームを[Alt]+ドラッグで簡単にコピーできます。この複製したフレームに対して、スマホやタブレットに適したサイズ(例:375px × 812px など)を設定すれば、モバイル対応の下準備は完了です。次に、レイアウトグリッドを再度設定し直すことで、モバイル環境でも整ったデザインを維持できます。

スマホのように画面が狭い場合、カラム数を6や4に減らすことで、要素が詰まりすぎずに配置できます。また、右側・左側にそれぞれ1カラムの「マージン」を設定しておくことで、テキストや画像が端に寄りすぎるのを防げます。Figmaではこれをレイアウトグリッドの「列:1」「種類:右揃え」「ガター:1」のように設定すれば簡単です。

スマホで閲覧するユーザーは、片手操作が中心ですので、操作しやすい余白を持たせることもポイントです。タブレットでは、もう少し情報量を増やしても問題ありませんが、グリッドの柔軟な調整が重要になります。

Figmaには、これらのグリッド設定を「スタイル」として登録する機能もあります。一度登録しておけば、新しいフレームでもすぐに呼び出せるため、複数のデバイスに対応したデザインの再利用性が格段に高まります。

4-3 まとめ

レスポンシブ対応を見据えたグリッド設計では、最初にフレームサイズをしっかりと決め、それに応じたレイアウトグリッドを設定することが基本となります。よく使われるフレームサイズには1440pxと1280pxがあり、それぞれに適した用途があります。

また、スマホやタブレットでも表示崩れを起こさないように、デバイスごとにカラム数やマージンの設定を見直す必要があります。Figmaなら、これらの設定を簡単に切り替えたり、スタイル登録して再利用したりできるので、デザイナーの作業効率も大きく向上します。

どのようなサイズでも見栄えよくデザインするには、最初のグリッド設計がカギです。一度しっかりとしたルールを作れば、どんな画面でも破綻しない、安定したレイアウトが実現できます。

5. カラム/マージン/ガター:数字に強くなる実践的な設定法

Figmaでのデザインにおいて、「なんとなくキレイに見える」だけで進めてしまうと、後から崩れて見えたり、レスポンシブ対応が破綻する原因になります。

そのためには、カラム数・マージン・ガターという3つの数字をしっかり押さえておくことが非常に大切です。

特に「Figmaのグリッド(方眼紙)」を活用したレイアウト設計では、これらの数字設定を理解しておくと、デザインの精度も再現性も一気に高まります。

5-1. 12カラムが主流の理由とは?(Bootstrap的な発想)

WebデザインやUI設計の現場で「12カラム」がよく採用されるのには、明確な理由があります。

まず、12は2・3・4・6のすべてで割り切れるという非常に扱いやすい数字です。

たとえば、3カラムレイアウトにしたいときは「4カラム×3」、2カラムなら「6カラム×2」など、柔軟に分割できるんですね。

この考え方は、世界中で使われているCSSフレームワーク「Bootstrap」と同じ発想で、Figmaでも同様に取り入れることで、開発サイドとの整合性も取りやすくなります。

実際、Figmaでは「レイアウトグリッド」で12カラムを設定する方法が公式に紹介されており、初期設定としても多くのプロジェクトで採用されています。

5-2. ガターやマージンの値を決めるときの目安と注意点

「ガター(gutter)」とはカラムとカラムの間の余白のこと。

一方、「マージン」は画面の左右端に設ける余白です。

この2つの値は、単に美しさのためだけでなく、読みやすさ・視認性・UIコンポーネントの並びやすさにも直結します。

たとえば、Figmaでは「ガター=26px」「左右マージン=26px」が1つの目安とされています。

これは見た目にもバランスが良く、実際のプロジェクトでも多く使われる数字です。

ただし注意したいのは、これらの値が常に固定でよいとは限らない点です。

たとえば、デバイスがスマートフォンになると、同じ26pxのマージンでは窮屈に感じられることがあります。

そのため、使用デバイスや画面幅に応じて微調整する柔軟性も必要です。

Figmaではガターとマージンの色を変えて表示することもでき、設定画面で透過度や色味を変更すれば、視覚的に認識しやすくなります。

5-3. 左右マージンを別で設定する意味とその手順

Figmaでは、左右のマージンを個別に設定することが可能です。

これを行う理由は大きく2つあります。

1つは、左右どちらかの余白だけを変更したいとき。

もう1つは、コンテンツが偏って配置されるような特殊なデザインに対応するためです。

設定手順は簡単で、「レイアウトグリッド」で新たに列を追加し、種類を「左揃え」または「右揃え」に変更。

列数を「1」、ガターを「1px」と設定すれば、左右それぞれのマージンを再現できます。

色や透過度も個別に変更できるため、マージンとガターを視覚的に区別しやすく、作業効率も上がります。

特にレスポンシブ対応が求められるプロジェクトでは、この手法が非常に役立ちます。

6. 複数デバイス用に最適化:グリッドをコピー・編集する方法

6-1. Alt+ドラッグでフレーム複製→デバイス別に最適化

Figmaでは、ひとつのフレームをもとに複数のデバイス用デザインを簡単に展開できます。その際に便利なのが、[Alt(Option)キー+ドラッグ]によるフレームの複製機能です。たとえば、まずはデスクトップ用として横幅1280pxのフレームにレイアウトグリッドを設定してから、Altキーを押しながらドラッグすると、同じデザインを維持した複製フレームがすぐに作れます。

この複製フレームに対しては、モバイルやタブレットなどの異なるデバイスサイズを割り当てていくと良いでしょう。具体的には、以下の手順を踏むことで、スムーズに複数デバイス対応のグリッド設計ができます。

まず、複製したフレームを選択した状態で、「フレームサイズ」からスマートフォン(例:375×812)やタブレット(例:768×1024)などのサイズを選び直します。その上で、「レイアウトグリッド」の設定を開き、カラム数やガター(列間余白)、マージン(外余白)を調整して、それぞれのデバイスに最適なレイアウトを整えます。

この方法なら、デザインの整合性を保ちつつ、レスポンシブ対応もスムーズに行えるため、プロジェクト全体の効率がぐっと上がります。複数のデバイスで視認性や操作性が一貫したUIを設計する際には、Alt+ドラッグでのフレーム複製が欠かせません。

6-2. 各デバイスでのグリッド数の変更ポイント

デバイスごとに適したレイアウトを作るには、グリッドのカラム数やガター幅を調整することが重要です。デスクトップでは「12カラム・ガター幅26px・マージン26px」が定番ですが、スマートフォンではそれをそのまま使うと、列の幅が狭くなりすぎてしまいます。

たとえば、375px幅のスマートフォンデザインでは、カラム数を6にするなど、列数を減らして読みやすさやタップしやすさを優先します。このとき、左右のマージンも狭めて(例:16px)配置する要素の中央寄せを意識すると、バランスよく見せることができます。

また、ガター(列の間の余白)は、デバイスが小さいほど狭めに設定する傾向があります。たとえば、タブレットではガターを20px程度、スマートフォンでは12〜16px程度にすると、間延びせず自然なレイアウトに仕上がります。

Figmaの「レイアウトグリッド」設定画面では、列数や種類(左揃え、右揃え、中央揃え)、ガター、マージンなどを柔軟に変更できます。一度設定したグリッドは、「グリッドスタイル」として保存しておくと、他のフレームでもすぐに呼び出せて便利です。

つまり、複製したフレームをもとに各デバイスごとにサイズを設定し、グリッドを調整していくことで、視認性と操作性を両立させたレスポンシブデザインが作れるのです。

7. グリッドスタイルを登録・使い回すワークフロー化のススメ

Figmaで効率的に美しいレイアウトを組むためには、レイアウトグリッドの使い回しが非常に効果的です。そのための鍵になるのが「グリッドスタイルの登録と活用」です。ここでは、Figmaでのグリッドスタイルの登録手順から、実際の使い回し方法、さらにチームでプロジェクトをまたいで活用する方法までを、わかりやすく紹介します。

7-1. グリッドスタイルの登録手順(Figma公式手順+画像付き)

まず最初に、Figmaのキャンバス上でフレームを選択しましょう。その後、右側のプロパティパネルにある「Layout Grid(レイアウトグリッド)」セクションの「+」ボタンをクリックすると、方眼紙のようなグリッドが追加されます。

ここでは、「グリッド」「列(Columns)」、「行(Rows)」などのスタイルを選択・設定できます。たとえば、カラム数を「12」、余白(Margin)を「26px」、ガター(カラム間の隙間)も「26px」などと設定することで、WebデザインにおけるBootstrap的な12カラムのレイアウトが完成します。

スタイルを登録するには、レイアウトグリッドの右上に表示される「4つの点アイコン」をクリックして、「グリッドスタイルを作成(+)」を選択します。ここで名前をつけて保存すると、その設定が再利用可能なスタイルとして登録されます。

これで、1つのフレームで苦労して作ったレイアウトグリッドを、他のフレームでもワンクリックで使い回すことができるようになります。

7-2. 登録済スタイルを呼び出して時短する方法

登録したグリッドスタイルを使いたいときは、新しく作ったフレームを選択し、同じく「Layout Grid」のセクションにある4点のメニューアイコンをクリックします。すると、先ほど登録したスタイルの一覧が表示されるので、そこから目的のスタイルを選ぶだけでOKです。

この方法を使えば、プロジェクトごとにグリッドを再設定する必要がなくなり、数クリックで統一感のあるレイアウトを素早く作れるようになります。特に、レスポンシブ対応のデザインで異なるデバイスサイズに適したグリッドを切り替えるときにも、グリッドスタイルの活用は非常に便利です。

また、グリッドスタイルには名前を自由に付けられるので、「PC用12カラム」「モバイル用6カラム」などとわかりやすく命名しておくと、選ぶときに迷いません。

7-3. プロジェクト間で共有するテクニック(チーム活用向け)

グリッドスタイルの最大の魅力は、チームで共有できる点にもあります。Figmaの「Team Library(チームライブラリ)」機能を使えば、グリッドスタイルも他のコンポーネントやカラースタイルと同様に共有できます。

まず、グリッドスタイルを含んだフレームを作成し、それをライブラリ用のファイルに保存します。そのファイルを「Assets」パネルから「Publish(公開)」することで、同じチームのメンバーがどのプロジェクトからでもそのスタイルにアクセスできるようになります。

たとえば、Webサイトのプロトタイプを複数のデバイス向けに作るとき、デザインガイドラインとして「共通のグリッド」を全員が使っていると、作業のスピードも一貫性も一気にアップします。

チームでFigmaを使う場合は、ぜひグリッドスタイルもライブラリに登録して、プロジェクト全体で統一された設計基盤を持つようにしましょう。

7-4. まとめ

Figmaのレイアウトグリッド機能は、ただのガイドではなく、デザインの精度とスピードを劇的に向上させる設計の柱です。スタイルとして登録しておけば、繰り返しの設定作業が不要になり、作業の効率が大幅にアップします。

さらに、チーム全体でスタイルを共有することで、統一感のあるUIが自然と構築できるようになります。グリッドスタイルの登録と共有は、Figmaを使いこなす上で欠かせない重要なステップといえるでしょう。

まずは小さなプロジェクトから試してみて、グリッドスタイルの便利さを体感してみてください。

8. 実際の制作現場で使われているグリッド設定例【テンプレ付き】

8-1. LP(ランディングページ)用グリッドの一例

LP(ランディングページ)は、訪問者の視線を意識して情報を絞り込む構成が求められます。
そのため、Figmaでのグリッド設計もシンプルかつ集中力を途切れさせない配置がカギとなります。
よく使われるのは12カラム構成で、これはレスポンシブ設計にも対応しやすいスタンダードな設定です。

例えば、横幅1280pxのフレームに対して、左右のマージンを26pxずつ設定し、ガター(カラム間の余白)も26pxにすることで、視覚的に安定したデザインを構成できます。
この設定は、Bootstrapのデフォルトに近い値であり、エンジニアとの連携もしやすくなります。
また、LPのようにファーストビューが重要な構成では、上下のグリッドは使わず、縦方向は自由度を持たせるのが一般的です。

Figmaでは「レイアウトグリッド」機能を活用し、グリッド種別「列(Columns)」を選択することでこの設定を反映可能です。
デザイナーの間では、このような12カラムをあらかじめ「グリッドスタイル」として登録しておくことで、複数のLP案件に使い回すケースも多く見られます。

8-2. 管理画面UI用グリッド構成例(複数カラム)

業務用システムやSaaSプロダクトなどの管理画面UIでは、情報の整理整頓が第一に求められます。
複数のパネルやメニューを並列に配置する必要があるため、グリッド設定もより細かく、柔軟な調整が必要になります。

一般的には12カラムをベースにしながらも、状況によっては16カラムに増やすこともあります。
その場合、ガター幅は20px前後とやや狭く設定し、可読性とスペース効率のバランスを取ります。
左右のマージンは26px〜40pxの範囲でプロジェクトや設計思想に応じて調整します。

また、Figmaの「レイアウトグリッド」にて左右マージン専用の1カラム設定(種類:左揃え・右揃え)を追加しておくことで、デザイン作業中に正確な揃えがしやすくなります。
この設定により、ページ構造の一貫性を保ちやすく、デザイナー同士のレビューでもズレを指摘されにくくなります。

特に管理画面では、ヘッダー・サイドバー・メインコンテンツなど複数のゾーンが存在するため、レイアウトの骨格を定義するグリッドが不可欠です。
効率的な作業環境を維持するために、これらの設定はスタイルとして保存しておくのがベストプラクティスです。

8-3. ECサイトやブログなどメディア別グリッド設定パターン

ECサイトやブログのようなメディア系サイトでは、商品画像・記事一覧・バナーなど多様な要素が混在するため、グリッド設計もより戦略的になります。

たとえば、ECサイトでは商品一覧を3列または4列で表示するレイアウトが一般的です。
このとき、12カラム構成を使って、各商品ブロックに3カラムまたは4カラムを割り当てる設計がよく用いられます。
それにより、デバイス幅に応じて柔軟にレイアウトを変えることが可能になります。

一方、ブログではコンテンツ幅が読みやすさに直結するため、左右に広めのマージン(32px〜48px)を設けた上で、中央に8〜10カラムの本文エリアを配置する構成がよく選ばれます。
このような構成では、目の動きが自然に中央に集まり、読み疲れを防ぐことができます。

Figmaのグリッド機能では、複数のグリッド設定を重ねて適用できるため、メインエリアとサイドバーを個別に設計する場合も対応可能です。
また、ブログではモバイルファーストの考え方が重要になるため、スマートフォン幅(375pxや414px)でのグリッド設計も忘れずに行いましょう。

9. グリッド設定で起きがちなトラブルとその回避策

9-1. 見た目がズレる・ガイドが揃わない時のチェックポイント

Figmaでグリッドを設定しているのに、実際にガイドラインと要素の配置が「ピタッと合わない」と感じたことはありませんか。このようなケースでは、まずレイアウトグリッドの設定値を確認しましょう。特に多いのが「カラム数・マージン・ガター幅」のどれかがフレームサイズに対して合っていない場合です。たとえば、幅1280pxのフレームに対して12カラム、左右マージンが26px、ガター幅が26pxの場合、中央のカラム幅がちょうど合うように計算されていなければズレが生じます。

また、複数のレイアウトグリッドを重ねて使っている場合、左揃えや右揃えの単独カラム(マージン用)と中央12カラムの主グリッドが重なることで、視覚的に混乱しやすくなるのも要注意です。どのグリッドがどの目的なのか、色や透過率を変えることで判別しやすくなります。特に、右マージン用の1カラムグリッドを「右揃え」、左マージン用を「左揃え」にした上で、それぞれに異なる色を使うと明確になります。

グリッドに沿って配置してもズレて見える場合、要素自体のピクセル単位が微妙に合っていないこともあります。このようなときは、[Shift]キーを押しながら矢印キーで微調整するか、数値入力で位置を調整しましょう。

9-2. 表示されない・非表示になるときの対処法

グリッドを設定したはずなのに「表示されない」というトラブルは、意外と多くの方が経験しています。このときは、まずレイヤーの選択状態を見直してください。Figmaでは、グリッドは「フレーム」に対して設定されます。つまり、フレームを選択していない状態では、グリッドの設定項目がそもそも出てきません。

また、グリッドの表示・非表示は画面右下の「目のアイコン」でも切り替えができます。意図せず非表示になっているだけの可能性もあるので、こちらもチェックしてみましょう。

それでも表示されない場合は、「コンポーネント化されたフレーム」を使用していないか確認してください。コンポーネントにすると、グリッド表示が一時的に無効になってしまうことがあります。この場合は、一度「インスタンスをデタッチ(Detach Instance)」してからグリッドを再設定すれば表示されるようになります。

9-3. グリッドが他コンポーネントに干渉するケースと解決策

グリッドは非常に便利な機能ですが、時に既存のコンポーネントと干渉してしまうケースもあります。特に注意したいのは、グリッドを設定したフレーム内にコンポーネントを配置する場合です。このとき、コンポーネントの内側にもレイアウトグリッドが設定されていると、表示が二重になってしまい、要素の位置が合っているのか判断しづらくなります。

この問題を避けるためには、まずコンポーネント内部のグリッドを無効化するのが基本です。フレームのグリッド設定だけで十分な場合は、内側のコンポーネントにはグリッドを設定しないか、表示をオフにしておきましょう。また、登録済みのグリッドスタイルを使う際には、用途ごとに「マージン用」「12カラム用」といったようにスタイル名を明確にして管理しておくと、誤って混在させてしまうリスクが減ります。

もうひとつのポイントは、グリッドのレイヤー順です。Figmaでは、グリッドはビジュアル的に最背面に表示されるため、配置するコンポーネントや要素が透明だったり背景が薄かったりする場合、視覚的に干渉して見えることがあります。この場合は、グリッドの透過率をさらに下げる、もしくは色を変えて区別することでストレスなく作業ができます。

10. 方眼紙グリッドの応用編:デザイン精度を高める裏技集

10-1. マイクログリッド(4pxや8px単位)での細かい調整術

Figmaでのデザイン精度を一段と高めたいなら、マイクログリッドの活用は欠かせません。
標準的な12カラムグリッドに加え、背景に4pxや8px単位の「方眼紙」グリッドを重ねることで、文字の行間・余白・アイコンサイズといった細かな要素を正確に整えることができます。

例えば、8pxグリッドを設定しておくと、ボタンやカードのパディング、マージンが「8px・16px・24px」と自然な倍数で調整できます。
これは、統一感のあるUI設計に直結するだけでなく、レスポンシブ対応を行う際にも崩れにくい設計になります。
特にモバイルデザインにおいて、要素のサイズ感やタップ領域のバランスを保つためにも、この粒度のグリッドは非常に効果的です。

Figmaでは、レイアウトグリッドを複数重ねて設定できます。背景にマイクログリッド、前面にカラムグリッドという使い方をすれば、ビジュアルと構造の両立が可能になります。
透明度を20%程度に調整すれば、視認性も保ちながら作業がスムーズになります。

10-2. 自動揃え(Auto Layout)と組み合わせる際の注意点

Auto Layoutとグリッドの組み合わせは非常に強力ですが、設定ミスによるズレには注意が必要です。
Auto Layoutは内容に応じてサイズや間隔を自動調整しますが、必ずしもグリッドにピタッと合わせてくれるわけではありません。

たとえば、8pxグリッドで設計しているのに、Auto Layoutの間隔設定が「7px」になっていると、デザインが徐々にズレていってしまいます。
そこでおすすめなのが、Auto LayoutのPadding・Spacing・Marginの数値をすべて8の倍数に固定するルールです。

また、グリッドを敷いた状態でAuto Layoutを設定する際は、要素の「左上原点」がグリッドの基準線と一致するよう意識しましょう。
特にボタンやカードコンポーネントの配置では、中央揃えや端揃えの切り替えを活用しながら、視覚的にも機能的にも一貫した配置を心がけると良いでしょう。

10-3. 複数レイヤーにまたがるガイドを重ねる小技

Figmaでは、複数のレイヤーやフレームを横断して作業することがよくあります。
その際に有効なのが、共通ガイドとして機能する「共通グリッドレイヤー」を用意するというテクニックです。

具体的には、新たなフレームを作成し、そこに12カラムグリッドやマイクログリッドを設定します。
このグリッドレイヤーを他のフレームの上にオーバーレイして配置し、「ロック(Lock)」すれば、各種デザイン要素をガイドに沿って揃えることができます。

この方法は特に、複数ページにわたるUIの統一感を確保したい場合や、ガイド機能のない図形ベースの設計において威力を発揮します。
作業中はグリッドレイヤーの表示・非表示をショートカットで切り替えられるようにしておくと便利です。
また、ガイド用の色を薄いグレーや水色に設定しておくと、主線との区別が付きやすく、可読性を損ないません。

このようにして、グリッドの視覚的な活用範囲を拡張すれば、Figmaの作業効率とクオリティの両方をぐんと高めることができます。

11. プラグイン・コミュニティを活用してグリッド管理をラクに

Figmaで効率的にデザイン作業を進めるためには、レイアウトグリッドの管理が重要です。特に、細かく設定された方眼紙のようなグリッドは、要素を揃える際の強力なガイドになります。手動で設定するのも良いのですが、Figmaのプラグインやコミュニティを活用すると、さらに作業がスムーズになります。ここでは、グリッド管理をよりラクにしてくれる無料プラグインや、Figmaコミュニティからテンプレートを導入する方法をご紹介します。

11-1. おすすめ無料プラグイン3選(例:Grid System Generatorなど)

まず注目したいのが、Figmaの「プラグイン」機能です。プラグインを使えば、わざわざ手作業でカラム数やマージンを設定しなくても、テンプレート的にグリッドを一瞬で作成することができます。中でもおすすめの無料プラグインを3つ紹介します。

① Grid System Generatorこのプラグインは、その名の通りグリッドシステムを簡単に生成できるツールです。列数(カラム)、ガター(カラム間の余白)、左右マージンなどを入力するだけで、方眼紙のように整ったレイアウトをFigmaに即反映してくれます。たとえば、12カラム・ガター26px・マージン26pxといった、Webデザインでよく使われる設定をすぐに作成できます。初心者でも直感的に使えるUIで、繰り返し使いたくなる便利さです。

② Layout Grid PresetsFigmaに頻繁にグリッドを追加する人には「Layout Grid Presets」もおすすめです。一度お気に入りのグリッド構成を登録しておけば、ワンクリックで他のフレームにも再利用できます。複数のグリッドスタイルを使い分けている場合でも、整理された状態で素早く切り替えができる点がポイントです。

③ Figma Grid Generatorこちらは、シンプルながら実用性の高いプラグインで、モバイル・タブレット・デスクトップなどデバイスに応じたグリッドレイアウトを即座に作成できます。カスタマイズ性も高く、数値指定でピクセル単位まで調整可能なため、レスポンシブデザインにも対応しやすくなっています。

これらのプラグインを活用することで、手作業での設定ミスや時間のロスを大幅に削減できます。日々の作業効率アップに、ぜひ取り入れてみましょう。

11-2. Figmaコミュニティからテンプレを導入する方法

Figmaの魅力の一つに、デザイナー同士が共有する「Figmaコミュニティ」があります。このコミュニティでは、世界中のユーザーが作成したレイアウトグリッドのテンプレートやスタイルを無料でダウンロードして使用することができます。

コミュニティのアクセス方法はとても簡単です。Figma上部のメニューから「Resources(リソース)」を開き、「Community」タブを選択します。検索ボックスに「Grid」や「Layout Grid」などのキーワードを入力すると、多数のテンプレートやスタイルが表示されます。気になるテンプレートが見つかったら、「Duplicate(複製)」ボタンをクリックするだけで、自分のワークスペースに追加されます。

特に評価の高いテンプレートには、12カラムグリッドやモバイル用グリッド、CSSフレームワークに準拠したデザインなど、目的に応じたものが揃っています。たとえば、「Responsive Grid System Template」では、モバイル(360px)、タブレット(768px)、デスクトップ(1440px)用の各グリッドがセットになっており、プロジェクト初期のベース作りに最適です。

また、記事でも紹介されているように、Figmaでは一度作成したグリッドスタイルを「グリッドスタイル」として登録することができます。これを利用すれば、自作のテンプレートも簡単に再利用できますし、コミュニティから複製したテンプレートをカスタマイズして自分専用にすることも可能です。

デザインは再現性と効率が大切です。コミュニティのテンプレートとプラグインをうまく組み合わせれば、「毎回ゼロから作る」という負担から解放されます。デザイン初心者からプロまで、多くのユーザーにとって有益な選択肢になるはずです。

12. Adobe XDやSketchと比較したFigmaグリッドの強みとは?

12-1. 他ツールと何が違う?Figmaならではのメリット解説

Figmaのグリッド機能は、他の代表的なUIデザインツール、たとえばAdobe XDSketchと比較しても、設計から実装までをシームレスに支援してくれる点が非常に優れています。特に、Figmaのレイアウトグリッドは「方眼紙のような視覚的補助」としてだけでなく、レスポンシブ対応やチームでの共同編集を視野に入れた実用的な設計補助ツールとして機能します。

まず注目したいのは、Figmaではグリッドを「列(Column)」や「ガター(Gutter)」、「余白(Margin)」といった単位で細かく指定できることです。たとえば、12カラム・ガター26px・マージン26pxという構成をわずか数クリックで設定可能です。この操作性は、Sketchのようにプラグイン依存になりがちなツールとは対照的です。

また、Adobe XDではグリッド機能が視覚的ガイドとしては機能しているものの、細かなガター設定や左右マージンのカスタマイズ、複数グリッドの重ねがけといった柔軟性には制限があります。Figmaではこれが容易にでき、たとえば右側マージン用に「右揃えの1列グリッド」を追加することで、余白感覚の確認も一目で行えます。

さらにFigmaでは、作成したグリッドを「グリッドスタイル」として保存し、他のフレームにワンタッチで再利用できます。これにより、デスクトップ用、タブレット用、モバイル用といったデバイス別デザインでも統一感のある設計が可能になります。このような機能は、Sketchではスタイル管理の中にグリッドが含まれていないため、手動調整が必要になるケースが多く、XDでは一部のみスタイル保存可能という制限があります。

つまりFigmaのレイアウトグリッドは、ただの「背景の線」ではなく、設計思想と連携した実務的な機能としての完成度が極めて高いのです。デザインの初期段階から導入することで、後工程の調整が大幅に減り、結果としてプロジェクト全体の効率が上がります。

12-2. 乗り換え時に戸惑いやすいポイントと慣れ方

Adobe XDやSketchからFigmaに乗り換える際、特にレイアウトグリッドに関しては操作体系の違いに戸惑う人も少なくありません。Figmaでは、グリッドの設定画面が「フレーム」単位で表示され、直接的に+マークをクリックしてグリッドを追加する流れになります。このようなUI構造は、XDやSketchとは異なり、少し最初は混乱するかもしれません。

たとえばXDでは「レイアウトグリッド」「方眼グリッド」の切り替えがサイドパネルから可能ですが、Figmaではこの操作がプロパティバーに集約されています。Sketchではプラグインを通してグリッドを管理することが多く、Figmaのように複数のレイアウトグリッドを1つのフレームに重ねて適用するという考え方がそもそも存在しないケースもあります。

しかし、Figmaでは一度慣れてしまえば、グリッド設定のカスタマイズ性再利用性が抜群に高いため、今まで複数のツールを使い分けていた人でも一本化が可能になります。具体的には、「グリッドスタイル」に名前をつけて登録すれば、今後どのフレームでも同じ設定をすぐ呼び出せるようになります。

慣れるためのコツとしては、まずはデフォルトサイズ(例:1280×800)のフレームでグリッドを1つ設定し、登録スタイルとして保存しておくことがおすすめです。次に、新しいプロジェクトを立ち上げる際に、保存済みのスタイルを呼び出して使う習慣をつけると良いでしょう。この繰り返しで、Figma特有の柔軟なグリッド管理に自然と馴染んでいきます。

そして何より、Figmaはクラウドベースで複数人が同時に編集可能なので、グリッドスタイルもチーム全体で共有でき、プロジェクト全体の一貫性を保つのに最適です。これにより、個々の設定のばらつきによるミスや再調整の手間もぐんと減らせます。

13. 実際のプロデザイナーに聞いた!グリッド活用Tipsまとめ

13-1. 実務で「グリッドなんて使わない」って本当?

実は、「グリッドなんて使わない」という声は、現場では意外と聞こえてくることがあります。でも、それは本当にグリッドが不要という意味ではないのです。プロのデザイナーたちが口をそろえて言うのは、「使っていないようで、実は感覚で使っている」ということ。つまり、意識的に使っていない人も、視覚的な整列や余白のバランスを自然と身につけていて、それがグリッドの考え方にかなっているのです。

たとえば、FigmaでWebページやアプリ画面のデザインを行う際に、12カラムグリッドをベースに設計するのは業界の定番です。これはBootstrapなどのフレームワークとも親和性が高く、柔軟にレイアウトを調整できるメリットがあります。Figmaでも「列12・余白26・ガター26」という設定を使えば、視認性も高くレスポンシブにも対応しやすい構成になります。特にクライアントワークでは、チーム内や開発者とのやりとりを円滑に進めるためにも、グリッドは欠かせません。

「感覚派のデザイナー」も、「理論派のデザイナー」も、最終的には見た目のバランスと再現性の高さを両立させるためにグリッドを活用しているということなのです。初心者だからこそ、まずはきちんとグリッドに触れて、その恩恵を感じてほしいですね。

13-2. デザインレビューや共有時に便利な理由

グリッドをしっかり設定しておくと、デザインの見た目が整うだけでなく、レビューや共有時にものすごく助かるという意見が多くあります。なぜなら、他のメンバーやクライアントとデザインを見せ合うとき、誰もが「基準のある配置」や「一貫したマージン」を見て、自然と理解しやすくなるからです。

たとえば、Figmaでレイアウトグリッドを設定し、そのスタイルを登録しておけば、どのデバイスサイズのフレームにもすぐに反映できます。これにより、デスクトップからタブレット、スマートフォンまで、同じ基準で比較・検討できるようになるのです。スタイル登録は、Figmaの「グリッドスタイル」から簡単に行えるため、一度設定しておけばプロジェクト全体で使い回しができます。

さらに、グリッドの可視性もカスタマイズ可能です。ガターやマージンの色を変更して、拡大時でも見やすくする工夫は、実際のプロの現場でも活用されています。こうした細かな調整があると、デザインレビューの場で「ここが揃っていない」といった指摘が減り、確認作業の時間短縮や、デザインの説得力向上につながります。

つまり、グリッドは見た目を整えるだけではなく、「他人に説明できるデザイン」にも変えてくれるんです。チームで動くなら、なおさらこの効果は実感できるはずです。

14. よくある質問と検索者の疑問にQ&A形式で回答

14-1. Q:必ず12カラムにしないといけないの?

いいえ、12カラムにしなければいけないというルールはありません。ただし、12カラムという設定はとても汎用性が高く、多くのデザインフレームワーク(たとえばBootstrapなど)でも採用されている一般的な構成です。この12という数は、2・3・4・6といった複数の数に割り切れるため、さまざまなレイアウトに柔軟に対応できるというメリットがあります。そのため、Figmaのレイアウトグリッドでも最初の設定値として「列:12」が推奨されているケースが多いのです。

とはいえ、デザインの目的やターゲット、デバイスの種類によっては、8カラムや16カラムなど別の構成を採用してもまったく問題ありません。重要なのは、自分の作るUIや画面の情報構造に合わせて、適切なカラム数とマージン、ガター(カラム間の間隔)を調整することです。

迷った場合はまず12カラムで試してみて、必要に応じて変更するのが安心です。

14-2. Q:方眼紙にしたけど見づらくて作業しにくい場合は?

Figmaで「レイアウトグリッド」を方眼紙(Grid)として表示したとき、細かすぎたり、色が目立ちすぎて見づらく感じることがあります。このような場合は、表示されるグリッドのサイズ・色・透過度を調整することで、視認性を改善できます

たとえば、「グリッド 10px」の設定を20pxや40pxに変更すれば、マス目の密度が下がり、全体がすっきりして見えるようになります。また、デフォルトでは赤色・透過度10%で表示されますが、これをグレーや青系に変更し、透過度を20〜30%にすれば、背景とバランスが取れて快適です。

さらに、グリッドの種類を「列(Column)」に切り替えて、ガイドとして使うのも効果的です。特に余白(マージン)を別途設定して、左側は「左揃え・列数1」、右側は「右揃え・列数1」で配置すれば、実際のコンテンツエリアを意識しやすくなります。

作業効率が落ちてしまうようなグリッドは、むしろ逆効果。自分の目と作業スタイルに合った調整が大切です。

14-3. Q:途中からグリッドを変更しても大丈夫?

はい、Figmaでは途中からでも自由にグリッドを変更できます。プロジェクトの進行とともに、デザインの方向性やデバイスの想定が変わることはよくあります。その際に、既存のフレームに適用されているレイアウトグリッドを再編集することで、すぐに新しい構成に対応可能です。

たとえば、デスクトップ向けに作っていたUIを、タブレットやスマートフォンにも展開したいとなった場合、フレームを複製し、グリッド数やカラム幅を調整することで、すばやくレスポンシブデザインに移行できます。

また、Figmaには「グリッドスタイルの登録」機能があるため、一度作ったレイアウトをスタイルとして保存しておくと、他のフレームにすぐ適用できて非常に便利です。たとえば、12カラムの基本スタイル、モバイル用の8カラムスタイルなどを作っておくと、今後の作業が格段にスムーズになります。

途中での変更はむしろ自然なことであり、Figmaはそうした柔軟性を持ったツールです。無理に初期設定を守ろうとせず、目的に合った調整を臨機応変に行うことが成功への近道です。

15. まとめ:Figmaのグリッドを使いこなして「設計力」を磨こう

15-1. 方眼紙は“面倒な初期設定”ではなく“デザインの設計図”

Figmaの「レイアウトグリッド」は、見た目はただの方眼紙のように感じるかもしれませんが、実はプロの設計図のように重要な役割を果たします。最初にこのグリッドを設定することで、ボタンやテキスト、画像などの配置が自然と揃いやすくなり、ユーザーにとっても見やすいデザインが仕上がります。

たとえば、12カラムのグリッドを使えば、Bootstrapのようなレスポンシブデザインにも対応しやすく、Figma内で直接「コーディング的な構造」を意識した配置ができます。また、左右の余白(マージン)も別のグリッドとして追加することで、視認性の高い構成を確実に再現できます。色を変えておけば、ガイドラインとしても使えるので作業効率が上がります。

このように、方眼紙のような見た目のグリッドは、面倒な設定ではなく「整ったUI」を作るための土台なのです。作業前にフレームサイズを決めて、グリッドを設定し、余白やカラムを整える。これだけでデザインの再現性と一貫性が大きく向上します。

15-2. 次のステップ:FigmaのAuto Layoutや変数との併用へ

グリッドの設定に慣れてきたら、次はAuto Layoutとの併用にチャレンジしてみましょう。Auto Layoutを使えば、要素をグリッドに沿って配置するだけでなく、スペースの自動調整やレスポンシブ対応も簡単にできるようになります。これは手動での微調整が減るという意味でも、大幅な時短につながります。

また、Figmaでは「変数(Variables)」を使って、間隔やカラーのルールを定義することもできます。これにより、グリッドで整えたレイアウトに対して、全体の統一感を持たせたまま、複数ページに展開しやすくなるのです。

レイアウトグリッドはあくまでも“設計のための道具”。それをベースに、Auto Layoutや変数などのFigmaの高度な機能と組み合わせることで、あなたのデザインはよりスケーラブルに、そして実践的になっていきます。

まずはグリッドを使いこなして、レイアウトの精度と再現性を高めましょう。そして、次のステップへ進み、Figmaの持つ設計力を最大限に引き出す環境を整えていきましょう。