「『世界が終るまでは』って音域的に難しいのかな?」——そう疑問に思った方へ。WANDSの名曲であり、アニメ『スラムダンク』のエンディングテーマとしても知られるこの楽曲は、一見シンプルなようで実は奥が深い一曲です。本記事では、原曲の音域や歌唱構成、カラオケでの難易度、そして高得点を狙うテクニックまでを徹底解説します。
1. 『世界が終るまでは…』とは?基本情報から振り返る
1.1 アーティストWANDSの楽曲背景
WANDSの代表曲の1つである『世界が終るまでは…』は、1994年にリリースされた8枚目のシングルです。この楽曲は、作詞を上杉昇さん、作曲を織田哲郎さんが手がけており、WANDSの音楽性がよりロック色を強めた時期の作品として知られています。歌詞はどこか廃退的で、終末を想起させるような情景が印象的。そして、歪んだエレキギターとマッチしたアレンジにより、聴く人の心に深く残るナンバーとなっています。
この楽曲でボーカルを務めていたのは、第1期から第3期にかけてWANDSを支えた上杉昇さんです。彼の力強くも切ない歌声は、楽曲の世界観と完璧に調和しており、WANDS史上でも特に評価の高い歌唱パフォーマンスの1つといえます。
1.2 発売年・オリコン成績・アニメ「スラムダンク」との関係
『世界が終るまでは…』がリリースされたのは1994年。同年、アニメ『スラムダンク』のエンディングテーマとして起用されたことで一気に知名度が全国的に広がりました。アニメの内容ともリンクするような感傷的なメロディと歌詞は、多くの視聴者の心に残り、WANDSの名前を世に知らしめる大きな要因となりました。
オリコンチャートでは最高1位を獲得し、19週連続チャートインという記録を打ち立て、ミリオンセラーを達成しています。このヒットによって、WANDSはその地位を不動のものとし、90年代J-POPシーンの中心的存在へと成長しました。
アニメ『スラムダンク』との相性は抜群で、試合後の余韻に浸るようなシーンで流れるこの楽曲は、視聴者の感情を包み込むような役割を果たしていました。まさに、曲とアニメが互いに高め合った成功例といえるでしょう。
1.3 再録された「第5期ver.」とは?特徴と聴きどころ
年月が経った今もなお、多くのファンに愛され続けている『世界が終るまでは…』ですが、2022年には新たな試みとして「WANDS第5期ver.」がリリースされました。
この再録バージョンでは、ボーカルが上原大史さんに交代し、編曲はWANDSのギタリスト柴崎浩さんが担当。原曲の持つ世界観を壊さずに、現代的なアレンジと共に歌唱技術がより洗練されたバージョンとして生まれ変わっています。
特に聴きどころは、上原さんが原曲のニュアンスを大切にしつつも、自身の解釈を加えた力強いボーカルです。かつてのファンには懐かしさとともに新鮮さを、新たなリスナーにはWANDSというバンドの奥深さを感じさせる出来栄えとなっています。
過去の名曲を現代の音で再表現するという試みによって、『世界が終るまでは…』は今もなお色褪せることのない、「時代を超えた名曲」として生き続けているのです。
2. 原曲の音域データと分析
WANDSの名曲「世界が終るまでは…」は、そのドラマティックなメロディーと力強い歌声が印象的なロックバラードです。
ここでは、実際の音域データと声の使い方を通して、この曲を上手に歌うためのヒントを分かりやすくお伝えしていきます。
2-1. 音域:mid1E〜hiAの具体的な音高解説
「世界が終るまでは…」の音域は、mid1E(ミ)からhiA(ラ)までとなっています。
これは、日本人男性のカラオケでよく使われる音域の中でも、やや高めの部類に入ります。
mid1Eは、地声(チェストボイス)でも比較的余裕のある低音域ですが、hiAになると喉が閉まりやすく、力んでしまう人も多い高さです。
実際に歌ってみると、AメロやBメロは比較的落ち着いた音程で構成されていますが、サビに向けて徐々に音が上がり、感情が高まる部分でhiAに到達する構成となっています。
こうした構成は、楽曲全体にドラマ性をもたらし、歌い手にも緩急を意識させる設計になっています。
2-2. 男性平均音域との比較と歌いやすさの目安
男性の平均的な音域は、おおよそmid1G(ソ)〜hiA(ラ)程度とされています。
それと比べると、「世界が終るまでは…」の音域は、下限が少し低く、上限はちょうど平均的な高さに収まっていると言えるでしょう。
このことから、無理なく歌える範囲に収まりつつも、少し背伸びすると歌いきれるという絶妙な難易度設定となっています。
特にカラオケ初心者の方や、普段高音域に自信がない方にとっては、サビ部分を原キーで歌うのは少し難しく感じるかもしれません。
しかし、音域が急激に飛躍するわけではないため、喉の準備を整えた上で徐々に音を上げていく練習をすれば、比較的短期間で習得できる可能性が高いです。
また、音程の跳躍が大きすぎず、テンポもゆっくりしているため、音程正確率を上げやすい曲としてもおすすめです。
2-3. 声種(チェスト〜ミックス〜ヘッド)の切り替えポイント
「世界が終るまでは…」を歌うときに意識したいのが、チェストボイス(地声)・ミックスボイス・ヘッドボイス(裏声)の切り替えポイントです。
この楽曲では、mid1Eからmid2Gあたりまではチェストボイスでしっかりと歌い込み、mid2GからhiAにかけてはミックスボイスを使うのが理想的です。
hiA付近をチェストボイスだけで出そうとすると喉に負担がかかり、苦しそうな声になってしまうため、喉を開いてミックスボイスに切り替えることで、滑らかに高音を出すことができます。
また、hiAの直前で声が途切れやすいと感じたら、息の量を少し増やして、柔らかくヘッド寄りの声にスライドさせると、音が綺麗につながります。
この切り替えの練習には、「う」や「え」などの母音を使ったリップロール練習が効果的です。
声の切り替えがスムーズになると、曲の抑揚がより自然になり、聴き手にとっても心地よい歌声になります。
特にこの楽曲はサビで感情が大きく動くため、声の響き方を変えるだけでも印象がガラッと変わることを覚えておきましょう。
3. 歌唱構成とテンポ感が与える影響
3-1. 楽曲構成(イントロ〜アウトロまでの流れ)
「世界が終るまでは…」は、まさにJ-POPの王道を行く構成を持っています。イントロ → Aメロ → Bメロ → サビと進行し、その流れをもう一度繰り返してから間奏を挟み、最後はサビ〜アウトロで締めくくられます。このような構成は、聴く人の耳にも自然に入ってきやすく、歌う側にとっても先の展開が予測しやすいため、安心感があります。
ただし、サビが全体の約半分を占めている点には要注意です。曲全体の感情のピークがサビに集中しているため、Aメロ・Bメロからしっかりと気持ちを込めて抑揚をつけていくことで、サビに向かう高まりを演出できます。特に表現力の面で点数が取りづらいこの曲では、構成を意識した歌唱が点数アップのカギとなります。
3-2. 演奏時間・ひらがな比率・歌詞の密度
この楽曲の演奏時間は5分13秒と、J-POP楽曲としてはやや長めです。この時間に対して、ひらがな文字数は389文字。ひらがな比率は1.24(文字数/演奏時間)という数値で、これが意味するのは「言葉がそこまで詰め込まれていない」ということです。
つまり、メロディに対して歌詞が“やや余裕を持って置かれている”ため、リズムや発音でつまずく箇所が少ないと言えます。これがリズム評価が98点と高得点になっている一因です。また、言葉の密度が低めなので、1つ1つの言葉に感情を乗せやすいというメリットもあります。このように、構成面だけでなく歌詞の配置や量も歌いやすさに大きな影響を与えているのですね。
3-3. ゆったりテンポがもたらす“余白”と“難しさ”
「世界が終るまでは…」のテンポは、J-POPの中でも比較的ゆったりとしたテンポ感を持っています。このテンポによって、歌詞の一つひとつを丁寧に発声できる“余白”が生まれるのですが、これが同時に“難しさ”にもつながります。
ゆったりした曲は、音のズレや表現の粗さが浮き彫りになりやすく、特にブレスの位置やタイミング、声の安定感が問われます。実際、安定性評価は88点と高くも低くもない結果になっていますが、この点数を伸ばすには、曲全体を通じてフレーズの最後まで声をしっかり保つことが重要です。また、テンポが遅い分、ビブラートやロングトーンを入れる“余裕”があるのもポイントです。これを活かさない手はありません。
ただし、曲調が廃退的で切なさを感じさせるため、感情を込めすぎて声が震えたり掠れたりしやすい一面もあります。だからこそ、しっかりと呼吸を整えて、表現力を保ちつつも丁寧な歌唱を心がけたいですね。
4. カラオケでの難易度を徹底評価
4-1. カラオケでの一般的な難易度はどのくらい?
WANDSの「世界が終るまでは…」は、音域mid1E~hiAと、男性の平均音域よりやや高めの設定です。
でも、全体のメロディー構成がとても整っていて、極端な跳躍音や難解な節回しが少ないため、カラオケ初心者でもチャレンジしやすい楽曲といえます。
また、曲のテンポもスロー寄りなので、焦らずに歌えるのも安心ポイントです。
実際、精密採点Aiの12段階評価では★12(中程度の難易度)とされており、練習次第で十分に高得点も狙えます。
特筆すべきは、この楽曲がLIVE DAMの精密採点Aiにおいて、音程・リズムの両方で高評価を得やすいという点です。
複雑な音符運びがないからこそ、しっかり音程バーに合わせる意識だけで点数が伸びやすく、歌い手としての自信もつきますよ。
4-2. 難所はどこ?キーより難しいポイント
一見すると音域が少し高いくらいで「簡単そう」と思うかもしれません。
ですが、実はこの曲、英語歌詞の発音とロングトーンの安定感がとても重要になってくるんです。
「世界が終るまでは…」の最大の難所は、メロディーラインが比較的平坦であるために、歌唱表現にメリハリを出すのが難しいこと。
とくにサビ部分では、同じようなリズムと音程が続くため、声の出し方を変えたり、強弱をしっかりつけないと、機械的な印象になってしまいます。
さらに、精密採点Aiでは「表現力」「ビブラート」「ロングトーン」などの要素が大きく影響します。
この楽曲はロングトーンが頻繁に出てくるので、息のコントロールが甘いと得点が伸びません。
安定性のスコアが高得点(88点)を取れても、表現力で71点と若干低めなのは、声の強弱やテクニックの不足が原因と考えられます。
4-3. 英語詞、サビの持続音、抑揚が求められる部分
「世界が終るまでは…」には何度か英語の歌詞が登場します。
この英語詞、実は侮れません。
カタカナ読みで乗り切ろうとすると、リズムや発音のタイミングがズレてしまい、評価がガタ落ちすることもあるんです。
特に精密採点Aiの「Ai感性ボーナス」は、滑らかさや発音のクリアさも評価される要素なので、ここは気をつけたいところですね。
そして、もうひとつのポイントがサビ部分の持続音(ロングトーン)です。
ここは曲の中でもっとも感情がこもる場面で、かつ評価されやすい部分。
しっかり伸ばして、かすれずに最後まで音を保てるかが、高得点のカギになります。
また、この曲は構成の約半分をサビが占めているため、同じようなフレーズが続くなかで抑揚をしっかりつけることがとっても大事です。
しゃくり・フォール・ヒーカップといったテクニックを意識的に使うと、ぐっとプロっぽい歌い方に近づきます。
とくにAメロ・Bメロではしゃくりを多めに取り入れるのがポイントです。
4-4. まとめ
「世界が終るまでは…」は、誰もが知る名曲でありながら、カラオケで歌う際にはテクニックが試される1曲でもあります。
音域自体はそれほど広くないのに、高得点を狙うには英語の発音・ロングトーンの安定・抑揚の工夫といったスキルが求められるんです。
ただ、その分歌いこなせると一気に「歌ウマ」認定されるチャンスでもあります。
もしこの曲を持ち歌にしたいなら、まずはサビのロングトーンと声の強弱の練習から始めてみるといいですよ。
子どもに語りかけるようなやさしい気持ちで、ていねいに、楽しみながら歌ってみてくださいね。
5. 精密採点Aiで高得点を狙うには?
5-1. 精密採点Aiとは?スコアの構成要素を整理
精密採点Aiは、LIVE DAM Aiシリーズに搭載されているカラオケの採点機能です。従来の採点とは違い、歌声の感情やテクニックまでもAIが分析してくれるのが特徴です。そのため「うまく歌えてるはずなのに点数が出ない」という悩みも、分析結果を見ることで原因が分かりやすくなります。
スコアは主に以下のような要素で構成されています。
- 音程:正確にメロディラインを追えているか
- リズム:テンポ通りに歌えているか
- 安定性:音のブレや声の震えがないか
- 表現力:しゃくりやフォールなどの技法、抑揚があるか
- ビブラート&ロングトーン:美しく伸ばすことができているか
- Ai感性ボーナス:AIが感動したかどうか!?
これらをすべて足し合わせたチャート点数(満点500点)が、最終的なスコア(100点満点)に換算されます。だからこそ、どこか1つを頑張るだけでは高得点には届かないんですね。
5-2. 実際のスコア例と分析(441点の内訳)
実際に「世界が終るまでは…」を精密採点Aiで歌ったときのスコア例を見てみましょう。チャートの合計点は441点で、これはだいたい95点相当です。以下がその内訳です。
- 音程:88点
- リズム:98点
- 安定性:88点
- 表現力:71点
- ビブラート&ロングトーン:96点
このデータから分かるのは、「音程」や「リズム」、「安定性」はまずまず高評価。でも、「表現力」がやや低めなのが総合点に響いているってことです。とくに「世界が終るまでは…」はテンポがゆっくりで、感情の乗せ方が点数に大きく関わってきます。
5-3. 各スコア項目(音程・リズム・安定性など)の対策
それぞれの採点項目をもっと詳しく見ていきましょう。
● 音程(88点)
この曲の音域はmid1E〜hiAとされており、男性の平均声域と比べてほんの少し高めです。でも、サビに極端な跳ね上がりがあるわけではないので、しっかりブレスを意識して歌えば音程正答率は上げやすいです。コツは「サビの高音部分で声が裏返らないよう、腹式呼吸で支える」こと。
● リズム(98点)
「世界が終るまでは…」は比較的ゆっくりしたテンポなので、リズムは取りやすいです。字余りや変拍子もなく、歌詞の収まりも素直。ただ、ゆっくりだからこそ遅れや走りに注意。しっかりリズムに乗って、音の区切りを意識して歌うことが大切です。
● 安定性(88点)
この楽曲にはロングトーンの多いフレーズがあるので、ブレスが命。途中で息が切れると、声がかすれたり音がぶれて減点されちゃいます。また、感情を込めようとして力み過ぎると声が安定しないので、リラックスして喉を開いて歌うことがコツですよ。
● 表現力(71点)
この項目が一番の課題です。しゃくりやこぶし、フォールなど、いわゆる「歌唱テクニック」があまり使われていないのが低評価の原因。特にAメロやBメロにしゃくりを20回以上意識して入れると、点数が大きく変わってきます。抑揚も意識して、サビに向けて声量を上げていくなど、波を作りましょう。
● ビブラート&ロングトーン(96点)
この曲はビブラートをかけやすい構成になっているので、1フレーズごとに丁寧にビブラートをかけていくと高得点につながります。特に最後の語尾をロングトーンで締めると、点数がガツンと伸びやすいです。ただし、やり過ぎると不自然になるので、「感情に乗って自然に」がポイントです。
5-4. 95点〜96点を狙うための必須条件とは?
「世界が終るまでは…」で96点を超えるには、合計449点以上が必要になります。先ほどの441点と比べると、わずか「8点」の壁。でもこの「8点」がなかなか大きいんです。
特に表現力(目標80点)と音程・安定性(各90点以上)をしっかり狙わないと届きません。そこで必要なのが、以下の対策です。
- しゃくりを20回以上(特にAメロ・Bメロ)
- ビブラートは最低5回以上入れる
- 声の強弱をしっかりつけて、抑揚を演出
- ブレスの位置を決めて、フレーズの最後まで安定させる
加えて、Ai感性ボーナスも狙っていきましょう。これは「歌声に感情がこもっていたかどうか」をAIが判断してくれる要素です。フォールやハンマリング、ヒーカップといった細かい技術も加えることで、ぐっとスコアが伸びますよ。
「もう一歩で96点なのに!」というあなたにこそ、これらのテクニックを試してほしいです。
6. Ai感性ボーナスの仕組みと攻略法
カラオケの採点で高得点を狙うとき、「Ai感性ボーナス」という言葉を聞いたことはありませんか?このボーナスは、ただ音程が合っているだけでは得られない、歌い方のニュアンスや感情表現を採点に反映する、とっても大切な指標なんです。とくにWANDSの「世界が終るまでは…」のように、感情をしっとり乗せて歌うロックバラードでは、このAi感性が大きな差を生みます。さあ、一緒に「Ai感性」を理解して、得点アップのコツを学んでいきましょう。
6-1. Ai感性とは何か?点数への影響
Ai感性とは、LIVE DAM Aiなどの最新機種で導入されている新しい採点項目です。これまでの「音程・リズム・ビブラート」などに加えて、人間らしい歌い方や感情の込め方が点数として加算されるようになったのがポイントです。
「世界が終るまでは…」のように、曲の構成がシンプルでサビの繰り返しが多い楽曲は、どうしても抑揚が付きにくい傾向があります。そのため、Ai感性の点数をしっかり稼ぐことが、95点以上を狙うカギになるんです。記事によると、実際にこの曲でのAi感性ボーナスは1.778点でした。これは全体のスコアにおいて決して小さくなく、「しゃくり」や「ハンマリング」「ヒーカップ」などを上手く使えなかったことが原因とされています。
6-2. ハンマリング・フォール・しゃくり・ヒーカップの使い方
Ai感性で高得点を取るには、技術的な歌唱テクニックを自然に織り交ぜることが大切です。まずは以下の4つのテクニックを見てみましょう。
- しゃくり:音を一瞬低くしてから目的の音に滑らかにつなげる技法。
- ハンマリング:音程が上がる瞬間にアクセントをつける表現。
- フォール:音を下げながらフレーズを締めくくる、感情表現にぴったりのテクニック。
- ヒーカップ:短く引っかかるような発声で、語尾に切なさを込めるのに効果的。
「世界が終るまでは…」のような感情重視の楽曲では、この4つを意識するだけで一気に得点が伸びます。例えば、サビの「悲しみを優しさに〜」のようなフレーズでは、「しゃくり」で入り、「フォール」で余韻を残すと、聴き手の心に響く表現になります。
実際の攻略ポイントとしては、音程が上がる部分ではハンマリングとしゃくりを、語尾にはフォール+ヒーカップを組み合わせるのが効果的です。やりすぎると逆に不自然なので、Aメロ・Bメロで10回以上、サビでは自然な流れで3〜5回入れることを意識してみましょう。
6-3. 曲に合った表現力の付け方:機械に伝わる歌い方
せっかく感情を込めて歌っても、機械に伝わらなかったら意味がないですよね?そこで大事なのが「機械にも伝わる抑揚と強弱」です。Ai感性は、マイクに入る声の強さ・揺れ・ビブラートなども細かく分析して点数化しています。
「世界が終るまでは…」は全体的にゆっくりとしたテンポなので、一音一音を丁寧に歌うことが何より大切。特にサビが曲の半分を占めているため、単調に聞こえやすいんですね。
その対策としては、「Aメロは静かに、Bメロで少し盛り上げ、サビで一気に声量を上げる」ようなメリハリのある構成を意識すると良いでしょう。また、フレーズの途中では意図的に「強く・弱く」といった変化をつけることで、Ai感性の得点も自然とアップします。しゃくりやフォールを加えつつ、長い音ではしっかりとしたロングトーンを入れるのもおすすめです。
6-4. まとめ
Ai感性ボーナスは、精密採点Aiの中でもとっても重要な得点源です。「世界が終るまでは…」のような感情を込めるバラードでは、テクニックを自然に取り入れた歌い方が求められます。しゃくりやヒーカップをちょっと意識するだけで、いつもの歌がまるで違って聞こえてくるかもしれません。
一度に全部を完璧にやろうとしなくても大丈夫。まずは1曲の中で5回「しゃくり」してみるところから始めてみてください。歌うたびに自分の表現力がアップして、点数もどんどん上がっていきますよ。
7. 表現力で魅せる!この曲で光るテクニックとは
WANDSの名曲「世界が終るまでは…」は、単に音程やリズムを正確に歌うだけでは物足りない楽曲です。この曲の真価は、廃退的で情感に満ちた歌詞の世界観を、どれだけ「音」で表現できるかにかかっています。実はこの楽曲、音域的にはmid1E〜hiAと、男性にとってはやや高めながらも平均声域に近く、歌いやすい部類。それでもカラオケの採点システム「精密採点Ai」では、表現力の項目が最も得点が伸びにくいと分析されています。ここでは、そんな難しさを乗り越え、聴く人の心に届く歌唱を実現するための3つのテクニックを紹介します。
7-1. サビでの抑揚・ロングトーンをどう活かすか
「世界が終るまでは…」は、サビの比率がとても高く、全体のおよそ半分を占めています。そのため、どうしても声の抑揚が平坦になりがちです。この部分を魅力的に聴かせるためには、声量のコントロールがカギ。例えば、1回目のサビはやや控えめに、2回目以降で力強さを加えると、聴き手にドラマを感じさせる構成になります。
さらに、サビには多くのロングトーンが登場します。ここではただ音を伸ばすだけでなく、安定したビブラートを意識すると高得点にもつながります。特に「夢を忘れた古い記憶」の「おぼえ〜ている〜かい〜」の部分では、語尾に自然なビブラートをかけることで、感情の余韻が一気に増します。それに加え、一部の語尾をフォール(音を下げて終わる)で処理すると、ロックバラードらしい雰囲気がより一層引き立ちます。
7-2. 歌詞の「廃退的世界観」を音で伝えるコツ
この曲の最大の魅力とも言えるのが、「廃退的で切ない世界観」です。例えば、「風が運ぶあのメロディー」や「傷ついて壊れそうな夢」のようなフレーズには、儚さや寂しさを感じさせるような音の演出が求められます。ここでは、声の張り方を意図的に抜いて、息を多く含んだウィスパーボイスで表現すると効果的です。
また、AメロやBメロでは、過剰な装飾を避けて、音と言葉を丁寧に届ける姿勢が重要です。こうした部分にあえて「間(ま)」を作ることで、静寂が語る感情をリスナーに伝えることができます。声を張るだけでなく、引く勇気もまた、この曲を歌いこなすテクニックの1つなのです。
7-3. しゃくり・こぶしの自然な使い方と注意点
しゃくりやこぶしといったテクニックは、使いすぎると不自然になりがちですが、「世界が終るまでは…」のようなメロディーには適度に取り入れることで、楽曲に厚みを持たせることができます。特に、音程が徐々に上がるフレーズでは、しゃくりを使って滑らかに音をつなげると、感情の高まりが自然に伝わります。
ただし、ビブラートやロングトーンに重ねてのしゃくりは避けるのがベターです。また、こぶしを入れる場合は、「夢を〜〜〜〜忘れた…」などの語尾の部分に、ほんのりアクセントとして入れる程度が最適です。やりすぎると、精密採点Aiではかえって減点になることもあるので注意が必要です。
実際に高得点を出している歌唱データでは、しゃくりは20回程度、こぶしは5回未満とかなり控えめに使用されていることが分かっています。歌唱の個性を出しつつも、過度な装飾を避けるバランス感覚が、この楽曲を歌いこなすポイントなのです。
8. 「第5期ver.」との比較:どちらが歌いやすい?
8-1. ボーカル:上杉昇と上原大史の歌唱アプローチ
「世界が終るまでは…」は、1994年にWANDS第1期の上杉昇さんがボーカルを務めた名曲です。そのボーカルスタイルは、儚く切なさを感じさせるトーンが特徴で、感情を内に秘めたような歌い方がとても印象的です。強く張るというよりも、力を抜いた声で中低音を響かせ、廃退的な世界観を丁寧に表現しているんですね。
一方で、2022年にリリースされた「第5期ver.」では、新ボーカルの上原大史さんが歌唱を担当しています。彼の歌声はパワフルで芯があり、高音域に向かうほどに力強さを増すのが特徴です。特にサビでは、原曲のイメージを壊さずに再現しながらも、現代的で洗練された技術を活かして、よりドラマティックな展開を感じさせます。
つまり、上杉さんは感情の静けさを伝えるタイプ、上原さんは情熱を前面に押し出すタイプと言えるでしょう。聴く側にとっては、どちらのアプローチにも魅力があり、歌う人にとっては、自分の声質や表現力の方向性で「歌いやすさ」が変わってくるはずです。
8-2. 編曲の違いが音域・難易度に与える影響
原曲は織田哲郎さんの作曲によるもので、音域はmid1E〜hiAと、男性の平均声域と比較して少し高めですが、それでも親しみやすい範囲に収まっています。テンポもゆったりしていて、音程の跳躍が少ないため、比較的安定して歌える構成です。また、特徴的な節回しもなく、初めて挑戦する方にも合いやすいと評価されています。
一方で「第5期ver.」は、柴崎浩さんによる新たな編曲が施されており、より現代的なサウンドにブラッシュアップされています。このアレンジによって、リズムのノリがやや重厚になり、サビの高音もより力強く聞こえるため、声量とスタミナが求められる難しさが出てきています。
そのため、原曲はテンポの取りやすさから「淡々と歌う」ことで安定感が出ますが、第5期ver.では「盛り上がりの演出」が求められる分、表現力の難易度が上がっている印象です。どちらも音域自体は同じですが、編曲による体感的な歌いやすさには違いがあると言えるでしょう。
8-3. 第5期ver.は初心者向き?熟練者向き?
「世界が終るまでは…」の原曲は、音域の広さこそ控えめながら、声のトーンをコントロールする練習にぴったりの楽曲です。サビも含め、感情を込めて歌いすぎると音程がブレやすくなるため、丁寧に音を拾っていく冷静さが大切になります。そのため、歌の基本を学ぶ上では原曲の方が適しているとも言えます。
一方、「第5期ver.」は、より重厚でスケール感のある編曲となっており、表現力や声量、スタミナが求められる構成になっています。これは、ライブパフォーマンスに強い方や、音圧を使った歌い方に慣れている熟練者にとってはとても魅力的なアレンジです。特に高音域での張り上げや抑揚のつけ方に自信がある方は、第5期ver.の方が「歌っていて楽しい」と感じるかもしれません。
つまり、原曲は初心者にも優しい設計でありながら、第5期ver.は熟練者の技術が試されるステージ向きの楽曲といった住み分けができます。どちらを選ぶかは、自分のスキルや目的に合わせて選んでみるのが良いでしょう。
9. 自分に合ったキー設定と練習のコツ
WANDSの「世界が終るまでは…」は、音域がmid1E(E3)からhiA(A4)と、男性の平均声域よりやや高めな設定です。
一見難しそうに見えるかもしれませんが、実はこの楽曲はゆったりしたテンポとシンプルな構成のおかげで、比較的キー調整がしやすいのが特徴です。
ここでは、自分に合ったキーの見つけ方と、無理なく歌いこなすための練習方法についてお話しします。
9-1. 原キーで歌える?キー下げの判断基準
「世界が終るまでは…」の原キーはmid1E~hiA。これは男性の標準声域(mid1C~hiA)と比較すると、ちょうど上限付近にあたります。
したがって、高音が少し苦しいと感じる方は、半音~2音程度のキー下げを検討しましょう。
特にサビ部分の「世界が終るまでは~♪」という箇所で声が裏返る場合は、それがキーを見直すサインです。
逆に、AメロやBメロは低めの音が中心のため、下げすぎると声が出にくくなることも。
無理に原キーにこだわらず、「サビが気持ちよく出せるか?」を基準にキーを決めるとよいでしょう。
また、LIVE DAM Aiなどのカラオケ機器には「音域診断」機能もあるので、歌唱前に活用するのもおすすめです。
あなたのベストキーを見つける第一歩になります。
9-2. 声帯負担を減らすウォームアップとブレス
原キーで挑戦したい方、あるいはキーを少し下げて歌いたい方も、声帯への負担を減らす準備はとっても大切。
まず取り入れたいのが「リップロール」や「ハミング」といった軽いウォームアップです。
喉を締めずに息を通すことで、自然な発声ができるようになります。
さらに、この曲は5分を超える長さがあり、サビが全体の約半分を占める構成。
ブレス(息継ぎ)のタイミングを事前に決めておくことで、音程と安定性が格段に上がります。
特に長いフレーズの終わりで慌てて息を吸うと、声がぶれてしまう原因になります。
余裕のあるAメロやBメロの間でこまめにブレスを入れ、サビでは一気に力を出すようにすると、力強く歌い切れますよ。
9-3. 表現を落とさずに“楽に歌う”ための練習法
「世界が終るまでは…」を表現力豊かに、しかも無理なく歌いこなすには、しゃくり・フォール・ビブラートの使い分けがカギです。
精密採点Aiの分析でも、表現力は点数が伸び悩むポイントとされています。
たとえば、AメロやBメロでは「しゃくり(音をすべらせるテクニック)」を意識して20回以上使うと、グッと雰囲気が増します。
サビではロングトーンやビブラートを入れると、聴く人に「気持ちがこもってるな」と伝わります。
ただし、ここで大切なのは声を張り上げないこと。
この曲は「廃退的な雰囲気」が魅力です。
なので、叫ぶように歌うよりも、力を抜いて淡々と語るような表現のほうがしっくりきます。
肩の力を抜いて、息を流すように歌う練習をしてみましょう。
最後に、おすすめの練習法としては「録音して自分の声をチェックする」こと。
自分では気づかなかった部分のクセや表現のズレが見えてくるので、短期間で上達しやすくなります。
9-4. まとめ
「世界が終るまでは…」は、原キーだとやや高めな印象がありますが、構成やテンポの面では非常に歌いやすい楽曲です。
無理をせず、自分に合ったキーで歌うこと、そして喉を守りながら丁寧に練習することが大切です。
さらに、表現力を高めるためのちょっとしたテクニック――しゃくりやフォール、ビブラートを意識することで、あなたの歌声はより魅力的になります。
カラオケでの高得点はもちろん、聴く人の心に残る歌に変わるでしょう。
10. まとめ:『世界が終るまでは…』は、丁寧さが命の名曲
10-1. 音域は広くないのに難しい理由
「世界が終るまでは…」の音域はmid1E〜hiAと、男性の平均的な声域に非常に近いです。
そのため、「高音が出ないから歌えない」といった心配はほとんどありません。
むしろ問題は、その逆。音域が広くないからこそ、細かな表現力が求められるのです。
この曲はテンポがゆったりしていて、歌い手の感情や間の取り方がはっきりと表れてしまいます。
しかも、メロディのリズムがシンプルなので、テクニックがごまかせません。
しゃくりやフォール、ビブラートといった技術を、さりげなく丁寧に入れる必要があるのです。
さらに、歌詞の内容がとても廃退的で、感情の乗せ方にも工夫が求められます。
表面的にただ音程をなぞるだけでは、聴き手にはまったく響きません。
この曲は、「簡単そうに聴こえるけど、歌ってみると難しい」典型例と言えるでしょう。
10-2. 自分の声で歌うことで、もっと伝わる曲になる
この曲を上手に歌うコツは、「真似をしすぎないこと」。
原曲ボーカルである上杉昇さんや、再録版の上原大史さんの歌唱は素晴らしいですが、あの声質を完全に再現するのは至難の業です。
それよりも、自分の声に合ったキーで歌ったり、自分なりの感情表現を大切にした方が、結果的に聴く人の心に響きます。
たとえば、Aメロでは少し寂しさをにじませたり、サビでは力強さと切なさを両立させたり。
そして何より大切なのが、「一語一語をていねいに」歌うこと。
この曲は音数が多すぎず、ひらがな文字数も389字と適量。
その分、1つ1つの言葉に意味を込めて歌う余白があります。
「世界が終るまでは…」というタイトルそのものが、聴き手に問いかけてくるような深みを持っていますよね。
10-3. この曲を「持ち歌」にする価値とは?
もしカラオケでこの曲を歌いこなせたら、それはあなたの表現力の高さの証明になります。
特別な高音や難解な節回しがあるわけではないからこそ、「自分らしく」「ていねいに」歌えた人の勝ちなんです。
しかも、この曲は世代を超えて愛される名曲。
1994年にアニメ『スラムダンク』のエンディングテーマとして人気を博し、ミリオンセラーを達成した実績があります。
さらに、2022年には第5期WANDSによって新たにリリースされ、今の若い世代にもリーチしているのです。
だからこそ、歌うたびに「懐かしい!」「やっぱり名曲だよね」と共感の輪が広がりやすい。
誰かと一緒に歌っても、一人でじっくり歌っても、心を揺さぶる名バラード。
「自分の持ち歌」として、ずっと大切にしていく価値がある1曲です。
カラオケ採点で高得点を狙うなら、安定性・音程・表現力の向上を目指すのはもちろんですが、最終的には心を込めて歌うことが一番大切です。
技術だけじゃ届かない、感情の深さが問われる。
それが、「世界が終るまでは…」という曲の、最大の魅力かもしれません。